2016年04月13日 08:19
本屋大賞発表されましたね…。書評ランキングの中でもこの賞は質より売ることを重視している気がする…。
君の膵臓をたべたい
本屋大賞公式サイト
http://www.hontai.or.jp/
本屋大賞発表されましたね…。ぶっちゃけ本屋大賞のベスト10でめっちゃ面白い作品に会えたことって海外翻訳部門でのみなので(本屋大賞ランキングで選ばれる日本の本はそれなりに面白い〜まあそこそこくらいのものが多い。たまに相当にアレなのも入っている…)、あまり期待しないで見てみたら…今年の二位が「君の膵臓をたべたい」…。
一位の作品は読んでいないのでなんとも言えませんが、私、この二位の本はタイトルに惹かれて先日図書館で読みましたけど、ぶっちゃけ、なんというか…、かなり前に流行ったケータイ文学みたいな本で、これが二位って…。ライトノベルの「半月の月がのぼる空」に村上春樹風言い回しをぶちこんでケータイ文学的に適当に流したような作品で、これが本屋大賞の二位というのは、本読みとして頭を傾げずにはおれなかったです。オマージュ元であろう「半月の月がのぼる空」の方が小説として遥かに良く出来ています。
この本「君の膵臓をたべたい」がケータイ文学的というのは、作風がケータイ文学と同じで、完全に「普段全く本を読まない人向けの本」ってことなんですね…。タイトルがゲテモノっぽいのでゲテモノ小説好きとして興味がそそられて読んでみたんですが、ところがどっこい…。
この本、タイトルと違って、普通に軽い恋愛小説なんですね。しかも全く毒とかなくて、軽くて読みやすいですがただそれだけで、物語としては何もないです。少なくとも、「一年間で一番面白かった本はなんですか?」という問いにこの本を挙げる人は、普段全く本を読まない人というか、たぶん生まれてこの方、この一冊しか本を読んでいないんじゃないかな?と感じてしまうぐらい特に何もない本です。評価的には、普通としか言いようがない。内容が何もなさ過ぎて本当にタイトルに騙されたという感じで、読了後にあまり良い印象は持てなかったですね…。
このタイトルだったら、シーラッハの短編集「犯罪」に収録されている愛情とカニバリズムテーマの短編「愛情」の方が、完全にタイトルとマッチしている上に、「たべたい」とは密度が圧倒的に違って面白い。ちなみに「たべたい」と一緒に図書館で、宮部みゆきさんが書評でお勧めしていた女子高生ミステリ「ラメルノエリキサ」も借りて並列して読んでいたのですが、こちらの方は最高に面白かったです。「たべたい」も「ラメル」もどちらの作品も女子高生が物語の中心となりますが、女子高生のキャラクターがラメルノエリキサの方が圧倒的に面白くて魅力的ですし、なにより毒が満載なのが気に入った。そしてまさかのFFネタ。FFをプレイしているといつも最後まで残してしまう例のアレ。本書を宮部さんが褒めていた理由の一端が分かってしまうゲーム好きのサガ。余談ですが、FFを思い出すと空飛ぶ車とスタンド・バイ・ミーが脳裏によぎるようになってしまった…。
ファイナルファンタジー XV デラックスエディション 初回生産特典 武器「正宗/FINAL FANTASY XVオリジナルモデル」アイテムコード同梱&【Amazon.co.jp限定】「ゲイボルグ/FINAL FANTASY XIVモデル」特典セット付
「ラメルノエリキサ」は、常にどんなことにも、何か自分に良くないことを引き起こした奴がいたらそいつに必ず「倍返しだ!」を実行する復讐者の女子高生が主人公で、この主人公は、社会規範的に見ればとんでもない奴なんですが、行動規範が究極にしっかりしているので(何かあれば絶対に必ず復讐する)、物語主人公的には凄く面白い。この主人公が、連続通り魔に襲われて怪我を負い、その復習の為に、連続通り魔を見つけ出して自らの手で復讐しようとするミステリーです。目的が「復讐」なので、警察からは情報を引き出しますが、警察には情報を渡さない(先に犯人が捕まったら復讐できなくなる)とか、行動が完全にダークヒーローそのもので読んでて吹いた。楽しいミステリで心からお勧めできる作品です。
ただ、この作品、本屋大賞の10選には当然のように入っていませんね…。本屋大賞の作品群って、基本的にお行儀が良くて、普段本を読まないような人でも読めるような本が選ばれる感じで、本自体の質よりも、いかに売れるかということで本を選んでいる感じがします…。だって、普通に普段から本読んでいる人なら、「君の膵臓をたべたい」を抜群に面白い本とは決して感じないと思いますもの…。完全に、普段本を読まない人をターゲットにした本という感じです。そして、そういう本の選び方(面白さではなく、なるべく広範に売れそうな最大公約数的な本を選ぶやり方)は、結局は、本の面白さの醍醐味を削いで、本の質を下げていくだけのように感じますね…。
あと、「たべたい」は村上春樹風ライトノベル恋愛小説だからいいんだ!という方には、村上春樹の翻訳恋愛アンソロジー「恋しくて TEN SELECTED LOVE STORIES」をお勧めしますね。これは最高に面白かった作品、圧倒的に密度が濃いですし本物の村上春樹節炸裂しまくりですしお勧めです。まあぶっちゃけひたすら純粋な恋愛みたいな、そういうシンプル・ザ・ベスト的な恋愛物より、先の村上さんのアンソロみたいなけれん味ある恋愛物の方が私の好みっていうのも、「たべたい」を面白く感じなかった原因としてあるかも知れませんね…。恋愛物では、服部まゆみさんの「この闇と光」とか「ラ・ロンド」とかが好きなので…私的には「この闇と光」はショタ恋愛物の最高傑作なのです!「少年メイド」や「SUPER LOVERS」が好きなお方々ならきっと楽しめるでしょう…。
ラメルノエリキサ
著者:渡辺 優
集英社(2016-02-05)
販売元:Amazon.co.jp
恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES
中央公論新社(2013-09-07)
販売元:Amazon.co.jp
この闇と光 (角川文庫)
著者:服部 まゆみ
KADOKAWA/角川書店(2014-11-21)
販売元:Amazon.co.jp
ラ・ロンド―恋愛小説
著者:服部 まゆみ
文藝春秋(2007-05)
販売元:Amazon.co.jp
犯罪 (創元推理文庫)
著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社(2015-04-03)
販売元:Amazon.co.jp
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本屋大賞発表されましたね…。ぶっちゃけ本屋大賞のベスト10でめっちゃ面白い作品に会えたことって海外翻訳部門でのみなので(本屋大賞ランキングで選ばれる日本の本はそれなりに面白い〜まあそこそこくらいのものが多い。たまに相当にアレなのも入っている…)、あまり期待しないで見てみたら…今年の二位が「君の膵臓をたべたい」…。
一位の作品は読んでいないのでなんとも言えませんが、私、この二位の本はタイトルに惹かれて先日図書館で読みましたけど、ぶっちゃけ、なんというか…、かなり前に流行ったケータイ文学みたいな本で、これが二位って…。ライトノベルの「半月の月がのぼる空」に村上春樹風言い回しをぶちこんでケータイ文学的に適当に流したような作品で、これが本屋大賞の二位というのは、本読みとして頭を傾げずにはおれなかったです。オマージュ元であろう「半月の月がのぼる空」の方が小説として遥かに良く出来ています。
この本「君の膵臓をたべたい」がケータイ文学的というのは、作風がケータイ文学と同じで、完全に「普段全く本を読まない人向けの本」ってことなんですね…。タイトルがゲテモノっぽいのでゲテモノ小説好きとして興味がそそられて読んでみたんですが、ところがどっこい…。
この本、タイトルと違って、普通に軽い恋愛小説なんですね。しかも全く毒とかなくて、軽くて読みやすいですがただそれだけで、物語としては何もないです。少なくとも、「一年間で一番面白かった本はなんですか?」という問いにこの本を挙げる人は、普段全く本を読まない人というか、たぶん生まれてこの方、この一冊しか本を読んでいないんじゃないかな?と感じてしまうぐらい特に何もない本です。評価的には、普通としか言いようがない。内容が何もなさ過ぎて本当にタイトルに騙されたという感じで、読了後にあまり良い印象は持てなかったですね…。
このタイトルだったら、シーラッハの短編集「犯罪」に収録されている愛情とカニバリズムテーマの短編「愛情」の方が、完全にタイトルとマッチしている上に、「たべたい」とは密度が圧倒的に違って面白い。ちなみに「たべたい」と一緒に図書館で、宮部みゆきさんが書評でお勧めしていた女子高生ミステリ「ラメルノエリキサ」も借りて並列して読んでいたのですが、こちらの方は最高に面白かったです。「たべたい」も「ラメル」もどちらの作品も女子高生が物語の中心となりますが、女子高生のキャラクターがラメルノエリキサの方が圧倒的に面白くて魅力的ですし、なにより毒が満載なのが気に入った。そしてまさかのFFネタ。FFをプレイしているといつも最後まで残してしまう例のアレ。本書を宮部さんが褒めていた理由の一端が分かってしまうゲーム好きのサガ。余談ですが、FFを思い出すと空飛ぶ車とスタンド・バイ・ミーが脳裏によぎるようになってしまった…。
ファイナルファンタジー XV デラックスエディション 初回生産特典 武器「正宗/FINAL FANTASY XVオリジナルモデル」アイテムコード同梱&【Amazon.co.jp限定】「ゲイボルグ/FINAL FANTASY XIVモデル」特典セット付
「ラメルノエリキサ」は、常にどんなことにも、何か自分に良くないことを引き起こした奴がいたらそいつに必ず「倍返しだ!」を実行する復讐者の女子高生が主人公で、この主人公は、社会規範的に見ればとんでもない奴なんですが、行動規範が究極にしっかりしているので(何かあれば絶対に必ず復讐する)、物語主人公的には凄く面白い。この主人公が、連続通り魔に襲われて怪我を負い、その復習の為に、連続通り魔を見つけ出して自らの手で復讐しようとするミステリーです。目的が「復讐」なので、警察からは情報を引き出しますが、警察には情報を渡さない(先に犯人が捕まったら復讐できなくなる)とか、行動が完全にダークヒーローそのもので読んでて吹いた。楽しいミステリで心からお勧めできる作品です。
ただ、この作品、本屋大賞の10選には当然のように入っていませんね…。本屋大賞の作品群って、基本的にお行儀が良くて、普段本を読まないような人でも読めるような本が選ばれる感じで、本自体の質よりも、いかに売れるかということで本を選んでいる感じがします…。だって、普通に普段から本読んでいる人なら、「君の膵臓をたべたい」を抜群に面白い本とは決して感じないと思いますもの…。完全に、普段本を読まない人をターゲットにした本という感じです。そして、そういう本の選び方(面白さではなく、なるべく広範に売れそうな最大公約数的な本を選ぶやり方)は、結局は、本の面白さの醍醐味を削いで、本の質を下げていくだけのように感じますね…。
あと、「たべたい」は村上春樹風ライトノベル恋愛小説だからいいんだ!という方には、村上春樹の翻訳恋愛アンソロジー「恋しくて TEN SELECTED LOVE STORIES」をお勧めしますね。これは最高に面白かった作品、圧倒的に密度が濃いですし本物の村上春樹節炸裂しまくりですしお勧めです。まあぶっちゃけひたすら純粋な恋愛みたいな、そういうシンプル・ザ・ベスト的な恋愛物より、先の村上さんのアンソロみたいなけれん味ある恋愛物の方が私の好みっていうのも、「たべたい」を面白く感じなかった原因としてあるかも知れませんね…。恋愛物では、服部まゆみさんの「この闇と光」とか「ラ・ロンド」とかが好きなので…私的には「この闇と光」はショタ恋愛物の最高傑作なのです!「少年メイド」や「SUPER LOVERS」が好きなお方々ならきっと楽しめるでしょう…。
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著者:服部 まゆみ
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著者:服部 まゆみ
文藝春秋(2007-05)
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著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
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