2016年12月17日 02:04

日本外交、すごい前のめりでロシアシフトしていますね…。こんな猪突猛進状態で大丈夫なのか…。

ロシア外相 外務防衛の閣僚協議「2+2」再開必要で一致
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010808521000.html
ロシアのラブロフ外相はNHKなどに対して、「プーチン大統領が外務・防衛の閣僚協議いわゆる『2+2』を再開させる必要があるという認識で安倍総理大臣と一致した」と述べました。また、ラブロフ外相は「シリア問題とウクライナ東部の情勢をめぐって両首脳が意見交換をして、両国の立場はほとんどの点で一致している」としています。

ロシアとの2+2再開は良いことだと思いますが、「シリア・ウクライナ問題で日ソ両国の立場はほとんどの点で一致している」って…。マジで…!?驚愕しました…。日本は完全にロシアシフトするって外交方針で行くように見受けられますが、こんな猪突猛進状態で大丈夫なのか…。昨日のフジテレビ「みんなのニュース」でロシア外交専門の政治学者の中村逸郎さんが、凄まじく興奮して正気を失っている様子の鈴木宗男氏を見て、「ロシアとは冷静な外交を行うことが大切であり、日本だけが前のめりになって進むのは日本に利益をもたらさない」って言ってましたが、ほんとその通りだと思います…。

来年、トランプ大統領が完全な親露スタンスで米国の対露制裁解除(ティラーソンが国務長官になったので解除の可能性は高い)を行い、EUもフランスがルペン大統領になって対露制裁解除に動き出すとかの状況ならまだしも、いま、まだ世界情勢の先行きが分からない状態で、「両国の立場はほとんどの点で一致」って…。日本、物凄く前のめりですね…。

こりゃあ、今後もしロシアがバルト三国に介入した場合も日本は

「見ざる言わざる聞かざる!」
「ロシアは常にいかなる時も大切な友邦です!日本が世界に言えるのはそれだけです!」
「友邦ロシアを通じてバルト三国に日本が経済支援を行います!」

ってな状態になる可能性は高そう…。日本がロシアの世界戦略のお財布に…。

結局のところ、日本の国力が大きく低下している上に米国が世界戦略をドラスティックに変更しつつあり、対中対露の二方面作戦は日本に不可能なので、日本はロシアと何があっても友好的に行かないと立ち行かなくなったということだと思います…。当然ロシアは、そういった立場である日本の足元を見ている。1980年ごろ、「日本が世界をリードする」みたいな勢いの良い論調がありましたが、実際の日本は大国(米中露)の間で翻弄される極東の衰退していく小国だったということでしょう…。

みずほ銀行みずほ総合研究所「プーチン大統領訪問の注目点」
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/urgency/report161130.pdf
トランプ氏は選挙戦において、孤立主義的な外交方針、対露では関係改善の方針を示す(中略)
ロシアにとっては、米露関係の改善に伴い制裁が緩和された場合、日本との経済協力や領土問題解決の重要性が相対的に低下する可能性も

米ブルッキングス研究所フェロートーマス・ライト氏「同盟の亀裂、ロシアに好機」
http://www.asahi.com/articles/DA3S12706385.html
トランプ氏にとって東欧はさほど重要ではなく、今後の言動によってはロシアの影響の拡大を許してしまう懸念がある。(中略)ロシアには好機で、反応を見ながら様々なことを試してくるだろう。(中略)次期国務長官に大手エクソンモービルのティラーソン会長を選んだことも懸念している。ティラーソン氏はプーチン氏と親しい。(中略)彼(トランプ大統領)は国際問題を(アメリカの利益第一の)ビジネスの視点で見るのではないか。

トランプとダークサイド
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201612miyatru0003
 ロシアや中国の動きは「諸帝国の逆襲」といえます。国家意思としてのダークサイドともいえるかと思います。ダークサイドが世界中を覆い、その一部から「諸帝国の逆襲」が起きている。

 現在、世界は大国、そして大国に準じる国で構成される2つのリーグがあります。メジャーリーグが米国、中国、ロシアです。マイナーリーグは日本、英国、EU、インドなどを中心とする国々です。

 「諸帝国の逆襲」というのは、メジャーリーグの米国以外の残りの2つの勢力(中国、ロシア)が力による現状変更を目指して、逆襲を試みている。これが基本的な構図です。

 メジャーリーグの力関係を見ると、今は米国が1強で、あと2つの中ロが2弱です。その状況がどう変わっていくか。2弱のうち中国はどちらかというと昇り竜です。今後、1強(米国)と、その次に中国、そして1弱のロシアというように変わっていくと思います。(中略)

 日本は領土も小さいし、人口も減っているし、十分な軍事力はない。だから誇りを持ってマイナーリーグでいいと思います。(中略)

 ユーラシア大陸のバランス・オブ・パワー(勢力均衡)という観点で言うと、海洋国家日本からすれば、ロシアと中国をどう競わせるかということが肝要になります。欧州は東方のロシアだけを見ていればいいのですが、日本はロシアと中国を見なければいけない。両者が結託されては困るし、どちらかが強くなり、手が付けられないくらい強大化してもらっても困る。

ちなみに、ロシアの人については詳しくないのでよくわかりませんが、欧米人の指導層(アメリカ人・ヨーロッパ人の指導層)ってイソップ童話のコウモリみたいな立ち位置の相手(理念のない相手)を嫌っているようなので、その点気をつけないと、欧米から日本が憎まれる可能性があるってことは、考えないといけないのではと思います。スターウォーズの悪役組織で、共和国経済から生まれた組織でありながら、パルパティーン、ドゥークー伯爵らと手を結び、のちに用済みとしてダースベイダーに抹殺された「通商連合」「テクノ・ユニオン」「インターギャラクティック銀行グループ」みたいなコウモリ的悪役組織、日本がモデルみたいに言われてますね…。

ウィキペディア:イソップ童話「鳥と獣とコウモリ」
昔々、獣の一族と鳥の一族が戦争をしていた。その様子を見ていたずる賢い一羽のコウモリは、獣の一族が有利になると獣たちの前に姿を現し、「私は全身に毛が生えているから、獣の仲間です。」と言った。鳥の一族が有利になると鳥たちの前に姿を現し、「私は羽があるから、鳥の仲間です。」と言った。

その後、鳥と獣が和解したことで戦争が終わったが、幾度もの寝返りを繰り返し、双方にいい顔をしたコウモリは、鳥からも獣からも嫌われ仲間はずれにされてしまう。

双方から追いやられて居場所のなくなったコウモリは、やがて暗い洞窟の中へ身を潜め、夜だけ飛んでくるようになった。

ウィキペディア「ヌート・ガンレイ」
ヌート・ガンレイ (Nute Gunray) は、アメリカのSF映画『スター・ウォーズ』シリーズの新三部作(『エピソード1/ファントム・メナス』『エピソード2/クローンの攻撃』『エピソード3/シスの復讐』)に登場する架空の人物。(中略)

物語中において、シス卿ダース・シディアスと深い繋がりを持っている。シディアスに対しては常にへりくだり、まるで臣下のような態度をとっているものの、シス卿に心からの忠誠心があったわけではない。彼らは基本的に、互いを利用するだけの関係である(都合の悪いことは隠そうとしたり、「(ナブー封鎖の)話に乗ったのは間違いではないか」と副官ルーン・ハーコも疑問を示していた)。

彼がシス卿と関わるようになったのは、通商連合の総督の地位につく頃からであるとされる。当時、ライバルと熾烈な権力争いをしているガンレイに、助力と引き替えに協力するように接触してきたのが、ダース・シディアスであった。彼は、シディアスから得た秘密情報をもとにライバルを蹴落とし、総督の地位を得たのである。この後も、表で活動するガンレイと、裏で暗躍するシディアスは、関係を保ち続けた。

しかしエピソード3では、野望が成就し、もはや裏に隠れている必要がなくなったシディアスに利用価値を見限られ、シディアスの使者ダース・ベイダーに殺害される。映画版では容赦なく殺害されるが、ガンレイの「戦争は終わった。シディアス卿は我々にピース(peace=平和)を約束した!」という疑問に対するシディアスの答えは、小説版でアナキンの「誤解があったようだな。シディアス卿はピース(piece=切れ端)にすると約束したのさ」という台詞として明かされる。

おそらく今後の21世紀は国際的には、アメリカという超帝国的なパワーが今までのようには存在しなくなる訳で、20世紀後半よりも遥かに不安定で危険な時代になるでしょうね…。ちなみにスターウォーズエピソード6以降の話は、巨大な銀河帝国が消滅したことで人々が自由になった故に、秩序が消滅して宇宙が破滅的混乱に陥り戦争が次々と勃発する皮肉な話ですね…。

新共和国が内側から崩壊しはじめ、完全に瓦解しつつある今、誰の助けも得られないのだ。帝国さえ陥落してしまえば、しごく簡単だとみんなが思っていた。(中略)

自由。自分の考えを口にし、反論し、議論する自由だ。レイアはため息をついた。反乱軍を率いていた者たちは、甘くみていた。何をすればよいか命令される方がいい、と密かに考えている人々が、あまりにたくさんいたのだ。自分の頭で考えるよりも、命令に従う方がはるかにたやすい。言い争いと話し合いを重ねているうちに、全てが手遅れになってしまった。
(「スターウォーズ フォースの覚醒」)

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