2014年05月02日 01:55
田中相「千年万年りんごの子」読了。運命に抗えぬ人間存在の悲しさを描く暗く丁寧な物語でしっとりと良かったです。
なかなか更新できず申し訳ありません。体調を崩しており、生活も苦しく精神的にも落ち込んでいて、なかなかアクティブな活動はできない状態で、ブログも更新できず、本当に申し訳ありません。少しでも何か書ければということで、先日読んだコミック田中相「千年万年りんごの子」が中々良かったのでご紹介させて頂きます。
本作は、どうしようもない大きな流れとしての運命に抗おうとし、そして敗れる人々をしっとりとした丁寧な筆致で描いていて、僕は読んでいて好感が持てました。人身御供の秘祭を行っている閉鎖的な村にて起こる幻想的な超常現象を大きなテーマにしながら、エンターテイメント的なハッピーエンドよりも、遠野物語的な暗い寓話として仕立てている。それが、地に足のついた独特のリアリズムを感じさせて良く出来ていると思いましたね。
本作を読み終わって、「ああ、これは映画のミスティック・リバーを日本土着的なものにしたような感じだな」と思いました。読了感(視聴後の感覚)が似ている感じですね…。生きるということは大きな運命の流れに流されていくことであり、個々人がそれに抗うことには限界があるということ、人間という「運命に抗えぬ存在」として生まれてきたことの悲しさをしっかりと描いています。漫画で言うと水木しげるさんの戦史漫画(コミック昭和史など)に感じが似ているように思いますね。映画「ミスティック・リバー」については荒木飛呂彦さんが見事な文を書いているので引用させて頂きます。
まさにこんな感じの漫画でしたね…。水木しげるさんの戦記物などの漫画においても、どんなに個々人が頑張って行動しても、大きな運命の流れの中においては、巨大な水流に流される小石のようなもので、全ては流され行く、人間の根源的な悲しさを諦念と共に描いている。そういった、人間の根源的宿命としての運命と諦念を、本作「千年万年りんごの子」も継いでいて、僕はすごく良く出来ていると感じましたね。暗い漫画が好きな方にはぜひお勧めの作品ですね。
ミスティック・リバー [Blu-ray]
千年万年りんごの子(1) (KCx ITAN)
千年万年りんごの子(2) (KCx ITAN)
千年万年りんごの子(3)<完> (KCx ITAN)
誰がそれを -田中相短篇集- (KCx ITAN)
地上はポケットの中の庭(01) (KCx ITAN)
荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)
コミック昭和史 (第1巻) 関東大震災~満州事変
コミック昭和史 (第2巻) 満州事変~日中全面戦争
コミック昭和史(3)日中全面戦争~太平洋戦争開始 (講談社文庫)
コミック昭和史(4)太平洋戦争前半 (講談社文庫)
コミック昭和史(5)太平洋戦争後半 (講談社文庫)
コミック昭和史(6)終戦から朝鮮戦争 (講談社文庫)
コミック昭和史(7)講和から復興 (講談社文庫)
コミック昭和史(8)高度成長以降 (講談社文庫)
アマゾンギフト券ストア
アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽総合ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ
本作は、どうしようもない大きな流れとしての運命に抗おうとし、そして敗れる人々をしっとりとした丁寧な筆致で描いていて、僕は読んでいて好感が持てました。人身御供の秘祭を行っている閉鎖的な村にて起こる幻想的な超常現象を大きなテーマにしながら、エンターテイメント的なハッピーエンドよりも、遠野物語的な暗い寓話として仕立てている。それが、地に足のついた独特のリアリズムを感じさせて良く出来ていると思いましたね。
本作を読み終わって、「ああ、これは映画のミスティック・リバーを日本土着的なものにしたような感じだな」と思いました。読了感(視聴後の感覚)が似ている感じですね…。生きるということは大きな運命の流れに流されていくことであり、個々人がそれに抗うことには限界があるということ、人間という「運命に抗えぬ存在」として生まれてきたことの悲しさをしっかりと描いています。漫画で言うと水木しげるさんの戦史漫画(コミック昭和史など)に感じが似ているように思いますね。映画「ミスティック・リバー」については荒木飛呂彦さんが見事な文を書いているので引用させて頂きます。
この映画では、普通の映画だったら助かりそうな人も助かりません。また残された者の悲痛さ。運命に弄ばれる人生の残酷さ。そして暴力や死と、とにかく暗い要素ばかりです。
それぞれの人間がドブの中のような暗い暗い闇を抱えながら、生活を営んでいる――。そうした暗黒面を奇をてらわず、きっちりと描くのが「ミスティック・リバー」のすごいところです。目を背けず、とにかく分かりやすくひとつひとつのシーンを、確実に撮っていく感じです。これは他のイーストウッド映画にも通じる特徴であって、派手なことをせず、平凡なものを一つ一つ確実に演出していく。するとそれらが積み重なった結果、異常なもの、非凡なものへと昇華するんです。(中略)
「ミスティック・リバー」は、(運命という大きな流れの中にしか存在できぬ人間存在として)生まれてきたことの悲しみが一つの軸になっています。だから、観終わった後、運命って悲しいよな、という結論に導かれるので、息苦しさの中にも(全ての人間の諦念としての)カタルシスがある。それゆえ、こんな暗い映画なのに、何度も見られるのかもしれません。
(荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟」)
まさにこんな感じの漫画でしたね…。水木しげるさんの戦記物などの漫画においても、どんなに個々人が頑張って行動しても、大きな運命の流れの中においては、巨大な水流に流される小石のようなもので、全ては流され行く、人間の根源的な悲しさを諦念と共に描いている。そういった、人間の根源的宿命としての運命と諦念を、本作「千年万年りんごの子」も継いでいて、僕はすごく良く出来ていると感じましたね。暗い漫画が好きな方にはぜひお勧めの作品ですね。
ミスティック・リバー [Blu-ray]
千年万年りんごの子(1) (KCx ITAN)
千年万年りんごの子(2) (KCx ITAN)
千年万年りんごの子(3)<完> (KCx ITAN)
誰がそれを -田中相短篇集- (KCx ITAN)
地上はポケットの中の庭(01) (KCx ITAN)
荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)
コミック昭和史 (第1巻) 関東大震災~満州事変
コミック昭和史 (第2巻) 満州事変~日中全面戦争
コミック昭和史(3)日中全面戦争~太平洋戦争開始 (講談社文庫)
コミック昭和史(4)太平洋戦争前半 (講談社文庫)
コミック昭和史(5)太平洋戦争後半 (講談社文庫)
コミック昭和史(6)終戦から朝鮮戦争 (講談社文庫)
コミック昭和史(7)講和から復興 (講談社文庫)
コミック昭和史(8)高度成長以降 (講談社文庫)
アマゾンギフト券ストア
アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽総合ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ