2011年10月31日 22:22
真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」読了。なぜこれがベストセラーと首を傾げたくなる微妙さです…。まどか☆マギカの書籍が出版ラッシュですがどれも高すぎ…orz
殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
まどか☆マギカ関連作品一覧
ベストセラーミステリ「殺人鬼フジコの衝動」読了。新聞(朝日新聞日曜の書評)にて、文庫になってヒットした最近流行のベストセラーミステリとして本書を取り上げていたのを見て、図書館に予約して、今日予約の順番が回ってきたので呼んだのですが…。なんというか…ミステリとしてもダメダメだし、殺人常習者のサイコパスを主人公としたピカレスク・ロマンとしても全然面白くない…。なぜこれがベストセラーミステリなのか、読了後、首を傾げてしまいました。先日紹介した「墓地裏の家」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1607383.html)の方がずっと面白かったです。
本作は、フジコという殺人鬼の生涯を描いているのですが、ミステリとしては全く期待しない方がいいです。犯人が誰であるのかの安易な謎解きがラストページについていますが、たいした真相ではないです。何よりも、物語自体が面白くないのが致命的…。フジコは良心の欠如した殺人常習者のサイコパスとして描かれていますが、この描かれ方がチープすぎる。フジコの殺人は極めてずさんなもので、ミステリ的な面白みはありませんし、彼女が全く魅力的でない。悪の主人公を設定するなら、その主人公には悪の魅力を漂わせてほしいものですが、フジコは全く魅力に欠けるキャラクターで、読んでいて退屈で仕方ないです。
ピカレスク・ロマン(悪漢小説。猟奇殺人鬼などの悪人を主人公に据えた小説です)において、良心の欠如した殺人常習者のサイコパスが主人公というのは定番のキャラクターでして、有名どころで言えば、世界で最も有名な殺人鬼主人公の一人、レクター博士と、女性FBI捜査官ジョディ・フォスターもといクラリス・スターリングが活躍するトマス・ハリスのレクター博士シリーズ(羊達の沈黙、レッド・ドラゴン、ハンニバル、ハンニバル・ライジング)、殺人鬼保安官ルー・フォードの活躍するジム・トンプスンの「おれの中の殺し屋」、サイコパス教師の大量殺人を描いた貴志祐介さんの傑作長篇「悪の教典」、人類滅亡を企てる殺人鬼を描いた手塚治虫「MW」、虚無的で邪魔者を次々と抹殺していく殺人鬼の才媛を描いた手塚治虫「人間昆虫記」など、いろいろありますが、それらの主人公たちが邪悪で忌まわしい闇の刺激の匂いを放っているのに比べ、本作の殺人鬼フジコは殺人嗜好を持つただの馬鹿としてしか描かれておらず、読んでいてもひたすら退屈です。全体的に全く面白くない…。
殺人実行犯であるフジコの殺人を操っている黒幕の殺人鬼がいるという見え見えのありがち展開も、描写がぼやけまくっていて、ミステリ要素は皆無です。描写がぼやけているのは、作者に「黒幕がフジコを操る、説得力のあるシーン」が書けなかったからだろうなあとどうしても感じてしまいます。黒幕がフジコをコントロールするシーンをちゃんと描けなかったから、ラストページで適当にごまかしたとしか思えない…。黒幕はフジコを操ることで保険金目当てのプロバビリティーの殺人を行ったわけですが(黒幕自身が手を下した殺人もありますが、殺人の大半はフジコが実行したものです)、保険金目当ての殺人にしてはあまりにも計画が迂遠かつ偶然に頼りすぎていて現実味を欠いており説得力が感じられません…。
本書にはおかしいところがいくつもあって、例えば、夫の保険金の受け取りが妻や子ではない他人(黒幕)になっていたら、どう見てもそいつが怪しいでしょう。保険調査員が平賀・キートン・太一なら犯人を30秒で見破るところです。黒幕は三度保険金(フジコの家族、フジコの夫、作家の姉の保険金)を手に入れたと考えられますが(フジコにマフラーで絞め殺された女子小学生に保険金が掛かっていたら四度手に入れている、女性作家には保険金は掛かっていないと思われる)、いくらなんでも警察も保険会社も怪しむのでは…。それに、黒幕は自分が下手人(実行犯)となるリスクを回避するために、フジコを操ってプロバビリティーの殺人を行っているのですから、黒幕自身が実行犯として殺人に手を染めるという展開は本末転倒です。だいたい最初の設定から無理があって、小学生を精神操作して猟奇殺人鬼として育成とか、どんなマインドコントロールだって話ですよ…。精神操作でなんでも片付ける落ちはエロゲやエロマンガの超催眠並みのトンデモを感じました。黒幕はこんな超能力レベルの精神操作できるなら、わざわざ保険金殺人なんかやらなくても、教団トップにのし上がることは容易ではないのかな。
ベストセラーというのは本当に謎です。どうしてこの本がベストセラーになったのだろう…?どういう風に本がベストセラーになるのかよく分からない…。少なくとも、僕の経験則として言えることは、本がベストセラーであるかどうかと、その本が面白い良くできた本であるかどうかは、全く完全に無関係ということですね…。
殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
あとは、まどか☆マギカ本が出版ラッシュを迎えていますね。とても読みたいですが、どれも2000円を超えたりするような高額な本で、お金を節約して暮らしている僕にはとても手が届かない…。雑誌扱いとなるムック本は図書館に入らないので、図書館で借りることもできません…。うう…、読みたいけど読めない悲しみ…。読みたい本も読めない生活、貧乏は辛いです…。自分の貧乏さを改めて思い知らされ、悲しい気持ちになります…。
魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone. (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
ユリイカ2011年11月臨時増刊号 総特集=魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を
100人がしゃべり倒す! 「魔法少女まどか☆マギカ」
超解読 まどかマギカ (三才ムック vol.421)
成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論
魔法少女まどか☆マギカ The Beginning Story
魔法少女まどか☆マギカ プロダクションノート (PUELLA MAGI MADOKA MAGICA PRODUCTION NOTE)
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ベストセラーミステリ「殺人鬼フジコの衝動」読了。新聞(朝日新聞日曜の書評)にて、文庫になってヒットした最近流行のベストセラーミステリとして本書を取り上げていたのを見て、図書館に予約して、今日予約の順番が回ってきたので呼んだのですが…。なんというか…ミステリとしてもダメダメだし、殺人常習者のサイコパスを主人公としたピカレスク・ロマンとしても全然面白くない…。なぜこれがベストセラーミステリなのか、読了後、首を傾げてしまいました。先日紹介した「墓地裏の家」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1607383.html)の方がずっと面白かったです。
本作は、フジコという殺人鬼の生涯を描いているのですが、ミステリとしては全く期待しない方がいいです。犯人が誰であるのかの安易な謎解きがラストページについていますが、たいした真相ではないです。何よりも、物語自体が面白くないのが致命的…。フジコは良心の欠如した殺人常習者のサイコパスとして描かれていますが、この描かれ方がチープすぎる。フジコの殺人は極めてずさんなもので、ミステリ的な面白みはありませんし、彼女が全く魅力的でない。悪の主人公を設定するなら、その主人公には悪の魅力を漂わせてほしいものですが、フジコは全く魅力に欠けるキャラクターで、読んでいて退屈で仕方ないです。
ピカレスク・ロマン(悪漢小説。猟奇殺人鬼などの悪人を主人公に据えた小説です)において、良心の欠如した殺人常習者のサイコパスが主人公というのは定番のキャラクターでして、有名どころで言えば、世界で最も有名な殺人鬼主人公の一人、レクター博士と、女性FBI捜査官ジョディ・フォスターもといクラリス・スターリングが活躍するトマス・ハリスのレクター博士シリーズ(羊達の沈黙、レッド・ドラゴン、ハンニバル、ハンニバル・ライジング)、殺人鬼保安官ルー・フォードの活躍するジム・トンプスンの「おれの中の殺し屋」、サイコパス教師の大量殺人を描いた貴志祐介さんの傑作長篇「悪の教典」、人類滅亡を企てる殺人鬼を描いた手塚治虫「MW」、虚無的で邪魔者を次々と抹殺していく殺人鬼の才媛を描いた手塚治虫「人間昆虫記」など、いろいろありますが、それらの主人公たちが邪悪で忌まわしい闇の刺激の匂いを放っているのに比べ、本作の殺人鬼フジコは殺人嗜好を持つただの馬鹿としてしか描かれておらず、読んでいてもひたすら退屈です。全体的に全く面白くない…。
殺人実行犯であるフジコの殺人を操っている黒幕の殺人鬼がいるという見え見えのありがち展開も、描写がぼやけまくっていて、ミステリ要素は皆無です。描写がぼやけているのは、作者に「黒幕がフジコを操る、説得力のあるシーン」が書けなかったからだろうなあとどうしても感じてしまいます。黒幕がフジコをコントロールするシーンをちゃんと描けなかったから、ラストページで適当にごまかしたとしか思えない…。黒幕はフジコを操ることで保険金目当てのプロバビリティーの殺人を行ったわけですが(黒幕自身が手を下した殺人もありますが、殺人の大半はフジコが実行したものです)、保険金目当ての殺人にしてはあまりにも計画が迂遠かつ偶然に頼りすぎていて現実味を欠いており説得力が感じられません…。
本書にはおかしいところがいくつもあって、例えば、夫の保険金の受け取りが妻や子ではない他人(黒幕)になっていたら、どう見てもそいつが怪しいでしょう。保険調査員が平賀・キートン・太一なら犯人を30秒で見破るところです。黒幕は三度保険金(フジコの家族、フジコの夫、作家の姉の保険金)を手に入れたと考えられますが(フジコにマフラーで絞め殺された女子小学生に保険金が掛かっていたら四度手に入れている、女性作家には保険金は掛かっていないと思われる)、いくらなんでも警察も保険会社も怪しむのでは…。それに、黒幕は自分が下手人(実行犯)となるリスクを回避するために、フジコを操ってプロバビリティーの殺人を行っているのですから、黒幕自身が実行犯として殺人に手を染めるという展開は本末転倒です。だいたい最初の設定から無理があって、小学生を精神操作して猟奇殺人鬼として育成とか、どんなマインドコントロールだって話ですよ…。精神操作でなんでも片付ける落ちはエロゲやエロマンガの超催眠並みのトンデモを感じました。黒幕はこんな超能力レベルの精神操作できるなら、わざわざ保険金殺人なんかやらなくても、教団トップにのし上がることは容易ではないのかな。
ニコニコ大百科「催眠」
現実の催眠術は万能の超能力でもなんでもない。やりようによっては洗脳クラスの暗示をかけることも可能ではあるが、それにしても専用のプロセスと精神改造に要する長時間、違法性の高い薬物や手段に訴える必要がある。
が、フィクションでは一部の超能力や精神感応能力により迅速に催眠状態を引き起こすことを可能としている。
「もし透明人間になれたら」「もし時間が止めれたら」と並んで男性が一度は妄想するのが「催眠術で人を自由に操れたら」というものであり、いわゆる男性向け作品にもたびたび取り上げられる。
ベストセラーというのは本当に謎です。どうしてこの本がベストセラーになったのだろう…?どういう風に本がベストセラーになるのかよく分からない…。少なくとも、僕の経験則として言えることは、本がベストセラーであるかどうかと、その本が面白い良くできた本であるかどうかは、全く完全に無関係ということですね…。
殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
あとは、まどか☆マギカ本が出版ラッシュを迎えていますね。とても読みたいですが、どれも2000円を超えたりするような高額な本で、お金を節約して暮らしている僕にはとても手が届かない…。雑誌扱いとなるムック本は図書館に入らないので、図書館で借りることもできません…。うう…、読みたいけど読めない悲しみ…。読みたい本も読めない生活、貧乏は辛いです…。自分の貧乏さを改めて思い知らされ、悲しい気持ちになります…。
魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone. (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
ユリイカ2011年11月臨時増刊号 総特集=魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を
100人がしゃべり倒す! 「魔法少女まどか☆マギカ」
超解読 まどかマギカ (三才ムック vol.421)
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