2015年08月12日 19:26

アンディ・ウィアー「火星の人」凄く面白くて一気に読了。ゼロ・グラビティ火星版って感じですね。

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

以前取り上げたアンディ・ウィアーのSF小説「火星の人」読了。凄く面白くて一日に一気に読んでしまいました。ハリウッドでの映画化が決定している作品ですが(監督は利ドリー・スコット、主演はマット・デイモン)、最初から映画化が意識されているかのような良い意味での王道アメリカエンターテイメントSF小説って感じですね。

本作は事故によって一人火星に取り残されたNASAの宇宙飛行士が主人公。一応、居住ベースは残っているが、地球への連絡は取れず、食料も限定的にしかなく、外は生存に適さない火星の過酷な環境の中で、主人公が楽天的かつ前向きにサバイバルしていく展開です。

主人公の造形が「常に前向きで楽天的で行動的で明るい」というところが如何にもアメリカ人って感じで、アメリカでベストセラーになるだけはあるなあと思いました。もしこれがヨーロッパ人の書いた小説でヨーロッパ人が主人公だと、過酷過ぎる状況のあまり主人公がヨーロッパ的欝になってしまうと思います…。こういう極限状況でも常に明るく楽天的にサバイバルしてゆけるというところ、まさにアメリカンな小説だなあと感じましたね。

本作は、主人公のそのアメリカ的な明るさと前向きさが、小説の全体の展開にダイナミックな躍動感を与えていて、火星でのサバイバルはとんでもない逆境の連続ですがへこたれずに常に創意工夫して頑張っていくのが凄く面白い。主人公の火星サバイバルの数々はSFとして科学考証をきちんとやっているところがいいですね。

本書を読んでいてちょっとだけうーんと思ったところは、一昔前の軍事スリラーは「いざとなったらハイテク衛星がピンチをなんとかしてくれる」とか揶揄されていたんですが(人工衛星がなんでもできる万能ガジェットとして小説内で機能する。これは近現代軍事スリラーの定番ネタですね)、上記風に言うなら「いざとなったら中国のガジェットがピンチをなんとかしてくれる」的な展開になるのは、うーん…。現代のアメリカ人がそれだけ中国の国力を認めているということなんでしょうね…。映画のゼロ・グラビティとかもある意味そうですし…。

本書は読んでいて宇宙飛行士サバイバル映画の傑作「ゼロ・グラビティ」を思い出しましたね。地球を離れた過酷な環境での様々な逆境を優秀な宇宙飛行士が創意工夫に満ちた的確な行動によって乗り越えていくというのが通じるものがあるなあと思いました。本作の映画化も実に楽しみですね。

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
著者:アンディ・ウィアー
早川書房(2014-08-22)
販売元:Amazon.co.jp

ゼロ・グラビティ 3D & 2D ブルーレイセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]ゼロ・グラビティ 3D & 2D ブルーレイセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]
出演:サンドラ・ブロック
ワーナーホームビデオ(2014-04-23)
販売元:Amazon.co.jp

アマゾンギフト券ストア



アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽総合ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ




Archives
livedoor プロフィール

ねこねこ

記事検索
  • ライブドアブログ