2009年05月06日 19:22
僕の大好きな近代クラシック作曲家、北欧三大マエストロの一人、ヴィルヘルム・ステンハンマル「セレナーデ」
ステンハンマル:管弦楽のための「セレナーデ」 [Import]
ステンハンマル:交響曲第1番、2番、セレナーデ(4CD)
本日、図書館に本の返却日なので返しに出かけたら、雨が降っていて、傘を差していったのですがそれでも濡れてしまい、喉が痛く、あまり調子がよくないので、文章をあまり書けそうになく申し訳ありません。前回のエントリにて、スウェーデンの現代クラシック音楽作曲家、ヒルディング・ルーセベリをご紹介させて頂きましたので、今回はスウェーデン繋がりということで、僕の好きなスウェーデンの近代クラシック音楽作曲家、北欧三大マエストロの一人、スウェーデンのヴィルヘルム・ステンハンマルについてご紹介させて頂こうと思います。
ヴィルヘルム・ステンハンマルは、北欧作曲家の名を世界に知らしめた北欧三大マエストロの一人で、世界最高の近代クラシック作曲家の一人です。欧州、特に北欧、彼の生まれ故郷スウェーデンでは彼の曲は人気がありよく演奏されます。北欧三大マエストロ(北欧三大巨匠作曲家)とは、一人はノルウェーのエドヴァルド・グリーグ、一人はフィンランドのジャン・シベリウス、そして今回ご紹介するスウェーデンのヴィルヘルム・ステンハンマルです。
グリーグはペール・ギュント組曲の「朝」が日本のテレビ番組などでよく使われ有名ですし、シベリウスも日本において知名度があり、交響曲第2番はよく演奏されます。しかしながら、謎なことに、日本において、ヴィルヘルム・ステンハンマルはほとんど注目されません。海外では、グリーグ、シベリウスに並ぶ巨匠なのですが、なぜか日本での知名度が低く、謎です。海外のクラシック音楽雑誌など目を通せば、普通に近代クラシックの大作曲家としてメジャーな存在だということが分かります。日本ではなぜか極端に知名度が低いですが、僕は実際に彼の音楽を聴いて、その素晴らしさに感動しファンになりました。
僕が始めて聴いたのは、イギリスの音楽雑誌「グリムフォン」にて、ベスト・クリティック・チョイスに選ばれた彼の名管弦楽曲、「セレナーデ 作品31」で、始めて聴いてあっという間に魅了されました。それから、交響曲、ピアノ曲、室内楽曲、歌曲を聴きましてどれも素晴らしい出来、グリーグやシベリウスに一歩も引けをとらないばかりか、彼らを超えているところすら見受けられる、近代クラシックにおける大天才作曲家です。
しかし、その割には、海外では普通にきちんと評価され、演奏されているのに、日本においては全然知名度がなく、演奏もされず、いつも悲しい思いをしておりました。このエントリで、少しでもステンハンマルの曲の素晴らしさが日本の人々に届けば心から幸いです。
ステンハンマルはノルウェーやフィンランドの音楽に範を取った愛国的な民族ロマン派に位置するグリーグやシベリウスとは違い、ベートーヴェン、ブラームスの流れに位置するコスモポリタン的なグローバルなロマン派作曲家で、グリーグやシベリウスに比べ、よくもわるくも、癖のない、スラッと胸に入り込んでくる形の無国籍風のクラシックで、僕はとても好きです。彼の曲は民族ロマン的な癖がないので、日本人にとって非常に聴きやすい音楽、眠る前に聴くとぐっすり安眠できるような普遍的に優しく美しい音楽です。先日挙げた現代クラシック作曲家ルーセンベリは前衛シェーンベルクの影響を受けているので、やや聴きにくい曲もあるのですが、近代クラシック作曲家であるステンハンマルは前衛シェーンベルクの影響は受けておらず、どことなくショパンの名ピアノ曲を彷彿とさせるような、とても美しく優しい滑らかな名曲の数々を作曲されました。
北欧三大マエストロのうち、フィンランドのシベリウスはスウェーデンのステンハンマルと互いに相手を高く評価して、国は違えど互いに厚い友誼を結び、シベリウスの交響曲第六番は『偉大なるスウェーデンの音楽家、ステンハンマルに捧ぐ』という、ステンハンマルに捧げられた曲であることとか、シベリウスファンのお方々にとっても、なかなか良い話ではないかなと思います。ステンハンマルの死の一報に接したシベリウスはその死を嘆き悲しんだと言われています。
ステンハンマルの曲はハズレがなく、全てがお勧めです。技術は極めて高度ですが、音調が滑らかでとても聴きやすい、良い意味でのイージーリスニング的なところのある音楽で、眠る前とかに聴くとホッと出来るタイプの心がリラックスする優しい音楽です。一番のお勧めは、先に挙げました管弦楽曲「セレナーデ 作品31」ですが、他の曲も全てがお勧めです。交響曲もピアノ曲も良いです。彼の曲は穏やかで優しい基調で、リラックスできる穏やかな音楽としてとても優れています。海外で高い評価を受けているにも関わらず、日本では全然アルバムが出ず、知名度がひくいのは残念です。魅力的な、優しく美しい、ショパン的なコスモポリタン性と柔らかい叙情性を持つ名曲を作曲した偉大なマエストロ、僕の最も好きな近代クラシック音楽家の一人です。ぜひ、皆様方にご一聴をお勧め致します。最後に、ウィキペディアとアルバムライナーノーツより引用致します。
ステンハンマルは、ブラームスの重さを持たず、代わりにショパンの叙情性とモーツァルトの軽快さを持つ、とても聴きやすい穏やかな曲の数々を作曲した、近代クラシック作曲における素晴らしいマエストロです。ぜひ、ご機会ございましたら、ご一聴お勧め致します。セレナーデだけではなく、交響曲第二番も他の交響曲もピアノ曲も何もかもとても良いです。軽快で豊かな、そして優しい美しさに溢れた素晴らしい名曲揃いです。ステンハンマルの代表作セレナーデは1枚組アルバム(管弦楽のためのセレナーデ)の他に、4枚組アルバムセット(交響曲一番・二番、セレナーデ、他)にも収録されて出ております。とても良い演奏です。
参考作品(amazon)
ステンハンマル:管弦楽のための「セレナーデ」 [Import]
ステンハンマル:交響曲第1番、2番、セレナーデ(4CD)
ステンハンマル:ピアノ・ソナタ第1〜4番 幻想曲 [Import]
ステンハンマル:室内楽曲集
ステンハンマル:ピアノ協奏曲 第1番(原典版) [Import]
ステンハンマル:ピアノ協奏曲 第2番 他 [Import]
ステンハンマル:「歌」より間奏曲 「真冬」 [Import]
ステンハンマル:歌曲集 作品 7,8,16,20,26
ステンハンマル:ピアノ作品集(シヴェレーフ)
シベリウス:交響曲 第6番 [Import]
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ステンハンマル:交響曲第1番、2番、セレナーデ(4CD)
本日、図書館に本の返却日なので返しに出かけたら、雨が降っていて、傘を差していったのですがそれでも濡れてしまい、喉が痛く、あまり調子がよくないので、文章をあまり書けそうになく申し訳ありません。前回のエントリにて、スウェーデンの現代クラシック音楽作曲家、ヒルディング・ルーセベリをご紹介させて頂きましたので、今回はスウェーデン繋がりということで、僕の好きなスウェーデンの近代クラシック音楽作曲家、北欧三大マエストロの一人、スウェーデンのヴィルヘルム・ステンハンマルについてご紹介させて頂こうと思います。
ヴィルヘルム・ステンハンマルは、北欧作曲家の名を世界に知らしめた北欧三大マエストロの一人で、世界最高の近代クラシック作曲家の一人です。欧州、特に北欧、彼の生まれ故郷スウェーデンでは彼の曲は人気がありよく演奏されます。北欧三大マエストロ(北欧三大巨匠作曲家)とは、一人はノルウェーのエドヴァルド・グリーグ、一人はフィンランドのジャン・シベリウス、そして今回ご紹介するスウェーデンのヴィルヘルム・ステンハンマルです。
グリーグはペール・ギュント組曲の「朝」が日本のテレビ番組などでよく使われ有名ですし、シベリウスも日本において知名度があり、交響曲第2番はよく演奏されます。しかしながら、謎なことに、日本において、ヴィルヘルム・ステンハンマルはほとんど注目されません。海外では、グリーグ、シベリウスに並ぶ巨匠なのですが、なぜか日本での知名度が低く、謎です。海外のクラシック音楽雑誌など目を通せば、普通に近代クラシックの大作曲家としてメジャーな存在だということが分かります。日本ではなぜか極端に知名度が低いですが、僕は実際に彼の音楽を聴いて、その素晴らしさに感動しファンになりました。
僕が始めて聴いたのは、イギリスの音楽雑誌「グリムフォン」にて、ベスト・クリティック・チョイスに選ばれた彼の名管弦楽曲、「セレナーデ 作品31」で、始めて聴いてあっという間に魅了されました。それから、交響曲、ピアノ曲、室内楽曲、歌曲を聴きましてどれも素晴らしい出来、グリーグやシベリウスに一歩も引けをとらないばかりか、彼らを超えているところすら見受けられる、近代クラシックにおける大天才作曲家です。
しかし、その割には、海外では普通にきちんと評価され、演奏されているのに、日本においては全然知名度がなく、演奏もされず、いつも悲しい思いをしておりました。このエントリで、少しでもステンハンマルの曲の素晴らしさが日本の人々に届けば心から幸いです。
ステンハンマルはノルウェーやフィンランドの音楽に範を取った愛国的な民族ロマン派に位置するグリーグやシベリウスとは違い、ベートーヴェン、ブラームスの流れに位置するコスモポリタン的なグローバルなロマン派作曲家で、グリーグやシベリウスに比べ、よくもわるくも、癖のない、スラッと胸に入り込んでくる形の無国籍風のクラシックで、僕はとても好きです。彼の曲は民族ロマン的な癖がないので、日本人にとって非常に聴きやすい音楽、眠る前に聴くとぐっすり安眠できるような普遍的に優しく美しい音楽です。先日挙げた現代クラシック作曲家ルーセンベリは前衛シェーンベルクの影響を受けているので、やや聴きにくい曲もあるのですが、近代クラシック作曲家であるステンハンマルは前衛シェーンベルクの影響は受けておらず、どことなくショパンの名ピアノ曲を彷彿とさせるような、とても美しく優しい滑らかな名曲の数々を作曲されました。
北欧三大マエストロのうち、フィンランドのシベリウスはスウェーデンのステンハンマルと互いに相手を高く評価して、国は違えど互いに厚い友誼を結び、シベリウスの交響曲第六番は『偉大なるスウェーデンの音楽家、ステンハンマルに捧ぐ』という、ステンハンマルに捧げられた曲であることとか、シベリウスファンのお方々にとっても、なかなか良い話ではないかなと思います。ステンハンマルの死の一報に接したシベリウスはその死を嘆き悲しんだと言われています。
ステンハンマルの曲はハズレがなく、全てがお勧めです。技術は極めて高度ですが、音調が滑らかでとても聴きやすい、良い意味でのイージーリスニング的なところのある音楽で、眠る前とかに聴くとホッと出来るタイプの心がリラックスする優しい音楽です。一番のお勧めは、先に挙げました管弦楽曲「セレナーデ 作品31」ですが、他の曲も全てがお勧めです。交響曲もピアノ曲も良いです。彼の曲は穏やかで優しい基調で、リラックスできる穏やかな音楽としてとても優れています。海外で高い評価を受けているにも関わらず、日本では全然アルバムが出ず、知名度がひくいのは残念です。魅力的な、優しく美しい、ショパン的なコスモポリタン性と柔らかい叙情性を持つ名曲を作曲した偉大なマエストロ、僕の最も好きな近代クラシック音楽家の一人です。ぜひ、皆様方にご一聴をお勧め致します。最後に、ウィキペディアとアルバムライナーノーツより引用致します。
ウィキペディア「ヴィルヘルム・ステーンハンマル」
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(Carl Wilhelm Eugen Stenhammar, 1871年2月7日 - 1927年11月20日)は スウェーデンの作曲家・ピアニスト・指揮者である。
ステーンハンマルは生涯を通して、スカンジナヴィアの音楽界で高い尊敬を勝ち得、多くの名声ある同僚たちと親交を保った。1916年にイェーテボリ大学より名誉博士の学位を受けた。
ステーンハンマルは、スウェーデンの最も重要な作曲家の一人である。同世代のヒューゴ・アルヴェーンとともに、フランス・ベルワルド以降の最も重要な交響曲作家でもある。(中略)
1910年を境にステーンハンマルは、新しい理想を成熟させ、それ以降は、「北欧風」の抑揚を目標に掲げ、効果なしでも成り立つような、「透明で飾り気ない」音楽を作曲しようとした。この頃からステーンハンマルの作品は、民謡の旋律法にしたがって形成され、教会旋法の活用や、ある種の真に簡潔な表現によって、紛うことなき「スカンジナヴィア風」の抑揚が展開されている。それにもかかわらず、高度な作曲技法は、わけても明白なポリフォニーが表現に加味されることによっても明らかである。この新しい様式の典型的な作品が、ドーリア旋法を用いた「交響曲 第2番」にほかならない。
ヴィルヘルム・ステンハンマル(1871〜1927)はスウェーデン近代音楽史におけるリーダー的な存在として活躍した音楽家である。その領域は作曲にとどまらず、指揮者、ピアニスト(室内楽・ソロ)としても評価が高い。同時代に生まれた作品(グリーグやシベリウスの作品)の初演・再演を(指揮者・ピアニストとして)手がけたことも多く、(友人の)シベリウスが交響曲第六番を彼(ステンハンマル)に捧げたことはもっと注目されてよい。作曲家としてのステンハンマルは同時代に活躍した他の北欧の作曲家、例えばグリーグやシベリウスらと違い、民族主義(民族ロマン派音楽)の方向に向かうことはほとんどなかった。(中略)
(ベルリンに留学して音楽を学んだステンハンマルは)正統的とも言えるヨーロッパ・ロマン派(ベートーヴェン、ブラームスなどのコスモポリタン・ロマン派音楽)の流れを受け継いでいたのである。「セレナーデ」(作品31)はそうしたステンハンマルの作品中でも中核に位置する曲であり、叙情性がバランス良くミックスされた近代スウェーデン・ロマン派音楽の代表作と言えるだろう。
作曲は1908年初夏から1913年にかけて行われたが、曲が生まれた背景には1907年にイタリアのフローレンスへ滞在した印象が強く作用している。チャイコフスキーの弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」やシベリウスの交響曲第2番、エルガーの序曲「南国にて」など、北国の作曲家がイタリアでの印象を作品化した他の例にもれず、「セレナーデ」も風光明媚な気候を想起させる一種の爽快さが大きな特徴になっているようだ。また第一楽章や第二楽章で聴かれるヴァイオリン・ソロには、かつての「セレナーデ」が担っていた『愛の音楽』としての性格が反映されている。
(ステンハンマル「セレナーデ」ライナーノーツより)
ステンハンマルは、ブラームスの重さを持たず、代わりにショパンの叙情性とモーツァルトの軽快さを持つ、とても聴きやすい穏やかな曲の数々を作曲した、近代クラシック作曲における素晴らしいマエストロです。ぜひ、ご機会ございましたら、ご一聴お勧め致します。セレナーデだけではなく、交響曲第二番も他の交響曲もピアノ曲も何もかもとても良いです。軽快で豊かな、そして優しい美しさに溢れた素晴らしい名曲揃いです。ステンハンマルの代表作セレナーデは1枚組アルバム(管弦楽のためのセレナーデ)の他に、4枚組アルバムセット(交響曲一番・二番、セレナーデ、他)にも収録されて出ております。とても良い演奏です。
参考作品(amazon)
ステンハンマル:管弦楽のための「セレナーデ」 [Import]
ステンハンマル:交響曲第1番、2番、セレナーデ(4CD)
ステンハンマル:ピアノ・ソナタ第1〜4番 幻想曲 [Import]
ステンハンマル:室内楽曲集
ステンハンマル:ピアノ協奏曲 第1番(原典版) [Import]
ステンハンマル:ピアノ協奏曲 第2番 他 [Import]
ステンハンマル:「歌」より間奏曲 「真冬」 [Import]
ステンハンマル:歌曲集 作品 7,8,16,20,26
ステンハンマル:ピアノ作品集(シヴェレーフ)
シベリウス:交響曲 第6番 [Import]
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