2009年10月25日 17:15

風邪をひいてお腹を壊しております。急に寒くなったので、皆様もお気をつけください。

風邪をひいており、お腹を完全に壊してしまい、非常にきついです。急に寒くなって冷え込むようになったので、皆様もお気をつけください。昨日の夜、寒かったのにもかかわらず、毛布なし・靴下なしで寝てしまったのがよくなかったみたいです。足が冷えて、風邪の諸症状がでました。寝る前は靴下履いた方がいいですね…。

身体の調子が悪いと気力もなくなって気持ちが落ち込みます…。酷く寒気がして寝床からほとんど離れられないので、大変辛いです。寝床で横たわっていると、とても暗い気持ちになります。「病は気から」という格言がありますが、これは実際は反対で、気力が病をどうにかするのではなく、病になると気力が落ちてゆくという方が実態に即していると思います。お腹の調子が悪く、何か食べるとすぐお腹がおかしくなる上、身体が熱っぽくてだるく、気力が酷く落ちていて、動く気力が出てこないのが辛いです…。

作家レイモンド・カーヴァーが、ガンで亡くなる直前に書いた遺作、最後の短編は、チェーホフの自伝を元に彼の晩年、死ぬ間際を書いた作品でして、身体が辛い病気になると作家の命である創作意欲も含め、あらゆる気力がなくなるということを書いていますが、本当にこの通りではないかなあと思います…。

「チェーホフは駅のちょっとした階段を上がるのさえおそろしく大変そうだった。彼は息を整えるために何分間かそこに座り込まなくてはならなかった」本当にチェーホフにとっては移動するのは苦しかったのだ。脚は慢性的にうずいたし、体も痛んだ。病は腸と脊髄をも襲っていた。(中略)

もう文学的創作意欲はまったく湧いてこなかった。そんなものはとっくの昔に消えてしまっていた。実際、前年に書いた「櫻の園」はあやうく未完成に終わるところだったのだ。その戯曲を書くのは彼の生涯を通じてもっとも苦しい作業であった。最後の頃には、一日に六行か七行書くのがやっとだった。「僕には力というものが湧いてこないのだ」と彼はオリガに書いた。「僕はもう作家としての生命を終えてしまったようだ。、どのセンテンスも僕には無価値で何の役にも立たないように見える」でも彼は筆を折らなかった。1903年の10月になんとかその戯曲を書き上げた。手紙や、ノートブックに記したわずかな記録をべつにすれば、それが彼にとっての最後の作品になった。
(レイモンド・カーヴァー「使い走り」「レイモンド・カーヴァー傑作選」より)

風邪と死病は比べられませんが、ただ、病気で気力が落ちると『力というものが湧いてこないのだ』『どのセンテンスも僕には無価値で何の役にも立たないように見える』というのは、今ちょうどそのような感じですので、とても分かるなあと思います。自殺の最大の原因も「病気」ですし…。病気で気力が落ちると全てが虚しくなって生きるのが辛く感じるようになるので…。それは病と直接結びついているのではなく、生命への様々な気力が失われるという、間接的な形で結びついている。芥川はこの心理を上手に描いていますね。

君は新聞の三面記事などに生活難とか、病苦とか、或は又精神的苦痛とか、いろいろの自殺の動機を発見するであらう。しかし僕の経験によれば、それは動機の全部ではない。のみならず大抵は動機に至る道程を示してゐるだけである。自殺者は大抵レニエの描いたやうに何の為に自殺するかを知らないであらう。それは我々の行為するやうに複雑な動機を含んでゐる。が、少くとも僕の場合は唯ぼんやりした不安である。何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である。(中略)

我々人間は人間獣である為に動物的に死を怖れてゐる。所謂生活力と云ふものは実は動物力の異名に過ぎない。僕も亦人間獣の一匹である。しかし食色にも倦いた所を見ると、次第に動物力を失つてゐるであらう。僕の今住んでゐるのは氷のやうに透み渡つた、病的な神経の世界である。
(芥川龍之介「或旧友へ送る手記」)

さきほど、少しでも頑張ろうと思って、自殺した作家、太宰治の代表作「人間失格」のアニメ「青い文学」を見ようとしたら、予約録画した中に一分も録画されてなくて、がっくりです…。野球延長で50分放送時間が延びたようです…。あにゃまる探偵キルミンずぅと青い文学の二つだけが今見ているテレビ番組なので、残念ですね…。

参考作品(amazon)
Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選
河童(或旧友へ送る手記)

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