2008年10月23日 17:33
悲嘆的交響詩・幻想序曲について「ドヴォルザーク」「チャイコフスキー」
ドヴォルザーク:交響詩全集
チャイコフスキー : 交響曲第6番「悲愴」幻想序曲「ロメオとジュリエット」
風邪に掛かったようで、熱は平熱ですが、咽喉が非常に痛く、更新が滞ることありましたら、まことに申し訳ありません。お詫び致します。生活苦で内科病院に行くことはできないので、以前、精神科の方で、精神薬と一緒に市販の風邪薬を飲むご許可頂いているので、市販のお薬で治してゆくつもりです。
世界経済は悪化の一途を辿っており、世界大恐慌の訪れは避けられないものと予見致します。諸外国がいくら努力しても、恐慌の震源地アメリカが、きちんとした対策を打ち出さない限り、諸外国の努力は無と化し、世界はアメリカという需要国家を失い恐慌へと向うでしょう。
先日と同じく、このような絶望的で暗黒の世界の到来に相応しい美しき悲嘆的音楽をご紹介できたらと思います。
今、この文章を書きながら、しとしとと雨が降り注いでおります。世界にも、アメリカが絶望の雨を降らしております。それは大恐慌という誰にも避けられぬ破滅の洪水を世界中に齎すでしょう。水の悲劇を描いた悲嘆的交響詩としては、ドヴォルザークの「水の精」が非常に優れた、ひたひたと苦しみの迫り来る、悲劇的な、見事な音楽であります。
これは、水の精に囚われた娘とその子供、その母親の悲劇を描いた悲嘆的交響詩であります。陰なる水の精に囚われ、無理やりに花嫁とされた娘は、母親の待つ家に帰りたく暗き水底で嘆きます。娘はやっと1日だけ陸の世界へ上がることが出来、母親と再開を果たします。そこに水の精がやってきます。母親は扉を閉めて水の精を追い出そうとします。そのとき、湖から恐ろしい嵐が起きて、戸板に何かが叩きつけられます。その戸板に叩きつけられたのは、娘の子供でした。子供は死にました。悲劇的な救いなき交響詩です。
まさしく、この暗黒の現代を象徴するかのごとき暗さ、悲しみのリフレインが、皆様の心を深い水底へと誘ってくれるでしょう。美しく悲しい音楽です。
そして、悲嘆的な幻想音楽といえば、チャイコフスキーの悲嘆的幻想序曲「ロメオとジュリエット」を外すことは決して出来ぬと思います。リムスキー・コルサコフはこの曲について「全てのロシア音楽の中で最も素晴らしい主題だ」と述べました。まさに、悲劇的な音楽であります。この暗黒の時代へと落ちて行く現代に相応しい曲といえるのではないでしょうか。
この幻想序曲の主題はハムレットの「ロミオとジュリエット」であり、二人が破滅に向っていく悲劇性がだんだんと強調されて行く悲劇的音楽です。始めから結ばれないことが強調された破滅的悲劇的恋を予感する暗澹さから曲は始まります。曲の全編は不安に満ち、明るさのなかでもその不安は消えることはありません。明るさは一瞬にして消え、暗い不安が、曲全体を流れて行きます。この流れが実に悲劇的かつ美しく、素晴らしい、見事としか云い様がありません。聴いていると、背筋が深淵へと触られるかのような、暗雲たる虚無的絶望がひたひたと流れ行きます。素晴らしく美しい絶望の音楽です。
特に曲が中盤から終盤に入ると、悲劇的な絶望がクライマックスとして嵐のように暴れ狂い、リア王を彷彿とさせる、狂気のような暗黒のリフレインが、まさに、この世界の絶望的な闇を見事に表現しているといってもよろしいかと存じます。
そして、悲劇的絶望の咆哮と共に全ては終焉へと向って、壮絶なる悲しみの音色を奏でるのです。そして静かにして陰鬱なる鎮魂の音色が響き渡ります、曲の世界が終焉を迎えたのです。素晴らしい曲です。まさに、絶望的な悲嘆的幻想序曲として最高の作品の一つと云えると思います。
僕は今現在、咽喉が痛いのと、うつ病の調子が酷く、落ち込みが激しく、明るいものに触れることが全く出来ないので、辛くて辛くてたまりません。明るいものに触れると、耐え難い苦しみを感じてしまいます。苦しみに充ちた暗い絶望の暗澹たる美しき名曲だけが、心を何とか支えてくれております。今回、紹介しました両曲、共に、絶望的な悲嘆を描いた名曲であります。もしよろしければ、皆様方にも、ぜひご一聴お勧め致します。
これから訪れる暗澹とした世界大不況、そして世界大恐慌、世界の貧困化と世界の戦乱化という暗黒の時代における美として、暗い名曲は、人の心に慰めを齎してくれるものだと思います。
参考作品(amazon)
ドヴォルザーク:交響詩全集
チャイコフスキー : 交響曲第6番「悲愴」幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ブラームス:ドイツ・レクイエム
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チャイコフスキー : 交響曲第6番「悲愴」幻想序曲「ロメオとジュリエット」
風邪に掛かったようで、熱は平熱ですが、咽喉が非常に痛く、更新が滞ることありましたら、まことに申し訳ありません。お詫び致します。生活苦で内科病院に行くことはできないので、以前、精神科の方で、精神薬と一緒に市販の風邪薬を飲むご許可頂いているので、市販のお薬で治してゆくつもりです。
世界経済は悪化の一途を辿っており、世界大恐慌の訪れは避けられないものと予見致します。諸外国がいくら努力しても、恐慌の震源地アメリカが、きちんとした対策を打ち出さない限り、諸外国の努力は無と化し、世界はアメリカという需要国家を失い恐慌へと向うでしょう。
先日と同じく、このような絶望的で暗黒の世界の到来に相応しい美しき悲嘆的音楽をご紹介できたらと思います。
今、この文章を書きながら、しとしとと雨が降り注いでおります。世界にも、アメリカが絶望の雨を降らしております。それは大恐慌という誰にも避けられぬ破滅の洪水を世界中に齎すでしょう。水の悲劇を描いた悲嘆的交響詩としては、ドヴォルザークの「水の精」が非常に優れた、ひたひたと苦しみの迫り来る、悲劇的な、見事な音楽であります。
これは、水の精に囚われた娘とその子供、その母親の悲劇を描いた悲嘆的交響詩であります。陰なる水の精に囚われ、無理やりに花嫁とされた娘は、母親の待つ家に帰りたく暗き水底で嘆きます。娘はやっと1日だけ陸の世界へ上がることが出来、母親と再開を果たします。そこに水の精がやってきます。母親は扉を閉めて水の精を追い出そうとします。そのとき、湖から恐ろしい嵐が起きて、戸板に何かが叩きつけられます。その戸板に叩きつけられたのは、娘の子供でした。子供は死にました。悲劇的な救いなき交響詩です。
「ここ(水底)では全てが陰気で、殺伐としている。陽の光は全く射さず、沈黙と冷気が漂い、胸には何の希望もない」
(交響詩「水の精」詩文。「水の精」ライナーノーツより)
まさしく、この暗黒の現代を象徴するかのごとき暗さ、悲しみのリフレインが、皆様の心を深い水底へと誘ってくれるでしょう。美しく悲しい音楽です。
そして、悲嘆的な幻想音楽といえば、チャイコフスキーの悲嘆的幻想序曲「ロメオとジュリエット」を外すことは決して出来ぬと思います。リムスキー・コルサコフはこの曲について「全てのロシア音楽の中で最も素晴らしい主題だ」と述べました。まさに、悲劇的な音楽であります。この暗黒の時代へと落ちて行く現代に相応しい曲といえるのではないでしょうか。
この幻想序曲の主題はハムレットの「ロミオとジュリエット」であり、二人が破滅に向っていく悲劇性がだんだんと強調されて行く悲劇的音楽です。始めから結ばれないことが強調された破滅的悲劇的恋を予感する暗澹さから曲は始まります。曲の全編は不安に満ち、明るさのなかでもその不安は消えることはありません。明るさは一瞬にして消え、暗い不安が、曲全体を流れて行きます。この流れが実に悲劇的かつ美しく、素晴らしい、見事としか云い様がありません。聴いていると、背筋が深淵へと触られるかのような、暗雲たる虚無的絶望がひたひたと流れ行きます。素晴らしく美しい絶望の音楽です。
特に曲が中盤から終盤に入ると、悲劇的な絶望がクライマックスとして嵐のように暴れ狂い、リア王を彷彿とさせる、狂気のような暗黒のリフレインが、まさに、この世界の絶望的な闇を見事に表現しているといってもよろしいかと存じます。
そして、悲劇的絶望の咆哮と共に全ては終焉へと向って、壮絶なる悲しみの音色を奏でるのです。そして静かにして陰鬱なる鎮魂の音色が響き渡ります、曲の世界が終焉を迎えたのです。素晴らしい曲です。まさに、絶望的な悲嘆的幻想序曲として最高の作品の一つと云えると思います。
僕は今現在、咽喉が痛いのと、うつ病の調子が酷く、落ち込みが激しく、明るいものに触れることが全く出来ないので、辛くて辛くてたまりません。明るいものに触れると、耐え難い苦しみを感じてしまいます。苦しみに充ちた暗い絶望の暗澹たる美しき名曲だけが、心を何とか支えてくれております。今回、紹介しました両曲、共に、絶望的な悲嘆を描いた名曲であります。もしよろしければ、皆様方にも、ぜひご一聴お勧め致します。
これから訪れる暗澹とした世界大不況、そして世界大恐慌、世界の貧困化と世界の戦乱化という暗黒の時代における美として、暗い名曲は、人の心に慰めを齎してくれるものだと思います。
なぜなら すべての肉体は草のようなものであり
全ての人間の栄華は
草の花のようなものなのだ
草は枯れ
花は散るのだ
(ブラームス「ドイツ・レクイエム」)
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ドヴォルザーク:交響詩全集
チャイコフスキー : 交響曲第6番「悲愴」幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ブラームス:ドイツ・レクイエム
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