2008年12月29日 22:25

深い不安で胸が痛いです。クーラ「無伴奏合唱曲全集」について。

オーロラのささやき北欧音楽の神秘の調べ

先日より、深い不安で胸が痛いです。手持ちのお金が数十円になってしまい、銀行にお金おろしにいったら、喉が痛くなって咳が止まらなくなりました。ごほごほ咳がでるなか、いつも猫背なので背中も痛く辛いので、寝込んでいました。

私のたましいは私の前でうなだれています。
(聖書詩篇42-6)

寝込みながら、ずっとクーラの「無伴奏合唱曲全集」を聴いていました(本アルバムはすべて絶盤につき、amazonでも取扱いされておりません。今出ているアルバムでは「オーロラのささやき」というアルバムに少しだけ、クーラの歌曲が収録されています。このアルバムもとてもいいアルバムです)。本アルバムは北欧的な悲劇性を持つとても哀切で美しい合唱集で、少しだけ心を休ませてくれました。極めて美しい合唱集です。お勧めの合唱集です。僕はこのなかでは、「ひとり」という曲が好きです。日本語訳をライナーノーツよりご紹介致します。

クーラ「無伴奏合唱曲全集」

「ひとり(Yksin)」

私はひとり腰かける 孤独に
辺りには闇の帳が下りる
私の思考はシャトルのように前後に行き来し
記憶の布を織る

不安の銀の糸が
闇の中で幾筋にも輝く
あちらこちらに喜びの糸が
縦糸を通って伸びている

私はなおひとりで腰かけている
時は過ぎ去り 思考が織り成す
腰かけているものの心が重い
目から涙が落ちる

僕は涙も枯れ果てたような状態で、聴いていて、シルヴィア・プラスやトラークルの詩(どちらの詩人も暗いうつ的な詩情を歌った詩人です)を思い出していました。

シルヴィア・プラス
「死商会」(抜粋)

私は身動きもしない
霜が花をつくる
露が星をつくる
鈍い鐘の音
鈍い鐘の音
(シルヴィア・プラス詩集)

今このような状態で、寒くて身動きができなくて、寒いとどうしても猫背になってしまうので、背中が痛くて、辛いです。

ご慈悲深き皆様方の心優しき御心のおかげでなんとか生きていられて、とても感謝しております。皆様方に、平穏あることを祈っています。

最後に、トラークルの詩をご紹介致します。

トラークル
「捕われた黒鶫の歌」

緑の枝枝のなかでの暗い息吹き。
青い花花が孤独なものの眼差しをつつみ、
オリーブの木の下で死にたえようとする
金色の歩みをつつんで、漂っている。
酔った翼を広げて舞いあがる夜。
こんなにもかすかに血を流す謙虚な心、
露がゆっくりと、花咲く茨からしたたり落ちる。
輝く腕の憐れみが
ひとつのはりさける心をかきいだく。
(トラークル詩集)

参考作品(amazon)
オーロラのささやき北欧音楽の神秘の調べ
オーロラのささやき北欧音楽の神秘の調べ
シルヴィア・プラス詩集 (双書・20世紀の詩人 4)
トラークル全詩集 (1983年)
小型聖書 - 新共同訳
聖書名言事典

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