2016年12月16日 15:07
前回取り上げたデマ、デマと指摘する記事をむりやり曲解する確信犯的人々が凄く見受けられますね…。既に権威同一視にまで進んでいるとしか…。
前回のエントリで取り上げたデマ、ツイッターユーザーや軍事系ブロガー等が、「ニコルソン調整官は『神に感謝すべき』と言ったのであり、『(被害が出なかったことを海兵隊に)感謝すべき』とだけ伝えたマスコミは誤報!」と彼らが述べていたこと自体が、何の取材ソースもないデマだった訳です。
しかし、デマを報じる上記のニュースに対して、記事の見出しを取り上げて、「感謝すべき」などという発言はなかったとか、最も根源的な一次ソースである当事者の副知事が嘘をついているとか、もう滅茶苦茶な主張をしていて、米軍擁護と沖縄&マスメディア非難しているユーザーがネット上に大量にいるんですが…、どうなってるのこれ…。既に米軍と自己の権威同一視にまで進んでいるとしか…。
権威同一視について簡単に説明しますと、第二次世界大戦の後、ナチスは突拍子もないデタラメの政治デマをドイツ国民に吹き込んだのにも関わらず、なぜドイツ国民は明らかに嘘とわかるデマを信じてナチスに扇動されてしまったのかを解明することが、科学の世界でも大きな問題・研究課題として考えられるようになったんですね…。二度と世界大戦を起こさないために、様々な公的機関が様々な研究機関に解明の為の資金を出しました。
そして、それらについて研究を行った社会学(社会心理学)では、権威に対する最も洗脳の進んだ状態、権威同一視状態においては、自らの内面が仮想の権威と一体化して、その権威の為に自ら行動することに喜びを感じるようになっている、そこにおいては、同一視した権威にとってマイナスに働く倫理・良心・科学的公正といったもの(今回のことで言えば、デマに抵抗する良心)は全て捨てられてしまっているという分析結果を出したんですね…。
まさに、そういった事態(米軍を権威として自己を同一視している人物達が日本には大勢いて、確信犯的にデマをばら撒いている事態)がリアルタイムで起こっている訳で、恐るべきことだと思います…。
今回、デマを確信犯的に流している人々は、米軍と自己を同一視して、沖縄の地方自治体や沖縄県民とマスメディアを敵として捉えているんですが、これは右翼的権威主義的尺度でも計りしれないような思想、自国よりも他国の軍隊に熱狂するという思想な訳で、米軍に安全保障を頼ってきた日本独自のものかも知れませんね…。
様々な実験等から分かったことによると、権威に対する最大の服従状態である権威同一視状態(権威を内面化した状態)では、その権威が常に超自我的な行動指針最高位に置かれ、その権威に対してマイナスになるような良心(倫理観・誠実さ・公正性・客観性等)は全てその人間の内面から排除されてしまうので、非倫理的・反倫理的な行動に対するハードルが極端に下がる(例えば権威の為にデマを流したり暴力を振るったりしても良心の咎めを感じることはなくなる)とされているんですね…。
これは本当に恐るべきことで、権威同一視状態の人々、客観性や公正性や思いやりや誠実さといった人間同士の関係において極めて重要なファクターを捨て去り、権威に自発的に仕えて権威の拡大の為に行動することを行動指針の最高位におく人々が、少なくとも日本のインターネット上には、物凄い数の人々としているということは、インターネットで情報を見るときに常に頭に入れておくべきことだと思います。
後は、権威同一視を防ぐには、多面的な物事の見方を可能にする客観性や公正性といった、論理、科学、倫理の基礎になるものを、幼少期からきちんと誠実に教えていかなければいけないという結論を科学は出したんですが、果たして現代日本で、客観性や公正性ということを重んじた教育を行っているのかと考えると、とてもそうは思えないわけでして、非常に不安ですね…。
権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)
著者:なだ いなだ
岩波書店(1974-03-28)
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権威主義の正体 (PHP新書)
著者:岡本浩一
PHP研究所(2004-12-16)
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自由からの逃走 新版
著者:エーリッヒ・フロム
東京創元社(1965-12)
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オスプレイ事故でデマ、「朝日新聞が意図的な誤訳」にソースなし 米軍司令官「感謝されるべき」発言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161215-00010001-bfj-soci
しかし、デマを報じる上記のニュースに対して、記事の見出しを取り上げて、「感謝すべき」などという発言はなかったとか、最も根源的な一次ソースである当事者の副知事が嘘をついているとか、もう滅茶苦茶な主張をしていて、米軍擁護と沖縄&マスメディア非難しているユーザーがネット上に大量にいるんですが…、どうなってるのこれ…。既に米軍と自己の権威同一視にまで進んでいるとしか…。
権威同一視について簡単に説明しますと、第二次世界大戦の後、ナチスは突拍子もないデタラメの政治デマをドイツ国民に吹き込んだのにも関わらず、なぜドイツ国民は明らかに嘘とわかるデマを信じてナチスに扇動されてしまったのかを解明することが、科学の世界でも大きな問題・研究課題として考えられるようになったんですね…。二度と世界大戦を起こさないために、様々な公的機関が様々な研究機関に解明の為の資金を出しました。
そして、それらについて研究を行った社会学(社会心理学)では、権威に対する最も洗脳の進んだ状態、権威同一視状態においては、自らの内面が仮想の権威と一体化して、その権威の為に自ら行動することに喜びを感じるようになっている、そこにおいては、同一視した権威にとってマイナスに働く倫理・良心・科学的公正といったもの(今回のことで言えば、デマに抵抗する良心)は全て捨てられてしまっているという分析結果を出したんですね…。
まさに、そういった事態(米軍を権威として自己を同一視している人物達が日本には大勢いて、確信犯的にデマをばら撒いている事態)がリアルタイムで起こっている訳で、恐るべきことだと思います…。
権威と権力はどちらも人を従わせたり、信じさせたりする関係であるが、権力は強制したり命令したりして従わせるのに対し、権威は、強制もされず命令もされないのに自分から進んで、信じ服従しようとする。
(なだいなだ「権威と権力」)
社会心理学では、「服従」「同調」「同一視」という用語を区別している。
服従は、通常は強制的圧力の下で起こる。ミルグラムの電気ショックの実験が服従の実験である。服従の当事者は、行動に従ってはいるものの、自分は従いたくないという葛藤の自覚がある。ミルグラムの実験の被験者の場合、ショックのボタンを押すのを拒否して帰宅してしまっても、そのことによる不利益はない状態で実験に参加しているにもかかわらず、「心理学の科学的実験」などの説明が圧力となり、ずるずると服従し続けたところに、人間が服従に傾倒しやすいことが示されている。(中略)
同一視は、当該の行動の前提となる価値判断などが内面化された状態である。同一視が起こっていると強制や義務感のない状態でも当該の行動が起こる。たとえば、子供自身が、親に言われなくても、「机が綺麗だと気持ちがいい」と感じ、机を綺麗にすることを習慣にした場合などである。これは「机の周囲を整頓する」という行動基盤となる価値判断が内面化された結果とみなすことができるのである。
同一視が起こると、強制や義務感、規範がない状態でも当該の行動が起こることになり、当該の行動をやめさせるには、説得が必要になる。ジンバルドの監獄実験で扱った行動が同一視である。実験は、囚人役に囚人らしく振る舞うことも、看守役に看守らしく振る舞うことも求めていない。それにもかかわらず、それぞれの役割に付随する行動が内面化していった。(心理実験であり、本当の刑務所ではないにも関わらず)看守役は実験者の目を盗んで囚人に危害を与える場合さえ散見された。これは、看守としてのモデル・規範のないところで、看守らしい行動が起こっていたことを示す。
同調は、この服従と同一視のあいだのものの総称である。基本的には、モデルや規範が可視的でないときには同調は起こらない。モデルや規範が可視的でないときに起こる場合、それはすでに同一視が生じていると考えるわけである。(中略)
ここにあげたアッシュ、ミルグラム、ジンバルドの研究は、いずれも大きな衝撃をもって受け止められた。人間の同調性、服従性、そして与えられた役割に染まる同一視が、条件が少しととのえさえすれば、かくも容易に確実に大規模に起こることがわかったからである。ホロコーストの原因をドイツ人、ドイツの政治文化、ナチズムの特殊性などに求め、アメリカを始めとする連合国には無縁なことと考えていた当初の理解が誤っていたことがはっきりしたのである。(中略)
右翼的思想が権威主義と結びつきやすいのは、直感的にもうなずけるが、それを実際の尺度で示したのがアルツマイヤーの右翼的権威主義的尺度である。
(岡本浩一「権威主義の正体」)
今回、デマを確信犯的に流している人々は、米軍と自己を同一視して、沖縄の地方自治体や沖縄県民とマスメディアを敵として捉えているんですが、これは右翼的権威主義的尺度でも計りしれないような思想、自国よりも他国の軍隊に熱狂するという思想な訳で、米軍に安全保障を頼ってきた日本独自のものかも知れませんね…。
様々な実験等から分かったことによると、権威に対する最大の服従状態である権威同一視状態(権威を内面化した状態)では、その権威が常に超自我的な行動指針最高位に置かれ、その権威に対してマイナスになるような良心(倫理観・誠実さ・公正性・客観性等)は全てその人間の内面から排除されてしまうので、非倫理的・反倫理的な行動に対するハードルが極端に下がる(例えば権威の為にデマを流したり暴力を振るったりしても良心の咎めを感じることはなくなる)とされているんですね…。
これは本当に恐るべきことで、権威同一視状態の人々、客観性や公正性や思いやりや誠実さといった人間同士の関係において極めて重要なファクターを捨て去り、権威に自発的に仕えて権威の拡大の為に行動することを行動指針の最高位におく人々が、少なくとも日本のインターネット上には、物凄い数の人々としているということは、インターネットで情報を見るときに常に頭に入れておくべきことだと思います。
後は、権威同一視を防ぐには、多面的な物事の見方を可能にする客観性や公正性といった、論理、科学、倫理の基礎になるものを、幼少期からきちんと誠実に教えていかなければいけないという結論を科学は出したんですが、果たして現代日本で、客観性や公正性ということを重んじた教育を行っているのかと考えると、とてもそうは思えないわけでして、非常に不安ですね…。
権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)
著者:なだ いなだ
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権威主義の正体 (PHP新書)
著者:岡本浩一
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