スペースダンディ最終話視聴。凄いですねこれ…究極のハードSFにして究極の永劫回帰超人アニメ！

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スペースダンディ最終話視聴。これは凄い…。スペースダンディはこれまで全話見てきて、時空図書館の話や四次元人の話（両方ともSF作家の円城塔さんが脚本）などを見て、表層は銀河ヒッチハイクガイド的めちゃくちゃドタバタSFに見えて(実際表層はそうなんですが)、実はドタバタだけではなく、むちゃくちゃぶっ飛んだルーディ・ラッカー的数学ハードSFをやってる、ギャグアニメとしてだけではなく、ハードSFとして高い評価を受けるべき作品と思っていたんですが、ついに究極まできたって感じですね。見ていてSFファンとして思わず感動してしまいました。

この作品の主人公ダンディはあらゆる時空において時空を超えた同一性を持つ、事象の地平線を越えている存在なんですね。裸の特異点であるダンディが、本当に裸で時空を超えてぶっ飛んでいくクライマックスシーンが凄すぎて思わず吹きながら感動しました。裸の特異点となったダンディが存在することによって物理理論が崩壊し、全時空が崩壊して、宇宙検閲官がでてきて、私はナレーションだと言い出したときも最高に面白かった！！筒井康隆のエディプスの恋人を思い切りメタフィクションにした感じですね。ただSF的にもよくできていて、宇宙検閲官（≒視聴者）が存在して裸の特異点（毎回あらゆる異なる舞台において主人公であるダンディ）として存在するダンディを、そう存在しないように検閲していた（見せかけていた、つまりアニメを見るときの作法、毎回異なった作品世界としてアニメを見る）からこそ宇宙（視聴者から見た本アニメ世界）が存在できていたというのも、宇宙検閲官が自分の後継者にダンディを選ぶのも、非常にメタフィクショナルで面白い。宇宙検閲官の椅子には吹きました。あれは宇宙検閲官≒視聴者ってことですね、完全に。椅子に座ってアニメ（≒多数の世界）を見ている。

ウィキペディア「裸の特異点」
裸の特異点（はだかのとくいてん、naked singularity）は、一般相対性理論における用語で、事象の地平面 (event horizon) に囲まれていない、時空の特異点である。

通常、ブラックホールの特異点は、光も出て行くことができない空間に囲まれており、その外側にいる我々がその特異点を直接観測することはできない。つまり、特異点の情報は外に伝わらないため、事象の地平面の外側では特異点の存在にかかわらず、物理現象・因果律を議論することができる。それに対して、裸の特異点では、物質密度が無限大となる点あるいは時空の曲率が無限大となる点が、外側から観測することができてしまうことを意味する。

このような無限大の量を含む点が存在すれば、一般相対性理論は破綻するので、理論的に因果関係を予測することができなくなる。一般相対性理論自身の解として特異点が予言されることは事実であるが、はたして裸の特異点が存在するのかどうかが長い間の理論上の問題となっている。ペンローズは、このような裸の特異点は自然界には発生しないだろうと予想して宇宙検閲官仮説 (cosmic censorship conjecture) を唱え、特異点は必ず事象の地平面によって隠される、と考えた。

1992年にシャピーロとトイコルスキーによって示された円盤状の塵 (dust) の崩壊のシミュレーションでは、崩壊した軸上の少し外れた点において、曲率は無限大に破綻した。このシミュレーションでは事象の地平線ができなかったので、裸の特異点が形成されたと考えられた。この結果は、宇宙検閲官仮説が破れた例であるといえる。

スペースダンディ最終話
神（特異点を禁止することで宇宙を成り立たせている宇宙検閲官）
「まったく君には驚かされるよダンディ」

ダンディ
「？…そういえばお前、聞いたことのある声だな」

神
「そう、私は時にはナレーターとして、時にはカメレオン星人として、君の事を見守ってきた」

ダンディ
「はぁ？」

神
「私は物質的にいかなる制約も受けず、あらゆる空間と時間を超える存在だ」

ダンディ
「…それじゃまるで、神様みてえじゃねえかよ…」

神
「もちろんそう呼んでもらって差し支えない」

ダンディ
「マジかよ…」

神
「君は平行宇宙での記憶を失っているはずだ。サーファーだった自分も、走り屋だった自分も、トラック野郎だった自分も、覚えていまい」

ダンディ
「何も覚えてねぇ…」

神
「君はあらゆる並行宇宙に存在しながら同一でありうる存在だ。つまりは次元を自由に超えられる唯一の存在だということだ」

ダンディ
「俺をどうしようってんだ…」

神
「私がおよそ148億年に渡って君臨してきたこの宇宙は崩壊し、平行宇宙を含む全ての宇宙は今終わりを告げる」

ダンディ
「へぇー」

神
「へぇーではない。君のせいだよダンディ」

ダンディ
「マジで！？」

神
「そして特異点に消失したのち世界は新たに生まれ変わる。つまり私には後継者が必要だ。ダンディ、君こそが神の名を継ぐに相応しい存在なのだ」

この後の展開が痛快すぎて最高でしたね。まさかのニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』永劫回帰エンド！！ダンディとは真の超人だったのか！

ウィキペディア「永劫回帰」
「時間は無限であり、物質は有限である」という前提に立ち、無限の時間の中で有限の物質を組み合わせたものが世界であるならば、現在の世界が過去に存在し、あるいは将来も再度全く同じ組み合わせから構成される可能性について示唆している。ニーチェにおいて、この世界の円環的構造は、たんに存在論的なものにとどまらず、自由意志の問題と結びつけられる。

永劫回帰するのは、終末を迎えることなく時を越えて同一である物にして、且つ万物である。すなわち、永劫回帰は終末における救済というオプティミズムとの対比でしばしばペシミズムと結びつけて語られるが、その一方で、救済されるようにと今の行いを正す、という制約から解放された明るさもある。世界が何度めぐり来ても、いまここにある瞬間がかくあることを望む、という強い生の肯定の思想でもある。その意味で、永劫回帰は生をおろそかにしない超人にのみ引き受けることが可能な、存在と意志との自由の境地である。永劫回帰はたんなる宿命ではなく、自由意志によって招来される世界の根源的なありようなのである。

スペースダンディ最終話
ダンディ
「その神ってのはよう、身体とかねえんだよな」

神
「もちろん、神とは物質を超越した存在だ」

ダンディ
「じゃあ、ブービーズいっても楽しくねえじゃんよ！！」

神
「ええっ！？」

ダンディ
「話になんねえヤメヤメ！神なんてヤメ！！」

神
「ま、まさか神の申し出を断るというのか！？」

ダンディ
「じゃなー、またどっかで会おうぜ！」

神
「ま、待て、待ってくれ、それでは世界は神を失ってしまうぅぅぅぅぅ……」

ダンディ
「バイビー！！」

量子宇宙を永劫回帰へと導く、究極の永劫回帰超人ED！ここまで完璧にニーチェ思想を描きあげたアニメは唯一無二と断言してもいいでしょう！！凄すぎた…。お金なくて買えませんが、お金があればBDかDVDが欲しいです…。本当に見事に凄かった…。

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