2010年05月20日 01:54
まおゆうとタクティクスオウガ引用。まおゆう、「タルタロスに篭絡されるランスロット」みたいですね。
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まおゆう、読んでない人が結構多いようなので、まずは、三行で説明致します。
まおゆうにおいて魔王&勇者側が邁進する、『時代の変革は常に必ず人々の血で購わなければならない』という考え方は、すっごくありがちな典型的悪役の発想(必ず血が必要だと考える時点で、それを語る者の暴力に対する嗜好が滲み出ている思想)なんですが、まおゆうはなんだかんだ言って、この種の思想を最初から最後までひたすら肯定しちゃっているのが、新しいと言えば、新しいかも知れませんね。勇者は瞬間的に魔王に篭絡されますし。ゾーマ「死に行くものこそ美しい!」勇者「やっぱそうだよね!」ゾーマ「えっ」みたいな。
だいたいの物語は、こういった暴力を肯定する思想に対しては、いわゆる善の側が最後まで抗いますが、まおゆうは、登場人物がほぼ全員悪サイドの無敵チートキャラもしくは高官キャラ&それにくっついて回る金魚の糞ばかりなので、抗うキャラクターはほぼ誰もいないのがなんとも…。民衆はほとんど愚民の群れとしてしか描かれていませんし…。僅かに善っぽいキャラとしてメイド姉がいますが、彼女もあっという間に悪サイドに篭絡されますし。篭絡早過ぎるだろ!!って感じです。
この辺の展開は、まるで、タクティクスオウガ(wiiのバーチャルコンソールでプレイできます)で、聖騎士ランスロットが暗黒騎士タルタロスに一瞬で篭絡されたが如き展開だなあと思ったので、両方引用致しますね。ちなみにタクティクス・オウガでは、聖騎士ランスロットは最後まで篭絡されることを拒み、拷問で廃人になってしまいます…。僕はこっちの方(タクティクス・オウガ)に、遥かに説得力を感じましたね。メイド姉=聖騎士ランスロット・ハミルトン、女魔法使い=暗黒騎士ランスロット・タルタロスと読むと、あっという間に篭絡されすぎて、なんだかなあと…。まおゆうの善側キャラ(ほとんどいませんが)って意図的に雑魚過ぎかつ愚か過ぎる設定にされていますよね…。ここら辺、まおゆうを支持している人達はおかしいと思わないのかな…?僕は不自然さを感じますけど…。
この手の悪役が語る思想はもはや余りにありがちすぎて、ちょっと食傷気味なんですが、まおゆうを見るに、こういう悪役は根強い人気があるなあと思いましたね…。結局のところ、こういう思想の根源は選民思想・民衆侮蔑なんですが、こういうのが根強く人気あるということは、『人々よりも自分の方が優越していると考えたい欲望が人々に根強くある』ということを示していて、なんとも…。気が重くなりますね…。
ちなみにタクティクス・オウガだと、民族紛争において一軍を率いて戦争を指揮していた主人公デニムが、最後は暗殺されてしまうEDがある訳ですが、僕はこのED見たとき(小学生の頃SFCでプレイして、初回プレイでこのEDだった…)、非常に衝撃を受けたのと同時に、納得するものがありましたね。デニムは、彼自身の思惑がどうあれ、巨大な民族紛争の戦火を引き起こした立役者の一人だったことは間違いないわけですし。まおゆうの世界でも、大戦の真実を知った戦死者の遺族などから、勇者&魔王は仇討ち・暗殺されても仕方ない(そういうことは起こりえる)立場だと思いますけど、そういうことが絶対に起こらないよう、『勇者&魔王は別世界で幸せに暮らしました』EDにしているのも、どうかなあと…。この終わり方では、彼らは戦争の後始末をばっくれて、責任から逃げたとしか思えないのですが…。僕は、勇者&魔王は元の世界に残るべきだったと思いますよ。彼らには自らの引き起こした惨禍を見る責任が絶対にありました…。
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まおゆう、読んでない人が結構多いようなので、まずは、三行で説明致します。
チート能力を持つ勇者に魔王が討たれることで世界秩序を取り戻すシステムをぶっ壊すぜ〜!!
人間界と魔界の大戦争を利用して、世界経済を発展させればいいんだぜ特需景気万歳だ!!経済に明るい俺達が戦争を管理するぜ!俺達に逆らう連中(百合騎士団やゾーマとか)はぶっ倒すぜ!
大成功だヒャッハー、大戦後、勇者&魔王は別世界でいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
まおゆうにおいて魔王&勇者側が邁進する、『時代の変革は常に必ず人々の血で購わなければならない』という考え方は、すっごくありがちな典型的悪役の発想(必ず血が必要だと考える時点で、それを語る者の暴力に対する嗜好が滲み出ている思想)なんですが、まおゆうはなんだかんだ言って、この種の思想を最初から最後までひたすら肯定しちゃっているのが、新しいと言えば、新しいかも知れませんね。勇者は瞬間的に魔王に篭絡されますし。ゾーマ「死に行くものこそ美しい!」勇者「やっぱそうだよね!」ゾーマ「えっ」みたいな。
だいたいの物語は、こういった暴力を肯定する思想に対しては、いわゆる善の側が最後まで抗いますが、まおゆうは、登場人物がほぼ全員悪サイドの無敵チートキャラもしくは高官キャラ&それにくっついて回る金魚の糞ばかりなので、抗うキャラクターはほぼ誰もいないのがなんとも…。民衆はほとんど愚民の群れとしてしか描かれていませんし…。僅かに善っぽいキャラとしてメイド姉がいますが、彼女もあっという間に悪サイドに篭絡されますし。篭絡早過ぎるだろ!!って感じです。
この辺の展開は、まるで、タクティクスオウガ(wiiのバーチャルコンソールでプレイできます)で、聖騎士ランスロットが暗黒騎士タルタロスに一瞬で篭絡されたが如き展開だなあと思ったので、両方引用致しますね。ちなみにタクティクス・オウガでは、聖騎士ランスロットは最後まで篭絡されることを拒み、拷問で廃人になってしまいます…。僕はこっちの方(タクティクス・オウガ)に、遥かに説得力を感じましたね。メイド姉=聖騎士ランスロット・ハミルトン、女魔法使い=暗黒騎士ランスロット・タルタロスと読むと、あっという間に篭絡されすぎて、なんだかなあと…。まおゆうの善側キャラ(ほとんどいませんが)って意図的に雑魚過ぎかつ愚か過ぎる設定にされていますよね…。ここら辺、まおゆうを支持している人達はおかしいと思わないのかな…?僕は不自然さを感じますけど…。
メイド姉「なんで、こうなるんですか?」
女魔法使い「……成り行き」
メイド姉「成り行きっ!? 成り行きでこんなにっ、こんなに人が死ぬんですかっ。そんな事許されるんですかっ!」
女魔法使い「では、成り行き以外の何なら赦せるの?」
メイド姉「……っ」
女魔法使い「……」
メイド姉「……それは。そんなのは」
女魔法使い「異なる二つの存在があり、複層化されたレイヤにおけるベクトル量が違う場合概念的なレベルにおいて速度差が生じる。もしその二つが接近しており、影響を与える場合、その相対的な速度差によって、より高速な側が外側となって巻き込むことになる。これを散文的に表現すると、時代の回転という」
メイド姉「……」きっ
女魔法使い「時代が回転する時、その軋轢は血を要求する。血塗られた曲がり角を経て、時代は回転する」
メイド姉「そうでなきゃならないんですかっ!?嘘ですっ! 平和に曲がることだってあるはずですっ」
女魔法使い「例外はない。仮に血が流れていないように見えてもそれは知覚できないだけ。肉体の血ではなく、精神の、魂の血が流れただけ」
メイド姉「……嘘、です。そんなのっ」
女魔法使い「嘘ではない」
メイド姉「……っ」
女魔法使い「ときに、人より多くの血を流せる個人が現われる。何によってかそうなった彼らは、数千人分。時によっては数万、数十万人分の血を流して回転の要求する血量を一人で肩代わりする。彼ら個人によっても、時代の要求した血量は隠蔽される。まるで犠牲など、無かったかのように」
メイド姉「……」
女魔法使い「嘘ではない。なぜならその証拠に――貴方は、それを知っている。ううん、感じている」
メイド姉「……」
女魔法使い「今ならば判る。学んだ今ならば、……魔界を征服するのは。それはそれで、回転だった。しかし、その回転の必要とした血量は(魔王+勇者)と多少の+αでまかなえたはずだった」
メイド姉「何を言っているか判りません」
女魔法使い「……判る必要はない。貴方は知っているのだから」
メイド姉「っ」
女魔法使い「だから道を探していた。ちがう?」
メイド姉「だからって。だからって」
女魔法使い「“勇者は報われない仕事だ。特にこの世界ではそうなのだろう。救うまでは神のごとく崇められるかもしれないが、去れば記憶に残らない。魔物を倒せば目的に近づくが、魔物をすべて倒せば存在意義が無くなる。勇者とはまるで自分を消滅させるために輝いている星のようだ”」
メイド姉「あなたは……まさか……」
女魔法使い「それも真実だ」
メイド姉「だとすれば、貴方は悪魔ですっ」
女魔法使い「自覚のある罪と自覚のない罪では罪科が代わると?」
メイド姉「そうですっ!」
女魔法使い「……だとすれば、無知は得だ。知らなければ知らないほど、罪が減るのだろう?」
メイド姉「だって、あなたはっ」
女魔法使い「……」
メイド姉「血を、血の量をっ。誰かを生かすために、こんなにも沢山の血をっ、見殺しにしているんですかっ」
女魔法使い「……それも一面の事実といえる」
メイド姉「……っ」
女魔法使い「気に入らないのか?」
メイド姉「当たり前ですっ」
女魔法使い「ならば、貴方は貴方の道で救えばいい」
メイド姉「……っ!」
女魔法使い「忘れるべきではない。貴方も同じ船に乗っている。貴方もあの血の流れに救われている。血のながれる河の船の上で」
メイド姉「それでもっ! それでもっ!」
女魔法使い「……送ろう」
メイド姉「……っ」
女魔法使い「……貴方には、やはりこの図書館は、似合わない」
(まおゆう)
聖騎士ランスロット
「力で人を縛り付ける、そうしたローディスのやり方に問題がある、…そうは思わないのか?」
暗黒騎士ランスロット
「縛り付けた覚えなどないな。彼らは力で支配されることを望んだのだ」
聖騎士ランスロット
「望んだだと?」
暗黒騎士ランスロット
「そうだ。…世の中を見渡してみろ。どれだけの人間が自分だけの判断で物事を成し遂げるというのだ?自らの手を汚し、リスクを背負い、そして自分の足だけで歩いていく…。そんな奴がどれだけこの世の中にいるというのだ?」
聖騎士ランスロット
「…………」
暗黒騎士ランスロット
「…貴公らの革命を思い出してみよ。貴公らが血を流し、命を懸けて守った民はどうだ?自分の身を安全な場所におきながら勝手なことばかり言っていたのではないのか?」
聖騎士ランスロット
「彼らは自分の生活を維持するだけで精一杯だったのだ…」
暗黒騎士ランスロット
「いや、違う。被害者でいるほうが楽なのだ。弱者だから不平を言うのではない。不満をこぼしたいからこそ弱者の立場に身を置くのだ。彼らは望んで『弱者』になるのだよ」
聖騎士ランスロット
「ばかな…。人には自分の人生を決定する権利がある。自由があるのだ!」
暗黒騎士ランスロット
「わからぬか!本当の自由とは誰かに与えてもらうものではない。自分で勝ち取るものだ。しかし民は自分以外にそれを求める。自分では何もしないくせに権利だけは主張する。救世主の登場を今か、今かと待っているくせに、自分がその救世主になろうとはしない。それが民だっ!」
聖騎士ランスロット
「人はそこまで怠惰な動物じゃない。ただ、我々ほど強くないだけだ」
暗黒騎士ランスロット
「…聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。支配者は与えるだけでよい」
聖騎士ランスロット
「何を与えるというのだ?」
暗黒騎士ランスロット
「支配されるという特権をだっ!」
聖騎士ランスロット
「ばかなことを!」
暗黒騎士ランスロット
「人は生まれながらにして深い業を背負った生き物だ。幸せという快楽の為に他人を平気で犠牲にする…。より楽な生活を望み、そのためなら人を殺すことだっていとわない。しかし、そうした者でも罪悪感を感じることはできる。彼らは思う…、これは自分のせいじゃない。世の中のせいだ、と。ならば、我々が乱れた世を正そうではないか。秩序ある世界にしてやろう。快楽をむさぼることしかできぬ愚民にはふさわしい役目を与えてやろう。すべては我々が管理するのだ!」
聖騎士ランスロット
「意にそぐわぬものを虐げることが管理なのか!」
暗黒騎士ランスロット
「虐げているのではない。我々は病におかされたこの世界からその病因を取り除こうとしているにすぎん。他組織に影響を及ぼす前に悪質なガン細胞は排除されねばならぬのだ!」
聖騎士ランスロット
「身体に自浄作用が備わっているように心にもそれを正そうという働きはある!」
暗黒騎士ランスロット
「それを待つというのか?ふふふ…貴公は人という動物を信用しすぎている。民はより力のある方へ、より安全なほうへ身を寄せるものだ」
(タクティクスオウガ)
この手の悪役が語る思想はもはや余りにありがちすぎて、ちょっと食傷気味なんですが、まおゆうを見るに、こういう悪役は根強い人気があるなあと思いましたね…。結局のところ、こういう思想の根源は選民思想・民衆侮蔑なんですが、こういうのが根強く人気あるということは、『人々よりも自分の方が優越していると考えたい欲望が人々に根強くある』ということを示していて、なんとも…。気が重くなりますね…。
しかし……なあ二人とも。人間の最悪ばかりをみるな……
(坂口尚「石の花」)
ちなみにタクティクス・オウガだと、民族紛争において一軍を率いて戦争を指揮していた主人公デニムが、最後は暗殺されてしまうEDがある訳ですが、僕はこのED見たとき(小学生の頃SFCでプレイして、初回プレイでこのEDだった…)、非常に衝撃を受けたのと同時に、納得するものがありましたね。デニムは、彼自身の思惑がどうあれ、巨大な民族紛争の戦火を引き起こした立役者の一人だったことは間違いないわけですし。まおゆうの世界でも、大戦の真実を知った戦死者の遺族などから、勇者&魔王は仇討ち・暗殺されても仕方ない(そういうことは起こりえる)立場だと思いますけど、そういうことが絶対に起こらないよう、『勇者&魔王は別世界で幸せに暮らしました』EDにしているのも、どうかなあと…。この終わり方では、彼らは戦争の後始末をばっくれて、責任から逃げたとしか思えないのですが…。僕は、勇者&魔王は元の世界に残るべきだったと思いますよ。彼らには自らの引き起こした惨禍を見る責任が絶対にありました…。
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