2011年11月18日 22:14
「超訳 ニーチェの言葉」読了。古典文学を超訳して萌えイラスト付けてタイトルを変えて売り出したら「ライトノベル」として売れそう…。ラノベタイトル風古典一覧。
超訳 ニーチェの言葉
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)
今日図書館で借りた「超訳 ニーチェの言葉」、あっという間に読了。なんというか…絶句…。あまりにもニーチェの原文とかけ離れた超訳に驚愕しました。翻訳って訳者がいくらでも改変できる、何でもありの状態なんだなあ…。これはもう翻案というか、翻案の域すら超えた何かとしか…。読んでいて、異なる言語間のギャップをギャグにした言語間差異風刺小説の「僕の妹は漢字が読める」を思い出しました。この「超訳」は、ギャグとか風刺ではなく、まるでごく普通のことのように「途方もなく原文とかけ離れた翻訳」をやってしまっていて、読んでいて眩暈がしました…。
この超訳本に書かれている文章は、ニーチェの書いた文章とは全く違うもの(原文の翻訳ではない、翻訳者が生み出した完全オリジナルの文章)ですので、翻訳者が原文無視して書いた言葉が羅列しているだけの本と捉えるのが妥当だと思います。古典文献学者として古典からの引用や翻訳の正確さに凄まじく気を使っていたニーチェからしたら、このような本が出ることは耐え難いことだろうなあ…。
ここまで翻訳が何でもありになってくると、古典文学を超訳して、萌えイラストを付けて、タイトルを変えて売り出したら「ライトノベル」として売れそうな気がする…。古典文学は著作権が切れているので、どんな超訳や改題しても著作権の問題発生しないですし…。こんな感じでどうでしょう?
ドストエフスキー「僕は友達がいない」
地下室の手記(光文社古典新訳文庫)
シェイクスピア「俺の彼女が浮気をしているわけがない」
オセロー シェイクスピア全集 〔27〕 白水Uブックス
スタンダール「俺を巡ってご婦人とお嬢様が修羅場すぎる」
赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)
赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫)
ホーソーン「浮気・ア・ライブ」
完訳 緋文字 (岩波文庫)
ゲーテ「お前に魂をやるから俺をリア充にしてくれ!」
ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ファウスト 第二部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ヘミングウェイ「とある内戦の恋愛目録」
誰がために鐘は鳴る〈上〉 (新潮文庫)
誰がために鐘は鳴る〈下〉 (新潮文庫)
エミリー・ブロンテ「丘ルトゴースト」
嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
嵐が丘〈下〉 (光文社古典新訳文庫)
ジェーン・オースティン「恋愛線上のジェントリー」
高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)
高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)
カフカ「ヘン・シーン」
変身―カフカ・コレクション (白水uブックス)
ヘンリー・ミラー「バカとパリと合コンパーティー」
北回帰線 (新潮文庫)
ソポクレス「葬式少女」
オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)
作者不明「ジャパンゴッド・オンライン」
現代語訳 古事記 (河出文庫)
岩波文庫などから出てる原文に準拠した翻訳の作品よりラノベ風超訳の方が間違いなく売れる気がしてきた(^^;
ライトノベルが売れるのは日本の若い読者向けにカスタマイズされた文章・文体・構成の簡明さによるところが大きいですが、現代の日本人が読むということが元々想定されていない古典や翻訳を読む場合はどうしても、その書物の背景と言語間差異を読み手が勉強するということが必要になります。超訳というのはその過程をすっ飛ばしている訳ですが、それは超訳された時点で既に原典とはまったく別のものになっているという観点は読む側に必要でしょうね…。「僕の妹は漢字が読める」はこのことをとてもユーモラスに上手に風刺している言語パロディ小説で、清水義範さんを彷彿とさせる作風がとても面白かったですね。
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)
超訳 ニーチェの言葉
古典ギリシアの精神―ニーチェ全集〈1〉 (ちくま学芸文庫)
アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)
今日図書館で借りた「超訳 ニーチェの言葉」、あっという間に読了。なんというか…絶句…。あまりにもニーチェの原文とかけ離れた超訳に驚愕しました。翻訳って訳者がいくらでも改変できる、何でもありの状態なんだなあ…。これはもう翻案というか、翻案の域すら超えた何かとしか…。読んでいて、異なる言語間のギャップをギャグにした言語間差異風刺小説の「僕の妹は漢字が読める」を思い出しました。この「超訳」は、ギャグとか風刺ではなく、まるでごく普通のことのように「途方もなく原文とかけ離れた翻訳」をやってしまっていて、読んでいて眩暈がしました…。
この超訳本に書かれている文章は、ニーチェの書いた文章とは全く違うもの(原文の翻訳ではない、翻訳者が生み出した完全オリジナルの文章)ですので、翻訳者が原文無視して書いた言葉が羅列しているだけの本と捉えるのが妥当だと思います。古典文献学者として古典からの引用や翻訳の正確さに凄まじく気を使っていたニーチェからしたら、このような本が出ることは耐え難いことだろうなあ…。
ラエルティオス・ディオゲネスのようにひじょうに多くのものを、しかもあのように漫然と書き写した著作家の場合には、たとえその書物から作者個人の態度や意図や好悪を読み取ることが許されるとしても、あらかじめ二重の注意を払うことが必要である。なぜなら、彼自身が自分の手元において利用した書物からいつも惰性的に取り出し、筆写(引用)したに過ぎないものを、彼自身のものとしてしまうということが、あまりにも起こりやすいからである。
(ニーチェ「ニーチェ全集1 古典ギリシアの精神」)
ここまで翻訳が何でもありになってくると、古典文学を超訳して、萌えイラストを付けて、タイトルを変えて売り出したら「ライトノベル」として売れそうな気がする…。古典文学は著作権が切れているので、どんな超訳や改題しても著作権の問題発生しないですし…。こんな感じでどうでしょう?
ドストエフスキー「僕は友達がいない」
地下室の手記(光文社古典新訳文庫)
シェイクスピア「俺の彼女が浮気をしているわけがない」
オセロー シェイクスピア全集 〔27〕 白水Uブックス
スタンダール「俺を巡ってご婦人とお嬢様が修羅場すぎる」
赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)
赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫)
ホーソーン「浮気・ア・ライブ」
完訳 緋文字 (岩波文庫)
ゲーテ「お前に魂をやるから俺をリア充にしてくれ!」
ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ファウスト 第二部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ヘミングウェイ「とある内戦の恋愛目録」
誰がために鐘は鳴る〈上〉 (新潮文庫)
誰がために鐘は鳴る〈下〉 (新潮文庫)
エミリー・ブロンテ「丘ルトゴースト」
嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
嵐が丘〈下〉 (光文社古典新訳文庫)
ジェーン・オースティン「恋愛線上のジェントリー」
高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)
高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)
カフカ「ヘン・シーン」
変身―カフカ・コレクション (白水uブックス)
ヘンリー・ミラー「バカとパリと合コンパーティー」
北回帰線 (新潮文庫)
ソポクレス「葬式少女」
オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)
作者不明「ジャパンゴッド・オンライン」
現代語訳 古事記 (河出文庫)
岩波文庫などから出てる原文に準拠した翻訳の作品よりラノベ風超訳の方が間違いなく売れる気がしてきた(^^;
ライトノベルが売れるのは日本の若い読者向けにカスタマイズされた文章・文体・構成の簡明さによるところが大きいですが、現代の日本人が読むということが元々想定されていない古典や翻訳を読む場合はどうしても、その書物の背景と言語間差異を読み手が勉強するということが必要になります。超訳というのはその過程をすっ飛ばしている訳ですが、それは超訳された時点で既に原典とはまったく別のものになっているという観点は読む側に必要でしょうね…。「僕の妹は漢字が読める」はこのことをとてもユーモラスに上手に風刺している言語パロディ小説で、清水義範さんを彷彿とさせる作風がとても面白かったですね。
私は次第次第にギリシア精神が好きになってくる。それに近づくためには、自分自身の非才を倦むことなく修養し続けること以上の良い方法はない。
(ニーチェ「ニーチェ全集1 古典ギリシアの精神」)
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)
超訳 ニーチェの言葉
古典ギリシアの精神―ニーチェ全集〈1〉 (ちくま学芸文庫)
アマゾンOTAKUストア
TVゲーム総合ストア
アニメーション総合ストア
漫画コミック総合ストア
ホビー・フィギュア・トレカ総合ストア
食品&飲料総合ストア
ペット用品総合ストア
電化製品・家電製品総合ストア
パソコン及び周辺機器・消耗品総合ストア
PC18禁ゲーム総合ストア
amazon液晶テレビ総合ストア
クラシック音楽ストア
アマゾンギフト券ストア
amazonトップページ