2014年07月

2014年07月20日 13:10

アルドノア・ゼロ第3話視聴。第1〜2話は、『まあこんなものかな。ちょっと設定が強引過ぎるなー』という感じで淡々と見ていたんですが、第3話から急に面白くなりましたね!!いやあ、第3話は久々に心躍るロボットアニメでした。

このアニメって機動戦士ガンダム0080や機動戦士ガンダム第08MS小隊と同じ、『ロボットアニメのアンチテーゼとしてのロボットアニメ』として展開しているんですね。どういうことかと言いますと、ガンダムシリーズなどのロボットアニメは基本的に異常に強いスーパーロボットに主人公が搭乗して敵をばったばったとなぎ倒す、剣術の達人が主役の時代劇みたいな話がセオリーなんですが、本作は逆なんですね。

本作の場合は、『超弱い量産機ロボに搭乗して、異常に強い敵のスーパーロボットを相手に、戦力は圧倒的に劣りながらも、戦術と作戦によって相手方を倒す』という、機動戦士ガンダム0080や機動戦士ガンダム第08MS小隊で描かれたタイプの『ロボットアニメのアンチテーゼとしてのロボットアニメ』なんですね。僕はこういう地味で渋い感じの話が大好きなので、凄く嬉しいですね。まあ派手じゃない(地味な量産機で敵のスーパーロボットを倒すわけで主役が無敵の活躍をするわけではない)ので、商業的に売れるがどうかは分かりませんが、こういった玄人好みの展開を持ってくるところ、流石は虚淵玄さんと心から賞賛を送りたい気持ちです。

アルドノア・ゼロ第3話は見ていて、ザク2改でガンダムNT-1アレックスを倒すガンダム0080を思い出しましたね…。今やっているロボットアニメの「白銀の意思アルジェヴォルン」みたいな異常に強い主人公機体で無双するタイプのアニメよりも、本作のように弱い量産機を使って戦術・作戦を練って強大な力を持つ敵機体を撃破する方が、ロボットアニメとして圧倒的に燃えますね!!

結局のところ主人公が強い機体に乗って弱い敵方に対して無双しても、それこそ『坊主、自分の力で勝ったのではないぞ!そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな』な訳でして、技術力で優っている主人公の方が技術力で劣っている敵方に対して弱いものいじめをしているだけにしか見えないんですよね…。今後は、ロボットの強さではなく、戦術・作戦で勝負していく本作タイプのロボットアニメが増えて欲しいなと思いますね。

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2014年07月14日 15:01

盤上の夜 (創元SF文庫)

宮内悠介「盤上の夜」読了。前回読んだ「ヨハネスブルグの天使たち」よりも遥かに上出来で面白い作品と感じました。とても楽しめた本でしたね。心からお勧めできる一冊です。

本書「盤上の夜」は様々なボードゲームをテーマにした連作短編集。囲碁・チェッカー・マージャン・チャトランガ(原始将棋)・将棋の五つのボードゲームを舞台にした六つの短編が収められています。どの作品も非常に面白いのですが、なかでも面白いなと感じたのは、純粋知性遊戯(二人零和有限確定完全情報ゲーム。運に左右されない完全解が存在するゲームのこと。チェッカー・将棋・囲碁・チャトランガはこれに当たる)と運や駆け引きに左右される対人遊戯(不完全情報ゲームであるマージャンはこれにあたる)で、ゲームの中に人間というものをどう組み込んでいくかということを、それぞれの短編のなかで表現しているんですね。これが凄く面白いなと。

ウィキペディア「二人零和有限確定完全情報ゲーム」
二人零和有限確定完全情報ゲーム(ふたり ぜろわ ゆうげん かくてい かんぜんじょうほう ゲーム)は、ゲーム理論によるゲームの分類のひとつである。チェス・将棋[1]・チェッカー・オセロ・石取りゲーム(ニム)・囲碁・囲連星・連珠・五目並べ・三目並べ(○×ゲーム)・マンカラなど、偶然(運)に左右されないゲームが相当する。

これに分類されるゲームの特徴は、理論上は完全な先読みが可能であり、双方のプレーヤーが最善手を打てば、必ず先手必勝か後手必勝か引き分けかが決まるという点である。実際には選択肢が多くなると完全な先読みを人間が行う事は困難であるため、ゲームとして成立する。

双方のプレーヤーが最善手を打った場合の勝敗が判明しているゲームには以下のものがある。
先手必勝 初期ルールの五目並べ
後手必勝 6×6のオセロ、どうぶつしょうぎ
引き分け三目並べ、チェッカー

「二人零和有限確定完全情報ゲーム」という言葉は以下のように分解できる。(中略)

確定
プレーヤーの着手以外にゲームに影響を与える偶然の要素が入り込まないという意味。ポーカーなどのカードゲームの一部や麻雀のように、ランダムに積み上げられた山から何かを引くようなゲーム、あるいはバックギャモンなどのサイコロでランダムにコマを進める双六系のゲームは、不確定ゲームに分類される。人生ゲームもルーレットで確率要素が介在するので不確定ゲームである。(中略)

完全情報
各プレイヤーが自分の手番において、これまでの各プレイヤーの行った選択(あるいは意思決定)について全ての情報を知ることができるゲーム。

将棋やチェス、囲碁など多くのボードゲームでは、各プレーヤーが他のプレーヤーの状況を常に把握でき、また、どのような手を指したのかも明確にわかるため完全情報ゲームといえる。

麻雀やポーカー等のカードゲームの多くでは、各プレーヤーの手牌や手札を他のプレーヤーが見ることができず、他のプレーヤーがどのような状況でその牌やカードを切ったのかを知ることができないため不完全情報ゲームとなる。 じゃんけんのように各プレーヤーの手が同時に指されるゲームでは、自分の手を決定する際に、相手の手を見てから選択することができない。また海戦ゲーム、軍人将棋などは偶然の要素こそないものの、相手の手を不完全にしか把握できず完全な先読みができないため、不完全情報ゲームに分類される。

完全情報ゲームでは、ゲーム終了時の状況から、その状態となる一つ前の状態を考えることができ、そこからさらに1つ前の状態を、さらに1つ前と考えることにより、ゲーム上有利な状況を探り、あるいは不利な状態を避けることができるが、不完全情報ゲームではその状態の1つ前の他のプレーヤーの状態がわからないためこのような推論を行うことができない。


本書において既にコンピュータによる完全解が存在するチェッカーの短編については、純粋知性遊戯(純粋数学)というものについてのメタ的な思索を行い(グレッグ・イーガンやテッド・チャンの短編を彷彿とさせますね)、純粋知性遊戯の行く末に思いを馳せる。まだ完全解の出ていない純粋知性遊戯である将棋・囲碁については、その戦いの背景となる人間社会と指し手の人間達の人間関係の中において遊戯もまた戦われることを描き、マージャンについては、完全に人間と人間のある種の交流としての遊戯である姿を描き、そしてそれらの原初的なプロトタイプであるチャトランガについては、それが、人間社会とは異なるルールで、人間社会の色々な意味とは独立して別にあろうとした知性の純粋遊戯、その知性の戦い自体の面白さに魅入られた人物から生まれたことを描いています。

遊戯というものの根源を確りと捉えようとした力作と感じましたね。純粋知性遊戯はある決定的なルールの上で数学的に起こるという点において人間社会が意味づけする意味を超えた最初からある規範、「1+1=2」のようなものなのですが、そこに人間と言う遊戯のプレイヤーが社会的関係性を携えて関わることによって、それはまた社会の意味の中に取り込まれる。遊戯における知性と人間との果てしなき相克というものを描いていると感じましたね。非常に面白い作品です。皆様方に自信を持ってお勧めできる傑作と言えると思います。

盤上の夜 (創元SF文庫)
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2014年07月03日 05:00

伊藤計劃のさん傑作短編、戦争SF文学として見事に優れた作品「The Indifference Engine」。それに連なる物語であるとして岡和田晃さんがThe Indifference Engineの解説にて紹介していた宮内悠介さんの連作SF短編集「ヨハネスブルグの天使たち」読了。凄く面白くてたった今、徹夜で読了してしまいました。凄く面白いんだけど、うーんって感じがするところもあって、複雑ですね…。

本作「ヨハネスブルグの天使たち」は、美少女型アンドロイドDX9の大群が天から地に落ち続けるというイメージをリフレインする連作短編の数々。美少女型アンドロイドDX9は、ボーカロイド初音ミクを立体化して超高度な人工知能を掲載したようなイメージのロボットでして、これらのロボットが天から地へ落ち続けるということが連作短編の中で繰り返し描かれます。なんか、このイメージの強迫的な反復は、特になくても良かったんじゃないかと感じますね…。

連作短編自体は、主に戦争・内紛・テロリズムなどをテーマにしており(最終作のみやや異なる)、短編自体はどれも凄く面白いのですが、何度も挟み込まれる美少女型アンドロイドが落下するというイメージがそれぞれの短編に必要だったのかなという疑問がどうしても否めない。「The Indifference Engine」に比べると、無理に極端なロボットテーマ(ボーカロイドが立体化したロボット達)を落とし込んでいる分、リアリティが感じられないところがあって、うーん…。凄く技量のある作家さんと感じるので、子供兵から見た紛争をダイレクトにテーマにした「The Indifference Engine」のように、短編のテーマそれ自体で勝負して欲しかったなと感じます。本作の場合は、作品の本質的テーマとロボットのイメージが乖離しているように感じるのですね。

初音ミクが立体化した超高度なロボット達というのは、野尻抱介さんの連作SF短編「南極点のピアピア動画」にも出てきますが、この作品(ピアピア動画)においては、同作家の「ふわふわの泉」と同じく、『宇宙人のオーバーテクノロジー』によって、それらのロボットが生まれたと描かれているので、描かれる世界とロボットの間に乖離があっても、納得できるファンタジーとして読める。宇宙人のオーバーテクノロジーはドラえもんの四次元ポケットみたいなもので、『これはファンタジックな要素で、現実離れしていますよ』ということを示して、物語をファンタジーとして入りやすくしている。物語の本筋や背景自体もふわふわした感じの軽いものなので、夢物語(意志を持つボーカロイドが立体化した夢のロボットが現れる)な願望充足ファンタジーとの親和性が高い。

本作の連作短編の場合は、物語の本筋としては戦争や紛争、テロリズムといった凄く重い国際問題テーマを描いているのに比べ、そこに登場するオーバーテクノロジーなロボット達(ロボット達は日本製の富裕層向け歌姫トイロボットという設定ですが、オーバーテクノロジー過ぎて無理を感じる)が凄くふわふわしてる感じで、乖離を感じるんですね。先にも挙げましたが、「The Indifference Engine」のように、ダイレクトに重いテーマと勝負してほしかったなと感じますね…。

ただ、非常に面白い読み応えのあるSF作品であることには間違いないです。一読の価値があると心から言える連作短編集、面白かったですね。お勧めです。最近、SFを余り読んでいなかったのですが、こういった作品が出てきていたことを知り、とても喜ばしいとSF好きの一人として感じましたね…。もっとこの作家さんの本を読んでみたいと思います。

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
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盤上の夜 (創元SF文庫)
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The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)

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