2010年05月24日 22:46
エフゲニー・キーシン「Kissin Plays Chopin」を聴きました。心打つリリカルな情感、素晴らしいです。
Kissin Plays Chopin
クラシック音楽の老舗RCAがショパン200周年記念で出しているエフゲニー・キーシンのショパンBOX「Kissin Plays Chopin」(日本盤の「キーシン・プレイズ・ショパンRCA Red Seal全ショパン録音集成」と内容は全く同じです、値段は僕が購入した海外盤の方が圧倒的に安いです、現在2000円です)を聴きました。今日はあまり体調が良くなかったので、朝から何も食べず、寝床で横になって猫たんとずっと聴いていたのですが、 素晴らしい感動的な演奏でした。聴いていて涙が滲みますね…。心を美しさで浄化するような、甘やかに、優しく、叙情的な演奏、ショパン演奏の一つのエポックメーキングを感じさせてくれるBOXです…。
エフゲニー・キーシンは、11歳で鮮烈にデビューしたときのアルバム、その後の十代での演奏のアルバムを聴いて(キーシンの11歳〜17歳の時の演奏集である「エフゲニー・キーシン名演奏集第一巻」などで聴けます)、十代の少年がこれほど凄い演奏、力強く、それだけではなく均整がとれ、情熱的な感情表現、音楽解釈も素晴らしく、エンターテイメント性も持った演奏を行っている、これは間違いなく末恐ろしき「神童」である、と感じ入りました。当時は、キーシンならではの演奏と、十代にしてこれだけの演奏が弾かれていることに感動したのですが、Kissin Plays Chopinで聴かせてくれるショパンは、彼の十代の頃に比べ、曲の持つ感情表現を見事に表現するようになり、更に素晴らしく良くなりましたね…。
エフゲニー・キーシン名演奏集(4枚組)/Evgeny Kissin: Historic Russian Archives
Kissin Plays Chopinでのキーシンの演奏は、十代の頃のキーシンの演奏の全ての美点を持ったまま、更にその美点を深化させるとともに、曲の解釈の深み、そしてそこから生まれる曲の感情表現の深度と幅が、素晴らしく豊かになっています。ショパンの音楽が持つ、繊細なリリシズム、聴き手を静かに優しく包み込んでそっと癒すようなロマンティシズムを、素晴らしく感情豊かに表現している。聴いていて静かなる感動が抑えられない、心を打つ素晴らしい演奏です。実に良かったですね…。
十代の頃のキーシンは、「キーシンのショパン」という感じでしたが、Kissin Plays Chopinにおいては、「キーシンのショパン」であるとともに「まさにショパン」なんですね。ショパンの音楽が持つ独特の普遍性を見事に表現している。演奏者を超えて、曲自体を活かしている。こういう演奏はなかなかあるものではないです…。素晴らしい演奏家の多くは、「ルービンシュタインのショパン」なり「ホロヴィッツのショパン」なり「アシュケナージのショパン」なり「アルゲリッチのショパン」なり、個性的なところの美を伸ばしてゆく演奏を行うことが多いです。
キーシンは、そういった自己表現をある程度抑えて、ショパンの曲(楽譜)が持つ本質的な美しさを出そうとしているように感じますね。「キーシンのショパン」であるだけでなく、聴いていて非常にニュートラルな演奏なんですね。ゆえにそれが美しい。純白のキャンパスに、ショパンの音楽だけが刻まれてゆく感じです。他の演奏家だと、キャンパスに最初から演奏家の背景色が掛かっている、Kissin Plays Chopinのキーシンの演奏は、そういった色をなるべく消して、ニュートラルにショパンの音楽の美しさを最大限に引き出し、増幅させているような、聴いていて、「ああ…まさにショパンだ」と感動する演奏なんですね。素晴らしい、本当に素晴らしいの一言です。
心からお勧めですね。ショパンの演奏に新しい到達点を築いたBOXといっても過言ではないと思います。特にCD2のピアノ・ソナタは数あるショパンのピアノ・ソナタ演奏のなかでも最高峰ではないかと思います。ショパンの曲を素晴らしい演奏で聴くことは、心を静かに癒してくれますね…。先日ギフト券を贈って頂いたおかげでこのBOXが買えて、深く感謝しております。ありがとうございます。
参考作品(amazon)
Kissin Plays Chopin
エフゲニー・キーシン名演奏集(4枚組)/Evgeny Kissin: Historic Russian Archives
エフゲニー・キーシン名演奏集 第2巻(5枚組)
キーシン・プレイズ・シューマン
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クラシック音楽の老舗RCAがショパン200周年記念で出しているエフゲニー・キーシンのショパンBOX「Kissin Plays Chopin」(日本盤の「キーシン・プレイズ・ショパンRCA Red Seal全ショパン録音集成」と内容は全く同じです、値段は僕が購入した海外盤の方が圧倒的に安いです、現在2000円です)を聴きました。今日はあまり体調が良くなかったので、朝から何も食べず、寝床で横になって猫たんとずっと聴いていたのですが、 素晴らしい感動的な演奏でした。聴いていて涙が滲みますね…。心を美しさで浄化するような、甘やかに、優しく、叙情的な演奏、ショパン演奏の一つのエポックメーキングを感じさせてくれるBOXです…。
エフゲニー・キーシンは、11歳で鮮烈にデビューしたときのアルバム、その後の十代での演奏のアルバムを聴いて(キーシンの11歳〜17歳の時の演奏集である「エフゲニー・キーシン名演奏集第一巻」などで聴けます)、十代の少年がこれほど凄い演奏、力強く、それだけではなく均整がとれ、情熱的な感情表現、音楽解釈も素晴らしく、エンターテイメント性も持った演奏を行っている、これは間違いなく末恐ろしき「神童」である、と感じ入りました。当時は、キーシンならではの演奏と、十代にしてこれだけの演奏が弾かれていることに感動したのですが、Kissin Plays Chopinで聴かせてくれるショパンは、彼の十代の頃に比べ、曲の持つ感情表現を見事に表現するようになり、更に素晴らしく良くなりましたね…。
エフゲニー・キーシン名演奏集(4枚組)/Evgeny Kissin: Historic Russian Archives
Kissin Plays Chopinでのキーシンの演奏は、十代の頃のキーシンの演奏の全ての美点を持ったまま、更にその美点を深化させるとともに、曲の解釈の深み、そしてそこから生まれる曲の感情表現の深度と幅が、素晴らしく豊かになっています。ショパンの音楽が持つ、繊細なリリシズム、聴き手を静かに優しく包み込んでそっと癒すようなロマンティシズムを、素晴らしく感情豊かに表現している。聴いていて静かなる感動が抑えられない、心を打つ素晴らしい演奏です。実に良かったですね…。
十代の頃のキーシンは、「キーシンのショパン」という感じでしたが、Kissin Plays Chopinにおいては、「キーシンのショパン」であるとともに「まさにショパン」なんですね。ショパンの音楽が持つ独特の普遍性を見事に表現している。演奏者を超えて、曲自体を活かしている。こういう演奏はなかなかあるものではないです…。素晴らしい演奏家の多くは、「ルービンシュタインのショパン」なり「ホロヴィッツのショパン」なり「アシュケナージのショパン」なり「アルゲリッチのショパン」なり、個性的なところの美を伸ばしてゆく演奏を行うことが多いです。
キーシンは、そういった自己表現をある程度抑えて、ショパンの曲(楽譜)が持つ本質的な美しさを出そうとしているように感じますね。「キーシンのショパン」であるだけでなく、聴いていて非常にニュートラルな演奏なんですね。ゆえにそれが美しい。純白のキャンパスに、ショパンの音楽だけが刻まれてゆく感じです。他の演奏家だと、キャンパスに最初から演奏家の背景色が掛かっている、Kissin Plays Chopinのキーシンの演奏は、そういった色をなるべく消して、ニュートラルにショパンの音楽の美しさを最大限に引き出し、増幅させているような、聴いていて、「ああ…まさにショパンだ」と感動する演奏なんですね。素晴らしい、本当に素晴らしいの一言です。
心からお勧めですね。ショパンの演奏に新しい到達点を築いたBOXといっても過言ではないと思います。特にCD2のピアノ・ソナタは数あるショパンのピアノ・ソナタ演奏のなかでも最高峰ではないかと思います。ショパンの曲を素晴らしい演奏で聴くことは、心を静かに癒してくれますね…。先日ギフト券を贈って頂いたおかげでこのBOXが買えて、深く感謝しております。ありがとうございます。
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Kissin Plays Chopin
エフゲニー・キーシン名演奏集(4枚組)/Evgeny Kissin: Historic Russian Archives
エフゲニー・キーシン名演奏集 第2巻(5枚組)
キーシン・プレイズ・シューマン
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