2016年06月26日 01:25

EU離脱問題で、イマジン改変のコピペが秀逸だったのでご紹介。お勧め小説「帰ってきたヒトラー」

EU離脱問題で、ネットで見かけたイマジン改変のコピペが秀逸だったのでご紹介致しますね。私は貧しい層を弾圧しているEU残留派の新自由主義者EU官僚達が大嫌いで、EU離脱派に全面的に賛成しているので(日本の株価が下がったのは悲しいことと思いますが、イギリス国民は長期的に見て経済的にも倫理的にも正しい選択をしたと思います)、こういう皮肉のスパイスの効いたコピペ好きですね。

EU問題について考えたいお方々には「帰ってきたヒトラー」というユーモア小説がお勧めです。凄く面白い小説で、優れた小説はどれもそうであるように多面的な小説ですが、そこで描かれる一つとして、ヨーロッパにおいて「ポリティカル・コレクトネス」(政治的正しさ、具体例を挙げると「移民を受け入れることは倫理的に完全に正しい」のような言説)の名目の元に人々が弾圧され、苦しんでいるのがよく分かる。

「帰ってきたヒトラー」では、死ぬ寸前に現代ドイツにタイムトラベルしたヒトラーが、再びドイツを再建するために全力で行動をし始める物語。最初はヒトラー自身がヒトラーの物真似コメディアンとして、左派も右派も同じ穴の狢で、ドイツ国民を苦しめることしかしていない、真にドイツ国民の幸せを考えているのは自分だという演説で人気を博していく、そして最後はネオナチに襲撃されて重傷を負ったことで、政界への道が開けてゆくという小説なんですが、この小説の皮肉なところは、ヒトラーのする演説や行動に真実味があるからこそ現代ドイツの庶民の人々の心を打つというところですね。

この小説はヒトラーの一人称で描かれておりまして、ヒトラーの思想には大変な問題がありますが、ただ、この小説のヒトラーは本心で心底からドイツ国民のことを思っている、それもドイツの金持ちではなく、ドイツの貧しい人々や中産階級の人々の生活のことを思って行動しているので、現代のドイツ国民が右派と左派両方の結託した支配に苦しんでいることを喝破できる。それは、左派の「ポリティカル・コレクトネス」と右派の新自由主義が結びついた支配なんですね。左派リベラリストが主張する「ポリティカル・コレクトネス」は、実はただ単に右派エリートが貧しい人々を苦しめながら強権的に支配する新自由主義の道具にしかなっていない、左派と右派が結合して貧しい人々を弾圧して苦しめている問題、日本だってこういった仕組みになっているわけで、そしてその最大の先棒担ぎが日本を含めた各国のマスメディアであること、このことはよく考えないといけないことだと思いますね…。マスメディアが「ポリティカル・コレクトネス」を絶対正義として振りかざすことで貧しい人々が抑圧され苦しんでいることを、もっと人々に考えて欲しいです。

地べたから見た英EU離脱:昨日とは違うワーキングクラスの街の風景
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160625-00059237/
そもそも、反グローバル主義、反新自由主義、反緊縮は、欧州の市民運動の三大スローガンと言ってもよく、そのグローバル資本主義と新自由主義と緊縮財政押しつけの権化ともいえるのがEUで、その最大の被害者が末端の労働者たちだ。

だから、「大企業や富裕層だけが富と力を独占するようになるグローバリゼーションやネオリベや緊縮は本当に悪いと思うけど、それを推進しているEUには残りましょう」と言っても説得力がなく、そのジレンマで苦しみ、説得力のある残留の呼びかけができなかったとしていよいよ退任を迫られそうなのがジェレミー・コービンだ。

「貧困をなくし、弱者を助ける政治を目指す」と高らかに言って労働党党首に選ばれた人が、グローバリゼーションと緊縮財政のWパンチで「移民の数を制限してもらわないと、賃金は上がらないし、家賃は高騰するし、もう生活が成り立ちません」と訴えている当の貧民たちに、「そんなことを言ってはいけません。自由な人の移動は素晴らしいコンセプトです」と言っても、いまリアルに末端で苦しんでいる者たちには「はあ?」になる。

Brexit〜「極右」vsネオリベ&リベラル連合
http://totb.hatenablog.com/entry/2016/06/24/233127
エリートはリベラリズム・グローバリズムに反対する人々を「ポピュリスト」「極右」とネガティブなレッテルを貼って批判します。

『欧州の右派ポピュリスト政党には、共通点がある。彼らはイスラム教徒の移民に批判的であり、多文化主義や複数主義に反対する。彼らは自国民の利益を優先し、リベラリズムに批判的だ。さらに、これらの政党は反グローバリズム、反ユーロ、反EUという点でも一致している。ポピュリストにとって、EUによる政治統合や経済統合は、自国の利益をないがしろにする、グローバリズムの象徴なのだ。』

「自国民の利益を優先しない」ことを批判しているわけですが、このロジックにエリートが正気を失っていることが示されています。自国民の利益を追求しない政治を、イデオロギーに洗脳されていない一般大衆が支持するはずがありません。

フランスの国民戦線(FN)のルペン党首は、エリートが移民を歓迎する真意は賃金抑制にあると批判していました。エリートが国民全体の厚生よりも金儲けを重視するネオリベ化したことが背景にあります。

『そのあげく先進国で支配的になったのは経済的合理性。利益率でものを考えるような世界です』

ネオリベが金儲けのために移民を推進し、それに一般大衆が反発すると、ネオリベに代わってリベラルがポリコレを振りかざして「レイシスト」と攻撃するという、ネオリベとリベラルの二人三脚が続いていたわけです

Brexit「イマジン」
https://www.youtube.com/watch?v=dq1z1rkjw-E
想像してごらん 国家を超える主権なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
移民が勝手にやってきて権利を主張することも外国人への生活保護も無く
そしてグローバリズムも無い
さあ想像してごらん ブリュッセルの官僚が
選挙も経ずに何でも決めることなんかなくなるって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつか民族がそれぞれ分かれて各々の主権の下に生きる
きっと国民はひとつになるんだ

いつか民族がそれぞれ分かれて各々の主権の下に生きる
きっと国民はひとつになるんだ

このことこそが、最も大切にしなければならない人間の独立ということ、最も大切なものです。人々が長い歴史の中でずっと戦い、そして勝ち取ってきた民族自決の原則、民主主義です。人間の歴史は、帝国主義的支配に反旗を翻して戦ってきた歴史であり、EUという官僚独裁制による反民主主義的帝国主義は時計の針を逆戻りさせ人間を再び帝国主義の支配の野蛮へ戻してしまう悪夢の仕組みにしか思えません。人間は、生育する生まれ故郷の文化において文化的に生育される。その文化を外部から「正義」の名の下に破壊するものこそ、野蛮な反民主主義的帝国主義であり、人間がずっと戦い続けてきたものなのです。

今回のEU残留派の脅しなどまさに反民主主義的な帝国主義そのものでした。EU残留派(ネオリベラリストとその先棒担ぎとしてポリティカル・コレクトネスを掲げるマスメディア)は「EUを離脱すれば英経済が打撃を受ける。ゆえにEUを離脱してはならない」と脅しつけたのです。これって、映画を中心としたアメリカの大サーガ、「スターウォーズ」で銀河帝国が銀河共和国を滅ぼして帝政に移行するときに使ったロジックそのままじゃないですか。銀河帝国皇帝は、帝政に移行すれば経済的に千年でも繁栄することができる、共和制では経済はガタガタだと脅しつけて共和制から帝政へ移行したのです。このような脅しに屈するということ、それは民主主義の死そのものでした。しかし、経済よりも大切なものがある。それは、民主主義、民族自決の原則を守ることです。EU残留派の卑劣極まりない脅しに負けずに、民主主義を守り、離脱という選択を選んだイギリス国民に心から深い敬意を表します!この選択は、短期的には経済に打撃かも知れませんが、人間、そして人類にとって大きな前進の一歩、人間の尊厳を守る一歩であり、長期的な経済的に、そして何より倫理的に、正しい選択であったと思います。

最後に、「帰ってきたヒトラー」は、現代に裸一貫で放り出されたヒトラーが持ち前のバイタリティとカリスマと先見性と不屈の精神でどんどん成り上がっていくのが凄く面白くて実にお勧めです。「ヒトラーは悪人」みたいな紋切り型の道徳的意識とは全く別次元(この辺は水木しげるさんの「劇画ヒットラー」に近い)のユーモア小説で、北杜夫さんのユーモア小説「父っちゃんは大変人」とかに近い、凄い変人だけどどこか憎めないユーモラスな主人公が大活躍してどんどん世界を変えていってしまうタイプのユーモア小説で、私の大好きなタイプの小説で最高でした。ぜひご一読くださいな。面白さを保証致します。

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)
著者:ティムール・ヴェルメシュ
河出書房新社(2016-04-23)
販売元:Amazon.co.jp

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)
著者:ティムール ヴェルメシュ
河出書房新社(2016-04-23)
販売元:Amazon.co.jp

父っちゃんは大変人 (新潮文庫)父っちゃんは大変人 (新潮文庫)
著者:北 杜夫
新潮社(1993-03)
販売元:Amazon.co.jp

劇画ヒットラー (ちくま文庫)劇画ヒットラー (ちくま文庫)
著者:水木 しげる
筑摩書房(1990-08)
販売元:Amazon.co.jp

アマゾンギフト券ストア



アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽総合ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ




Archives
livedoor プロフィール

ねこねこ

記事検索
  • ライブドアブログ