2010年09月17日 04:37
急に寒くなって風邪を引いたみたいです。都筑道夫「深夜倶楽部」、綾辻行人「Another」
Another
Another (1)
ここ数日、急に寒くなって、昨日から頭痛と身体のだるさが酷く、熱はないのですが、風邪を引いたみたいです…。急に寒くなりましたので、皆様もどうか風邪を引かないよう、お身体にお気をつけください…。
体調が良くなくて頭がふらふらしていて、あまり行動できず、書くことがなくて申し訳ないです…。最近の読書では、綾辻行人さんの「Another」がずっと図書館に予約していたのが、やっと借りられたので読みました。
読了した感想としては…『これ、ミステリじゃなかった…』。綾辻行人さんのミステリ好きとして、久々に綾辻行人さんの新刊が出た、やっと再び綾辻さんのミステリが読める!!という気持ちで読み始めたので、読んでいる最中『あれ…?あれあれあれ?なんだか、ミステリではどうしても都合が付きそうにない、論理的に通りそうにない展開だなあ…あれ…これミステリとして成り立つの…』という気持ちになってきて、最後まで読んだら、ミステリではなく、なんでもありの超常現象を描いたホラーだったので、う〜んという感じです。
この本を事前情報なしに読み始め、ミステリだと思い込んでいた僕に問題があるんですが、ミステリだと思って読んだので、不思議な出来事が全部投げっぱなしになっている超常現象ホラーだったことには肩透かしな感覚を憶えました。ホラーとしても、小野不由美さんの「屍鬼」やスティーヴン・キングの超常現象系長編ホラーなどとは違い、『なぜその超常現象が起こっているのか・その超常現象はどんなメカニズムで発生しているのか』ということは一切説明せず、ただただ説明なしの超常現象が起きていて、主人公達はそれに巻き込まれて右往左往するだけなので、読み終わっても、カタルシスなどはなかったですね…。ミステリ作家の描くホラーとして、超常現象を説明するくらいのことはやって欲しかったなと…。折角の綾辻さんの新作長編なのに、展開に何の工夫もない、単純なホラーだったのにはがっくりです…。
ミステリ作家都筑道夫さんが書いた、怪談を語る怪談というメタ・ホラー小説にして、ホラー小説論でもある連作小説集「深夜倶楽部」(はっきりいって、Anotherの数千倍はこちらの方がホラー小説として出来が良い)に、『何がなんだか分からない、説明のつかない不思議を不思議のままに描くモダンな怪談物語は、その不思議さを読後印象に残す、切れ味が良い短編小説でないと成立しない』と書かれていますが、僕はこの意見に同感です。
何がなんだかわからない、最後までメカニズムに説明なしの投げっぱなし怪談を題材にした物語にしては、「Another」はあまりにも物語が長すぎる大長編なんですね。結果、説明なしの投げっぱなし怪談ネタの切れ味が悪くなり、物語が曖昧にぼやけている。短編小説の題材で、長編を仕立てている感じが拭えません…。これは、綾辻さんのファン、初期の館シリーズからのファンとして、残念ですね…。
もう一つ、「Another」には大きな難点があって、一言で言うと『小説のヒロインがアニメ「エヴァンゲリオン」のヒロイン綾波レイそのまんまのキャラクター』なんですね…。これは萎えます…。綾辻行人さんは、ちゃんとオリジナルの魅力的な人物を造形できる作家だと思いますのに、ヒロインが何の工夫も無く、綾波レイそのまんまなのは、一体どうしちゃったのかと…。有名アニメのメインヒロインキャラクターをそのまま小説のメインヒロインに持ってくるとか、作家側の大幅な手抜きであるとしか言い様がありません…。
「Another」、良くない意味でライトノベル風味の、創意創作が全く感じられない小説で、僕的には、残念な出来でしたね…。綾辻行人さんは筆力のある優れた作家ですのに、どうしちゃったのかなという思いです…。あまり、今風の流行り、ライトノベル風味のエッセンスとか、綾辻さんの小説に取り込む必要はないと、少なくとも僕は思うのですが…(今風のラノベ風味なのでコミック化やアニメ化などのメディアミックスはしやすそうだとは思いますが)。僕としては、綾辻さんには、館シリーズのような、本格ミステリの新刊や、新作ホラーを描くなら、スティーヴン・キングばりの堂々としたロジカルに物語世界が構築されるホラー長編を期待します…。綾辻さんは本質的に長編作家なので、説明の付かない不思議な怪談タイプの題材は向いていないかと思うんですね…。
参考作品(amazon)
Another
Another (1)
深夜倶楽部 (徳間文庫)
屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
屍鬼 1 (ジャンプコミックス)
黄金の太陽 漆黒なる夜明け
ポケットモンスター ブラック ホワイト
「AKB1/48 アイドルと恋したら… 初回限定生産版 一度しか生産しません!オークション出品不可BOX」
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ここ数日、急に寒くなって、昨日から頭痛と身体のだるさが酷く、熱はないのですが、風邪を引いたみたいです…。急に寒くなりましたので、皆様もどうか風邪を引かないよう、お身体にお気をつけください…。
体調が良くなくて頭がふらふらしていて、あまり行動できず、書くことがなくて申し訳ないです…。最近の読書では、綾辻行人さんの「Another」がずっと図書館に予約していたのが、やっと借りられたので読みました。
読了した感想としては…『これ、ミステリじゃなかった…』。綾辻行人さんのミステリ好きとして、久々に綾辻行人さんの新刊が出た、やっと再び綾辻さんのミステリが読める!!という気持ちで読み始めたので、読んでいる最中『あれ…?あれあれあれ?なんだか、ミステリではどうしても都合が付きそうにない、論理的に通りそうにない展開だなあ…あれ…これミステリとして成り立つの…』という気持ちになってきて、最後まで読んだら、ミステリではなく、なんでもありの超常現象を描いたホラーだったので、う〜んという感じです。
この本を事前情報なしに読み始め、ミステリだと思い込んでいた僕に問題があるんですが、ミステリだと思って読んだので、不思議な出来事が全部投げっぱなしになっている超常現象ホラーだったことには肩透かしな感覚を憶えました。ホラーとしても、小野不由美さんの「屍鬼」やスティーヴン・キングの超常現象系長編ホラーなどとは違い、『なぜその超常現象が起こっているのか・その超常現象はどんなメカニズムで発生しているのか』ということは一切説明せず、ただただ説明なしの超常現象が起きていて、主人公達はそれに巻き込まれて右往左往するだけなので、読み終わっても、カタルシスなどはなかったですね…。ミステリ作家の描くホラーとして、超常現象を説明するくらいのことはやって欲しかったなと…。折角の綾辻さんの新作長編なのに、展開に何の工夫もない、単純なホラーだったのにはがっくりです…。
ミステリ作家都筑道夫さんが書いた、怪談を語る怪談というメタ・ホラー小説にして、ホラー小説論でもある連作小説集「深夜倶楽部」(はっきりいって、Anotherの数千倍はこちらの方がホラー小説として出来が良い)に、『何がなんだか分からない、説明のつかない不思議を不思議のままに描くモダンな怪談物語は、その不思議さを読後印象に残す、切れ味が良い短編小説でないと成立しない』と書かれていますが、僕はこの意見に同感です。
「江戸後期の創作怪談は小説でも、歌舞伎の脚本でも、講談でも、とかく怨念に縛られている。(物語中で説明の付く)因縁因果で、幽霊が現れて、古めかしさをぬがれない。というよりも、これは長編というスタイルから、やむをえざるところといえるでしょう」(中略)
「綺堂も百聞も、短編作家です。(何がなんだかわからない、説明のつかない不思議を描く)近代怪談というのは、短編小説だと思うんです。長くなればなるほど、ロマンティックな幻想物語か、血みどろのグラン・ギニョールにならざるをえない」
「そういえば、スティーヴン・キングも、ショート・ストーリィは、うまくないですね」
と飯島が口を出して、
「キングは律儀に、(物語中で説明の付く)怪物や幽霊を出す人だから、ノヴェレット以上の長さがないと、現代小説にならないんでしょう」
「江戸の随筆に見える(物語中で説明の付かない)怪談は、みんな、いわば短編です。それだけに、びっくりするほど、モダーンな話がある」
(都筑道夫「深夜倶楽部」)
何がなんだかわからない、最後までメカニズムに説明なしの投げっぱなし怪談を題材にした物語にしては、「Another」はあまりにも物語が長すぎる大長編なんですね。結果、説明なしの投げっぱなし怪談ネタの切れ味が悪くなり、物語が曖昧にぼやけている。短編小説の題材で、長編を仕立てている感じが拭えません…。これは、綾辻さんのファン、初期の館シリーズからのファンとして、残念ですね…。
もう一つ、「Another」には大きな難点があって、一言で言うと『小説のヒロインがアニメ「エヴァンゲリオン」のヒロイン綾波レイそのまんまのキャラクター』なんですね…。これは萎えます…。綾辻行人さんは、ちゃんとオリジナルの魅力的な人物を造形できる作家だと思いますのに、ヒロインが何の工夫も無く、綾波レイそのまんまなのは、一体どうしちゃったのかと…。有名アニメのメインヒロインキャラクターをそのまま小説のメインヒロインに持ってくるとか、作家側の大幅な手抜きであるとしか言い様がありません…。
「Another」、良くない意味でライトノベル風味の、創意創作が全く感じられない小説で、僕的には、残念な出来でしたね…。綾辻行人さんは筆力のある優れた作家ですのに、どうしちゃったのかなという思いです…。あまり、今風の流行り、ライトノベル風味のエッセンスとか、綾辻さんの小説に取り込む必要はないと、少なくとも僕は思うのですが…(今風のラノベ風味なのでコミック化やアニメ化などのメディアミックスはしやすそうだとは思いますが)。僕としては、綾辻さんには、館シリーズのような、本格ミステリの新刊や、新作ホラーを描くなら、スティーヴン・キングばりの堂々としたロジカルに物語世界が構築されるホラー長編を期待します…。綾辻さんは本質的に長編作家なので、説明の付かない不思議な怪談タイプの題材は向いていないかと思うんですね…。
参考作品(amazon)
Another
Another (1)
深夜倶楽部 (徳間文庫)
屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
屍鬼 1 (ジャンプコミックス)
黄金の太陽 漆黒なる夜明け
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