2009年04月25日 06:53

僕の好きな指揮者トスカニーニ「スケーターズ・ワルツ」「Beethoven: The 9 Symphonies」。ナチスに運命を狂わされた指揮者。

スケーターズワルツ〜管弦楽名曲
Beethoven: The 9 Symphonies [Box Set]

前回、下記エントリにてクラシック界の政治的問題点について書きましたが、今回も、僕の大好きな指揮者トスカニーニの名盤を紹介しながら、そのことにちょっと触れたいと思います。

絶対権威化した前衛音楽に抵抗する、美を求める音楽。吉松隆「プレイアデス舞曲集」シチェドリン「封印された天使」
http://nekodayo.livedoor.biz/archives/808309.html


トスカニーニは、フルトヴェングラーと並び20世紀前半を代表する天才指揮者であり、フルトヴェングラーを超えた20世紀最高の指揮者であるという説も根強いです。しかしその割にはフルトヴェングラーに比べ、今ではあまり聴かれることのない指揮者で、無念です。トスカニーニ「スケーターズ・ワルツ」「アルトゥーロ トスカニーニ」そしてトスカニーニ指揮「Beethoven: The 9 Symphonies」(ベートーベン全集)やトスカニーニ指揮「ブラームス全集」とか、フルトヴェングラーの演奏を超えた神懸かった演奏である部分を持つと僕は思います。

フルトヴェングラーはライブ演奏を重視し、それによってあまり良好なスタジオレコーディングが残っていないので、結果、伝説化している(録音が残っていないライブが神懸かっていたといわれる)ことでメリットを得ているところがありますが、トスカニーニは、カラヤンと同じくレコーディングを積極的に行ったので、フルトヴェングラーの音質があまりよくない種類のアルバムよりも、20世紀前半期収録とは言え、レコーディングのレベルがその当時にしては高いスタジオ録音の演奏の音楽アルバムが聴けます。上述の「スケーターズ・ワルツ」など音質は極めて良いです。

そんなトスカニーニの知名度が低いのはなぜか。これはまず第一に、トスカニーニは完全主義者のかんしゃく持ちであり、ちょっとでも演奏が上手く行かないとすぐにぶち切れる性格で有名で、今でいうところの「切れる」人だったので、フルトヴェングラーと違って、オケの演奏者達から「あのすぐぶち切れて怒鳴りまくるかんしゃく持ち野郎」と生前は恐れられ、死後は「奴(トスカニーニ)はすぐ切れる性格でしたよ」と散々に言われたことがあります。また、性格が夏目漱石の「坊ちゃん」にでてくるような熱狂的かつ一本気な性格で、我慢ならないことがあると、すぐに相手に対してあけっぴろげに直談判する性格で、ストコフスキーやフルトヴェングラーとは大喧嘩しており、ご本人達はどう思ってたかはわかりませんが、いわゆる派閥(ストコフスキーの派閥、フルトヴェングラーの派閥)からは蛇蝎の如く嫌悪されていました。

なんか、こう書いていくと人格破綻者の指揮者みたいですが、僕は伝記読みましたが、明らかに粗暴で人格破綻的なところもありますが、ただ、先に挙げた江戸っ子みたいな性格で、かんしゃく持ちの正義感が強い熱血漢ですぐにぶち切れるけれど、そのときだけで、次の日には怒りを忘れちゃうような性格で、僕は憎めなくて好きです。演奏も素晴らしいし、正直、すぐぶち切れるかんしゃく持ちの性格は僕自身にそっくりだと思いました(^^;

個人的にはトスカニーニはその場で怒りを爆発させるけど、その後はすぐそれを忘れて、「よっしゃ、次行こう!」みたいな感じで怒りが持続できないタイプでして、演奏メンバーが失敗したらネチネチ延々とその失敗をずっといい続けることで知られるこれまた天才指揮者ジョージ・セルあたりよりかはいいと思うのですが、どうでしょうか。トスカニーニはあけっぴろげなイタリア人なので、その気質はちょっと江戸っ子っぽい感じです。

後、ストコフスキーとの大喧嘩は音楽性の違いによるものであり、互いにボロクソに言い合う泥沼的大喧嘩で、二人の関係に周囲は緊迫したという逸話がありますが、これはちょっとアレですが、フルトヴェングラーとの大喧嘩は、フルトヴェングラーがナチスに協力したことに対して、トスカニーニは政治的にも正義感の強い人として有名で、「あんな糞残虐政権ナチスの犬になるのかフルトヴェングラーは!!恥を知れ!!」みたいな感じで激怒してフルトヴェングラーを怒鳴りつけて喧嘩になりました。これはどう考えてもトスカニーニの方が正論だと思うのですが、歴史とは勝者が作るもの、BPO(ベルリン・フィル)を手駒に持つフルトヴェングラーが世界最高の指揮者として熱狂的ファンを集めるなかで、フルトヴェングラーの熱狂的ファン達から、フルトヴェングラーに喧嘩を売った愚か者として、トスカニーニは嫌われました。

僕の高評価する、宗教音楽指揮における世界最高の天才であったオットー・クレンペラーなどは、トスカニーニこそが世界最高の指揮者であると評価し、「指揮者達の中の皇帝」との最高の称号をトスカニーニに贈っています。しかし、クランペラーみたいなお方は例外で、生前彼は敵を大勢作り過ぎたため、素晴らしい演奏の数々をレコーディングして残したにも関わらず、忘却の彼方に追いやられた悲劇的指揮者です。

クラシック音楽界も、ほかの業界(映画界、絵画界など)と同じく、クオリティのみではなく、色んな政治的意図と人間関係によって評価されてしまうので、前回のエントリでも挙げましたが、いかに素晴らしい音楽を残しても、周囲に敵を作りやすいタイプの奇人変人だと、音楽が評価されなくなってしまうことがあるのは、トスカニーニの演奏に魅了されている僕は、残念だなあと心から思います。

トスカニーニのエピソードをウィキペディアより引用していくつかご紹介致します。この一本気で完璧主義者で正義感が強く熱血漢で粗暴ですぐ切れる、そして音楽の天才である指揮者がいかに敵を作りやすい奇人変人であったかよく分かると思います。

ウィキペディア「アルトゥーロ・トスカニーニ」
アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867年3月25日 - 1957年1月16日)は、イタリア出身の指揮者。
1867年 パルマで生まれる。当地でチェロを学ぶ。
1886年 南米への演奏旅行中に指揮の代役をつとめ転向。
1898年 ミラノ・スカラ座音楽監督。(〜1908年)
1908年 メトロポリタン歌劇場音楽監督。(〜1915年)
1926年 ニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督。(〜1936年)
1934年 ザルツブルク音楽祭。(〜1937年)
1937年 ファシスト党政権に反対してアメリカへ亡命。当地で引退を表明。その後NBC交響楽団が創立され復帰。
1954年 演奏会で記憶障害をきたし降板。直後に引退を表明。
1957年 死去。89歳。
スカラ座やメトロポリタン等の音楽監督を歴任し、20世紀を代表する指揮者とされる。ロマン派のスタイルを脱却した演奏法で音楽における新即物主義といわれ、ライヴァルのフルトヴェングラーと対極をなした。速く正確なテンポ、統一したアンサンブル等は戦後の演奏法の規範となった。(中略)

(第二次世界大戦の)戦後NBC交響楽団を起用し数多くのレコーディングを行った。また、リハーサルの厳しいことで知られ、駄目出しの多さからトスカノーノとあだ名された(後述)。

トスカニーニは極度の近視であり、本番もリハーサルも暗譜で指揮するのが常であった。しかし、1954年4月4日の演奏会(オール・ワーグナー・プログラム・コンサート。曲目は「タンホイザー」序曲とバッカナーレ)での記憶障害により指揮を止めてしまった。そしてこの演奏会の直後にトスカニーニの引退が発表された(引退は演奏会の前に計画されていたとされる)。引退に際し公開した声明は、以下の通り極めて簡潔なものである。

 "The sad time has come when I must reluctantly lay aside my baton and say good-bye to my orchestra."

 「我が指揮棒を不本意ながら置き、なおかつ我がオーケストラに別れを告げねばならぬ悲しい時が来てしまった。」

逸話
プッチーニの遺作オペラ『トゥーランドット』の初演に際し、別な作曲家が補作したフィナーレの直前で演奏を止め、「マエストロはここまでで筆を絶ちました」と言って指揮台をおり、公演はそこで終了した。トスカニーニが公演中に声を発したのは、この時のみである。なお、台詞について異説があり、英語版Wikipediaでは「ここで死が芸術を打ち負かしました」とされている。トスカニーニはオペラピットを去り、場内の照明が灯り、聴衆も静かに帰ったという。

トスカニーニはオーケストラをリハーサルで徹底的に鍛え、妥協を許さない専制的な指揮者であった。こうした態度はオーケストラのみならずオペラ歌手にまで及んだ。あるとき著名なプリマドンナが「マエストロ、私はスターですよ!」と反論すると、トスカニーニは平然と「マダム、あなたは間違っている。スターは空にあるものですよ。」と答えたといわれる。

トスカニーニの暗譜能力は驚異的であり、合奏曲約250曲の全パート、オペラ約100曲の譜面と歌詞、更に多くの小品を完璧に覚えていたという。あるとき、バスーン奏者が演奏会の前に自分の楽器のキーを一つ壊してしまい、トスカニーニに相談した。トスカニーニは暫く考えてから、「今夜の曲ではその音は使われないから、心配しないで良い」と答えた。(中略)

トスカニーニは非常に短気であり、オーケストラのリハーサルの際には怒鳴り声を発することは頻繁にあった。戦前に出演したバイロイト音楽祭では、オーケストラが一音出すたびに「ノー、ノー!」と怒鳴るので「トスカノーノ」というあだ名を付けられていた。しかし当時のオーケストラ団員は仕事に対するモラルが低く、各々が好き勝手な譜読みをしたり、リハーサルを勝手に休み他所でアルバイトをするような者もいた。指揮者が理想どおりの音楽を表現しようとするためには厳しい姿勢を示す必要があった。

トスカニーニがリハーサル中に激怒すると、指揮棒を折る、スコアを破く、インク瓶や懐中時計を地面に投げつける、譜面台を壊したりするということもよくあり、(リハーサル中に激怒して暴れて)コンサートマスターの指を指揮棒で刺してしまい、(コンサートマスターの指がかなり怪我して)裁判沙汰になったこともあった。しかし一通り暴れ終わった後は平然とした顔で「それではリハーサルを始めましょう」と何食わぬ顔でリハーサルを始めた。また、いかにもイタリア人らしく激しく怒っても翌日には忘れてしまい、まったく後に引くということがなかった。翌日も怒りが残るジョージ・セルとは対極をなし、(彼の暴力で怪我を負わせられた団員は別として、怒鳴られたりしただけの)オーケストラの団員から憎まれるようなことはなかったという。 (中略)

あるとき、ニューヨークの演奏会で、聴衆が数人遅刻してくると、トスカニーニはナポレオン風に腕を組み、「遅れてはいかん!」と叱り、呆然としたオーケストラに対し、目の前のチェロの譜面台をわざとらしく叩き、演奏を始めたという。

トスカニーニは指揮者・レオポルド・ストコフスキーとは犬猿の仲であった。ストコフスキーのスコア改変に対して「あいつは作曲者に対する殺人者だ」と罵り、一方ストコフスキーも「怒鳴れば何でも思い通りになると思ってるイタリア人」と皮肉を言っている。しかし、もともとは関係は良好だったらしく、自らの演奏会に賓客としてストコフスキーを招き、その演奏を聴いた彼は「これほど多くのことを学ばせてもらった演奏に対して、料金を払わないわけにはいかない」と、チケットの代金を払ったという逸話もある。また、「あいつが振れば、どんな指揮者より良い音が鳴る」と、改変に対しては嫌悪感を抱きつつも、指揮自体の手腕は高く評価していたようである。

トスカニーニの末娘であるワンダは、ピアニストのウラジミール・ホロヴィッツと結婚した。トスカニーニはホロヴィッツと共演したこともあるが、大ピアニストであるホロヴィッツに対して「でくのぼう」呼ばわりしたこともあったという。

トスカニーニは大変な好色家(さすがイタリア人!)で、共演者の歌手との浮名を流すこともしばしばであった。それについて妻は常に悩んでいたという。しかし家族愛は強く家族の人数分のハートを彫刻した腕輪をはめていたり、孫(ホロヴィッツとワンダの娘)ソニアを溺愛し、結果的に断られたものの一時は養子にしてくれるように頼んだことも知られている。臨終の際、ソニアが見舞いに来たときトスカニーニは、「おお、ソニア、ソニア。来てくれたのか。おじいちゃん、もうすぐ死ぬからな」と言ったという。

ジークフリート・ワーグナーの死後、相性が合わなかった未亡人のヴィニフレートがナチスに接近すると、トスカニーニは「一切変わらん限り帰らない!」と叫んでバイロイト音楽祭から身を引いた。さらに1937年、ザルツブルクの路上でフルトヴェングラーと口論(伝説的な感情的大喧嘩)となった。両者は前年のニューヨーク・フィルの引き継ぎをめぐって感情のしこりがあったが、フルトヴェングラーがドイツにとどまっていることで、ヒトラーの言いなりになっていると(トスカニーニは)解し、険悪な関係となっていた。

トスカニーニ
「あなたはナチだから出ていけ!自由な国と奴隷化された国の双方では指揮する資格はない。」
フルトヴェングラー
「あなたにまかせるなら出て行きます。でも音楽家にとって自由な国も奴隷化された国もない。演奏するのがたまたまヒトラーの国といって、ヒトラーの部下とは限らない。偉大な音楽こそナチスの敵ではないですか!」
トスカニーニ
「第三帝国で指揮するのはみんなナチスだ!」といった内容で喧嘩別れした。以降二人が会うことはなかったといわれる。

トスカニーニは正義感の強さで知られ、フルトヴェングラーに対して「あなたはナチスに協力している非人道的なナチの手先だ!!」と激怒して言い放ち伝説に残る大喧嘩しました。しかしその後(トスカニーニの死後)の歴史的検証によって実際にフルトヴェングラーとBPOは積極的にナチスに協力していたことが判明したわけです。トスカニーニの怒りに対して、「音楽家に権力を与え沢山の金を出してくれるナチスは偉大だ!素晴らしい!」とか言い放ってナチスを肯定してナチスとヒトラーに捧げる音楽をナチ党大会や軍のイベントで演奏しまくって政治権力を得たフルトヴェングラーの性根の腐り具合(僕はフルトヴェングラーを音楽家としては尊敬していますが、ナチスに積極的に加担した政治的行動は、哲学者ハイデガーと同じく、倫理的に決して許されない政治的行動であったと思います)に比べ、どう考えても倫理的には粗暴でフルトヴェングラーに比べると世渡りが下手だったトスカニーニの怒りの方が正論として分があると思います。

ただ、トスカニーニは切れやすい性格で、ぶち切れると大暴れし、大声で怒鳴りまくって相手を罵倒し、物を投げるは指揮棒を振り回して大暴れするわ、かなり人格的にアレな性格、無理によく言えば一本気で熱情的な性格、普通に言えば空気が読めず周囲が見えないすぐ切れて暴れる粗暴なところの大きな性格でしたので、音楽界の大物フルトヴェングラーと大喧嘩したときは、フルトヴェングラーみたいな大物は挑発に乗らず、良く言えば冷静沈着、悪くいえば慇懃無礼で見下した貴族的態度に喧嘩に対応するので、その場での喧嘩の軍配としてはフルトヴェングラーに上がったといわれています。殴り合いなら違いますが、口喧嘩では粗暴で感情的な態度でぶち切れてしまった方が負けてしまいます。

しかも、フルトヴェングラーはとてつもないカリスマ性を持ち、音楽家にもファンにも熱狂的な信者を抱える極めて老獪な政治力の持ち主で、一本気で自分の思っていることをすぐにべらべらしゃべり、怒りを感じるとすぐにぶち切れて怒鳴りまくるは手当たり次第周囲のものを投げつけまくるは指揮棒振り回して大暴れするわ、そしてだれともつるまない(彼は非常に切れやすかったので、誰もつるみたくなかったのかもしれません)一匹狼のトスカニーニは彼(フルトヴェングラー)との政治的闘争に太刀打ちすることができず、それが彼の死後、彼が急速に忘れ去られた一因と言われています。

ただ、余談ですが、トスカニーニは音楽界の大物とはつるめませんでしたが(彼の直情的で義が通らないと思ったらすぐに直談判する一本気な性格が音楽界の大物達からは疎まれたと思います)、粗暴だけど下っ端には面倒見がよい大親分みたいな性格で、オケの団員には親しまれていました。良くも悪くも任客の大親分みたいな感じです。陰謀術策にきわめて優れ、政治的に狡猾だったいかにも頭の良いドイツのフルトヴェングラーに比べると、裏表がなくよくもわるくもちょっとバカっぽい一本気なトスカニーニはいかにもあけっぴろげなイタリアっぽいなあと感じます。閑話休題致します。

つまり、トスカニーニが死後急速に忘れ去られたのは、思い切りぶっちゃけて内幕を言えば、「フルトヴェングラー&BPOの汚点である、ナチスドイツ軍への積極的な協力とその見返りによる特権的権力・軍への音楽的協力、ゲッペルスと組んだ音楽を使ったプロパガンダ活動、BPOからのユダヤ人追放など」は、彼らにとってもみ消したい過去であり、そのことに対してずっと激怒して批判していたトスカニーニはドイツクラシック音楽界にとって「邪魔な存在、歴史から抹殺してしまいたい存在」であったということです。トスカニーニが性格がすぐぶち切れる性格で敵が多い一匹狼の指揮者だったことも、彼の死後、彼の業績を政治的権力を使って音楽界から消してしまうことを容易くしました。

僕はこういったことはあまりにどうかと思います。今ではフルトヴェングラー&BPOがゲッペルスと組んで積極的にナチスに加担し、それによってナチスの高級将校に匹敵する大きな政治的特権を得ていたことは歴史的真実として明らかになっております。このことについてはドキュメンタリーDVD「ベルリン・フィルと第三帝国 ドイツ帝国オーケストラ」のご視聴お勧めです。今現代から見れば、激怒したトスカニーニの方が正論を言っていていたことが分かっています。フルトヴェングラー&BPOはナチスに積極的に加担してナチスの戦争を手助けしている糞野郎どもだとトスカニーニは激怒して批判しました。トスカニーニの死後の後の歴史的検証によりにトスカニーニの言った通りであることが判明しました。トスカニーニとフルトヴェングラー&BPOの関係はトスカニーニの生涯最後まで最大に険悪で互いに生涯ずっと心底憎み合っていました。ストコフスキー本人とはそこまで憎みあってはいないようです。互いに「アイツはとんでもなくむかつくけど天才であることは認めざるえない」と両人とも思っていたと言われています。
ベルリン・フィルと第三帝国~ドイツ帝国オーケストラ [DVD]
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クラシック音楽界も他の業界と同じく政治的な思惑が絡んだありとあらゆる陰謀術策うずまく非常にどろどろした派閥と派閥の政治闘争する世界であり(この辺のクラシック音楽界のどろどろとした政治的な闘争の裏面が描かれない点で、大人気のクラシック音楽コミック「のだめカンタービレ」とかは理想のクラシック音楽界を描いたフィクションな訳です、さそうあきらさんのクラシック音楽コミック「神童」は結構この辺のことが描かれています)、トスカニーニのような世渡りの下手な一匹狼で派閥に属さないタイプは、いかに素晴らしい音楽家であろうが、政治的な闘争権力によって後世忘れ去られていってしまう、こういったことが、トスカニーニの偉大な音楽的才能を最高に高く評価する僕としては悔しいです。

僕はトスカニーニはコルンゴルトやシュピルマンと同じくナチスに運命を狂わされた悲劇の音楽家の一人であると思います。結局、クラシック音楽界も、他の業界と同じくどろどろした政治的な陰謀術策と権力によって動いており、いかに天才的な音楽才能を持とうが、トスカニーニのように世渡りが下手(性格が破綻、特に人間関係の構築の問題に難点を抱えているタイプ)だと、政治的な動きにより評価が決まり、音楽自体は評価されないところが大きいです。とても悲しいことです。

僕は、音楽は、純粋に音楽それ自体として評価されて欲しいと心底から願います。彼の指揮は神懸かったような素晴らしいものが多いです。トスカニーニを聞くのにまず一番のお勧めはトスカニーニ「スケーターズワルツ 管弦楽名曲」です。トスカニーニの才能がフルに伝わってくる名盤です。本アルバムが気に入りましたら、トスカニーニのアルバム「アルトゥーロ トスカニーニ」辺りから入って、後は彼が指揮したベートーベン全集やブラームス全集などを聴いていくと、彼が、オットー・クレンペラーの言葉どおり「指揮者の中の皇帝」たる、20世紀最高の指揮者であることがよく分かると思います。素晴らしい録音を残したお勧めの演奏家(指揮者)です。ぜひ、一度聴いてみて欲しいです。ただ、「アルトゥーロ トスカニーニ」は高い(一枚組で3000円前後)ので、それよりも安いベートーベン全集(五枚組で2000円前後)から入る方がコストパフォーマンスは良いと思います。

音楽家は別に聖人ではないので(寧ろ、伝記などを読むと音楽や絵画や文学の天才芸術家にはどう見ても性格がよいとはとても言えない人格破綻者が多いです)、リハーサル中に大暴れしてコンサートマスターを怪我させて警察に逮捕されたり(トスカニーニ)、またトスカニーニとフルトヴェングラーのように相手を叩き潰そうと心底から憎悪しあう強烈な憎しみの関係とかざらにあり、そうすると、権力の大きい方が、権力の小さい方を楽壇から抹殺してしまうんですね。トスカニーニは変人の一匹狼とはいえ天才指揮者なので、生きている間はフルトヴェングラーを超える人気がありましたが、死後は、BPOの政治的な力により、楽壇の歴史から消えてしまった悲劇的天才指揮者です。最後に、ライナーノーツより引用させて頂きます。

(現在ではBPOの政治的動きなどでトスカニーニは忘れ去られているが、彼が生存し活躍中は世の中の)人気を二分した(ライバルにして互いに心底から憎悪しあっていた)フルトヴェングラーの録音とともに、今世紀のオーケストラの頂点を極めた「演奏という名の作品」であり、私たちに残された永遠の遺産なのである。
(トスカニーニ「スケーターズ・ワルツ」ライナーノーツより)

最後に、このようなことを書き心から誠に申し訳なく思うのですが、うつ病他精神疾患に罹患してから一年が過ぎ、障害者自立支援法の継続期間が切れ、継続更新しなければなりません。障害者自立支援法の継続更新自体は特に何も問題なくなされるとのことなのですが、大きな問題は、継続更新自体に費用が数千円掛かる形でして(障害者自立支援法継続更新診断書が必要です)、この障害者自立支援法継続更新費用には障害者自立支援法医療費上限負担額制限(低所得者は精神疾患治療医療費の上限負担額が制限されます)が効かない形でして、僕は低収入者(失業しております)のため、障害者自立支援法上限負担額制限にて治療費上限が制限されていますが、障害者自立支援法継続更新に掛かる費用はこの上限制限が効かないとのことで、どうしても数千円更新費用の出費を捻出しなくてはならず、先日血圧計を買ってしまったので、お金(病院に払う更新費用の現金)がなくて大変困っております。

どうか、ギフト券かアフィリエイトでご慈悲をお賜わりになってくださって頂けますと、心から深く感謝致します。現在、お金が払えないので、障害者自立支援法の期限切れは今年の6月なのですが、更新手続きに時間が掛かりますので、少なくとも今年の5月上旬までに更新用診断書作成依頼をせねばならず、現在お金がなく、困っております。どうか、ギフト券かアフィリエイトでご慈悲をお賜わりになりお助けしてくださると非常に助かります。

障害者自立支援法が適用されないと、医療費が3倍になる上(現在医療費は1割ですが、それが3割になります)、障害者自立支援法の医療費上限負担額制限がなくなるので、計算しましたところ、月の医療費が15000円になる形で、僕の現在の状況からすると確実に払うことができません。どうか、お助けしてくださると、心から感謝致します。最後の文章がこのようになり、誠に申し訳ございません。

参考作品(amazon)
スケーターズワルツ〜管弦楽名曲
Beethoven: The 9 Symphonies [Box Set]
ブラームス:交響曲全集
アルトゥーロ トスカニーニ:ロッシーニ、ヴィヴァルディ
ベルリン・フィルと第三帝国~ドイツ帝国オーケストラ [DVD]
トスカニーニ~ザ・マエストロ(完全版) [DVD]
のだめカンタービレ(1)
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