2016年12月17日 22:38
世界最高峰の海外ライトノベル「創世の島」(バーナード・ベケット著)。全世界のライトノベルのナンバーワン作品と思います。
創世の島
興味深いニュースですね。私は海外のヤングアダルト小説(日本で言うところのライトノベル)を読むのが趣味の一つなんですが、現代における世界最高峰ライトノベルと言われる作品、バーナード・ベケット「創世の島」は、ニュージーランド(作者はニュージーランド人の作家)で人気が爆発して世界中に翻訳されて世界中でも大変な人気で超高評価を受けました(なぜか日本では人気が出なかった…すごい傑作なのに日本では海外ライトノベルがあまり売れないのが悲しい。最近読んだ海外ライトノベルでは恋愛が「病気」として禁じられ、人間から一切の恋愛に対する感情を手術によって取り除く世界を描いた「デリリウムセブンティーン」とかもとても良かった)。
「創世の島」の世界的大ヒットのように、真に優れた作品であれば、世界中から評価を受けることが可能なのが世界のライトノベル(ヤングアダルト)市場なんですね(日本は世界的なヤングアダルト小説の傑作も中々売れないので日本市場だけ価値観がちょっと違うかも知れません…)。ぜひ日本のライトノベル作家のみなさんも、世界中で評価を受ける素晴らしい作品を書いて欲しいなと感じましたね。
ちなみに「創世の島」はライトノベルの究極的傑作なんで、ライトノベル好きは勿論、本が好きなお方々全てにぜひ読んで欲しいですね。ぶっ飛ぶとしか言いようのない大どんでん返しが…読み終えたときはもう絶句でしたよ。日本を含む全世界のライトノベルで最も優れた最高傑作を選べと言われたら私は迷うことなく本作を選びます。
「創世の島」は、21世紀中期におきた日中対欧米の世界最終戦争(また日本がなんか枢軸っぽい役割だよ!まあ海外小説だから日本がこういう立ち位置なのはよくあることで仕方がない…)によって、全人類がほぼ全滅し、ニュージーランドだけが、完全に戦争から自衛することで唯一助かった世界が舞台。世界最終戦争でニュージーランドだけが生き残りました。こういう、世界最終戦争等により世界が滅んで、ラノベの主人公達のいるごく一部の部分だけが生き残るというのは、日本のオタク作品でも定番な感じです。「結城友奈は勇者である」とかまさにこういう感じの設定(世界が全滅し日本の一部だけが生き残っている設定)ですね。
「創世の島」で面白いのは、世界最終戦争の遥か後に、一人の少女がアカデミーに入る為の試験を受けているという展開なんですね。試験は試験室で試験官達とやりとりをするだけで、作品の大半はひたすら試験室での主人公と試験官とのやりとりをしているだけの小説なんですが、これが滅法面白い。主人公の少女は、アダムという青年の行動を語るのですが、このアダムについて語る中のアダムが語ることによって、最終戦争後の世界の姿がだんだんと浮き上がってくる。
そしてなおかつ、最初は「このアダムってのがヒーロー的キャラクターなのかな」と思って読んでいると、なんかひたすら、人工知能とアダムが哲学的問答を繰り返すシーンの連続になるという、意外な展開が続き、そしてこれらの諸問題(人工知能に魂はあるか?魂とは何か?人間らしさとは何か?そしてミームの問題といった哲学的諸問題)が、物凄く意味を持った展開であるところが実に見事で素晴らしい。実にドゥルーズ的といいますか神林長平的といいますか…。勿論、哲学なんて一切知らなくても楽しめます。
そして最後のどんでん返しが…。本当にやられたとしか言いようが無い。最高傑作レベルのミステリとかも凌駕する究極的どんでん返しにやられてしまいました。これはぜひ読んで体験して欲しいですね。読んでいないことが人生の損失と断言できる程の究極的な大傑作ライトノベルです。ライトノベル作家さん達にもぜひ読んで欲しいな。ライトノベルってここまで突き抜けちゃっていいんだ!的な、既存のあらゆる枠を完全に突破している様をぜひ味わって欲しいです。小谷真理さんが解説で書いている通り、読み終わった後、絶句して、頭を抑えながら部屋の中ひたすらぐるぐる回っちゃうくらいの衝撃でした…。1ページ目から最終ページまで読み飛ばしたりせず虚心坦懐にぜひじっくり読んで欲しいですね。
創世の島
著者:バーナード ベケット
早川書房(2010-06)
販売元:Amazon.co.jp
デリリウム17 (新潮文庫)
著者:ローレン オリヴァー
新潮社(2014-01-29)
販売元:Amazon.co.jp
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世界のオタクが注目の日本の「ラノベ」 米国進出を開始
http://forbesjapan.com/articles/detail/14610
これまではKADOKAWAなどの大手が中心だったが、新規参入したのがJ-Novel Clubだ。ラノベをストリーミング形式で提供するいわば”ラノベ版ネットフリックス”だ。J-Novel Clubの創業者でCEOのSam Pinanskyは東京に在住。「巨大な成長の可能性が感じられる」と彼は言う。「ラノベは日本で出版されている量に対し、英訳される量がとても少ない。日本では自費出版のネット小説を除いても毎月60ー80作品が新たに出版されますが、英訳されるのはその7%以下なのです」
興味深いニュースですね。私は海外のヤングアダルト小説(日本で言うところのライトノベル)を読むのが趣味の一つなんですが、現代における世界最高峰ライトノベルと言われる作品、バーナード・ベケット「創世の島」は、ニュージーランド(作者はニュージーランド人の作家)で人気が爆発して世界中に翻訳されて世界中でも大変な人気で超高評価を受けました(なぜか日本では人気が出なかった…すごい傑作なのに日本では海外ライトノベルがあまり売れないのが悲しい。最近読んだ海外ライトノベルでは恋愛が「病気」として禁じられ、人間から一切の恋愛に対する感情を手術によって取り除く世界を描いた「デリリウムセブンティーン」とかもとても良かった)。
「創世の島」の世界的大ヒットのように、真に優れた作品であれば、世界中から評価を受けることが可能なのが世界のライトノベル(ヤングアダルト)市場なんですね(日本は世界的なヤングアダルト小説の傑作も中々売れないので日本市場だけ価値観がちょっと違うかも知れません…)。ぜひ日本のライトノベル作家のみなさんも、世界中で評価を受ける素晴らしい作品を書いて欲しいなと感じましたね。
ちなみに「創世の島」はライトノベルの究極的傑作なんで、ライトノベル好きは勿論、本が好きなお方々全てにぜひ読んで欲しいですね。ぶっ飛ぶとしか言いようのない大どんでん返しが…読み終えたときはもう絶句でしたよ。日本を含む全世界のライトノベルで最も優れた最高傑作を選べと言われたら私は迷うことなく本作を選びます。
「創世の島」は、21世紀中期におきた日中対欧米の世界最終戦争(また日本がなんか枢軸っぽい役割だよ!まあ海外小説だから日本がこういう立ち位置なのはよくあることで仕方がない…)によって、全人類がほぼ全滅し、ニュージーランドだけが、完全に戦争から自衛することで唯一助かった世界が舞台。世界最終戦争でニュージーランドだけが生き残りました。こういう、世界最終戦争等により世界が滅んで、ラノベの主人公達のいるごく一部の部分だけが生き残るというのは、日本のオタク作品でも定番な感じです。「結城友奈は勇者である」とかまさにこういう感じの設定(世界が全滅し日本の一部だけが生き残っている設定)ですね。
「創世の島」で面白いのは、世界最終戦争の遥か後に、一人の少女がアカデミーに入る為の試験を受けているという展開なんですね。試験は試験室で試験官達とやりとりをするだけで、作品の大半はひたすら試験室での主人公と試験官とのやりとりをしているだけの小説なんですが、これが滅法面白い。主人公の少女は、アダムという青年の行動を語るのですが、このアダムについて語る中のアダムが語ることによって、最終戦争後の世界の姿がだんだんと浮き上がってくる。
そしてなおかつ、最初は「このアダムってのがヒーロー的キャラクターなのかな」と思って読んでいると、なんかひたすら、人工知能とアダムが哲学的問答を繰り返すシーンの連続になるという、意外な展開が続き、そしてこれらの諸問題(人工知能に魂はあるか?魂とは何か?人間らしさとは何か?そしてミームの問題といった哲学的諸問題)が、物凄く意味を持った展開であるところが実に見事で素晴らしい。実にドゥルーズ的といいますか神林長平的といいますか…。勿論、哲学なんて一切知らなくても楽しめます。
俺とお前は違う。もう、その違いは意識だ、という気は無い。これまで出会った人間の半分は、お前同様、意識なんかないみたいなやつらだった。かといって、自由意志とも呼びたくない。俺を動かしているのは選択じゃないからだ。俺はこの、命がゆっくり流れでていってしまう感覚を無視することはできない。俺にとって、命が意味を持つのは、人の笑顔を見たり、人の手が俺の手の中にあるのを感じるときだけだという事実を無視することはできない。だから、違う、という言い方をするんだ。
(バーナード・ベケット「創世の島」)
そして最後のどんでん返しが…。本当にやられたとしか言いようが無い。最高傑作レベルのミステリとかも凌駕する究極的どんでん返しにやられてしまいました。これはぜひ読んで体験して欲しいですね。読んでいないことが人生の損失と断言できる程の究極的な大傑作ライトノベルです。ライトノベル作家さん達にもぜひ読んで欲しいな。ライトノベルってここまで突き抜けちゃっていいんだ!的な、既存のあらゆる枠を完全に突破している様をぜひ味わって欲しいです。小谷真理さんが解説で書いている通り、読み終わった後、絶句して、頭を抑えながら部屋の中ひたすらぐるぐる回っちゃうくらいの衝撃でした…。1ページ目から最終ページまで読み飛ばしたりせず虚心坦懐にぜひじっくり読んで欲しいですね。
アナックスらの対話からめまぐるしく浮かび上がってくる興亡史には、存分に驚嘆していただくとしても、本書は最後の最後まで予断をゆるさぬ内容です。とくに、あの最後の数ページの衝撃!思考の根幹を突き崩されるようなラストの、あの驚天動地の真相に接したわたしは、しばらく立ち直れなかったほどで、待てよ、と改めて冒頭から読み返して、「なるほど、そういうことだったのか」と愕然としたものでした。それこそ空の天蓋がいきなりはねのけられて、無限の宇宙へと、目が開かれていくような戦慄と快感――これぞ新世紀のサイエンス・フィクションの醍醐味だ、と思ったものです。
(小谷真理「創世の島」解説)
創世の島
著者:バーナード ベケット
早川書房(2010-06)
販売元:Amazon.co.jp
デリリウム17 (新潮文庫)
著者:ローレン オリヴァー
新潮社(2014-01-29)
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