2008年09月27日 21:07

猫たんと一緒に命は命と共に生きて老いてゆくことを考えていました。

百物語 (新潮文庫)

また風邪がぶり返して(38度)、寝込みながら(でも何も無くなってしまったのでお昼に買い物は行きました。買い物中お腹下してお店のトイレはいったら、全身酷い様相、全身ボロボロでひどく老けた様相で驚きました、周りの買い物客に申し訳ないと思いました)、買い物から帰ってきて寝込みながら、猫たんの寝顔を眺めながら、子猫のときからそだてているので、大きくなったなあと思って、それで、命は命と共に生きて老いてゆくということについてぼんやりと考えていました。

生命は成長して、老いて、そして、死に行くんだなあということが、うつ病のせいもあると思うんですが、とても強く感じられます。

杉浦日向子さんの漫画「百物語」というのがありまして、とても優れた短い漫画の短編集(百の物語)、僕の好きな漫画なのですが(これも残念ながら生活苦で売ってしまいました)、この中に、掛け軸に描かれた女性を夫婦として愛して生きる男の話があるんですね。

不思議なことに、男が年を経て老いてゆくに連れ、掛け軸も老いてゆく。杉浦日向子さんのすごいところは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談やオスカー・ワイルドのドリアン・グレイの肖像のように、オカルトで片付けないところなんですね。

掛け軸が年老いていくことを不思議に思った人が、掛け軸を奥さんにしている旦那さんに聞くと、「私が老いるたびに掛け軸にも老いを書き加えているんですよ」って云うんですね。共に生きるということは、共に老いるということだということを、とても短い掌編のなかで見事に伝えています。

水沢めぐみさんの漫画「ガラスのむこうに花束を」(これも売ってしまい手元にありません、今僕の手元にある本は図書館で借りた本だけです)でも、同じようなことがテーマになっていました。

ヒロインの子は芸能人の男の子が大好きなんですが、周囲からはそれを否定するんですね。「芸能人と一般人の恋が実る確率なんてゼロパーセント、ガラス(画面)の向こうの人よ」みたいに否定されるんですね。それで、その子が好きな男の子が身近にいて、この子もいい子で、好意と善意から、芸能人を好きになってもみかえりがないよ、俺なら、お前と一緒にいてやるよみたいなこというんですね。

でも、そのヒロインは思い諦めないで、静かに、その芸能人の男の子のことが好きで、芸能人でも、同じ世界に一緒に生きている人間なんだよ!!一緒の世界に共に生きているんだよ!!って云うんですね…。

僕はうつ病で失職していて、貯金削りながらの貧困生活で、節約しながら職を探しているんですが(今は内職を探しています)、風邪がぶり返したり、辛いことが頭から離れず腹痛酷くて寝込んだりで、なかなか上手く行かなくて、自分で自分が衰弱していることが分かるので、人はこうやって老いていくんだあという実感がとても強くします。生活保護相談に行けば「若いんだから働け」といって追い返される年齢ですが…。

うつ病が、一進一退で、少し良くなったり、急激に悪くなったりで、気力がどうしてもどこにもなく、行動できなくて、共に生きてきた猫のことが、僕が先にいなくなっても、長生きしてくれたらいいなって思います。

最近、薬の量を増やしているんですが(頓服の抗不安剤は自分の調子加減で調整する許可を精神科の先生に頂いています)、それでも、心痛が重く心にのしかかり、苦しいです。

人々が、生命として共に生きていることを感じて、そして、人々が互いに競争で蹴落としあい傷つけあうのではなく、人々が共に助け合い支えあう、生命を大切にしてくれる人々が少しでも、増えてくれたら、社会は、少しずつでもよくなるんじゃないかなと思っています。

昨今の日本全体の風潮を見るに、僕があとどのくらい生き延びるか分かりませんが、命が命と共に生きていくことを感じられる社会に少しずつでも社会が変わっていく姿を、僕の生命のともし火が消える前に見ることができたらいいなと、願っています。

参考作品(amazon)
百物語 (新潮文庫)
ガラスのむこうに花束を (りぼんマスコットコミックス (1218))
妖怪・妖精譚 小泉八雲コレクション (ちくま文庫)
ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)

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