2016年08月05日 12:39

イーストウッドがトランプ支持を明確にしましたね。彼の映画見てるとこれは凄く分かるなあ…。

【米大統領選】イーストウッド氏、トランプ氏の本音発言を評価「誰もが建前に疲れている」
http://www.sankei.com/world/news/160805/wor1608050006-n1.html
米国の俳優で映画監督でもあるクリント・イーストウッドさんは4日までに、大統領選の共和党候補トランプ氏について「誰もが建前に疲れていることに気付いている」と述べ、現状を打破できる人物だと評価した。民主党候補のクリントン前国務長官より本音を語る共和党のトランプ氏が好ましいとの考えを示した。

 イーストウッドさんは、3日発売の「エスクワイア」誌のインタビューで「(誰かを怒らせたり、間違ったことをしたりしないように)みんなとても注意深くなっている。今はそんなご機嫌取りの時代だ」と米社会の現状を問題視した。一方で「トランプ氏は多くのばかげた発言もしている」とも述べた。

 イーストウッドさんは、トランプ、クリントン両氏のどちらにも支持は表明していないとした上で「クリントン氏はオバマ政権の継承を宣言した。どちらかなら、私はトランプ氏を選ぶ」と語った。(共同)

「(誰かを怒らせたり、間違ったことをしたりしないように)みんなとても注意深くなっている。今はそんなご機嫌取りの時代だ」

イーストウッド監督の映画大好きで(ジョジョの荒木飛呂彦さんが言うように彼の監督映画には外れがない!)、レンタルビデオ屋さんに行った時は決まって借りてよく見てるんですが(彼の監督作品は大量にあるのでまだ全部は見れていないです)、上記の言葉、イーストウッド監督の映画を見てると、凄く分かるなあという感じですね…。彼の映画の主人公って、建前を中心とした社会的圧力によって閉塞した社会の中でズタボロにされている孤立した孤独なアウトサイダーが主人公のことが多くて、そういった主人公に共感を抱かせる物語展開ですからね…。社会的な同調圧力の中で孤独に抗う主人公に見ていて凄く共感してしまうんですよね…。建前を中心とした社会的圧力を内面化しないと生きていけない閉塞した抑圧的社会ということでは、日本の方がアメリカよりも酷い状況だと思いますね…。

映画界において、昔も今も確固たるブランドを築いているのが、クリント・イーストウッドです。僕ももちろん大好きですが、イーストウッド監督の映画は、他の映画と比べてかなり異色の存在といえるでしょう。(中略)

キャラクターからテーマまで、全てがしっかり作られていて、もう絶対に外さない。飲食店で例えるなら、店の外見は少しみすぼらしくて入っていいのかどうか迷うけど、いざ食べてみると確実においしいものを出してくれる老舗といったところでしょうか。(中略)

僕なりの定義では、正義を貫いて悪を倒す者でも、社会から理解されていたらそれはヒーローではありません。世間は誰も目を向けないし、仲間に慕われることも、お金が儲かったりすることもない。常に孤独。それでも社会のために行動するのがヒーローなのです。

誰からも認められてないのになぜやるかといえば、それが人間の根底にある価値観に基づいているからです。だから法律を破ることも厭わない。この社会から「はみだした」感じが、イーストウッド映画の主人公には必ずといっていいほどついて回ります。

たとえば「ファイヤーフォックス」は、アメリカ軍から引退しかけて隠遁しているパイロット。「硫黄島からの手紙」では周りからは親米家と見なされている日本軍の軍人。「グラン・トリノ」は家族と仲良くできない老人……。

また、ヒーローは憧れの存在ではあるけれど、襲ってくる敵を何の苦もなく倒してしまうような、ぶっ飛びすぎてるキャラクターだと感情移入できません。どこかで本当にいるかもしれないなと思わせる、微妙な日常性が必要です。

ハリーを筆頭にイーストウッドが演じる主人公は、一般人が真似できないような超越した行動を取ります。しかしその一方で。大きな組織に裏切られた歴史を背負いながら一匹狼でくすぶっている。いかにも現実にいそうな雰囲気のある。イーストウッドは日常と非日常の境界線上にいる、微妙なキャラクターをうまく演じるのです。(中略)

これまで一連の作品を見てきて、イーストウッドはサスペンスに軸足を置きつつ、常に新しいことをやりたがる人だと僕は認識しています。「スペース・カウボーイ」でいきなりSFに挑戦したり、「硫黄島からの手紙」で日本人を主役に据えたり、新機軸を打ち出すことを恐れないのです。

しかしどんな映画であれ、主人公が社会からはみでているキャラクターであるという点では、ブレずに一貫しているのではないでしょうか。FBI長官をディカプリオが好演した「J・エドガー」もそう。最高に地味な映画でサスペンス要素は弱いのですが、「ここまで自分を抑えて人生を送っている人間がいるのか」と思えるから、興味が途切れない。この核が失われない限り、僕はイーストウッドの作品を見続けていくことでしょう。
(荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟」)

トランプ大統領候補とその支持者には、「グラン・トリノ」見て欲しいですね…。大好きな映画です。「ミリオンダラー・ベイビー」もお勧めですね…。

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