ゲーム

2017年01月15日 22:29

「01/16追記:試行錯誤の結果、ハードモードで裏ボス撃破に成功。全ての敵をハードモードで撃破しゲームコンプリートできました!(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1920237.html)」

先日窓の社でレビュー紹介されていたのを見てプレイさせて頂いたフリーゲームの戦術パズルRPG「アノ・リュンヌ・ソレイユ」、ハードモードでストーリークリア。本作はレベルの概念のないゲームで、使用できるアイテムや装備の入手最大量が各フロア事に決まっており、パズル的に装備・パッシブスキル・アクティブスキルを組み合わせてダンジョンを突破していく戦術パズルRPGです。

公式ブログ「あながあったら入りたい」「アノ・リュンヌ・ソレイユが窓の社様で紹介されたよー!!」
http://d.hatena.ne.jp/horis4649/20170114/1484408240

ふりーむ「アノ・リュンヌ・ソレイユ」
hhttp://www.freem.ne.jp/win/game/13067

本作はレベルの概念がない上に各フロア毎に取得できるアイテム・装備・スキルが限られているため(装備及びスキルは購入額と販売額が同じであり、そのフロアの敵と戦うのに最適な装備・スキルを売買して入手し各フロアで常に限定的に入手できる回復アイテムと組み合わせて戦う)、低レベル縛りでFF5とか低レベル縛りで世界樹の迷宮的なプレイスタイルでダンジョンを踏破していくのですが、システムが練られていて(試行錯誤が必要な作品だが、その試行錯誤がとてもやり易くシステム面が練られている)凄く面白い。

本作のストーリーと関わるのですが、本作ヒロインはタイムリープ能力の持ち主で、敵との戦闘中にいつでも敵と戦う前(敵シンボルに接触する前)に戻れるのですね。基本的に敵と戦って敵の癖を見抜いたらタイプリープして敵との接触前に戻り、敵と戦うよう装備・スキルをそろえてから再挑戦という形です。フロアに置いてある回復アイテムは階層を移動すると全て「手持ちの回復アイテムは消滅」「フロアにおいてある回復アイテムは復活」「敵は全て復活」するようになっており、パズル的な戦闘に失敗した場合の各フロアのやりなおしが容易です。

また、敵を倒すごとに、そのフロア内のみにおいて能力が最大五段階まで強化されるので、フロアボスと能力を上げてから戦うか否か(=雑魚との戦闘で傷を負っている為、能力強化のメリットより傷を負うことによるデメリットの方が大きいかもしれない)などの戦略性があるのも面白いところ。最後までプレイした感想としては手傷を負うデメリットを鑑みても、基本的には雑魚を倒してテンションを上げてフロアボスと戦った方が有利だと感じましたね。

世界樹の迷宮シリーズとかの手強いRPGが好きなお方々ならきっと楽しめる作品と思います。レベルを上げてごり押しの出来ない作品なので、色々試行錯誤して戦術的に強敵を倒していくのが好きなお方々向けですね。

あと、詰みの救済措置として、ノーマルモードだと、敵と戦って負けて「リベンジ」で戦闘を再戦すると敵が弱体化します。ノーマルモードならリベンジを使うことでごり押しして物語を進めてゆくことも可能です。

全部ハードモード(敵弱体化なし)でクリアできるかなあと思っていたんですが…裏ボス強すぎ…。なんですかこの永遠のアセリアの倉橋時深みたいな時間操作能力は…。つよすぎ…。裏ボスは行動パターンが固定ぽいので、裏ボス用の完璧な装備・スキル・回復アイテムを組み合わせた上で、全ての行動に合わせて各ターンの最適解(ボスの時空操作ターンにアノが後だしでスワップスキル使う等)していけば勝てそうなんですが…半端なく強くて装備とスキル組み合わせを試している途中で心が折れて無理でした…。「アノ・リュンヌ・ソレイユ 裏ボス 攻略」「アノ・リュンヌ・ソレイユ 動画」などで検索してみましたが、裏ボスをハードモードでだれも攻略してない…。ううむ…。ぜひ動画勢にはハードモード裏ボス撃破に挑戦してほしいところですね。作者さんはハードモードで裏ボス撃破クリアしていると思われるので、もしよろしければ攻略ヒントほしいかも…。

ストーリーも、タイプリープをメインに据えたシステム面と上手く整合している面白いストーリーで良かったですね。作者さんが後書きでバタフライ効果について触れられていますが、「バタフライ・エフェクト」+「All You Need Is Kill」+「魔法少女まどかマギカ」という感じのSFファンタジーなタイムリープストーリー、とても面白く楽しめました。ノーマルモードでやればストーリーを楽々楽しむことができますし、ハードモードなら手ごたえのある戦術パズルRPGが楽しめます。一粒で二度美味しい傑作RPGです、お勧めですね。

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2017年01月14日 00:51

Nintendo Switchの発売日は2017年3月3日,価格は2万9980円(税別)。「Splatoon2」「スーパーマリオ オデッセイ」も発表。「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」Twitter実況まとめ
http://www.4gamer.net/games/990/G999026/20170112130/
ここでまた新たな映像。真・女神転生シリーズ最新作がNintendo Switchで登場する模様。

真・女神転生5がニンテンドースイッチで出るんですね。アトラスのゲームの世界観は、基本的に真・女神転生1が共通ベースになっていて、

真・女神転生1で悪魔が出現して世界が滅茶苦茶になり最終的にICBMが発射されて最終核戦争で文明がリセットされた世界
→真・女神転生シリーズの基本的なナンバリング作品(1、2、4、4F)。真・女神転生3だけ扱いが少し違い番外編的。

真・女神転生1で悪魔は出現したがICBMの発射は回避され世界が秩序を保ちながら文明を維持し続けている世界
→真・女神転生ifやデビルサマナーやライドウやストレンジ・ジャーニーなどのメガテンスピンオフ、ペルソナシリーズ及びペルソナ系スピンオフ(デビルサバイバーシリーズや幻影異聞録等)の世界観。この世界観でも文明世界が滅びたりしているが(ペルソナ2、デビルサバイバーシリーズ)それはICBMによる最終核戦争によるものではない。

個人的には文明リセット後の話は飽きてきた感じなので(3も文明は滅んでいましたし、4・4Fも文明崩壊後の話。4Fは凄く面白くて全ED&クリア後ダンジョンやりこみましたけどもうお腹一杯です)、ペルソナシリーズみたいな文明がリセットされてない世界観で真・女神転生の新作のナンバリングがプレイしたいです、アトラスさん!!

あと、真・女神転生ナンバリングの場合は、常にラスボス及び実質ラスボスとして扱われている存在(作中で戦うことが無くても、最終的なラスボスとしてストーリーで示唆されている存在)が唯一神なので、唯一神の上の存在出してきた方が良いんじゃないかなあ…。4及び4Fやストレンジ・ジャーニーの設定で唯一神自体を生み出している宇宙意志があって、その宇宙意志を生み出している源は宇宙の観察者である人類の意志って設定になっているので(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1894204.html)、その人類の意志をなんとかしないと…って方向性がペルソナなんですね。ペルソナシリーズは人類の意志=大きな夢の世界=集団的無意識に関わる話なので。

アトラスのゲームは物語の流れが真・女神転生1に集約されてから分散されており、その分散の二大潮流である真・女神転生ナンバリングとペルソナナンバリングは「悪魔や神を生み出している人類の意志を何とかする」という方向で統合できるので、真・女神転生5でこの辺の統合を仕掛けてくれたら面白いなと思いますね。

ちなみに、世界樹の迷宮シリーズは、悪魔や神(人類の意志が生み出した超常的存在)によって文明社会は滅ばなかったけれど(メガテンやペルソナの主人公達が超頑張って文明崩壊を防いだルートだと思われる)、外宇宙から飛来した外なる神々(クトゥルフ神話の面々)によって人類文明は崩壊して(ザ・ヒーロー達もクトゥルー達には勝てなかったのか…クトゥルー、メガテン2とかだと仲魔に出来るけど…)、そして果てしない年月が流れた後の地球の遠未来の物語なので、一応メガテンやペルソナに連なる世界観として位置づけることができますね。ラストバイブルシリーズやノーラと刻の工房といった作品群も地球の遠未来の話として統合できそうです。

アトラスゲーを全て混ぜる…そして新しいアトラスゲーを!!

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2017年01月06日 04:52

殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow

殊能将之さんがオフィシャルサイトで書かれていた文章を纏めた随筆集「殊能将之 読書日記 2000-2009」読了。澁澤龍彦さんを彷彿とさせるような深く広い衒学趣味に満ちたエッセイの数々が堪能できる良書でした。二階堂奥歯さんの日記と同じく衒学趣味的ブックガイドとしても素晴らしい。既にネット上ではサイトが完全消滅しているため、このように紙の本として出してくれたことは本当にありがたいですね…。

伊藤計劃さんがオフィシャルサイトで行っていた映画評もサイトの消失によりネット上では全部読めなくなっておりますが、早川文庫にて全て出版されておりまして、こちらの全映画評も以前読みましたがとても面白かったです。

殊能将之さんや伊藤計劃さんや二階堂奥歯さんなど今は亡き文筆家のネット上で発表された優れた文章が、ネット上のデータが消失することで永遠に失われることを思うと(二階堂奥歯さんのネット日記「八本脚の蝶」は今もネット上で読むことが可能ですが、私は本で買いました)、紙の本に対する信頼というものを深くしみじみ感じますね…。

八本脚の蝶
http://oquba.world.coocan.jp/

紙の本は、デジタルデータと違い物質的存在なので、ネット上のデジタルデータのように突然消滅して二度と手が届かなくなるということは基本的にないという信頼感がある。勿論、本自体を破損や紛失することはありますが、その場合はもう一度購入したり図書館で借りたりという営みでリカバーできる。出版社は、ネット上の優れた文章が、作家の不慮の死去などで失われた場合などには、なるべくリカバーして、紙の本として出版してほしいなと思います…。

殊能将之さんの作品は、「黒い仏」が代表するように、ミステリーの生真面目な「ルール」を、より上位から覗き込むことで可笑しみとして味わうというところがあって、その上位者がニャルラトホテプだったりするので、前回のエントリ(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1919302.html)でご紹介した「呪われた人魚姫」などのクトゥルフ物に通じるところがありますね。その辺のエスプリが随筆(読書日記)でもたっぷりと味わえて、読んでいて実に楽しい本でした。殊能将之さんの随筆って、本当に澁澤龍彦さんの気ままに書いているときの衒学趣味全開の随筆に似てて、読んでいてほっとしますね。澁澤龍彦さん的随筆は、自分にとってはほっとするような馴染み深いものなんだなと気づかされました…。

殊能将之さん的な可笑しみを追求したメタ・ミステリとしては、有名な古典の作品名が付けられた各章がそれぞれ古典からサブカルチャーまであらゆる作品の無数の引用で散りばめられていながら、実はその引用の大半は虚構という「騙してくれたなあ!よくも騙してくれた!!」なメタ・パロディ衒学趣味・ミステリ「転落少女と36の必読書」が凄く面白かったですね。こんな感じです…。

『幸福なんて日向ぼっこをしている猟犬みたいなものだ。我々がこの世に生まれるのは、幸せになるためでなく、信じがたいことを体験するためだ』それは偶然にもパパのお気に入りの言葉の一つだった。コールリッジの言葉だけど、パパが聞いたら引用を台無しにしているとハンナに指摘しただろう。(中略)

パパが示した反応は、古代ローマ皇帝クラウディウスが西暦五四年に不穏な噂を耳にした時と同じだった。その噂というのは、愛する妻のアグリッピナが夫を毒殺しようと企て、夫の寵愛している宦官に毒入りのキノコ料理を運ばせようとしている、というものだった。でも、なぜか喰らうディウスは身に迫った破滅の兆しを無視した。「皇帝伝」(スエトニウス著 一二一)。パパも同じことをしたのだ。(中略)

スウィジンはその最後の作品、死後に出版された「いずこへ 一九一七」(一九一八)で述べている。「その結論とは、一般に『故郷』という名で知られる執拗で感傷的な熱病を完全に克服するのは不可能らしい、ということだ」
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」)

この本はとにかくもう、引用文のパッチワークで出来ていて、ページのうち80〜90%ぐらいが引用文でひたすら引用のパッチワークが続いたりするんですね。で、読んでいるとどう考えてもおかしい。あまりにも物語に都合の良い引用文のパッチワークの羅列で物語が展開していく…これはもしや、引用文は全部物語に都合よく書かれたフェイク(偽物)!

もう読んでいて「騙してくれたなあ!よくも騙してくれた!!」って感じですよ。書名や人名は大物(本物の書名や人名)が多いですが、その引用は全部偽物なんですね。ソーカルの偽論文「境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」そしてソーカルの名著「知の欺瞞」をより大掛かりにして細分化したようなメタ衒学趣味小説なんです。

ウィキペディア「ソーカル事件」
ソーカル事件とは、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカル(Alan Sokal、1955年-)が起こした事件。数学・科学用語を権威付けとしてでたらめに使用した人文評論家を批判するために、同じように、科学用語と数式をちりばめた無意味な内容の疑似哲学論文を作成し、これを著名な評論誌に送ったところ、雑誌の編集者のチェックを経て掲載されたできごとを指す。掲載と同時にでたらめな疑似論文であったことを発表し、フランス現代思想系の人文批評への批判の一翼となった。

1994年、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカルは、当時最も人気のあったカルチュラル・スタディーズ系の評論雑誌の一つ『ソーシャル・テキスト』(Social Text)に、『境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて』(Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity)と題した疑似論文を投稿した。

この疑似論文は、ポストモダンの哲学者や社会学者達の言葉を引用してその内容を賞賛しつつ、それらと数学や理論物理学を関係付けたものを装っていたが、実際は意図的にでたらめを並べただけの意味の無いものであった。ソーカルの投稿の意図は、この疑似論文がポストモダン派の研究者によってでたらめであることを見抜かれるかどうかを試すことにあった。

疑似論文は1995年に受諾され、1996年5月発行のにソーシャル・テキスト春夏号にそのまま、しかもポストモダン哲学批判への反論という形で掲載された。当時同誌は査読制度を採っておらずこうした失態を招き、編集者は後にこの件によりイグノーベル賞を受賞している。また後に査読制度を取り入れた。

「疑似論文」に用いた数学らしき記号の羅列は、数学者でなくとも自然科学の高等教育を受けた者ならいいかげんであることがすぐに見抜けるお粗末なものだったが、それらは著名な思想家たちが著作として発表しているものをそっくりそのまま引用したものだった。この「疑似論文」は放射性物質のラドンと数学者のヨハン・ラドン(Johann Radon)を混用するなど、少し調べると嘘であることがすぐ分かるフィクションで構成されている。(中略)

ソーカルの悪戯は、『一般向けのジャーナリズムと専門家向けの出版界に嵐のような反応を引き起こし』、 ニューヨークタイムズの一面に載ったほか、ヘラルド、ル・モンドなどの有力紙で報じられた。

その後、1997年、ソーカルは数理物理学者ジャン・ブリクモンとともに『「知」の欺瞞』(Impostures Intellectuelles、「知的詐欺」) を著し、ポストモダニストを中心に、哲学者、社会学者、フェミニズム信奉者(新しい用法でのフェミニスト)らの自然科学用語のいいかげんな使い方に対して批判を行った。

この本でソーカル達はジャック・ラカン、ジュリア・クリステヴァ、リュス・イリガライ、ブルーノ・ラトゥール、ジャン・ボードリヤール、ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ、ポール・ヴィリリオといった著名人を批判した。

彼らの多くはフランスのポスト・モダニストであるが、これはポスト・モダニストのみが科学知識を乱用していることを意味しない。ソーカルによれば、ソーカルにできるのはポスト・モダニストの批判だけだったので彼らを批判したのである。他の分野も同様に批判して欲しいという依頼を、その分野の周辺や若手の評論家達から受けることがあるが、『これは我々(=ソーカルとブリクモン)の手には余る』行為であった。

ソーカルのこのような一連の行動に対し、文芸批評家・法学者のスタンレー・フィッシュは学術論文のでっちあげには破壊的な影響があるなどと反発した。 しかし、ソーカルの真意は思想家が数学や物理学の用語をその意味を理解しないまま遊戯に興じるように使用していることへの批判だった、と後にコメントしている。

学術論文とは違い、明らかに「エンターテイメントなパロディ」として衒学趣味を洒落のめしている本書は読んでいると、偽と分かっていても、偽の引用文の数々が凄く面白くて、全て偽物だって分かっているのについつい引用の数々を夢中で読んでしまう。本書は権威主義や文芸教養や衒学趣味を思い切り風刺しているメタ・ミステリなんですが、それだけでなく、偽物の衒学趣味を語りつくすことで衒学趣味の面白さというものもまた最高度に見事に語りつくしている『衒学大辞典(偽)』みたいな怪しげなメタ・ミステリなんですね。日本で言うと筒井康隆の「乱調文学大辞典」「欠陥大百科」とか清水義範の「世界文学全集」に近い感じですね。ヤマザキマリさんの「プリニウス」とかも彷彿とさせますね。

ヤマザキマリ
「もちろんプリニウスは『偉大な博物学者』ですが、それだけでなくて『偉大なほら吹き』でもある。総じてかなりお茶目な人物だったはずです」

とり・みき
「その好奇心のあり方が、なんだか男の子っぽい。嘘だと分かりつつシャレで喋っていることも多分あるよね(笑)」
(ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス1」)

ちなみにこの本はアメリカで大ベストセラーになりました。アメリカ人の読書層って凄いなと思いましたね。この本は、私のような衒学趣味者でパロディ大好きなパロディスト向けに完全特化している高度に捻くれたメタパロディ小説なので(相当に広範な衒学趣味がないと無数のパロディのネタが分からない)、これの面白さが分かる人が大勢いるというのは、アメリカの読書層っていうのは相当に捻くれた高度なメタパロディ衒学趣味小説の面白さが分かる人がベストセラーになるぐらい大勢いるってことで、凄く驚きました。2006年のニューヨークタイムズ選出のベスト5小説にも選ばれてもいるんですね。こういう現代文学の洒落の果ての極致みたいな小説がベストセラーとか、アメリカの読書層の計り知れない深さと広がりを感じましたね…。

まさしく「パロディ」は、その分野のなかでの作者と読者の知恵くらべという様相を帯びるし、「教養を持たざるものを排除する性格を持つ」「いささか偏屈な知性に由来するもの」(呉智英「現代マンガの全体像」)であることが実感できよう。そして、このような遊戯が可能となるためには、作品をある程度突き放して見ること、単なる知識、情報として見る冷静さが要求される。信仰の篤いキリスト教徒には「聖書」のパロディはできないだろう。
(浅羽通明「天使の王国」)

作者のマリーシャ・ペスルは一九七七年、アメリカのミシガン州生まれ。三歳のときに両親が離婚し、妹と共に母親のもとで育った。母親は大変な読書家で、娘たちが子供の頃から西洋の古典を読み聞かせていたという。ペスル自身、インタビューで「ゴシック小説やヴィクトリア朝時代の小説をたくさん読んで育った。最も影響を受けたのはナボコフで、『ロリータ』は何度も読み返し、読むたびに新たな発見をした」と語っている。
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」訳者あとがき)

この本の作者のマリーシャ・ペスル(女性作家です)はこの本が処女作なのですが、日本だと有名な無数の古典の名前で権威付けしながら、それら古典等からの引用の全てが完全な偽物引用のパッチワーク小説とか、筒井康隆クラスの大物じゃないと出版すらできなさそうです…。本書は残念ながら日本では売れませんでしたが、非常に面白いメタ小説です。最高にお勧めですね。このブログを読んで下さっている皆様でしたら、きっと楽しめる小説と思います。

さて、電話で、パパは自分の質問に自分で答えた。小さいけど耳障りな声が受話器越しに伝わってきた。

「我々には、物事の真の本質がまったくみえていないからだ」
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」)

転落少女と36の必読書(上)転落少女と36の必読書(上)
著者:マリーシャ・ペスル
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転落少女と36の必読書(下)転落少女と36の必読書(下)
著者:マリーシャ・ペスル
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殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow
著者:殊能 将之
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殊能将之 未発表短篇集殊能将之 未発表短篇集
著者:殊能 将之
講談社(2016-02-11)
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「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)
ハサミ男 (講談社文庫)
黒い仏 (講談社文庫)
八本脚の蝶
Running Pictures―伊藤計劃映画時評集〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
Cinematrix: 伊藤計劃映画時評集2 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤計劃トリビュート2 (ハヤカワ文庫JA)
乱調文学大辞典 (角川文庫)
筒井康隆コレクションIII欠陥大百科
普及版 世界文学全集〈第1期〉 (集英社文庫)
普及版 世界文学全集〈第2期〉 (集英社文庫)
天使の王国―平成の精神史的起源 (幻冬舎文庫)
プリニウス(5): バンチコミックス45プレミアム

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2017年01月05日 02:58

超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)

今回は前回の「呪われた人魚姫」エントリ(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1919217.html)の続きです。本作「呪われた人魚姫」の非常に優れた点として、時間の概念がきちんとクトゥルフ神話的であることがあげられます。クトゥルフ神話の特徴は、茫漠と続く果てしない時間と空間において、人間一人の一生は儚く、同じように人類種ホモ・サピエンスの歴史もまた一瞬であり儚いということが挙げられるんですね。

呪われた人魚姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/13438

荒俣宏
「ラヴクラフトの書いているいろんな小説のパターンというのは、だいたい宇宙からいろんな生物が、まあその生物を彼は「旧人類」(旧支配者)と呼ぶわけですけれども、それが地球に入植してきて、なんらかの関係で――主として地球の地殻変動ですが、その辺は生物学的というか進化論的だと思うんですけど、とにかくそれによってうまく入植できてしまうけれど、地殻変動によって死滅していくという展開になります。(中略) 次々に(地球において覇権を握る種の)世代が交代していくというパターンで、その路線が人間まで(人間が滅んだ後の次々の種まで)つながっている」
(ユリイカ「ラヴクラフト」より「荒俣宏・笠井潔対談」)

この辺をきっちり描いている現代クトゥルフ神話作品というのは実は結構少ないんですね。本作はその点をきちんと描けている作品であることは特筆すべきことでしょう。本作においては、生命活動を外部から破壊されない限り不死であるディープ・ワン(深きもの)と、寿命により死を免れぬ人間(人類種)の決定的な差異を「時間感覚」として捉えている。これはラヴクラフトの原典に非常に近い発想で見事としか言いようがありません。

本作において、ディープ・ワンがやろうと思えば人類を壊滅させたりできるのにも関わらずあまり動かないこと、本作の中で、ディープ・ワンと人間の混血(ダゴン秘密教団)と、人間達が戦い後者が勝って前者を殲滅したのに、なぜディープ・ワンは人間に復讐したりしないのかについて、不死であるディープ・ワンと、死の定めに支配され、いずれは滅びるであろう人類種では、時間感覚が全く違うことを挙げている。

数千万、数億の年月を生き続ける不死の存在にとってみれば、人類種は地上にいつのまにか蔓延っているが、数千か数万の年月が経てばまた地上から全て消え去っているであろう塵芥に過ぎないことが明かされている。ゆえに、人類種とは時間感覚が全く異なる彼らにとっては、人類が今滅びようが数千年後に滅びようが数万年後に滅びようがたいして違いがないゆえに、人類はクトゥルフの眷属達から放置されているのだと語っていて、まさにこれはクトゥルフ神話の醍醐味だと感じましたね。

クトゥルフ神話の根源はまさにこれで、人間の生が数十年であり儚いように、人類種の種としての寿命も儚いもの(長く見積もっても数百万年。実際にはもっと短いでしょう。人間は技術によって自分の種を自分から急速に滅亡させられる自滅ができるので、今後もし不測の事態が起これば数百年、数千年すら危うい)であり、不死にして超越的な高次元存在(クトゥルーやアザトースやニャルラトホテプのような存在)や人間と物理的に同次元にいるが不死であったり時間を超越したりしている存在(ディープ・ワンやイースの大いなる種族)からしてみれば、いつのまにか地上に蔓延りいつのまにか消えている無数の種族の一つに過ぎないのですね…。

この惑星(地球)が経てきたほとんど知られていない茫洋たる歴史において、人類が、高度に進化した支配種族の一つ――おそらくは最小の種族――にしか過ぎないということなのだ。
(H・P・ラヴクラフト「時間からの影」「ラヴクラフト全集3」より)

ラヴクラフトの原典の中で既に人類種はたいして長続きしない地球の無数の覇権種族のうちの最小(この最小はおそらく種の寿命のことと思われる)の種族の一つに過ぎないって語られているんですね。この圧倒的な無常観を考えると、クトゥルフ神話で人類種が英雄的に振る舞うヒロイック・ファンタジーな展開をやっている作品は「虚しい…」って気持ちにどうしてもならざるを得ないですし、逆に本作のようにこの無常観を物語から醸しだしている作品は、クトゥルフ神話の真髄、メメント・モリを感じて良い作品であると感じますね…。

ちなみにこの「人類種を含む地球の無数の種の絶滅による種族交代の果てしない繰り返し」はラヴクラフトがクトゥルフ神話の基底として埋め込んだものなので、ここから脱するというのは凄く難しいんですが、この、ラヴクラフト神話の基底に挑んだ作品が日本にはあるんですね。それは、以前取り上げました「超時間の闇」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1910576.html)に収録されている小林泰三さんの「大いなる種族」です!!
超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)
著者:山本 弘
創土社(2013-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

この作品は、クトゥルフ神話の中でもエポックメーキングな作品だと個人的には思っていて、先に挙げた「人類種を含む地球の無数の種の絶滅による種族交代の果てしない繰り返し」における人類種の役割を「最小の種族」という点はそのままに(時間の流れの中で人類の滅亡は避けられない)、それでいて見事にクトゥルフ神話全体を上手くひっくり返したような形で、人類と言う存在が、アザトースらと同じように、ある意味の永遠の中に入ることが出来た世界を描いています。イースの大いなる種族と人類との関係を描いた小説作品の中において最高傑作だと思いますね。「大いなる種族」はぜひご一読をお勧めする、「呪われた人魚姫」と並んで見事なクトゥルフ神話作品です。「大いなる種族」は小林泰三さんの初期傑作「酔歩する男」の続編にもなっているので、「酔歩する男」を読まれたお方々にもお勧めです。

青空文庫 「時間からの影」(H. P. ラヴクラフト The Creative CAT 訳)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001699/files/57342_57668.html
「時間からの影」の他に「超時間の影」とも訳されています。たしかコリン・ウィルソンの訳にあった「時からの投影」というのも、「と」音の頭韻(←これも頭韻だ)が好みです。「チャールズ・ウォード」を訳しながら、こちらもなんとか訳してみたいと思っていました。
 
同じ主題を繰り返しながら、最後の一文目がけてじわじわとサスペンスを盛り上げる手法が最高です。そればかりではなく、「ああ自分もイースの円錐生物になって図書館に籠り、永遠に本を読み宇宙と時間の果てのことを知りたい」と思うのは私だけではないでしょう。時代閉塞の昨今、このようなコンテンツを最後まで読まれた方もきっと同じなのではありませんか?

ラヴクラフトは、自身も読書家であったゆえに、図書館のシステムや図書館の司書さんや図書館に通う人々(読書家の人々)にはそこはかとない好意を抱いていたようで、延々と宇宙的な図書館に篭って宇宙の始まりから終わりまで存在し続けて永遠の読書と研究に種族生命を捧げている「イースの大いなる種族」にはその辺のラヴクラフトの気持ちが反映されていると言われるので、「時間からの影」「大いなる種族」を読むときはその辺のことも頭に入れながら読むとより楽しめると思います。

超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)
著者:山本 弘
創土社(2013-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

玩具修理者 (角川ホラー文庫)玩具修理者 (角川ホラー文庫)
著者:小林 泰三
角川書店(1999-04)
販売元:Amazon.co.jp

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))
ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))
ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))
ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈別巻 下〉 (創元推理文庫)

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2017年01月04日 06:14

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

正月そうそう、風邪気味で生活費も切り詰めておりあまり調子がよくないです…。寒いので皆さんもお体にお気をつけ下さい。今回は、クトゥルフ神話RPGの大傑作「呪われた人魚姫」をご紹介しますね。前回のエントリでも軽く触れましたが、この作品は極めて優れた傑作でして、ついにネットの色々なところで取り上げられ始めて、ふりーむのDLランキングも現在TOPを独走しておりますね。本作には優れた前作「黒山羊と幸福の姫」があるのですが(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1892117.html)、それを更に発展させてシナリオ・バトル・システム・遊びやすさなどあらゆる面でパワーアップさせた大作が本作と言えると思います。

呪われた人魚姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/13438

黒山羊と幸福の姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/10456

本作「呪われた人魚姫」は、「インスマスを覆う影」「ダゴン」「クトゥルフの呼び声」等のクトゥルフ神話の原典及びクトゥルフTRPGに準拠して、現代を舞台に壮大なコズミック・ホラーを描き出すクトゥルフ神話RPG。クトゥルフ作品に出てくる「ダゴン秘密教団」がメインテーマになっているんですが、極めて精緻に原典に沿った形を発展させてシナリオにしているため、ラヴクラフティアンがプレイすると全編通して思わずニヤニヤしてしまうことを抑えられないでしょう。良い意味でマニアなラヴクラフティアンが製作した作品という感じです。クトゥルーな終わり方とか思わずニヤリ。

勿論、物語だけでなく、あらゆる面が前作より遊びやすくなっているんですね。特に良くなったのが戦闘でして、本作の戦闘の大きな特徴は「戦闘バランスの調整が丁寧」なことと、「ヒトコロスイッチ」の導入です。前作と本作は両方とも「回復手段が有限」というシステムを導入しており、戦闘バランスは前作はかなり高めで、回復アイテム稼ぎのために雑魚を延々と狩るとかしないときついところもあったんですが、本作はバランスが極めて丁寧に調整してあり、普通にプレイしていけば、最後までクリアできると思います。ただ、スキルの「挑発」「大防御」「駆け回り手当」及び「呪文」各種は全員に覚えさせていないと一部のボス戦闘で詰む可能性があるかなとは思いました。

ただ、そんな詰み防止措置として本作にはアイテム「ヒトコロスイッチ」が実装されており、これは使うとどんな敵だろうと(ボスだろうと裏ボスだろうとやりこみボスだろうと)、一撃で全滅させる無限使用可能な究極アイテムです。どんな状況下でも「ヒトコロスイッチ」で逆転できるので、いざとなったらこれを使えば詰みはありません。本作は大きく分けて三通りの展開(三人いる仲間候補のうち、誰を仲間にするかで展開が色々変わってくる)が楽しめるので、一周目は普通にスイッチを使わずにクリアして、2週目からはスイッチを使用して気楽にプレイがお勧めですね。

キャラクターもとても魅力的で、本作のように原典を重視するクトゥルフ作品は、ややもすると、よく言えば重厚、わるく言えば堅苦しく重苦しい作品になってしまうこともあるんですが、本作は前作からさらにパワーアップした魅力的なキャラクター達のフレンドリーな掛け合いが楽しく、クトゥルフ神話の重苦しさを上手く中和して親しめる作品にしている。アトラスの「ペルソナ」シリーズとか彷彿とさせますね。

また、物語自体は非常に本格的なクトゥルフ物で、話がどんどん壮大に広がっていくところとか、クトゥルフ物の傑作「アーカム計画」とかプレイしながら思い出していましたね。人間は万物の霊長などといっておごり高ぶっているが、それこそ、地球規模から見ればちょっとした地殻変動などでも、人類全体があっさりと壊滅してしまうくらい脆弱な、地表にへばりついている存在に過ぎず、地球規模の災厄から見れば、それは路傍の石ころのようなものなのだ、というクトゥルフ神話の根幹的主題「宇宙的恐怖」を、上手くシナリオに反映させている。個人的にはクトゥルーエンドが凄く良かったですね。まさにクトゥルフ神話って感じでしたよ!

驚異と栄光に包まれながら永遠に其処でダゴンやクトゥルフに奉仕し続けるだろう。世界が滅びるまで…。

………(中略)………

貴方たちは永遠に取り返しのつかない選択をしたよ。その報いは想像を遥かに上回る絶望となって降りかかる!
(呪われた人魚姫)

クトゥルフ神話の最大の特徴は、アンチ・ヒロイックなことなんですね。それはヒロイック・ファンタジー的な「勇者が世界を救う」とは対極にある世界観。人間が如何に動こうとも、地球規模、そして宇宙規模の災厄の前では何をしても何の意味もない、何にもならないのだという、世界に対する正確な認識を重視する世界観なのですね。本作はその点が凄く良く描けていて感服致しましたね。この点においては、クトゥルフ要素は大きいながらもヒロイック・ファンタジー的な方向に大きく引きずられているペルソナシリーズよりも、よりクトゥルフ神話の原典に本作の方が近いと言えると思いますね。

笠井潔
「世界はどんどん合理化されていくという近代の力を、いわば認めまいとして、もうひとつの異世界というか、ワンダーランドというかな、そういうものをつくりあげようとする水準からいったんそれを全部認めちゃった上で、その裏側のところを引っくり返して出していくというふうな、そういう怪奇小説の歴史の中の新しい水準というのはラヴクラフトがつくったんじゃないかなという気がしますね」

荒俣宏
「そうですね。トールキンだとか、あるいはいまファンタジーだといわれている異空間と(クトゥルフ神話が)ぜんぜん違うところはその辺なんですね。あれ(トールキン等のファンタジー)はどんどんどんどん(現実世界と幻想世界が)離れていくから、つまりお互いにお互いを影響するということはまずないわけだけども、ただ影響されるとしたら、そのどっちかに、あるいは両方にまたをかけて、人間がどっちかを選択すればいいだけの話なんだけど、ラヴクラフトなんかがつくっていった異次元あるいは異世界というのは、ぜんぜん思想を異にしているんですね。

自分がなにをやろうが必然的にその世界(クトゥルフ神話)へ巻き込まれていってしまう世界。こういう一元性をもつ点がラヴクラフトの小説で非常に特異な点だと思う。(中略)

(ヒロイック・ファンタジーにおいては)人間がある意味の力を発揮できるんですね。人間がある意図のもとになにかをやれば、少なくともそれは、その世界の中ではある影響を及ぼすという構図になっているわけだけれども、ラヴクラフトの中は全然そうじゃない。人間は何をやっても徹底的にだめな存在だ。だから、ただひたすら恐がっているだけで、ただ恐がっているだけの存在を一生懸命書いたというのは、あれはちょっとすごいと思うんですけどね。

つまり彼の場合はあらゆる怪物の限定条件というものをみんな取っ払って、とにかく宇宙は飛べるわ、昼でも夜でもかまわずやってくるわ、古代でも太古でも未来でも全然関係なくやってくるわ、たとえそれがどんな状態にあっても、とにかくその気になれば、いつでもなんかできる、という状態になっている。(中略)

ラヴクラフトがなにやっているかといえば、宇宙の無目的性について説く。あの人はすぐアインシュタインとド・ジッターが出てくるんですけどね。つまり、宇宙のマクロのレベルでは地球というのは大したことなくて、どうせフラフラフラフラしている状態であるから、我々は何をやってもしようがないんだ、という話をえんえんとやっている。(中略)

たとえば、(ラヴクラフトは)ニューヨークとかボストンの地下鉄なんかも喜んで描いている。ボストンの地下鉄の中にさえ怪物が出てくるという構造にどんどん入れ替わっていっちゃう、というところが非常にアメリカ的だと思うんですけどね。そのポイントというのが、彼とヨーロッパの、あるいは世紀末に出てきた幻想文学の基本路線と外れている根本的な問題点だと思うんですね。(中略)

ラヴクラフトにとってはイデアというものは全くなくなっているという、イデアのぶちこわしの運動であると思う」

笠井潔
「逆イデアになっているんだよな」

荒俣宏
「それは大きな要素だと思いますね。ラヴクラフトを読んでて、ものすごくなんか殺伐とした感じがする原因のひとつはそのへんにあると思いますね」

笠井潔
「(ラヴクラフトの小説には)いるのかな、善い神様ってのが」

荒俣宏
「いや善神というのは、あまりラヴクラフトの段階では出てこないですね」

笠井潔
「人間を守ってくれるような超自然的な力ってのはないわけだ」

荒俣宏
「人間を守ってくれる力という意味では、だから自然の気粉れだけなんですね。そういう意味ではある意味の神性なんだけれども……」

笠井潔
「人格的に分離されてはいない」

荒俣宏
「人格的にはないですね」

笠井潔
「それが全然ないっていうのは面白いな」

荒俣宏
「そういう点ではラヴクラフトなんか徹底的に突き詰めた人なんではないですか。逃げは一切打たなかったと思う。で、愛は信じていなかったからね。あの人(ラヴクラフト)については」

笠井潔
「愛で救われた主人公って一人もいないもんね」(中略)

荒俣宏
「ラヴクラフトの書いているいろんな小説のパターンというのは、だいたい宇宙からいろんな生物が、まあその生物を彼は「旧人類」(旧支配者)と呼ぶわけですけれども、それが地球に入植してきて、なんらかの関係で――主として地球の地殻変動ですが、その辺は生物学的というか進化論的だと思うんですけど、とにかくそれによってうまく入植できてしまうけれど、地殻変動によって死滅していくという展開になります。(中略)

次々に(地球において覇権を握る種の)世代が交代していくというパターンで、その路線が人間まで(人間が滅んだ後の次々の種まで)つながっている」
(ユリイカ「ラヴクラフト」より「荒俣宏・笠井潔対談」)

この惑星(地球)が経てきたほとんど知られていない茫洋たる歴史において、人類が、高度に進化した支配種族の一つ――おそらくは最小の種族――にしか過ぎないということなのだ。
(H・P・ラヴクラフト「時間からの影」「ラヴクラフト全集3」より)

こういう、クトゥルフ神話の原典に近いゲームがやれるのは、本当にフリーゲームならではの醍醐味ですよね。クトゥルフ神話って元来「世界に対する正確な認識を重視するアンチ・ヒロイックの物語」ですから、元々あまり大衆受けはしない系統のシェアード・ワールドなんですね。大きく大衆受けする物語と言うのはどうしても「ヒロイック・サーガ(善が勝ち悪が敗北する英雄物語)」の方向になりますから…。クトゥルフ神話の、人間の決めた善悪を超えた地球的、そして宇宙的な災厄の前では人間の営為は全く意味を為さないという暗い諦念に充ちた世界観をきちんと継承した本作のような作品を、開発費が年々膨れ上がっている商業コンピューターゲーム業界できちんとやるのは中々難しい状況と思います…。

クトゥルフの原典にきっちりと沿った新しいクトゥルフゲームというのは、まさに本作「呪われた人魚姫」のように、個人や少人数制作の良い意味で趣味的なゲーム製作から生まれてくるんだろうなと、プレイしていて感じましたね…。

「呪われた人魚姫」、ラヴクラフトの世界観に魅惑を感じる者として、最高に素晴らしい作品でした!ぜひプレイをお勧めする大傑作です!!

最後に余談ですが、本作ではハトホ姉さんとクリスFBI副長官の日米警察官コンビが一番お気に入りでした(ハトホ姉さんはおっとりした真面目で天然ボケなお姉さんのように見えてときどき冒涜的発狂するのが思わず吹く。名前からするとハトホル女神と何か関係があるのかな?)。ぜひ次回作では、ハトホ姉さんとクリス副長官と「黒山羊と幸福の姫」に出てきたロシアのフィグネリア捜査官で、日米露警察パーティーが組めるようにしてほしい!!両方の作品をプレイした方ならお分かりになると思いますが、水と油のような関係のクリス副長官とフィグネリア捜査官の会話が凄い見てみたいです!!

アーカム計画 (創元推理文庫)アーカム計画 (創元推理文庫)
著者:ロバート ブロック
東京創元社(1988-11)
販売元:Amazon.co.jp

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))

ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))

ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)

ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫)

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)

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ラヴクラフト全集〈別巻 下〉 (創元推理文庫)

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2017年01月01日 19:58

我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)
我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)

2017年あけましておめでとうございます。自分はお金が無くて大変困っており、おめでたさを感じられる状況ではないのですが、全ての人になって少しでも良い年になってほしいと願いますね…。
フリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016
http://www.freem.ne.jp/special/project/31

新年の初ネットでは上記のフリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016を見たのですが、これは2015年12月21日〜2016年12月20日のふりーむDL数総集計なので、2016年の後半に出たゲームが集計的に不利で、全然ランキングに入ってないですね…。2016年のマイベストゲームは以前ご紹介致しました「芥花」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1918473.html)なんですが、ランキングに入っていない…。「芥花」は本当に稀に見る傑作なので、ぜひプレイして欲しい作品ですね。2016年後期に出た為にランキングに入っていないフリーゲームの傑作としては以前ご紹介した「バケモノハイツ」「待チ人来たる2」「祭囃子が鳴り止むまで」等の他にも「呪われた人魚姫」(優れたクトゥルフ神話作品です)とか「人間レンジ」(ショッキングホラー短編の秀作)とか「宵闇ノ影」(年末に出た優れたホラーサスペンス)など色々ありますね。2016年後期に公開されたランキング外の傑作は沢山あるのでご紹介していけたらいいなと思っています。

フリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016にランキングしている作品で、ブログで取り上げていませんが、プレイ済みの作品では「徒花の館」「妖刀伝」「朝溶けの魔女」「オロホスの夢」「ここからだして」「人格診断MV」「かわいそうなレイナちゃん!」「ウトピアの双眸」「Wolfarl.exe」はゲームコンプリートまで楽しくできたお勧めの傑作です。特にニーチェ的な遠近法の差異をテーマにした「ウトピアの双眸」と、フリーゲームならではのグロテスクショッキングショートショートホラー(先に挙げた「人間レンジ」もこのジャンル)である「Wolfarl.exe」が面白かったですね。お勧めです。

ちなみに新年の過ごし方としては、昨日の午後11時頃からずっと、スティーヴン・ハンターの「我が名は切り裂きジャック」を年越しで読んでおりました。ある程度読んだら寝ようと思ったけど物凄く面白くて読むのが止まらなかった…。スティーヴン・ハンターは邦訳は全て読了している大好きな作家で、ボブ・リー・スワガーシリーズ、いわゆるスワガー・サーガも昔は大好きだったんですが、どうも近年のハンターは、エルロイ的な歴史と虚構を複雑に組み合わせ、歴史的事件の推理をメインに作品を作るという展開に、無理にボブ・リー・スワガーを混ぜてくるので、整合性や作品の流れにかなり無理がある感じで、読んでいてもあんまり夢中になれなかったんですね…。スワガー・サーガでやるならアクション大作の方が良いのに、歴史背景の緻密さやそこから生まれる謎とその謎解きの方に配分が取られて作品のバランスがどんどん悪くなっている。スワガー・サーガはスワガーやスワガーの血縁達が悪者をばったばったとなぎ倒して超無双してゆく無双アクション小説なのでワンパターンに陥りやすく、なおかつ最近のS・ハンターが重視している歴史的事件を推理していく要素と致命的に相性が悪いんですね…。

特にひどかったのが、ケネディ暗殺事件とスワガー・サーガを混ぜた「第三の銃弾」で、これはもうS・ハンターの作品の中でも退屈すぎてぶっちゃけ最下位クラスの出来ですし…。まあハンターは底力のある作家なので、最下位クラスでも結構面白く読ませてはくれるんですが…。ケネディ暗殺事件を舞台にした小説ではスティーヴン・キングの「11/22/63」の方がダントツに面白かった。

ちなみに余談ですが、スティーヴン・ハンターは共和党支持者で、しかもそれを作品内にある程度反映させてくる保守的思想の作家なんですね(基本的に弱肉強食、自助努力と銃火器による自衛より生まれる自由を重んじる作風)。スワガー・サーガの外伝である「ソフト・ターゲット」ではオバマ大統領をモデルにしたアメリカのリベラルな高官を仇役として超ボロクソに描いたりしています。ハンターとは逆に、リベラリスト作家(反弱肉強食、弱者や敗者にも優しい眼差しのある作風)であるスティーヴン・キングは民主党支持者で、トランプが当選したらもう終わりだ、ツイッターを止めてワンちゃんの写真をUPしたりするのも止めると言っていたほどの民主党支持者なんですね(ちなみにトランプが当選して少し経ったらまた何事もなかったかのようにツイッターを再開してワンちゃん写真もUPしてます…)。

https://twitter.com/stephenking

共和党支持の大ベストセラー保守作家の代表がハンターで、民主党支持の大ベストセラーリベラル作家の代表がキングなので、ハンターの「第三の銃弾」とキングの「11/22/63」は両方ともケネディ暗殺事件をメインテーマとしており、ある種、共和党対民主党アメリカ大作家間戦争みたいな感じでしたが、作品の出来としても巷の評価としてもキングの圧勝でしたね。作家間戦争では今のところキングに軍配が上がっておりまして、まあキングは年を取っても筆力が全く衰えない超人的作家なので、こんな超人王と比較されるハンターが気の毒にも感じるところです…。閑話休題。

「第三の銃弾」の次に出たスワガー・サーガの最新作「スナイパーの誇り」も「第三の銃弾」よりはマシだけど以前のような切れはない…。もうスワガー・サーガ(=無双アクション)の延命は止めて、スワガーと切り離したS・ハンターの作品が読みたいなと思っていたところに!

「今度のS・ハンターの新作『我が名は切り裂きジャック』はスワガー・サーガと関係のない19世紀イギリスの切り裂きジャック事件をテーマにした推理サスペンス」

と聞いて、おお!と思い早速昨日読んでみたら!

期待に応える傑作でした!大傑作と言ってもいいでしょう!!非常に面白いサイコ・サスペンス・ミステリーです。スワガー・サーガと何の関係もないので、無意味にアクション無双要素とか入れなくてよくなったのが本当に功を奏して、作品全体を高みに押し上げている!

新年の年越しの瞬間に切り裂きジャックが被害者を切り刻んでいるシーンを読んでいるのもどうかと思いましたが、そのようなことが頭に昇らなくなるほど、実に面白い、無我夢中で読める作品、S・ハンターの切れ味が再び完全に戻ってきたという感じですね!昨今のS・ハンターは完全にスワガー・サーガに縛られている感じなので(自由を何より重んじるリバタリアン的保守派の作家が自分の大人気シリーズに縛られるとは皮肉ですね…)、本作のように、スワガー・サーガとは関係のない自由に書ける作品の方が切れがあって良い小説になるように思います。私は昨今のスワガー・サーガより本作の方が圧倒的高評価ですね。

「我が名は切り裂きジャック」、サイコ・サスペンスとして傑出の出来、また19世紀イギリスの描写が何とも上手くて良いんですね。ぜひ予断なしにご一読お勧めできる傑作です。S・ハンターファンとして、また最高の切れ味とスリリングなテンポの良さを保った抜群に面白いハンター節が戻ってきて読んでいて楽しい。こんな感じです。

事件から五日が過ぎた今も、新聞はこのネタを紙面から外してはいなかった。夕刊紙と朝刊紙の両方がこの事件を追っているようだった。主要夕刊紙のスターとベルメル・ガゼットは単独犯仮説をさかんに主張していた。なぜかはおわかりか?明らかだろう。控えめな配達人によって配られる朝刊紙とはちがい、夕刊紙の売り子は、通りすがりの人々に手当たりしだい新聞を売らなくてはいけないからだ。それは、鉄道駅に向かっていたり、炭塵の舞う地獄のような職場からの帰り道であったり、軌道式の乗り合い馬車の到着を待っていたり、お楽しみや自己啓発のために一頭立て幌馬車で町に出かけていたりといった人々だ。そういう人々に売りつける新聞は、よりみだらで、より刺激的で、より性や血や破壊の色合いが濃いものでなくてはならない。ひとびとの、より根源的な本性に訴えなくてはならないのだ。

その一方、彼らが帰宅するころには、猥雑な妄想はすでに尽きていて、その下品な新聞自体は屑缶に詰め込まれてしまうようにしておかなくてはならない。そして、読み終えた男は、非の打ち所がなく道徳的であるふうをよそおい、感謝の祈りを捧げる心の準備をして家に帰り、連れ合いが義務的かつ愛情をこめて用意した肉とポテトの夕食にありつくというわけだ。

それとは対照的に、朝刊各紙は家に配達され、朝食の場で読まれることになる。殺傷事件やむごたらしい出来事は、それなりに控えて報じる必要がある。競争相手である夕刊紙より、かなり節度を守らなくてはならない。清浄な暖炉のわきに置かれた屑缶を穢すことがあってはならず、そのそばで遊んでいる幼児の心を、その子が七歳になって寄宿舎に送り込まれ、そこでの十年間で男色と鞭打ちの味を覚え、それに加えてギリシャ語に堪能になるまでは、穢すことがあってはならないからだ。
(スティーヴン・ハンター「我が名は切り裂きジャック」)

まさにハンター節全開で読んでて笑っちゃうんですが、本書は、切り裂きジャックと、ジャックを追う新聞記者の二人の視点から交互に物語を描いており、まさに上記が述べるところの朝刊(新聞記者の視点)と夕刊(ジャックの視点)の繰り返しみたいな感じで物語がとてもテンポ良く進むんですね。サスペンスに溢れたサイコ・スリラーの傑作、ぜひご一読をお勧め致しますね!!

我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン ハンター
扶桑社(2016-04-30)
販売元:Amazon.co.jp

我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン ハンター
扶桑社(2016-04-30)
販売元:Amazon.co.jp

スナイパーの誇り(上) (扶桑社ミステリー)スナイパーの誇り(上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2014-12-23)
販売元:Amazon.co.jp

スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2014-12-23)
販売元:Amazon.co.jp

第三の銃弾 (上) (扶桑社ミステリー)第三の銃弾 (上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2013-11-30)
販売元:Amazon.co.jp

第三の銃弾 (下) (扶桑社ミステリー)第三の銃弾 (下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2013-11-30)
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11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

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2016年12月30日 22:20

年末ですね。今回は2016年に出たフリーゲームで年末年始によさげな短時間でさくっと楽しめる短編作品を幾つかご紹介致します。どれも良い感じの余韻が残る作品、年越しに楽しめるゲームと思います。

「待チ人来たる2」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~yasuwo/MATI2/matitop.htm

以前ご紹介した館物ホラーサスペンスの傑作「待チ人来たる」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1879582.html)の続編。凝った館物の大作であった前作に比べると、ほぼ一本道になった短編ゲームですが、トリッキーな作風と考えて攻略するバトルは健在。意表を突くエンディングもあり楽しめました。エンディング1はドッペルゲンガーと超常的な女体化の組み合わせと考えればいいのかな…?

「祭囃子が鳴り止むまで」
http://cage1729.web.fc2.com/object/festival.html

これまた以前ご紹介した館物ミステリーの傑作「神林家殺人事件」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1888725.html)の作者さんによる新作。さくっと楽しめる爽やかな青春冒険物であり、胸に良い余韻を残してくれる好短編です。

「何も事件は起こらなかった」
http://www.freem.ne.jp/win/game/13683

前述の「神林家殺人事件」の作者さんによる新作。登場人物達の心象風景を重視した作風で表題の意味を考えさせてくれる作品。短編ならではのアイデアストーリーです。

「わんだーうぉーかぁず!」
https://twitter.com/shichirinne

さくっと楽しめるノンフィールドRPG+トランプゲームの好短編。VIPRPGのにぎやかで楽しいアットホーム感がプレイヤーにも伝わってくるほのぼのした良作です。

「ラナのアトリエ エターなるラナ」
http://www.geocities.jp/viprpg2016gw/entry31.html

アトラスゲーを彷彿とさせる時間差ターンバトルが楽しい短編ほのぼのRPG。VIPRPGを舞台にしたシナリオはアトリエシリーズなどを彷彿とさせる感じで明るく、さくっとシナリオクリアもできますし、やりこみ要素も満載です。


「秒針は夢をみる」
http://clocktower-project.com/

単語を集めて物語の時間を進めていくシステムが面白い。また、物語自体も良くできていて楽しめる探索アドベンチャーです。


「おわりはものがたる」
http://www.freem.ne.jp/win/game/12689

戦略性に富みながらそれほど高難易度ではない適切な難易度のノンフィールドRPG。RPGにおける余計な要素を一切合切ばっさりはぎとった作品で、面白くプレイできました。


RPGツクール フェス - 3DSRPGツクール フェス - 3DS
角川ゲームス(2016-11-24)
販売元:Amazon.co.jp

2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:ドナルド・J. ソボル
早川書房(2003-11)
販売元:Amazon.co.jp

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2016年12月24日 03:38

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

クリスマス・イブですね。自分はクリスマス・イブやクリスマスも他の日々と同じく特筆すべきことは何もない一日なんですが…。同じようにクリスマスやクリスマス・イブに特に何もないお方々に、また何かあるお方々にもお勧めできる傑作ダークファンタジーフリーRPG「芥花」を今日はご紹介致しますね。

「芥花」公式サイト
http://cuneria02.wixsite.com/acka

本作は異界に飛ばされた主人公が、拷問に特化した能力を持つ悪魔とパートナーを組み、生き残りを掛けたデスゲーム・サバイバルを繰り広げるダークファンタジーRPG。非常に分岐の多いマルチシナリオRPGであり、マルチシナリオRPGとしての完成度及びダークファンタジーとしての完成度はとてつもなく高く、フルプライスのRPGとしても十二分以上に通用する出来の驚嘆すべき傑作です。このような傑作がフリーで楽しめるとは、本当にありがたいことと思いましたね…。難易度はやや高めなところもありますが、理不尽さはなく頭を使っていけばクリアできる出来。雑魚敵からはほぼ100%逃げれるため、ストレスフリーであり、テンポのよさがあります。やり応えのある全シナリオ・全エンディングをクリアし、全スキルを収集するまでやり込みました。

本作は、クラスメート達と共に異界に飛ばされてしまった少女「芥花」が主人公。彼女は、拷問を司る悪魔と共に、デスゲームに巻き込まれます。デスゲームに勝つには、相手を「肉体は殺さずに精神を屈服させる」ことで、相手から、とある情報を聞き出してゆくことが必要です。屈服させて情報を引き出さなくてはなりません。しかし、情報を引き出された相手は現実世界で死ぬことになるため、相手も別の拷問を司る悪魔と組み、主人公に襲い掛かってきたり、主人公と共闘を要請してきたり、相手によってはデス・ゲームに無関心だったりします。

この辺の、多人数デスゲーム・サバイバルならではの群像劇の描き方が凄く上手い。また、主人公と彼女と共に飛ばされてきた少女達、そして彼女達と組む悪魔達の描写も素晴らしく、とても生き生きとしており、それぞれ結構とんでもない少女達と悪魔だったりもするんですが、皆がとても魅力的に描けています。そして何より、本作は「戦闘」と「推理」が素晴らしい。敵対する少女達と悪魔達との戦闘は、相手の少女の「心」を折らなければいけないので、相手を倒さずに精神に打撃を与えることで戦っていくんですが、これが戦略性を極めて富ませており、頭を使って戦うとても面白いバトルでした。真・女神転生やペルソナや世界樹の迷宮といった、通常のコマンドバトルRPGに工夫を加えて戦略性を高めたアトラスゲーのバトル(運要素は低く理詰めで戦うバトルであり、工夫して戦えば、一見勝てそうにない相手にも勝てるバトル)などを思い出しましたね。

もう一つの特徴は、推理!本作はシナリオによっては、本格クローズド・サークルミステリーに変貌し、ガチな推理をして、連続殺人事件の謎を探ってゆくことになります。この推理要素も見事!!実に本格的なミステリーであり、十二分に楽しめました。ちなみにネットのヒントはノーヒントで一発で推理を完全クリアできました。推理してゆく全ての材料がゲーム内でフェアに提示されるので、謎解きの難易度は適切だと思います。

マルチシナリオRPGとしても、ミステリーゲームとしても、全ての要素が高度に纏まった見事な作品であり、クリスマス・イブやクリスマスを闇の幻想の一時に塗り替えてくれる傑作です。勿論、クリスマスじゃなくても楽しめる作品です。素晴らしい作品でしたね。2016年にプレイしたフリーゲームの最高傑作でありました。心からお勧めです!

本作「芥花」はアトラスのゲームを彷彿させるようなところがありますが、それはまさにアトラスゲーの全てが持っている(メガテンやペルソナだけでなく、世界樹のような一見明るそうに見えるゲームも持っている)ダークファンタジーとしての胸の奥に染み入るような暗さがあるんですね。アトラスが任天堂と協力し、任天堂の新ハードニンテンドースイッチで、新しいRPGを制作しますが、ぜひこの「ダークファンタジーとしての根幹」を忘れずに素晴らしい作品を作って欲しいですね。私はラジアント・ヒストリアとかのアトラスのエッセンスに溢れたアトラス・オリジナルRPG大好きなので(ラジアントヒストリアは真EDまでやり込みました!)、とても期待しております!メガテンから生まれたアトラスの、エルリック・サーガ的な闇の深さが、スイッチの王道RPGたる新作の中にもきっと息づいていると思いますね…。他にも幻影異聞録(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1890980.html)とか今現在物凄く安いですが(amazonで2000円)、RPGの傑作なのでWIIUお持ちでしたらぜひプレイして欲しいです。

幻影異聞録♯FE

余談ですが、真・女神転生シリーズのザ・ヒーロー(各作品の主人公達)、無限に転生しながら無限の世界において、崩れつつある法と混沌のバランスを取り戻し、人間として神々(法の化身)や悪魔の群れ(混沌の化身)と永遠に戦うことを宿命付けられた存在である主人公達は、ダークファンタジーの世界的な最高傑作たるムアコックの「エターナル・チャンピオン」シリーズの影響を受けていると思いますね。ザ・ヒーローとか人修羅とかフリン&ナナシとか完全にエターナル・チャンピオンですね。ダークファンタジーとしての、ヒーローすらも冷めた眼差しで見据えている深さが、アトラスゲーにも確りとある。任天堂と組んだ幻影異聞録にもその点は確り受け継がれていたので、新作にも心から期待しております。様々なアトラスゲーに受け継がれるダークファンタジーとしての見事な骨子、昔からのアトラスファンとしてそこが堪らなく魅力ですね…。

PROJECT Re FANTASYスタジオ・ゼロ 公式サイト
http://rpg.jp/

一人の人間が、それがいかなる者であろうとも、状況を救ったためしはない。ヒーローと呼ばれる人々は、状況が自らを正すのを助ける人々のことなのだ。
(マイケル・ムアコック「The Twilight Man」前書き)

ウィキペディア「エターナル・チャンピオン」
エターナル・チャンピオンシリーズは、イギリスの作家マイケル・ムアコックが創造したファンタジー小説シリーズであり、エレコーゼを中核とする永遠の戦士の物語である。

ムアコックが戦士エレコーゼを主人公とした作品を書いた際、彼はこれまでに創造した主人公たち、メルニボネの最後の皇帝エルリック、ヴァドハーの最後の生き残りである紅衣の公子コルム(Corum Jhaelen Irsei)、ケルン公ドリアン・ホークムーンなどが、皆「エターナル・チャンピオン」と呼ばれる存在の化身であるという設定を付与した(他に「火星の戦士」マイケル・ケイン、ジェレミア・コーネリアス(Jeremiah Cornelius)、カール・グロガウアーなど)。

そして、各人物は己の人生しか記憶していないが、エレコーゼのみはすべての人格を(完全にではないが)記憶しているとして、エレコーゼを全作品の中心人物としたのである。

永遠の戦士(エターナル・チャンピオン)は、『天秤』(『法』と『混沌』の均衡を保つ存在)の代理として、法と混沌のバランスが崩れた際にどちらかの側に顕現し、バランスを取るために戦う戦士であり、永遠に転生を繰り返すことを宿命づけられ、多元宇宙のサイクルすべての転生を戦いに捧げる存在として書かれている。

もはや、引き返すことはできない。地獄の剣が永遠の過去に鍛えられ、形づくられたごとく、エルリックの運命も生みだされ、定まっていた。この絶望と呪いと破壊への道を閉ざせる場所が果たして存在したのだろうか?それとも、これはかれが生まれる以前から決まっていたのだろうか?悲哀と苦闘、孤独と後悔のほかはほとんど何も知らず、いくたの化身として運命につきすすむ――ある未知の理由に操られる永遠の戦士……

………(中略)………

エルリックの右腕には、そして、全身にも、力強い精気が充ち溢れてきた。これこそ剣のもたらす魔力だ。この剣を持てば、彼にはもはや麻薬は必要ではなく、体力の無さを再び嘆くこともない。戦いがあるたびに勝利を手中に収めるだろう。戦いの無いときも、誇りを持って統治できる。旅をしても、独りであっても、何も恐れるものはない。剣はモーンブレイドの攻撃を防ぎつつ、こうしたことを彼の心に吹き込んできた。

しかし、その見返りにこの剣は何を要求しているのだろう?

エルリックは知った。剣が語ったのだ。それは言葉を通してではなかった。ストームブリンガーはただ戦いだけを求めている。それこそ唯一の存在理由だ。ストームブリンガーは敵を殺さねばならぬ。それこそ力の源なのだ。人や魔物の生命と魂――あるいは、神々さえの。
(マイケル・ムアコック「エルリック・サーガ メルニボネの皇子」)

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
著者:マイクル ムアコック
早川書房(2006-03)
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アトラス(2010-11-03)
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2016年12月14日 18:37

ギャンブルはゲームやSNSと同じ? 参院内閣委で議論
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161213-00000070-asahi-pol
 カジノ解禁法案を提出した自民党・細田博之総務会長が13日の参院内閣委員会でギャンブル依存症について問われた際、子どもや若者のテレビゲームやスマートフォンのゲームアプリを挙げて「日本全体が一種の依存症になってきている」と発言した。自由党の山本太郎氏への答弁。

 山本氏が「ギャンブル依存症対策に取り組む約束はできるか」と尋ねたところ、細田氏は「子どもたちがスマホゲームにおぼれて勉強しない。大学生も勉強しない。日本全体が一種の依存症になってきていることにどう取り組むかが非常に大事だ」と答えた。

 もう一人の提案者、日本維新の会の松浪健太氏も「興味を持ってスマホゲームをやってみたら自分がはまってしまった。これはすごい仕組みだ」と発言。「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にはまる女性もいる。『いいね』がないと自己承認欲求が満たされない」と述べた。

 委員会に出席した共産党の田村智子氏は取材に対し、「対策が必要なのは何もギャンブル依存症だけではないとして、法案からかけ離れた議論をわざと仕掛けている。お門違いも甚だしい」と批判した。

カジノ批判からタゲをそらす為、テレビゲームを生贄にしてバッシングしてくる、なんとも予想通りの展開…。自民党はパチンコ業界とべったりですから、パチンコは批判できない訳です。ゆえにタゲ逸らしの生贄として弱い立場のテレビゲームを叩いてくることは、火を見るより明らかでした…。

いい加減、テレビゲームをバッシングしている最大の政治勢力は自民党であることに、ゲーム好きは気がついてください!!

右派系ゲームまとめサイトのはちまとかに完全に洗脳(はちまらを読んでいるうちに自民党を盲目的に信仰するよう洗脳)されているゲーム好きは、「ゲームをバッシングしたり日本だけの強いゲーム規制を求めている日本の最大の政治勢力は自民党なんだよ」って話しても「自民党を批判するクソ左翼はゲームの敵!」みたいな訳の分からない返ししかこないので話が通じない…。

ゲーム好きって、自民党べったりに染まっているプレイヤーの割合が体感としてダントツに多いです…。ちなみにアニメ好きや漫画好きといった他の分野のオタクは表現規制反対の人が多いので、あまりそういう状況がなくて、ゲーム好きだけ、大勢が偏って自民党べったりの状況です…。明らかに大手ゲームまとめサイト群の影響がある…。なんなのこの状況…ゲーム好きとして本当に悲しいです…。

大手まとめサイト群が、日本の政治状況に大きく影響を与えていることを、もっと深刻に考えるべきです…。

日本が生んだ大傑作のラスアスとかだって、日本だけ異常に表現規制されてる訳ですよ。そういうのは、日本の表現規制を推進する政治的な圧力が絡んでいることに、気がついてほしいです。カジノ作る代わりにCERO規制強化とかなったら、絶望です…。

以下、「The Last of Us Remastered」amazon日本版カスタマーレビューより。
CEROは本当にしょうもない
投稿者 fgkazu 投稿日 2014/9/30
タイトルの通りです。ゲームの内容は皆さんがおっしゃっている様に大変すばらしいです。だがCEROお前はだめだという感じです。以下私が感じた良い点、悪い点を箇条書きにしました。

良い点
・画像が素晴らしい(PS4の性能をフルに引き出していると思います)
・ストーリーが素晴らしい(おっさんと少女の絆が深まっていくのが良かったです)
・日本語吹き替え(声優の方々の演技が素晴らしいです)
・効果音が良い(リロードする時等)
とまあ他にも褒めるところは沢山あるのですがこの辺で止めといて、次は悪い点です。

悪い点
 結論から言ってしまうと開発者は何も悪くないと思います。むしろこの様な素晴らしいゲームを開発して下さって感謝しています。では何が駄目なのか?それはタイトルにある通りCEROです。こいつが馬鹿みたいな規制を入れて台無しにしています。(中略)

 世の中にはゲームでしか表現出来ないことや体験出来ないこともあると思います。それを意味不明な規制を入れてゲームの面白さを損なわせているこの団体は一体なんなんでしょうかと思います。ちなみに私はこのゲームがあまりにも面白かったので規制の無い輸入版も購入しました。やはり戦闘はこちらの方が面白い、しかし全て英語なので感情移入が出来ないというジレンマがありました。これは個人的な意見ですが日本のゲーム業界が衰退してしまったのは、少なからずこの団体のせいもあると思っています。一ゲームファンとして日本のゲーム業界が再び活気付くの祈っています。

CEROの規制
投稿者 おやじ 投稿日 2014/8/23
 ゲーム制作側も意味不明な規制に反対しているクリエーターが多く居ますが、制作会社の殆どがCEROに加わって居ます。
 何故ならばCERO規制に反対する会社のゲームソフトは事実上販売ルートが潰されているため販売出来ないのです。

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理想の彼女彼氏だけではなく、理想のなんとか〜が流行ってますね。彼氏彼女じゃないジャンルなら、あまりセンシティブにならずにすんで気楽に楽しめそうな感じで良いですね。ゲームで遊ぶの大好きなので「理想のゲーム製作者」で一つやってみますね。

「理想のゲーム製作者」
・外見はどうでもいい
・ゲームが好き
・ゲームプレイヤーに対して誠実な作り手
・ゲーム製作は大変だが過剰に無理をしない…(身体を壊したら大変…)
・ゲーム内でプレイヤーに過度な負担を求めない(ゲーム内運要素が大きすぎる、ひたすら時間掛けてレベル上げしないと先進めない等の過度なストレス要因がない)
・ゲーム外でプレイヤーに過度な負担を求めない(過度な有料課金や関連商品等の過度な金銭を求める仕組みがない)
・ビッグマウスをメディアで叩かない
・バグが少ない、バグがあった場合の修正パッチ配布が迅速
・ゲーム難易度の細やかなカスタマイズができる(イージー・ノーマル・ハード等のカスタマイズで初心者から上級者まで幅広く遊べる)
・ゲーム自体が面白くてやり応えがある
・発売日をきちんと守る

個人的には坂口博信さん、堀井雄二さん、データイーストのゲーム開発チーム(ヘラクレスシリーズ、メタルマックスシリーズ最高だった。残念ながら倒産し消滅しました…)任天堂のゲーム開発チームの一部(マリオチーム・ゼルダチーム・カービィチーム)、アトラスのゲーム開発チームの大体全部とか理想のゲーム製作者ですね…。アトラスがナムコの一部だったFC女神転生の頃からずっとアトラスゲーをやってますが今に至るまでアトラスゲーははずれが無いのが素晴らしい。ドット絵FFやスクウェアのトムソーヤーやクロノトリガーの頃の昔のスクウェアなんかも大好きで理想のゲーム製作者でしたね…。

今、昔の本置いてあるところを見てみたら数十年前に、植松伸夫さんにFF攻略本に書いてもらったサイン本、いまだに手元にありました。昔は、スクウェアは凄くユーザーフレンドリーな会社で、スクウェアの製作スタッフとユーザーで一緒に玉川の河原でご飯を食べるピクニックイベント(もちろん完全無料です。学生や子供がかなりきてた)とかユーザーとのほのぼのした交流イベントをやってたんですね。スクウェアの色んな情報を教えてくれる無料の電話サービス(こちらからスクウェアに電話を掛ける)とかあって、そこでユーザー交流イベントの告知をしていました。

今のスクエニは北米販路重視の海外シフトした大企業(海外の成人プレイヤーをメインとして重視している体制)ですから…もう昔のようなローカルな日本でのユーザー交流はないでしょうね…。FF15の前夜祭で、アメリカの成人プレイヤー達とイベントを行っているFFスタッフさん達を見ると、もうFFスタッフさんが日本の小学生ぐらいの子供と楽しく交流しているユーザーイベントとか、ちょっと考えられない光景ですし…。レベルファイブの日野社長とかポケモンの開発スタッフさんとか、ユーザー交流イベントで妖怪ウォッチやポケモン大好きな子供達と楽しく遊んでくれそうですが、今のFFは層が違いすぎると感じる…。

よく子供向けの創作において言われるのは、子供は頭身が低いデフォルメキャラに親しみと共感を感じる(子供自身が大人より背が低いため)みたいなことはよく言われてまして、ポケモンとか妖怪ウォッチとかドラゴンクエストとかその辺意識している感じなんですね。ピカチュウとかジバニャンとかスライムはそういう親しみやすいキャラなんですね。ただ、北米の成人プレイヤー向けにゲームを特化させる、つまりゲームを徹底的な現実の写実路線に特化させると、もうそういう頭身が低いデフォルメキャラは出せなくなってしまう…(写実路線だとデフォルメ自体できなくなるため)。

なんでスクエニ(のスクウェアの方。エニックスの方のドラクエは子供に今も人気)は、ファイナルファンタジーを大人向けゲームに特化して、ゲーム好きな子供の層を完全に捨てちゃったのかな…。子供向けの方ではポケモンや妖怪ウォッチには勝てないから子供向けはキングダムハーツに任せて、FFでは子供を最初から捨てるという発想もあるのかな…(ただ、キングダムハーツも、シナリオが複雑化しすぎて、子供がついていけなくなっているように思います)。昔を知っているものとしては寂しいですね…。

昔はFFって子供にもすごく人気があったんですよ。それこそポケモンに匹敵するぐらいの人気がありました。小学校の教室がDQ派とFF派と両方好きな派(私はこれでした)に分かれてるって感じでしたよ。

今は、ドラクエのナンバリングやスピンオフを3DSやPS4やスマホでプレイする子供は結構いても、ファイナルファンタジー15をプレイする子供は、世界的に見てもまずいない(いたとしても非常に少ない)でしょうね…。基本的に北米成人プレイヤー向けですから…。

少子化社会である日本の子供よりも、パイの大きい北米の成人プレイヤー向けにゲームデザインを特化するというスクエニの大きな成長戦略は分かりますが、それでも、FFがその路線に乗ってしまったことは、FFをFC1からずっとやってきたものとしては寂しいと、どうしても感じますね…。15でもうこの路線に完全に入ってしまった以上、今後のファイナルファンタジーも、ずっと北米の成人プレイヤー向けの「写実的でカッコイイFF」になることは、確定的な訳で…。

もはや二度と、FF1〜6、9ぐらいの中世ファンタジー的な牧歌的なFFが遊べないであろうことが悲しい…。

いつか、坂口さんがスクエニに戻って、日本の子供も楽しめるRPGをもう一度作るとか、できないのかな…。坂口さんに、課金スマホゲーではない、買いきりで楽しめる据え置きか携帯機の作品、子供も楽しめる本当の王道RPG(グランブルーファンタジーのことではありません)をまた作って欲しいです…。

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