2009年03月22日 20:42

先のことで非常に心痛が酷く、心が重く暗くて苦しいです。ロシアのショパン、メトネル「おとぎ話・忘れられた調べ」

おとぎ話/忘れられた調べ~メトネル作品集

先のことで、非常に心痛が酷く、心が重く暗くて苦しいです。心の苦しみが重く晴れません。これまで野党が共同で出した社会保障案を悉く握りつぶしてきた自民党政治がこのまま続けば、死んでしまう可能性が極度に高いので、辛いです。一日も早い政権交代を望みます。現在の状況では生活が困難です。

結局のところ、論争になるとアフィリエイト収入が低下するので、ギフト券とアフィリエイトでなんとか生きのびている僕のような貧しい人間(失業者・ルンペンプロレタリアート)は、インターネットでもブルジョワジーに比べて大きく不利な立場にいるわけで、色々なことを考えるたびに絶望的で、苦しくて口の中が苦いです。

なんで富裕層は貧困層を痛めつけ、苛め抜くのか分かりません。自らの富の利益のためなら、どれだけの人々が貧困で喘ぎ苦しもうとも、構わないというのでしたら、それは倫理的に誤っています。金融危機の起きた最大の原因の一つは、世界中の金融業界のモラル・ハザード、金儲けの為なら人々が苦しもうがどうなろうが何をしてもいいというモラルの崩壊にあり、それは市場経済を最優先する新自由主義が根底にあることをスティグリッツ、アマルティア・センらが指摘しています。アジア通貨危機のくり返しです。アジア通貨危機では、金融業界のモラルハザードが指摘されましたが、アメリカを中心とする政財界は、通貨危機を引き起こした金融業界を擁護し、市場経済を最優先する施策を取り続けました。その結果、全世界に格差と貧困が広がり、世界金融危機によって人類は歴史的な危機に立たされています。

モラルのない自由取引市場は人々が自らの利益のためなら他の人々を傷つけても構わないという意志で行動するので、放置すると崩壊するというのは、既に昔から指摘されており(公共性を重んじるケインズ経済学へ繋がります)、そのために様々な市場への公的介入が導入されました。市場への公的介入は、人々を傷つけても儲けようとする人間のエゴイズムを制限して、より多くの人々を守るためにあるのです。

しかし、それらの介入が経済活動にマイナスの影響を及ぼすこともあり、それは極めて慎重に微妙に調整して行かねばならないことなのに、新自由主義(ワシントン・コンセンサス)の元に、いきなりありとあらゆる規制が取っ払われ、金融業界が狂ったように世界中を飲み込んで破裂し、世界中で急激に格差と貧困が広がりました(スティグリッツ)。ごくごく少数の富める者のみが栄え、その他大勢の人々が没落してゆく悪夢の時代になり、金融危機によってついに最終的な崩壊がきました(世界金融危機)。

もはやどこの自由市場も需要は生み出せないので、このまま新自由主義を継続するなら、需要創造の為には、戦争しかありません。僕は新自由主義を継続させるための馬鹿げた最悪の戦争に絶対反対です。戦争を起こさずに世界経済をソフトランディングさせるには、新自由主義ではなく、富を再分配して需要を喚起する福祉国家路線へのチェンジが必要だと思います。既に現在、世界各国がその方向に動いています(米・欧州等の世界各国、いまだ新自由主義を掲げる日本を除く世界各国です)。

以前、日本の累進化税率は、所得税と住民税を合わせて最高税率85%でした。今では、所得税と住民税を合わせても最高税率50%です。逆に、消費税という逆累進性(富裕層に有利で貧困層に不利な税制)を持つ税制が導入され、金融危機が起きる前、日本の景気が回復しているといわれた頃ですら、日本のジニ係数は上昇し続けています(2000年から2005年で大幅に上昇)。2010年度の調査ではジニ係数が1へ向かって跳ね上がっていると思います。

ウィキペディア「ジニ係数」
ジニ係数 (Gini coefficient, Gini's coefficient) とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。係数の範囲は0から1で、係数の値が0に近いほど格差が少ない状態で、1に近いほど格差が大きい状態であることを意味する。ちなみに、0のときには完全な「平等」つまり皆同じ所得を得ている状態を示す。(中略)

日本のジニ係数は、当初の高齢化によるとされる急激な上昇分を社会保障の再分配によってほとんど吸収してるが、十分ではなく税による再分配が弱まっているために、ジニ係数の上昇を早めている。原因として、中間所得層に対する税率が OECD 各国に比べて低すぎること、労働年齢層に対する社会保障が少ないことが明らかにされ、養育に対する支援も少ないことで子育て世帯の貧困率を高めている可能性があることが指摘されている。

ジニ係数が0.5越えとかいったらそれはもう相当な封建的腐敗国家(富の再分配機能を失っている階級制度国家)なんですが、自民党がこのまま新自由主義政権(現麻生与党政権は小泉新自由主義路線の流れを引き継ぐ新自由主義政権です)を運営して現状維持(富の再分配否定路線)を走り、富の再分配を強固に拒否し続ければ、0.6とか0.7とか2010年度の日本の調査でジニ係数が到達するんじゃないかと思います。そのときは、貧しい人々は生きのびていることが困難です。生活保護はどんなに困っていても受けるのが難しいため(僕は跳ねられました。65歳以下だと労働稼動年齢とみなされそれだけで跳ねる対象になります)、自殺や飢え死にする人々が急増すると思います。

スティグリッツ始めとして今現在のあらゆる経済学者・専門家達が主張していますが、貧富の差(所得格差)が開きすぎると、需要が低迷するため、景気が慢性的な不況になって回復できなくなります。新自由主義は、この観点を完全に抜かした「資本家の為の資本家による資本家保護の政策」なので、結果的に自滅する(労働者層の消費を貧困によって全滅させることで、市場自体が負のスパイラルに陥る)ことが、金融危機前から指摘されており、金融危機によってそれが理論ではなく、実証された形です。

新自由主義の失敗(新自由主義は格差と貧困を増大させ、そして市場が暴走し市場自体を自壊させる)が明らかになったことにより、いまだに新自由主義の枠内で経済をやれば人々が豊かになるとか言っている人は、多少なりとも真っ当な経済学者や経済アナリストには僕の知る限り誰もいません。かの竹中平蔵氏すら、新自由主義は人々を豊かにするという学説が既にトンデモ学説になってしまったので、新自由主義のメリットを、国際競争に勝ち抜くには新自由主義でコスト削減しかないという、国際競争の為の新自由主義に話をすりかえています。

しかし、世界中が新自由主義から内需喚起の福祉型に転換しており、アメリカすら、オバマ大統領の元、高額所得者への税率を引き上げて再分配を手厚くする福祉国家型の政策を打ち出しています。いまだに、新自由主義施策を唱え続けているのは、世界各諸国の中で日本ぐらいです。他の国なら民衆の反乱が起きてもいいんじゃないか、最低でも大規模デモが起きていいんじゃないかと思うレベルですが、大勢の日本人はずっと耐えています。

もういい加減、人々を苦しめるだけの与党政治、新自由主義、自由市場原理主義には幕を引くべきです。自由市場単体自体には自浄作用も富の再分配機能も備わっていないので、自由市場単体を優先して走らせれば(新自由主義・日本現与党自民党の考え方)、自由市場は暴走して自壊し大勢の人々を貧困に巻き込みながら崩壊します。世界中で新自由主義との決別が行われているのにも関わらず、日本だけが新自由主義をやり続ければ、日本は衰退しながら、世界中を貧しくさせる元凶国として世界諸国からバッシングされるだけの国家になるでしょう。

僕は生活が苦しくて、非常に、辛いです。僕が死んだ後、猫のことが心配です。ジニ係数を増大させ(格差・貧困を増大させ)、中間層を没落させ、僕のような最底辺の貧しい人間を死に追いやるこの社会システム(新自由主義)は確実に間違っていると実感を持って心から思います。

明るい気分だったときは、以前のような明るい音楽を下記のようにご紹介できたのですが、そういった気分ではなく、とても重く苦しい気分です。下記について、評価して頂き嬉しく、感謝致します。

自由なお勧めクラシック「The Original Hooked On Classics Collection」ドゥダメル「フェイスタ!」
http://nekodayo.livedoor.biz/archives/765289.html


ただ、今は非常に重い苦しい気持ちで、うつ状態が酷い状況なので、明るい音楽はご紹介できそうになく、暗く美しい音楽をご紹介させて頂こうと思います。ロシアのショパンと呼ばれるメトネルの作品です。ショパンと同じくピアノ作品のみを丹念に創り続けたメトネルは「ロシアのショパン」「遅れてきたロマン主義者」などと呼ばれましたが、僕はメトネルとショパンは決定的に違うところがあると思います。

その違いは、メトネルの方が、圧倒的にショパンよりも暗く、厳格で、そして悲劇的です。古典派の様式を重んじながらも、絶望的な不穏のニュアンスを持つ新古典主義に近づいている旋律が数多くあります。ショパンの叙情的なメロディにはなんともいえない秋空のような美しさがありますが、メトネルのメロディは、聴いていると悲しくなってくる冬空のような感じです。メトネルのピアノ曲は「メランコリック(憂うつ)の音楽」とも言われます。ショパンにポーランドの秋を思わせるところがあるとすれば、メトネルにはロシアの冬を思わせるところがあります。とても美しく、そして暗く内省的な曲の数々を彼は作曲しました。ライナーノーツより引用致します。

メトネルの作品にはロマンティックな興奮と鋭い感性が厳格な知性と結びつき、どこかで理性的な厳しさを志向している。それは時として率直な完成の出口を見失い、内側へと向かいつつより複雑な表現の方法に至ったのではないかと想像できる。そのことはより、「忘れられた調べ」作品38などに顕著に現われているといえるだろう。

第一曲目に収録された作品20の1の「おとぎ話」を聴いて、まずその楽曲の美しさに心奪われることだろう。メトネルの作品に共通するその典型的な響き、美しさがここに集約されている。(中略)

メトネルは「ロシアのショパン」で、若干の歌曲と室内楽曲を除けば、ピアノ曲しか残さなかった。(中略)最も個性的なのは本人の命名による性格的小品「おとぎ話(スカースカ)」である。その多くはロシア民話を題材に匂わせるが、必ずしも具体的な表題は付されておらず、むしろこれらは作曲者本人の心の内面を映し出しつつ、ロシア人の豊かな情緒の世界を独特の語り口で歌い上げたものと言えよう。本盤の前半はこの「おとぎ話」を七曲取り上げている。
(メジューエワ「メトネル:おとぎ話/忘れられた調べ メトネル作品集」ライナーノーツより)

メトネルの曲の美しさは僕個人的には、ショパンにも引けをとらぬ美しさだと思うのですが(ライナーノーツにその美しさが特筆されているように、メトネルのピアノ曲は端正でとても美しいです)、ショパンのように世界的にヒットするに至らないのは、やはり全体的に暗いメランコリックなところがあるからかなと思います。ただ、それでも、とても美しい音楽で、気持ちが重くて床に伏せっているときなどはときどき聴いている、僕の好きな音楽です。

メトネルのアルバムの代表的なものと言えば、先のライナーノーツのアルバム、メジューエワ「メトネル:おとぎ話/忘れられた調べ メトネル作品集」でして、これは僕が確か7、8年くらい前買ったとき3000円だったのですが、今さっき、amazonで見たら1000円になっていて驚愕しました。海外盤並の安さで、しかもメトネルの最も美しいとされる代表的な作品揃いなので、皆様方にお勧めできる、メトネルのべスト・アルバムであると思います。

このアルバムを聴いて、メトネルの音楽をもっと聴きたいと思ったお方々には、メトネルのピアノ・ソナタの全集が海外盤にてでております(Nikolai Medtner: Complete Piano Sonatas; Piano Works [Box Set] )。こちらの方も僕は聴きましたが、とても良いです。メジューエワの素晴らしい演奏と同じく、ハーミッシュ・ミルン(この全集は基本的にほぼミルンの演奏です)がとても素晴らしいピアノの響きを聞かせてくれます。アムランの全集(Medtner: Complete Piano Sonatas, Forgotten Melodies / Hamelin [Box set] )も聴いて、世界的な評価としては全体としてアムランの方が高いです。ただ、あくまで、僕一個人の好みとしては、ミルンの方が好きです。アムランの方がダイナミックで力強い演奏なので、聴くのに気力が要ります。

ただ、世界的評価はアムラン盤の方が高いので(値段もアムラン盤が1000円高いのみです)、より純粋に音楽的なクオリティを重視するというお方々には柔らかいぼんやりした感じのミルン盤より、メトネルの旋律が極めてはっきりとした技巧の優れたアムラン盤の方がいいかも知れません。

僕個人としては元気のないときにメトネルを聴くので、気力がいるアムランよりも、柔らかく静かに弾いているミルン盤を好んでいます。ただ、アムラン盤がミルン盤かというのはどうしても個人の好き好きの問題が出てくると思います。世界的評価としてはアムラン盤です。

メトネルを十八番とするピアノスト、メジューエワのメトネル演奏もとても優れているんですが、彼女は全集boxとかまだだしていないと思われるので、これからに期待するピアニストです。メジューエワのメトネル作品は作品集1〜3(これが以前3000円だったのが、先にご紹介した1、そして2が1000円に下がっておりますので、3もそのうち1000円になるんじゃないかと思います)のみかと僕の知る限りでは思います。もしメジューエワが全集や他のメトネルアルバムを出していたらごめんなさい。病気になって失業してから一時期完全に動けず、音楽情報にも疎くなっており、近年の音楽シーンが分かりません。

最後に、僕は失業していて収入がギフト券とアフィリエイトのみなのですが、最近は不景気の影響か、一日の収入が百円〜二百円にて生活苦しく、どうか、ギフト券、アフィリエイトのお買い物の御用などでご慈悲を頂けますと、心から深く、とても感謝致します。最後がたびたびこのようになり、本当に申し訳ございません。誠に申し訳なく、辛く思っており、申し訳ありません。

メジューエワのメトネル第一集「メトネル:おとぎ話/忘れられた調べ メトネル作品集」の一曲目のおとぎ話作品20-1はまだメトネルを聴いたことのないお方は驚くほど美しい(僕は始めて聴いたときその美しさに驚きました)ので、ぜひ、ご一聴お勧め致します。特にクラシックにおいてショパンがお好きなお方ならば、きっと美しさに心打たれると思います。メトネルは透明な氷で造形したショパンの曲のようです。それはとてもクリアに美しいです。

参考作品(amazon)
おとぎ話/忘れられた調べ~メトネル作品集
メトネル:作品集(2)
メトネル作品集(3)エレジー
Nikolai Medtner: Complete Piano Sonatas; Piano Works [Box Set]
Medtner: Complete Piano Sonatas, Forgotten Melodies / Hamelin

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