2015年07月
2015年07月28日 09:52
みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
第一回ハヤカワSFコンテスト受賞作、六冬和生「みずは無間」読了。面白かったですね。ハヤカワSFコンテストの作品では短編集の「オニキス」を結構前に読んだんですが、こちら(みずは無間)の方が、話の膨らませ方が良い意味で狂っていて、展開が良い意味で異常に異様過ぎかつメチャクチャとんでもなくて(良い意味でバカSFぽい)、まさに「このメチャクチャな狂った展開、これがSFなんだよ!」って感じで凄く面白かったですね。本書に載っている選評の小島秀夫さん(メタルギアの人です)の意見に全面的に同感ですね。
ほんとにこの通りで、オニキスの短編集の作品は表題作のオニキスを初めとしてどの作品も、凄くゲーム的(パラレルワールドをテーマにしたあまたあるSFエロゲの各種ノベライズぽい感じ…)で新鮮味がなかったのですが、みずは無間は読んでいてぶっ飛びました。読んでいてこんなにぶっ飛んだ小説は久々です。変わった小説が好きなら必読と言ってよい小説と思います。
「みずは無間」、どのような小説かと言いますと、ラノベ表題風に言うと『俺の彼女がヤンデレすぎて全宇宙が超ヤバイ』という感じです。主人公は、雨野透という人間の記憶と人格をコピーされた外宇宙探査衛星のAI(人工知能)なんですが、その行動原理は雨野透の記憶と人格に凄く縛られているんですね。
人間時代の雨野透にはみずはという恋人がいたんですが、その彼女がかなりのヤンデレメンヘラーでして、非常に貪欲で支配的な彼女に支配され収奪され続けた記憶が、上記のAIの中枢部分に大きく影響しているんですね。
このAIは、無限に進化し無限に自己を拡大してゆき、最終的にはどんどん強大な存在(人知を超越したいわゆる神的存在)に変貌していくんですが、強大な存在になってゆくと共に、みずはの貪欲さの記憶にどんどん行動原理が引っ張られて、あらゆる星々や知性体を飲み込み破壊する、破壊神的な貪欲な神に自身が変貌していくんですね。最終的には、全宇宙(あらゆる全ての平行宇宙の全時空)を飲み込んでブラックホール化する、全宇宙全時空全世界を終焉に導く存在になることが示唆されています。
で、その貪欲なる究極破壊神誕生としか言いようのない全宇宙的規模の大災厄と、みずはという女性の日々の生活での貪欲さが、同時に語られて、そしてそれが根底的にシンクロしているという、文章で説明するのが難しいんですが、なんかもうぞっとするような感覚と、規模がでかすぎて笑っちゃうような感覚が混じってて、凄い奇妙な読了感を齎す変わった小説です。「究極のホラー小説」って小島秀夫さんが評していますが、まさにそんな感じです。
AIが無限に自己を進化させて神になっていくSFの部分も面白いんですが、みずはというヒロインの描き方も上手くてその辺も感心しましたね。みずはのキャラクター的には、男性に対し支配的で貪欲で自己中心的な女性ということで、スティーヴン・キングの小説「ミザリー」のヒロインであるアニー・ウィルクスそのものという感じがして、映画版のアニー役であるキャシー・ベイツの姿が浮かびましたね。作中の外見描写でも体重が60キロある肥満体の不美人の女性(体重は60キロから更に急激に増えていく)として描写されているので、モデルは映画版アニー・ウィルクスなんじゃないかな…。
あと、これは本筋とは関係ないんですが、本書イラストのみずはは痩せすぎかつ美人すぎると思います…。うーむ…、今は本の売り上げにおいて女性イラストの美麗さが重視されますから、肥満体の不美人のヒロインと作中描写されていても、イラストではスタイルのいい美人に描かないといけないのかな…。閑話休題。
主人公は大学の頃から彼女と付き合い始めるのですが、だんだん彼女の異常性(異常な貪欲さと支配への欲求及び食欲への執着)に気づき、でもなかなか別れられないんですね。ここの描き方がサイコホラーとして上手い!このサイコホラー部分が、全宇宙全時空に拡散していく展開にはぶっ飛びました。読んでいて「なんということでしょう…」という気持ちになりましたね。ヤンデレ彼女の無限の食欲によって人類やその他の知的生命達が完全滅亡したばかりか全宇宙全時空すらヤバイという…なんということでしょう…。サイコホラーと壮大な規模のSFホラーを非常に上手く融合させているというか、「サイコな彼女が全宇宙を貪り食う」という感じの作品で、凄く面白かったです。宇宙に比べれば物凄く小さい個(人間個人)の欲望なのにも関わらず、それがあまりにも貪欲すぎて、最終的に宇宙すら破壊するというのが、凄く奇妙でぞっとさせて独特の面白みがある。本書はスティーヴン・キングの「生きのびる奴」や小松左京の「兇暴な口」に通じるものがありますね。「みずは無間」奇妙なSFホラーとして抜群の出来、お勧めの作品です。
あと、この小説の特筆すべきところをひとつ挙げると、ヒロインが最初から最後まで全然可愛くないし魅力的でもないのが、昨今の主流であるヒロインの魅力で引っ張るタイプの小説とは完全に真逆対極で凄い。むしろヒロインが最初から最後まで負のオーラ放ちまくりで怖い。読んでいてヒロインの異常性がだんだん見えてくるところは怖くてゾクゾクしました。まさに言葉通りの意味でダークヒロイン。凄い小説や…。普段ライトノベルとか読んでいる読者さんにはぜひ本書を読んで、対極の世界を楽しんで欲しいです。
みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
著者:六冬 和生
早川書房(2013-11-22)
販売元:Amazon.co.jp
オニキス (ハヤカワ文庫 JA シ 8-1)
ミザリー (文春文庫)
ミザリー [Blu-ray]
夜が明けたら (ハルキ文庫)
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第一回ハヤカワSFコンテスト受賞作、六冬和生「みずは無間」読了。面白かったですね。ハヤカワSFコンテストの作品では短編集の「オニキス」を結構前に読んだんですが、こちら(みずは無間)の方が、話の膨らませ方が良い意味で狂っていて、展開が良い意味で異常に異様過ぎかつメチャクチャとんでもなくて(良い意味でバカSFぽい)、まさに「このメチャクチャな狂った展開、これがSFなんだよ!」って感じで凄く面白かったですね。本書に載っている選評の小島秀夫さん(メタルギアの人です)の意見に全面的に同感ですね。
(オニキスは)記憶を消して書き換えていく展開には、ゲームをコンティニューする体験のような安易なニュアンスを感じてしまう。(中略)小説である以上、「失敗しても終わらない」というそんなゲーム的前提下では、どうしても緊張感が伴わなくなってしまう。(中略)
みずは無間には本当に驚かされた。(中略)悪魔の様に憑依してくる一人の現代女性との閉じた関係と、広大なる外宇宙へと自己増殖を繰り返しながら拡大していくAI(神になろうとする男)との無限の関係を、そのアンバランスな対比で最後まで語りきってしまうという、本当に奇妙な小説である。
(小島秀夫「みずは無間選評」より)
ほんとにこの通りで、オニキスの短編集の作品は表題作のオニキスを初めとしてどの作品も、凄くゲーム的(パラレルワールドをテーマにしたあまたあるSFエロゲの各種ノベライズぽい感じ…)で新鮮味がなかったのですが、みずは無間は読んでいてぶっ飛びました。読んでいてこんなにぶっ飛んだ小説は久々です。変わった小説が好きなら必読と言ってよい小説と思います。
「みずは無間」、どのような小説かと言いますと、ラノベ表題風に言うと『俺の彼女がヤンデレすぎて全宇宙が超ヤバイ』という感じです。主人公は、雨野透という人間の記憶と人格をコピーされた外宇宙探査衛星のAI(人工知能)なんですが、その行動原理は雨野透の記憶と人格に凄く縛られているんですね。
人間時代の雨野透にはみずはという恋人がいたんですが、その彼女がかなりのヤンデレメンヘラーでして、非常に貪欲で支配的な彼女に支配され収奪され続けた記憶が、上記のAIの中枢部分に大きく影響しているんですね。
このAIは、無限に進化し無限に自己を拡大してゆき、最終的にはどんどん強大な存在(人知を超越したいわゆる神的存在)に変貌していくんですが、強大な存在になってゆくと共に、みずはの貪欲さの記憶にどんどん行動原理が引っ張られて、あらゆる星々や知性体を飲み込み破壊する、破壊神的な貪欲な神に自身が変貌していくんですね。最終的には、全宇宙(あらゆる全ての平行宇宙の全時空)を飲み込んでブラックホール化する、全宇宙全時空全世界を終焉に導く存在になることが示唆されています。
で、その貪欲なる究極破壊神誕生としか言いようのない全宇宙的規模の大災厄と、みずはという女性の日々の生活での貪欲さが、同時に語られて、そしてそれが根底的にシンクロしているという、文章で説明するのが難しいんですが、なんかもうぞっとするような感覚と、規模がでかすぎて笑っちゃうような感覚が混じってて、凄い奇妙な読了感を齎す変わった小説です。「究極のホラー小説」って小島秀夫さんが評していますが、まさにそんな感じです。
AIが無限に自己を進化させて神になっていくSFの部分も面白いんですが、みずはというヒロインの描き方も上手くてその辺も感心しましたね。みずはのキャラクター的には、男性に対し支配的で貪欲で自己中心的な女性ということで、スティーヴン・キングの小説「ミザリー」のヒロインであるアニー・ウィルクスそのものという感じがして、映画版のアニー役であるキャシー・ベイツの姿が浮かびましたね。作中の外見描写でも体重が60キロある肥満体の不美人の女性(体重は60キロから更に急激に増えていく)として描写されているので、モデルは映画版アニー・ウィルクスなんじゃないかな…。
あと、これは本筋とは関係ないんですが、本書イラストのみずはは痩せすぎかつ美人すぎると思います…。うーむ…、今は本の売り上げにおいて女性イラストの美麗さが重視されますから、肥満体の不美人のヒロインと作中描写されていても、イラストではスタイルのいい美人に描かないといけないのかな…。閑話休題。
主人公は大学の頃から彼女と付き合い始めるのですが、だんだん彼女の異常性(異常な貪欲さと支配への欲求及び食欲への執着)に気づき、でもなかなか別れられないんですね。ここの描き方がサイコホラーとして上手い!このサイコホラー部分が、全宇宙全時空に拡散していく展開にはぶっ飛びました。読んでいて「なんということでしょう…」という気持ちになりましたね。ヤンデレ彼女の無限の食欲によって人類やその他の知的生命達が完全滅亡したばかりか全宇宙全時空すらヤバイという…なんということでしょう…。サイコホラーと壮大な規模のSFホラーを非常に上手く融合させているというか、「サイコな彼女が全宇宙を貪り食う」という感じの作品で、凄く面白かったです。宇宙に比べれば物凄く小さい個(人間個人)の欲望なのにも関わらず、それがあまりにも貪欲すぎて、最終的に宇宙すら破壊するというのが、凄く奇妙でぞっとさせて独特の面白みがある。本書はスティーヴン・キングの「生きのびる奴」や小松左京の「兇暴な口」に通じるものがありますね。「みずは無間」奇妙なSFホラーとして抜群の出来、お勧めの作品です。
あと、この小説の特筆すべきところをひとつ挙げると、ヒロインが最初から最後まで全然可愛くないし魅力的でもないのが、昨今の主流であるヒロインの魅力で引っ張るタイプの小説とは完全に真逆対極で凄い。むしろヒロインが最初から最後まで負のオーラ放ちまくりで怖い。読んでいてヒロインの異常性がだんだん見えてくるところは怖くてゾクゾクしました。まさに言葉通りの意味でダークヒロイン。凄い小説や…。普段ライトノベルとか読んでいる読者さんにはぜひ本書を読んで、対極の世界を楽しんで欲しいです。
バイトあがりの時間を見計らって俺が彼女を迎えに行くこともあった。さすがに何回も定刻に店先に立たれれば売り子も事情を承知して、みずはちゃん彼氏のお迎えだよといちいちいいにいくのもバカバカしくなったようで、直接バックヤードを覗いてってよと店舗の裏手に回りこむのを黙認するようになった。毎回なんとなく犯罪者めいた気持ちで勝手口を薄くあけてみずはいますかと尋ねる俺に、みずはちゃん例の、と拍子抜けするほどあっけらかんとバイト仲間が彼女を呼ぶ。
あれはそんな日だった。いや、ちがう。そうだったらあんな光景は見ずにすんだ。
あの日、おそらく連休の中日かなにかでおそろしく客入りが悪いと予想されていたか他のバイトがみな帰省中だったか、厨房は彼女ひとりだった。そろりと勝手口を開けた俺の目に入ったのは、しゃがみこんだみずはの背中だった。声をかけようとしたが切羽詰った雰囲気に何となくひるんだ。
みずはは一心不乱に食べていた。めいっぱい詰め込まれて、頬がぱんぱんに膨らんでいる。顎はせわしなくもぐもぐ動いている。しゃがんだまま作業台の上に手をのばし、さっと何かを取り、胸元でせかせかと作業し、それをほおばる。ただのつまみ食いではない。切り落とされたパンの耳にバターを塗り砂糖を振りかけているのだと、しばらくわからなかった。
俺は彼女を責めるようなことをいったつもりはない。少なくともその記憶はない。ただ驚いて、驚きのままに声をかけてしまっただけだ。
みずははぎくりと敵意に満ちた目をこちらに向け、いや、怯えていたか?ともかく笑って誤魔化さなかったのは確かだ。
俺は説明を求めたりはしなかった。だが彼女は、これはどうせ棄てるものなのだから食べても差し支えないのだといった。一部はおろしてパン粉にしたりもするがそんなに沢山はいらないのだし、と。隠れるようにして食べていたことの釈明はなかった。こぼれ落ちた砂糖がエプロンに、頬に点々としていた。
「だけど……」俺には何をどういったらいいのかわからなかった。もしかしたら何もいわなかったほうがよかったかもしれない。「だけど、何もバターと砂糖なんて」
そのときはじめて、俺はみずはという人間は逆上しないと思い込んでいたのだと知った。拗ねたり膨れっ面したり、彼女の不機嫌とはそういうものだと思っていた。だから俺は、顔を卑屈に歪ませる彼女を別人のような目で見ていたんじゃないかと思う。
「じゃあ」
低い声でみずははいった。
「どうすればいいの」
俺は混乱した。黙っていると、次のシフトの大学生が、遅れてすみません彼氏さん待たせちゃったみたいですねといって登場した。作業台の上を手早く片付けにこっと笑うみずはは普段のみずはだった。
(六冬和生「みずは無間」)
みずは無間 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
著者:六冬 和生
早川書房(2013-11-22)
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オニキス (ハヤカワ文庫 JA シ 8-1)
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2015年07月25日 19:34
火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
「2015年度版このSFが読みたい!」の海外部門一位のSFにしてリドリー・スコット監督の手によってハリウッドでも映画化されることで注目を集めているSF「火星の人」、その著者のSF作家アンディ・ウィアーが書いた「日本へのメッセージ」が、『このSF作家さんは本当に日本と日本のアニメが好きなんだなあ』と伝わってくる好文章で読んでて思わず嬉しくなってしまったので引用して紹介させて頂きますね。
本当に日本(アニメ等の日本文化)が好きなことが伝わってくる文章ですね。クールジャパンとか、国策として、こういう日本への親近感と好意の感覚を持ってもらえる海外の人々を増やしたいというのがあるんだろうな…。それこそ、ラフカディオ・ハーンや「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」を挙げるまでもなく、海外の人(異文化の人)が日本文化を愛好するということは、その背景(日本国・日本社会)に好感を抱くことに繋がりますからね。世界中で放映されているハリウッド映画も、個々の製作者の意図を超えて、アメリカに対する親近感を増やすメディアとして機能している訳ですし。まあそういった国策とかシステムとかは抜きにしても、現代日本文化が海外の人に楽しんで頂けるのは、日本人としてぽかぽかするような嬉しいことですね。
しかし、アンディ・ウィアーさんの文章を紹介しながら実は火星の人まだ読んでない…。近いうちに読みますね。あとサザンクロスとモスピーダ、作品名をここで初めて知りました…。アメリカでマクロスと同時期にやっていた作品なのかな。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
著者:アンディ・ウィアー
早川書房(2014-08-22)
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SFが読みたい! 2015年版
早川書房(2015-02-10)
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アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1 (講談社ラノベ文庫)
著者:榊 一郎
講談社(2011-12-02)
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「2015年度版このSFが読みたい!」の海外部門一位のSFにしてリドリー・スコット監督の手によってハリウッドでも映画化されることで注目を集めているSF「火星の人」、その著者のSF作家アンディ・ウィアーが書いた「日本へのメッセージ」が、『このSF作家さんは本当に日本と日本のアニメが好きなんだなあ』と伝わってくる好文章で読んでて思わず嬉しくなってしまったので引用して紹介させて頂きますね。
アンディ・ウィアー氏の言葉
「SFが読みたい!」の「ベストSF2014海外篇第一位」に選ばれるという光栄に浴し、興奮しています。当然ながら、どこであれ、作品が広く読まれているとあれば、それはワクワクします。しかし私にとって日本で多くの人に受け入れられたということは、格別に心躍ることなのです。私は子供の頃からずっと日本製エンタテイメントのファンでした。
とにかく、生まれたタイミングがよかった。日本アニメは私の人生と重なるようにして、少しずつアメリカ進出の道を切り開き、アメリカでのテレビ放映が増えていきました。「マッハGOGOGO」を見たのが七歳のとき。大好きで、画面に釘付けでした。
その後、十二歳のときには、「超時空要塞マクロス」「超時空騎団サザンクロス」「機甲創世記モスピーダ」がアメリカで全編放映されました。これほど関心を引かれたアニメは他になかったし、シリアスで、長期間にわたるストーリイもはじめてなら、恋愛模様を描くサブプロットもはじめて。呆気にとられ、たちまちどっぷりハマリました。
さらに十代のときには高橋留美子の傑作群が手に入るようになりました。とくに好きだったのは「らんま1/2」と「めぞん一刻」です。そしていよいよ大人になってからは、宮崎駿・スタジオジブリの信じられないほど素晴らしい映画がつぎつぎに製作されたのです。
私がかなりのOtakuであることは、読者のみなさんにとって、何の意外性もないことだと思います。私の人生を通じてずっと、読み、そして観る、幸せな時間をたっぷり与えてくれた国に、いくらかでも、みなさんに楽しんでいただけるものをお返しできるなら、これほど幸せなことはありません。
(アンディ・ウィアー。「2015年度版このSFが読みたい!」より)
本当に日本(アニメ等の日本文化)が好きなことが伝わってくる文章ですね。クールジャパンとか、国策として、こういう日本への親近感と好意の感覚を持ってもらえる海外の人々を増やしたいというのがあるんだろうな…。それこそ、ラフカディオ・ハーンや「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」を挙げるまでもなく、海外の人(異文化の人)が日本文化を愛好するということは、その背景(日本国・日本社会)に好感を抱くことに繋がりますからね。世界中で放映されているハリウッド映画も、個々の製作者の意図を超えて、アメリカに対する親近感を増やすメディアとして機能している訳ですし。まあそういった国策とかシステムとかは抜きにしても、現代日本文化が海外の人に楽しんで頂けるのは、日本人としてぽかぽかするような嬉しいことですね。
しかし、アンディ・ウィアーさんの文章を紹介しながら実は火星の人まだ読んでない…。近いうちに読みますね。あとサザンクロスとモスピーダ、作品名をここで初めて知りました…。アメリカでマクロスと同時期にやっていた作品なのかな。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
著者:アンディ・ウィアー
早川書房(2014-08-22)
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著者:榊 一郎
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2015年07月15日 16:43
ナボコフやSF・ファンタジーの翻訳者として有名な若島正さんの文芸批評集「乱視読者の新冒険」読了。最高峰の文芸批評は最高峰のミステリでもあると感じさせる文芸批評≒ミステリであり、素晴らしく面白い。
この本で特に面白いのが、電子テキストの全文検索機能を使った小説の読解でして、小説の電子テキスト化とそれらがインターネットで配布されることにより、文芸批評が、これまでとは全く違った次元の階層に深化していて、それが凄いミステリ的なんですね。こういった、インターネットと電子テキスト化されたテキストを積極的に利用して、今まではできなかった読みをしているというのが、まさに最高峰のミステリ小説を読んでいる感じで、凄く面白い。
小説、特に優れた歴史的な名著というのは、深みが何階層もあるんですね。さらっと流して読む読者は、一番上辺だけの浅い階層、注意深く丹念に読む読者はそれよりも深い階層、その小説の研究者などはさらに深い階層へと辿りつくことができる。小説の全文をそれぞれの語句にて検索することが容易な電子テクスト化により、深い階層へたどりつく道のりをミステリの謎解きのように提示していく様が見事な推理にして素晴らしく面白い。
ここから、全文が電子化されたナボコフ「ロリータ」のテキストの全文検索機能を使って、ピーター・クリストフスキイを検索し(作中にこの名前は2回しかでてきません)、そこからこの人物が警官だということが分かるので、今度は「警官」のキーワードで検索し、そこから関連性の強いキーワードを更に検索…という形で、ロリータのテキストを横断的に検索していくと、ナボコフが表面的な大筋の裏に隠して織り込めたメタ的な物語の深層が浮かび上がってくるんですね。これが、物凄く面白い推理小説の謎解きを見ているが如きの名人芸で、素晴らしく面白い。最高峰の文芸批評は作品の謎を推理してゆくという点において最高峰のミステリーと通じるのですね。そして、この謎解きは、電子テキストがあってこそであるというのも、また面白い。
本書を読んでいて、人間の記憶力を遥かに凌駕するツールとしてのコンピュータは、すでに文学において必携のものとなっているのだなと強く感じました。人間の脳(記憶力)は基本的にどんな優れた記憶力の人間ですら、忘却することなき精緻なコンピュータのメモリーに比べれば全くダメダメであるということをどうしても感じずにはおれない…。自分もロリータは何度か読んでいますが、ピーター・クリストフスキイなんて登場人物がいることを完全に忘却していました…。読書しているとき(最も記憶力を集中させているとき)ですら、拡張不可能な生物脳の限界としてのマーヤー(幻影)が掛かっていますね…。そのうち、本当に優秀なAI(人工知能)がでてきたら、その拡張性の高さゆえに、人間はとってかわられるだろうな…。
乱視読者の新冒険
著者:若島 正
研究社(2004-12)
販売元:Amazon.co.jp
乱視読者の帰還
著者:若島 正
みすず書房(2001-11)
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乱視読者のSF講義
著者:若島 正
国書刊行会(2011-11-24)
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乱視読者の英米短篇講義
著者:若島 正
研究社(2003-07-11)
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殺しの時間-乱視読者のミステリ散歩
著者:若島 正
バジリコ(2006-09-20)
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人間臨終図巻 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
著者:山田 風太郎
KADOKAWA/角川書店(2014-01-25)
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人間臨終図巻 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
著者:山田 風太郎
KADOKAWA/角川書店(2014-01-25)
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この本で特に面白いのが、電子テキストの全文検索機能を使った小説の読解でして、小説の電子テキスト化とそれらがインターネットで配布されることにより、文芸批評が、これまでとは全く違った次元の階層に深化していて、それが凄いミステリ的なんですね。こういった、インターネットと電子テキスト化されたテキストを積極的に利用して、今まではできなかった読みをしているというのが、まさに最高峰のミステリ小説を読んでいる感じで、凄く面白い。
小説、特に優れた歴史的な名著というのは、深みが何階層もあるんですね。さらっと流して読む読者は、一番上辺だけの浅い階層、注意深く丹念に読む読者はそれよりも深い階層、その小説の研究者などはさらに深い階層へと辿りつくことができる。小説の全文をそれぞれの語句にて検索することが容易な電子テクスト化により、深い階層へたどりつく道のりをミステリの謎解きのように提示していく様が見事な推理にして素晴らしく面白い。
高度情報化時代に伴って、いま文学研究の場が様変わりしつつある。しかも、その変化は年々加速度を増しているように思えるほどだ。(中略)
読書体験の記憶が(電子テキスト化により)メモリに変わるとき、全ては永遠に記憶される。電子テキストは忘却を知らないのだ。
さて、それでは忘却を知らない電子テキストの検索機能が、小説の読みにどのような新しい光を投げかけうるのか、それは実際の(人間の不完全な記憶力による)読書体験とどれほど隔たっているのかを、実例に即して考えてみたい。ここでサンプルとして取り上げるのは、ウラジミール・ナボコフの代表作「ロリータ」である。(中略)
「ロリータ」がなぜナボコフの代表作という扱いを受けるだけの価値があるのか、それを真剣に考えてみた人間は果たしてどれくらいいるのだろうか。ほとんどの読者の理解は(物語の大筋を上辺だけ読んだ)あらすじのところで止まっている。「ロリータ・コンプレックス」という用語の出所はここだったのか、と思うぐらいである。
それは初めて読んだときの結果でしかない。「人は書物を読むことはできない。ただ再読することができるだけだ」とはナボコフ自身の言である。それに習って言えば、人は「ロリータ」を読むことはできない。ただ再読することができるだけだ。いや再読でもまだ不十分で、何度も何度も読み返すことを要求してくる(ナボコフが作品にあらゆる多重な読みを可能にする仕掛けを施している)という点において、「ロリータ」は稀な小説なのである。
そこで、私達読者がいかに「ロリータ」を読んだつもりでいて実は何も読めていないか、いかに多くのことを(読書中の人間の不完全な記憶力が)忘却しているか、ということを実証するために、1人のあるマイナーな登場人物に焦点を当て、そこから出発すればどういうことが見えてくるか考えてみることにする。この出発点になる登場人物の選択にあたっては、誰を選んでもいいという気がするのだが、とりあえずはピーター・クリストフスキイという人物にしてみよう。
「ロリータ」の読者で、このピーター・クリストフスキイという人物がでてきたことを記憶している人は、おそらく誰もいないだろう。それは賭けてもいい。この人物を記憶しているためには、「ロリータ」という小説のあらゆる細部を記憶している必要があるが、それは生身の読者(限られた記憶力しかもたない生物脳を使う読者)にはほとんど無理な注文だからである。
(若島正「乱視読者の新冒険」)
ここから、全文が電子化されたナボコフ「ロリータ」のテキストの全文検索機能を使って、ピーター・クリストフスキイを検索し(作中にこの名前は2回しかでてきません)、そこからこの人物が警官だということが分かるので、今度は「警官」のキーワードで検索し、そこから関連性の強いキーワードを更に検索…という形で、ロリータのテキストを横断的に検索していくと、ナボコフが表面的な大筋の裏に隠して織り込めたメタ的な物語の深層が浮かび上がってくるんですね。これが、物凄く面白い推理小説の謎解きを見ているが如きの名人芸で、素晴らしく面白い。最高峰の文芸批評は作品の謎を推理してゆくという点において最高峰のミステリーと通じるのですね。そして、この謎解きは、電子テキストがあってこそであるというのも、また面白い。
本書を読んでいて、人間の記憶力を遥かに凌駕するツールとしてのコンピュータは、すでに文学において必携のものとなっているのだなと強く感じました。人間の脳(記憶力)は基本的にどんな優れた記憶力の人間ですら、忘却することなき精緻なコンピュータのメモリーに比べれば全くダメダメであるということをどうしても感じずにはおれない…。自分もロリータは何度か読んでいますが、ピーター・クリストフスキイなんて登場人物がいることを完全に忘却していました…。読書しているとき(最も記憶力を集中させているとき)ですら、拡張不可能な生物脳の限界としてのマーヤー(幻影)が掛かっていますね…。そのうち、本当に優秀なAI(人工知能)がでてきたら、その拡張性の高さゆえに、人間はとってかわられるだろうな…。
ナボコフにいわせれば、優れた読者に必要なのは「想像力、記憶力、辞書、それといささかの芸術感覚」だという。忘却を知らない全テキスト検索というツールが代用してくれるのは、このうちの「記憶力」だが、既に見てきた通り、「ロリータ」では読者に細部を忘却させようとするナボコフ側の戦略が働いている。読者が読んでいるようで実は何も読んでいないのを、ナボコフは最初から予期している。
(若島正「乱視読者の新冒険」)
「D坂の殺人事件」で乱歩は明智小五郎に託していう。
「ミュンスターベルヒが賢くも説破した通り、人間の観察や人間の記憶なんて、実にたよりないものですよ」
(山田風太郎「人間臨終図鑑」)
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの名短編「記憶の人、フネス」を持ち出すまでもなく、完璧な記憶の持ち主(忘却も幻影もない記憶の持ち主)はむしろ不幸な存在なのに違いない。私を取り巻く世界が夕闇(忘却と幻影)に包まれていく。私の身体も私の脳も、穴が拡がるように次第に虚ろになっていく。それが人間にとってごく自然な時間の流れなのだろう。それだからこそ、失われた記憶がふとよみがえる稀な瞬間が、いっそう貴重なものに思えるのかもしれない――たとえその記憶が、虚構の産物であったとしても。
(若島正「乱視読者の新冒険」)
乱視読者の新冒険
著者:若島 正
研究社(2004-12)
販売元:Amazon.co.jp
乱視読者の帰還
著者:若島 正
みすず書房(2001-11)
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乱視読者のSF講義
著者:若島 正
国書刊行会(2011-11-24)
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乱視読者の英米短篇講義
著者:若島 正
研究社(2003-07-11)
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殺しの時間-乱視読者のミステリ散歩
著者:若島 正
バジリコ(2006-09-20)
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人間臨終図巻 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
著者:山田 風太郎
KADOKAWA/角川書店(2014-01-25)
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人間臨終図巻 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
著者:山田 風太郎
KADOKAWA/角川書店(2014-01-25)
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2015年07月14日 19:33
ウルトラマンX第一話視聴。主人公が高所恐怖症で、しかもあんまり前向き系のキャラではなく、変身後に視点が変わったら(巨人であるウルトラマンの視点になったら)「高いところはだめなんだぁ〜!」って錯乱してた上に「俺が戦うなんてできねぇ〜!」って後ろ向きに逃げ回ってたのに吹きました。プリキュアの女児主人公よりもメンタルが弱そうな大人の男性主人公…。ウルトラマンになだめられながら戦うウルトラ主人公…これは斬新だ…ある意味面白い。
ちなみに怪獣は殺さずに捕獲目的で戦うところに、現代風のウルトラマンを感じましたね。現代の人道的風潮を鑑みればもうキリヤマ隊長みたいなキャラは出せないだろうなあ(^^;
話は変わりますが、ベンヤミン・コレクション7を読了。最近読んだ本の中では一番面白かったです。本書はヨーロッパの各民族の民族性や資本主義について書かれたものが多く、ギリシャ債務危機でユーロ圏がガタガタになっている今にタイムリーでしたね。面白かったので少し引用します。
「ドイツ人は動揺することがなく」でジョジョの奇妙な冒険第二部を思い出していました。ドイツ軍人はうろたえない!
まあ、上記を見てどこが暮らしやすそうかといったらイタリアかなあ…。陰謀はちょっと困りますが。
資本主義についてはこんな感じです。
これは恐慌について語っているのかなと思いますが(書かれたのは1921年のドイツ、ドイツ経済が破綻状態でナチスが急激な拡大を始めた頃)、今のギリシャをエコノミスト達はこぞって「借金を踏み倒そうとする極悪人の罪人である」と声高に叫んでいるのを見ると(http://www.sankei.com/premium/news/150712/prm1507120020-n1.html等)、まさに資本主義を、「罪を背負わす宗教」というのは言いえて妙だなと思いますね…。
ベンヤミン・コレクション 7 〈私〉記から超〈私〉記へ (ちくま学芸文庫)
著者:ヴァルター ベンヤミン
筑摩書房(2014-07-09)
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ちなみに怪獣は殺さずに捕獲目的で戦うところに、現代風のウルトラマンを感じましたね。現代の人道的風潮を鑑みればもうキリヤマ隊長みたいなキャラは出せないだろうなあ(^^;
ノンマルトの海底基地は完全に粉砕した。我々の勝利だ!海底も我々のものだ!
(キリヤマ隊長)
話は変わりますが、ベンヤミン・コレクション7を読了。最近読んだ本の中では一番面白かったです。本書はヨーロッパの各民族の民族性や資本主義について書かれたものが多く、ギリシャ債務危機でユーロ圏がガタガタになっている今にタイムリーでしたね。面白かったので少し引用します。
カントはヨーロッパの主要な民族を、次のような言葉で描写した。
「フランス人は慇懃で、生き生きとして、軽率で、変わりやすく、自由の眩暈を起こさせる。
イギリス人は根気強く、慈善心に富み、利欲旺盛で、誇り高くて人付き合いが悪い。
スペイン人は節度があり、誇り高く、宗教心が篤く、もったいぶり屋で、無知で、残酷にして怠惰。
イタリア人は快活で、しっかりしていて、情動が豊かにして陰謀好き。
最後にドイツ人は、家庭的で、律儀で、動揺することがなく、鈍重で、勤勉で、控えめで、耐久力があり、客好きで、学識があり、模倣がうまくて肩書きを欲しがる。
そして以上のことから帰結されるのは」と彼は非常に簡潔にこう付け加えた。「フランスは服飾モードの国であり、イギリスは気分の国、スペインは祖先の国、イタリアは絢爛の国、ドイツは肩書きの国である、ということ」
(ベンヤミン・コレクション7)
「ドイツ人は動揺することがなく」でジョジョの奇妙な冒険第二部を思い出していました。ドイツ軍人はうろたえない!
まあ、上記を見てどこが暮らしやすそうかといったらイタリアかなあ…。陰謀はちょっと困りますが。
資本主義についてはこんな感じです。
資本主義は一つの宗教と見なすことができる。(中略)資本主義のこの宗教的な構造には、三つの特徴を見て取ることができる。第一に資本主義は一つの純粋な礼拝宗教(資本に対する礼拝)おそらくはこれまでに存在した最も極端な礼拝宗教なのである。資本主義においては一切のものが直接的に礼拝と関わることによってのみ意味を持つのであって、資本主義はいかなる特別な教義もいかなる神学も関与しないのだ。功利主義はこの観点の下で宗教的なニュアンスを持つことになる。
資本主義の第二の特徴は礼拝のこの具体化、すなわち礼拝の永久的な持続に関連している。資本主義とは、いかなる夢想も感謝も抱くことなく礼拝を執り行うことにほかならない。そこには平日というものが存在せず、あらゆる厳粛な虚飾が執り行われ、礼拝する者に極度の緊張を強いるという、ぞっとするような意味での祝日ではない日は、存在しない。
第三にこの礼拝は、罪(債務)を負わせるものである。資本主義は、たぶん罪を清めるのではなく罪を負わせる礼拝というものの、初めての事例なのだ。(中略)
資本主義というこの宗教運動の本質にあるのは、最後まで(罪=債務に)耐え抜くこと、神がついに全ての罪を背負い、「まだかろうじて期待されるのは絶望である」という世界状態に達するまで耐え抜くことである。
宗教がもはや存在の改革(救済)ではなく、存在の粉砕にほかならないということにこそ、資本主義の歴史的に前代未聞な点があるのだ。絶望を宗教的な世界状態にまで、そこからの治癒こそ待ち望まれるという世界状態にまで拡大すること。神の超越は崩落してしまった。しかし、「神は死んだ」のではなく、神は人間の運命の中に組み込まれたのだ。人間という惑星が超人、すなわち資本主義という宗教を認識しつつ実現し始める最初の人間なのである。
(ベンヤミン・コレクション7)
これは恐慌について語っているのかなと思いますが(書かれたのは1921年のドイツ、ドイツ経済が破綻状態でナチスが急激な拡大を始めた頃)、今のギリシャをエコノミスト達はこぞって「借金を踏み倒そうとする極悪人の罪人である」と声高に叫んでいるのを見ると(http://www.sankei.com/premium/news/150712/prm1507120020-n1.html等)、まさに資本主義を、「罪を背負わす宗教」というのは言いえて妙だなと思いますね…。
ベンヤミン・コレクション 7 〈私〉記から超〈私〉記へ (ちくま学芸文庫)
著者:ヴァルター ベンヤミン
筑摩書房(2014-07-09)
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2015年07月08日 05:54
部活アンソロジー2 「春」 (ファミ通文庫)
新作アニメの第一話を視聴しているんですが、先日紹介したシャーロットのほかでは、「オーバーロード」が面白いですね。今のところ、この二つが他から群を抜いた双璧という感じがします。
オーバーロードは、仮想現実型MMOの中に取り残された主人公の物語。仮想現実型MMOの中に取り残されるというのは、大いなる先駆者としてクリス・クロスやソード・アート・オンラインがありますが、本作「オーバーロード」の面白いところは、主人公はダンジョンの深層に潜み、そのダンジョンのモンスター達を統べる長、ダンジョンの最上位モンスターなのですね。外見は完全にリッチ(魔道士の姿をした骸骨型モンスター)です。
で、主人公は現実世界に戻れず、仕方なく取り残されたMMOの中で暮らしていくことになるわけですが、主人公の配下のモンスターの連中が、みんな凄く楽しい連中なんですね。みんな主人公のことを尊敬しており、そしていい連中なんです。
この「本来なら悪役としての立場を振られているモンスター達が実は良い奴らで、彼らのアットホームなコミュニティに温かく迎えられる」というのは、石川博品の傑作ライトノベル「地下迷宮の帰宅部」や、インターネット上のフリーのRPGのうちの1ジャンル「VIPRPG」における「もしもシリーズ」を彷彿とさせて凄く楽しいなと感じますね。
ちなみに、現実世界の主人公が幻想世界に迎え入れられる異世界ファンタジー、ナルニア国物語から日本の様々なライトノベルまで、色々と読んできましたが、石川博品「地下迷宮の帰宅部」は、これまで読んできた異世界ファンタジーの中でも、間違いなく五本の指に入る傑作、短編と言うジャンルにおいては、間違いなくマイベスト・ナンバーワンの最高傑作と感じています。ぜひ一読して欲しいですね。最後の切れ味が素晴らしかった…。
この作品「地下迷宮の帰宅部」はファミ通文庫から出てるライトノベルアンソロジー「部活アンソロジー2春」に収録されていますが、他の作家達のごく普通な収録作に比べ、本作は明らかに作品の着地地点が桁違いに違いすぎて、読んでいてとてつもなく衝撃を受けたことを今も覚えていますね…。
この作品で衝撃を受けて、石川博品さんの作品をその後はずっと読みまくるようになったんですね。石川さんはライトノベル作家で一番好きな作家さんです。石川さん作品はライトノベル作家、日日日さんの切れ味のある作品を更に尖らせて凝縮したかのような作品で、読んでいて毎回毎回、実に驚愕させられるのが素晴らしい。短編の名手である大槻ケンヂやサキの短編、その中でも特によい出来の短編を読んだときの衝撃に近いですね。「地下迷宮の帰宅部」は異世界ファンタジー好きなら必読と言っていい大傑作です。ぜひ一読をお勧めしますね。
石川博品のおしゃべりブログ(ご本人の公式ブログです)
http://akamitsuba.blogspot.jp/
部活アンソロジー2 「春」 (ファミ通文庫)
ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)
クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 (ファミ通文庫)
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)
【Amazon.co.jp限定】オーバーロード 1 (全巻購入特典:「アニメ描き下ろしイラスト使用特典小説収納BOX」引換シリアルコード付) [Blu-ray]
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新作アニメの第一話を視聴しているんですが、先日紹介したシャーロットのほかでは、「オーバーロード」が面白いですね。今のところ、この二つが他から群を抜いた双璧という感じがします。
オーバーロードは、仮想現実型MMOの中に取り残された主人公の物語。仮想現実型MMOの中に取り残されるというのは、大いなる先駆者としてクリス・クロスやソード・アート・オンラインがありますが、本作「オーバーロード」の面白いところは、主人公はダンジョンの深層に潜み、そのダンジョンのモンスター達を統べる長、ダンジョンの最上位モンスターなのですね。外見は完全にリッチ(魔道士の姿をした骸骨型モンスター)です。
剣と魔法の博物館「リッチ」
リッチはアンデッドモンスターの一種である。ぼろぼろのローブを身にまとった骸骨で,禍々しいオーラを放っているというイメージが一般的だろうか。ゲームでは,ファイナルファンタジーシリーズや「ウルティマオンライン」などにも登場している。
で、主人公は現実世界に戻れず、仕方なく取り残されたMMOの中で暮らしていくことになるわけですが、主人公の配下のモンスターの連中が、みんな凄く楽しい連中なんですね。みんな主人公のことを尊敬しており、そしていい連中なんです。
この「本来なら悪役としての立場を振られているモンスター達が実は良い奴らで、彼らのアットホームなコミュニティに温かく迎えられる」というのは、石川博品の傑作ライトノベル「地下迷宮の帰宅部」や、インターネット上のフリーのRPGのうちの1ジャンル「VIPRPG」における「もしもシリーズ」を彷彿とさせて凄く楽しいなと感じますね。
ピクシブ百科事典「VIPRPG」
VIPRPGとは、フリーゲームの作品群である。 ニュース速報VIP板のRPGツクールスレで制作されている作品の総称。 作品はRPGに限らず、見るだけの作品から本格的なアクションゲーム、STG、SLG等多岐に渡る。 独自のキャラクターを多数生み出しており、世界観やキャラクターを共有しつつ創作を行う一種のシェアードワールドを形成している。 キャラクターはRPGツクールのRTP素材に性格付けを行ったものと、 独自にグラフィックを考案されて生まれたものの二種類が存在する。
俺はMMORPGでPK野郎の集まるクズギルドの長やってたところをスカウトされた。魔王の使い魔とかいう奴がやってきて、人間界でもトップクラスのクズである俺を地下迷宮の将軍として迎えたいといったのだ。剣と魔法の世界は大好物だし、高校も毎日つまらなかったので、その誘いにホイホイ乗っかったわけだが、ここまで剣と魔法の特訓漬けだ。そもそも俺、魔法剣士ってクラス嫌いなんだよな……。
「ああ、もうヤダ」
俺は兜を脱いで頭をかきむしった。「こんなことやってらんねーよ。俺は魔王の手先らしく悪の限りを尽くしてーんだよ!淫乱女僧侶をさらってくるとか淫乱女戦士のビキニアーマー壊しに行くとか、もっと他にやることあるだろ!」
「ワハハ、いいですな。さすが将軍さま」
オークのおっさんは豪快に笑い、俺のピンポイントな願望を肯定した。
「ダメです」
マーゴはもともと吊りあがった目尻をいっそう吊りあげて否定的な評価を下した。「我々の使命はこの封印の間を守ることです。ここを動くわけには行きません」
(石川博品「地下迷宮の帰宅部」)
ちなみに、現実世界の主人公が幻想世界に迎え入れられる異世界ファンタジー、ナルニア国物語から日本の様々なライトノベルまで、色々と読んできましたが、石川博品「地下迷宮の帰宅部」は、これまで読んできた異世界ファンタジーの中でも、間違いなく五本の指に入る傑作、短編と言うジャンルにおいては、間違いなくマイベスト・ナンバーワンの最高傑作と感じています。ぜひ一読して欲しいですね。最後の切れ味が素晴らしかった…。
「フハハハハッ!見よ、我が力によって世界は闇に包まれるのだ!」
と黒ばっかりになった盤面を見おろし勝ち誇ると、キメラはうなだれてため息を吐いた。
「うーん、やっぱりタカヒロ将軍は強いや」
「だからいっただろう。将軍さまに挑むのは確実に俺を負かすことができるようになってからだ」
ミミックが触手の先で盤を叩いた。
鐘の音が地下迷宮に鳴り渡った。オオコウモリが終業の時間をしらせてまわる。
俺たちは封印の間にある隠し通路から地上に戻る。以前はバラバラに帰っていたのだが、近頃は試合の反省などを語り合うため集団帰宅するようになった。そのため、もとより狭い秘密の通路が一層狭く感じられた。
「みんな聞いてよ。タカヒロ将軍ってものすごくオセロ強いんだ」
つないだ俺の手をふりまわしてキメラが大声をあげる。モンスターたちは嘲るように笑った。
「野球だってすごく詳しいわよ」
「フットサルだってね」
キイキイとドワーフたちがバスケのことをいい立てる。
「そりゃそうよ。将軍さまはすべての部活動を統べるお方なのだから」
マーゴがチンタラ前を行くダークエルフのケツを杖で打った。
「タカヒロ将軍はあっちの世界では何部だったんですか」
キメラが俺を見上げて尋ねてくる。
「俺か?俺は帰宅部だ」
そう答えると笑いが起こった。
「キタクブって何をする部なんだろ」
「家に早く帰るのを競うのよ」
限られた歩数で家に帰りつくスポーツだ、とドワーフたちが推論する。
「帰宅部ってのはなあ、何をするってわけでもないんだ。家に帰って、あとは何してもいい。自由なのがいいところだな」
俺がいうと、キメラは両手で俺の手につかまり、ぶらさがって足を浮かせようとした。
「あっ、私たち、いま帰宅部だ。部活が終わったら、最後はみんな帰宅部になるんですね、タカヒロ将軍」
「そうだな」
おかしなことをいうと思って俺は笑ってしまった。
俺は変わった。あんなに部活を嫌っていたのに、いまはこいつらと同じ部活に所属してるってことがおかしくてたまらない。
魔力を得て元の世界に帰るという望みが空しく思えてきた。生きづらい世の中を力ずくで改変してやろうなんて考えていたのがバカみたいだ。こっちの世界でなら俺は俺自身を変えられる。変わった俺が仲間を変える。魔法よりもすごい力だ。
モンスターたちは、帰宅部だ帰宅部だ、と口をそろえ、この狭い階段をのぼることが格別な娯楽であるかのようにいって笑いあった。
(石川博品「地下迷宮の帰宅部」)
この作品「地下迷宮の帰宅部」はファミ通文庫から出てるライトノベルアンソロジー「部活アンソロジー2春」に収録されていますが、他の作家達のごく普通な収録作に比べ、本作は明らかに作品の着地地点が桁違いに違いすぎて、読んでいてとてつもなく衝撃を受けたことを今も覚えていますね…。
この作品で衝撃を受けて、石川博品さんの作品をその後はずっと読みまくるようになったんですね。石川さんはライトノベル作家で一番好きな作家さんです。石川さん作品はライトノベル作家、日日日さんの切れ味のある作品を更に尖らせて凝縮したかのような作品で、読んでいて毎回毎回、実に驚愕させられるのが素晴らしい。短編の名手である大槻ケンヂやサキの短編、その中でも特によい出来の短編を読んだときの衝撃に近いですね。「地下迷宮の帰宅部」は異世界ファンタジー好きなら必読と言っていい大傑作です。ぜひ一読をお勧めしますね。
ウィキペディア「サキ」
サキ(Saki)、本名ヘクター・ヒュー・マンロー(Hector Hugh Munro、1870年12月18日 - 1916年11月14日)は、スコットランドの小説家。オー・ヘンリーとならぶ短編の名手であり、ブラックユーモアの強い、意外な結末をもつ作品を得意とした。(中略)
オー・ヘンリーと並ぶ短編の名手とされ、あっと驚くような意外な結末を持つ構成の緻密な作品を多く手がけた。文体も簡潔で無駄がなく、気の利いた表現も随所にさしはさまれている。E・V・ルーカス(E. V. Lucas)は「泊り客の枕もとに、オー・ヘンリー、あるいはサキ、あるいはその両方をおいていなければ、女主人として完璧とはいえない」と評している。
もっとも両者の作風は対照的で、オー・ヘンリーの短編は庶民的で情緒的、サキは貴族的で冷笑的な傾向を持ち、残酷な作品も多い。怪奇的・超自然的な趣向をもつ作品もいくつか手がけている。
石川博品のおしゃべりブログ(ご本人の公式ブログです)
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2015年07月05日 15:07
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keyの麻枝准さん新作「Charlotte」凄く面白いですね。主人公が数秒だけ他人に憑依してその他人の視点を乗っ取り体を操作できる超能力の持ち主かつ、夜神月的な裏表の激しい性格で、表では成績優秀容姿端麗な万能の優等生を演じながら、裏では超能力で悪事を働く、他者を犠牲にして自らの利益を得ることを躊躇わない極度のエゴイストの悪人というのが面白い。
麻枝准さんの作品で主人公が悪人というのは初めての挑戦だと思いますが、非常に魅力的な悪党主人公に造形されていると思いますね。限定的な超能力を使って、主に覗き見をして周囲の人々を操り悪事を働く主人公というのは筒井康隆の小説「七瀬ふたたび」の邪悪な透視能力者の西尾がモティーフなんじゃないかな。
ちなみに主人公のこの「数秒間、他人を操作できる」能力、実際に作中でやって車の大事故を起こしていましたが、車などの運転手を操作することで事故を起こして殺人、特に大量殺人を起こせる能力で、恐るべき能力ですよね。主人公は超能力を悪事に使っていることが正義の超能力者集団にばれて、その集団に脅迫されて従わされていますが、主人公が本気で連中と戦うなら、自殺に見せかけて殺すことができるので(殺したい相手に憑依してその体を操作して自ら心臓をナイフで突くなり高所から飛び降りるなりしてその体が死亡する寸前に自分の体に戻ればいい)、相当に無敵なような感じがします。
主人公は他者を出し抜くことをいつも考えているエゴイスティックなかなりの悪党でして、正義の超能力者集団に心から従っているわけではないと思うので、デスノートの夜神月のように、上手く超能力者集団を出し抜いて勝ちに行ってほしいですね。こういうデスノート的なコンゲーム作品、とても好きなので、今後も期待ですね。
余談ですが、超能力を使って悪事を働く者達(クリミナル・エスパー、超能力を使用する犯罪者)を超能力で裁く正義の超能力者集団の方は、完全に「神麻嗣子の超能力事件簿」の超能力者集団チョーモンインですね。相互監視の為に寮での集団生活を強制させるとか、完全にチョーモンインそのままでこれはまさしくパクり…い、インスパイアでありオマージュであると言っておきましょう。「神麻嗣子の超能力事件簿」シリーズ凄く面白いのに新作がでない…。新作出して欲しいですね。
サイバーミステリ宣言!
七瀬ふたたび (新潮文庫)
ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
夢幻巡礼 神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
実況中死―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
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keyの麻枝准さん新作「Charlotte」凄く面白いですね。主人公が数秒だけ他人に憑依してその他人の視点を乗っ取り体を操作できる超能力の持ち主かつ、夜神月的な裏表の激しい性格で、表では成績優秀容姿端麗な万能の優等生を演じながら、裏では超能力で悪事を働く、他者を犠牲にして自らの利益を得ることを躊躇わない極度のエゴイストの悪人というのが面白い。
麻枝准さんの作品で主人公が悪人というのは初めての挑戦だと思いますが、非常に魅力的な悪党主人公に造形されていると思いますね。限定的な超能力を使って、主に覗き見をして周囲の人々を操り悪事を働く主人公というのは筒井康隆の小説「七瀬ふたたび」の邪悪な透視能力者の西尾がモティーフなんじゃないかな。
ちなみに主人公のこの「数秒間、他人を操作できる」能力、実際に作中でやって車の大事故を起こしていましたが、車などの運転手を操作することで事故を起こして殺人、特に大量殺人を起こせる能力で、恐るべき能力ですよね。主人公は超能力を悪事に使っていることが正義の超能力者集団にばれて、その集団に脅迫されて従わされていますが、主人公が本気で連中と戦うなら、自殺に見せかけて殺すことができるので(殺したい相手に憑依してその体を操作して自ら心臓をナイフで突くなり高所から飛び降りるなりしてその体が死亡する寸前に自分の体に戻ればいい)、相当に無敵なような感じがします。
主人公は他者を出し抜くことをいつも考えているエゴイスティックなかなりの悪党でして、正義の超能力者集団に心から従っているわけではないと思うので、デスノートの夜神月のように、上手く超能力者集団を出し抜いて勝ちに行ってほしいですね。こういうデスノート的なコンゲーム作品、とても好きなので、今後も期待ですね。
余談ですが、超能力を使って悪事を働く者達(クリミナル・エスパー、超能力を使用する犯罪者)を超能力で裁く正義の超能力者集団の方は、完全に「神麻嗣子の超能力事件簿」の超能力者集団チョーモンインですね。相互監視の為に寮での集団生活を強制させるとか、完全にチョーモンインそのままでこれはまさしくパクり…い、インスパイアでありオマージュであると言っておきましょう。「神麻嗣子の超能力事件簿」シリーズ凄く面白いのに新作がでない…。新作出して欲しいですね。
ウィキペディア
神麻嗣子の超能力事件簿
『神麻嗣子の超能力事件簿』は、西澤保彦の推理小説シリーズである。カバーイラストと挿絵は水玉螢之丞。このシリーズは、超能力が実在するが、一般人にはそれが知られていない世界を舞台にしている。エスパーが関わっていると思われる事件に対して、誰がエスパーなのか、超能力をどう使って犯罪を行ったのかなどを、主人公たちが推理するのが主なテーマとなる。(中略)
用語 チョーモンイン
正式名称は超能力者問題秘密対策委員会。またの名をエスパー・エリミネイト・フォース(略してエスエフ)。超能力の悪用によってエスパーが不正な利益を得ることや、その結果人間社会に悪影響が出るのを阻止することを主な目的とする。
超能力使用の監視、クリミナル・エスパーの補導、シャーリングと呼ばれる暗示による超能力の除去、エスパーのデータベース作成が作中で言及される任務。秘密組織であり、一部の協力者以外その存在を知る者は無い。
本部・支部施設は亜空間に隔離されており、ティルトと呼ばれる特殊な処置を施された職員以外は侵入どころか存在を認識することも不可能である。詳細はほとんど不明だが、海外支部が存在し、係長、課長、部長、局長、支部長、委員長などの役職があることからかなり大きな組織のようだ。一般企業や官公庁のように昇進に必要な試験があり、下級職員は情報が制限されるなどの制約がある。
また、寮も用意されており、見習いのうちはそこに入居しなければならない。各職員の名前は全てミッション・ネームであり、本名はもちろん、名前、年齢、性別、国籍すら記憶から消されている。それどころかこの世に戸籍を持っているかどうかも本人にはわからず、「現世」ではすでに死んでいたり、生まれてもいないかもしれない。
その目的上、警察の上層部と繋がっているらしいが、非公式なもののため、現場レベルの協力体制に留まっている。作中の描写によると、少なくとも20年前から活動している模様。
サイバーミステリ宣言!
七瀬ふたたび (新潮文庫)
ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
夢幻巡礼 神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)
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