2009年01月24日 21:45
バルト三国と今後の日本。僕のベストアルバム「わが故郷から−バルトの音楽」静謐な美の響き。
わが故郷からーバルトの音楽
先日に比べると、少し体調が回復しました。ただ、午前中は少し身体の調子がいいんですが、午後から悪くなって、夜にはいつも最悪になります。抗うつ剤SSRIを夜飲んでいるので、午前中は調子がよくて午後から悪くなるのは薬の効き目が切れてくるのかなと思います。
いつも悲嘆的なことしか書けず申し訳ありません。今日は、悲嘆的なことではなく、僕の持っている音楽CDの中でも、べストアルバムといえる一枚をご紹介致します。ギドン・クレーメルが演奏したバルト三国の音楽を集めた音楽アンソロジーCD「わが故郷から−バルトの音楽」です。とても穏やかで静かに優しく美しい曲が揃っている非常な名盤だと僕は思います。ギドン・クレーメルが「バルトに捧げるアルバム」というエッセイを書いているライナーノーツより引用致します。このエッセイは本CDの邦盤ライナーノーツにちゃんと日本語訳されて掲載されてますので安心です。
まさにクレーメルが言い尽くしていて、後はぜひ聴いて欲しいです。信じがたいほどの静謐な美しさは、まさに美しい灰色の響きとしか云い様がなく、気持ちを静かに落ちつけてくれます。うつ病になってから、騒がしいものに耐えがたくなってしまったので(うつ病の症状として騒がしい音などに苦痛を感じるというのがあるそうです)、こういった音楽は僕にとって大変な救いです。僕のベストアルバムです。ぜひ御一聴のほど、心からお勧め致します。
また、このアルバムがお気に入りましたら、クレーメル名演奏集、エネスコ弦楽八重奏曲もとてもよく、またタンゴもOKなお方々にはクレーメルのピアソラシリーズもぜひご一聴、お勧め致します。
最後に、歴史的にバルト三国は大変な苦難を味わってきた国々でして、そういった苦難の中から、バルト三国の人々が本音楽CDのような世界に普遍的に通用する素晴らしい芸術(本CDは世界的に評価が高い音楽CDの一枚です)を生み出したということは、今後日本に訪れるであろう苦難の中でも、希望の灯火になるのではないかと僕は思います。その点でも、ぜひご一聴をお勧めする作品です。
参考作品(amazon)
わが故郷からーバルトの音楽
ギドン・クレーメル名演奏集(10枚組)
エネスコ:弦楽八重奏曲:ピアノ五重奏曲
ピアソラへのオマージュ
ピアソラへのオマージュ(2)
トレーシング・アストル〜ピアソラへのオマージュ(3)
ピアソラ:天使のミロンガ
ピアソラ/ブエノスアイレスのマリア
バルト三国史
クレーメル青春譜
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先日に比べると、少し体調が回復しました。ただ、午前中は少し身体の調子がいいんですが、午後から悪くなって、夜にはいつも最悪になります。抗うつ剤SSRIを夜飲んでいるので、午前中は調子がよくて午後から悪くなるのは薬の効き目が切れてくるのかなと思います。
いつも悲嘆的なことしか書けず申し訳ありません。今日は、悲嘆的なことではなく、僕の持っている音楽CDの中でも、べストアルバムといえる一枚をご紹介致します。ギドン・クレーメルが演奏したバルト三国の音楽を集めた音楽アンソロジーCD「わが故郷から−バルトの音楽」です。とても穏やかで静かに優しく美しい曲が揃っている非常な名盤だと僕は思います。ギドン・クレーメルが「バルトに捧げるアルバム」というエッセイを書いているライナーノーツより引用致します。このエッセイは本CDの邦盤ライナーノーツにちゃんと日本語訳されて掲載されてますので安心です。
「バルトに捧げるアルバム」
ギドン・クレーメル
『今もなお、私にはヤヌ・スヴェトゥキの夜(ラトニアで聖ヨハネの祝日前夜に行われる夏至際)の歌声が聞こえる。浜辺で燃える火を飛び越える儀式が目に浮んでくる。あたりの空気は、川のほとりに茂るカミーシュ(草)の匂いで満ちみちていた。』(「幼年時代の断片から」)
私は人生においても音楽においても、リガで初めの一歩を踏み出しました。現在ではラトヴィア語を、リガに住んでいた頃のように喋ることはできませんが、私はラトヴィアこそが自分が最も深く根ざしている場所、故郷であると感じます。
ラトヴィアは現在ふたたび独立国となりましたが、まったく他から独立しているというのではなく、バルト海に面する三国の一部でもあります。バルト三国は、ソヴィエト連邦に属していた頃を含めて、常に自らの価値とアイデンティティーを擁護してきました。
しかし、今日では世界に向けて再び開かれようとしています。(中略)
彼らの国(バルト三国)と文化は(独立によって)再び独自のものとして理解されるようになりました。このCDはその証であり、私はこれをバルトの作曲家と風土に捧げたいと思います。ここでは、「わが故郷から」のタイトルのもとに、私の本来の故郷であるラトヴィアのみならず、意識的にバルト三国すべてから曲を選び出しました。というのはバルトの国々はすべて、私の少・青年時代と深く結びついているからです。
ここに集められた作品は過去五十年の間に作曲されており、アルヴォ・ペルト(エストニアのバイーデ生まれで1980年に故郷を離れ、現在はベルリン在住)とパリス・ドヴァリョーナス(1972年没)の二人を除けば、今日バルト三国で活躍している作曲家によるものです。(中略)
私たちはこのCDのために実に様々な作品を選び出しましたが、それでもこれらにはお互いに共通する要素、ある独特の色彩があるように思えます。色といえば、私はどういう訳か、白から黒へのグラデーションのことをよく考えます。北極圏へ旅した時に感じたことですが、この灰色の濃淡は実に多様な表情を生み出すことがあります。バルトのことを考えると、私はその灰色の海のことを思い浮かべます。これは多分に主観的な連想ですし、バルトの音楽が灰色であるとは勿論決めつけられません。しかしそれは、やはりこの北半球の世界に属していると言えるでしょう。想像力に身を任せると、私の瞼にはしばしば霧や湖、寂しげな海辺の光景が浮びあがってきます。このような風景は、私が常に目指している静寂さ、密度の高さを発見することを可能にしてくれます。
(「わが故郷から−バルトの音楽」ライナーノーツより)
まさにクレーメルが言い尽くしていて、後はぜひ聴いて欲しいです。信じがたいほどの静謐な美しさは、まさに美しい灰色の響きとしか云い様がなく、気持ちを静かに落ちつけてくれます。うつ病になってから、騒がしいものに耐えがたくなってしまったので(うつ病の症状として騒がしい音などに苦痛を感じるというのがあるそうです)、こういった音楽は僕にとって大変な救いです。僕のベストアルバムです。ぜひ御一聴のほど、心からお勧め致します。
また、このアルバムがお気に入りましたら、クレーメル名演奏集、エネスコ弦楽八重奏曲もとてもよく、またタンゴもOKなお方々にはクレーメルのピアソラシリーズもぜひご一聴、お勧め致します。
最後に、歴史的にバルト三国は大変な苦難を味わってきた国々でして、そういった苦難の中から、バルト三国の人々が本音楽CDのような世界に普遍的に通用する素晴らしい芸術(本CDは世界的に評価が高い音楽CDの一枚です)を生み出したということは、今後日本に訪れるであろう苦難の中でも、希望の灯火になるのではないかと僕は思います。その点でも、ぜひご一聴をお勧めする作品です。
参考作品(amazon)
わが故郷からーバルトの音楽
ギドン・クレーメル名演奏集(10枚組)
エネスコ:弦楽八重奏曲:ピアノ五重奏曲
ピアソラへのオマージュ
ピアソラへのオマージュ(2)
トレーシング・アストル〜ピアソラへのオマージュ(3)
ピアソラ:天使のミロンガ
ピアソラ/ブエノスアイレスのマリア
バルト三国史
クレーメル青春譜
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