2009年12月23日 07:35
もうすぐクリスマスですね…。恋のイベントではない、人々を慰め励ますクリスマスになるといいですね…。
クリスマスの起源
少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録【劇場版】 [DVD]
先日も書きましたが、本当に寒いですね。寒くて、朝起きると喉が氷のように冷えていて痛みます。僕はダストアレルギーでして、そのため元々肌が弱いのですが、それでも、何にもしていないのにも関わらず、手から血が出てきて驚きました。寒くて肌があかぎれになって血が出たみたいです…。強烈な寒波は今後も続くらしいので、皆さんもお気をつけ下さい…。
もうすぐクリスマスですね…。昨年のリーマン・ショック以来の世界的大不況で、日本の毎年恒例であった恋のイベントとしての派手なクリスマスはすっかり息を潜めそうですが、これは世界的に不幸な出来事である大不況が齎した、たった一つの良いことかなと思います。
本来、クリスマスは、太陽神信仰(ミトラ教)の祝祭及び、その影響を受けている古代ローマの大規模祝祭(農耕神であり土星の象徴である神サターンの祝祭)を、キリスト教とキリスト教よりも古代の宗教との教義の融合に積極的だった古代キリスト教グノーシス派が取り入れて、イエス・キリストの降誕祭としての祝祭にしたグノーシス派の行事(実際のイエスの生年月日は不明)です。僕はグノーシス派が好きなので、その点で思いいれがありますね…。
古代キリスト教会はグノーシス派を異端とみなして弾圧し、完膚なきまでにグノーシス派を滅ぼしましたが、グノーシス派の行っていたキリスト教と古代宗教の融合に関しては、利用できることについては積極的に取り入れました。クリスマスはその一つです。クリスマスはグノーシス派の行事として滅ぼされる可能性が十二分にあった訳ですから、教会がクリスマスを滅ぼさずにいてくれて本当に良かったと思いますね…。
クリスマスはグノーシス的に(今ではキリスト教の祝祭なのでキリスト教的に)、皆で聖なる日(イエス・キリストの降誕日)をお祝いしましょうという日ですから、恋人同士が結ばれる日でもなんでもない訳ですね…。クリスマスを生んだグノーシス派が日本のバブル期のホテル予約で一杯のクリスマスなんて見たら大ショックかと…(グノーシス主義は極めてプラトニックでストイック)。日本において「クリスマス=恋のイベント」になったのは、バブル期に広告代理店(電通・博報堂)が「クリスマス=恋のイベント」のように情報を流しまくった結果に過ぎません…。
少し話が脱線しますが、更に細かく見ていくと、クリスマスの最初の起源はグノーシス派のバシレイデスといわれていて(「クリスマスの起源」より)、バシレイデスはグノーシス派のアイオーン(神)である不可知なる神アブラクサスについての教義を残した人ですね…。グノーシス主義とアブラクサスはアニメーション「少女革命ウテナ」のメインモティーフでありますので、ウテナの独特なデザインの数々はクリスマスのイメージを意識しているのかなと思うことがあります。ウテナでの暖色の特徴的な使い方とかそう思いますね…。サンタクロースの赤い服については、近年に入ってコカコーラ社がデザインしたものですが、コカコーラ社のデザインとは関係なく、暖色(赤・オレンジ・黄色など)の配色は神経を刺激して高揚させるため、クリスマスの季節である冬に向いているといわれていますし。色んな観点から見て考察できるのがウテナの面白くていいところですね。
話を戻しますと、「土星とメランコリー」という著書が詳しいですが、クリスマスと密接な関係にあるサターンの祝祭を神秘学や占星術の観点からみると、サターン(土星)は、内省的な知性・気鬱な落ち込み・活動力の低下と内観の重視などの、「メランコリー」(内向的な憂鬱)を司るとされておりまして(キリスト教では七つの大罪の一つ「怠惰」を象徴するとされる)、またルネッサンス期以降は芸術的霊感・インスピレーションを司る象徴ともされています(「ルネサンス精神の深層」より)。
クリスマスの祝祭は、起源的に考えれば、お祝いして落ち込んでいる皆の心を慰めましょう、ということと考えられる側面を持つと思います。
不況のときは、みな生活にゆとりがなく、落ち込む人も多いので(ここ十年でうつ病患者が爆発的に増加しているそうでして、1999年のときの44.1万人から現在は104.1万人に増加したそうです。これは病院でうつ病と診断された患者数なので、実際にはもっと多いと見られています。生活苦が増大原因の要因とされています)、こういうときだからこそ、クリスマスの本来的な意味の一つである、「人々の心を慰める聖祝祭」ということが、見直され、重視されていって欲しいなあと、心から思います…。
参考作品(amazon)
クリスマスの起源
少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録【劇場版】 [DVD]
少女革命ウテナDVD-BOX 前編 (初回限定生産)
少女革命ウテナDVD-BOX 下巻【初回限定生産】
デミアン (新潮文庫)
土星とメランコリー―自然哲学、宗教、芸術の歴史における研究
デューラー『メレンコリア1』―解釈の迷宮 (作品とコンテクスト)
ルネサンス精神の深層 (ちくま学芸文庫)
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先日も書きましたが、本当に寒いですね。寒くて、朝起きると喉が氷のように冷えていて痛みます。僕はダストアレルギーでして、そのため元々肌が弱いのですが、それでも、何にもしていないのにも関わらず、手から血が出てきて驚きました。寒くて肌があかぎれになって血が出たみたいです…。強烈な寒波は今後も続くらしいので、皆さんもお気をつけ下さい…。
もうすぐクリスマスですね…。昨年のリーマン・ショック以来の世界的大不況で、日本の毎年恒例であった恋のイベントとしての派手なクリスマスはすっかり息を潜めそうですが、これは世界的に不幸な出来事である大不況が齎した、たった一つの良いことかなと思います。
本来、クリスマスは、太陽神信仰(ミトラ教)の祝祭及び、その影響を受けている古代ローマの大規模祝祭(農耕神であり土星の象徴である神サターンの祝祭)を、キリスト教とキリスト教よりも古代の宗教との教義の融合に積極的だった古代キリスト教グノーシス派が取り入れて、イエス・キリストの降誕祭としての祝祭にしたグノーシス派の行事(実際のイエスの生年月日は不明)です。僕はグノーシス派が好きなので、その点で思いいれがありますね…。
古代キリスト教会はグノーシス派を異端とみなして弾圧し、完膚なきまでにグノーシス派を滅ぼしましたが、グノーシス派の行っていたキリスト教と古代宗教の融合に関しては、利用できることについては積極的に取り入れました。クリスマスはその一つです。クリスマスはグノーシス派の行事として滅ぼされる可能性が十二分にあった訳ですから、教会がクリスマスを滅ぼさずにいてくれて本当に良かったと思いますね…。
クリスマスはグノーシス的に(今ではキリスト教の祝祭なのでキリスト教的に)、皆で聖なる日(イエス・キリストの降誕日)をお祝いしましょうという日ですから、恋人同士が結ばれる日でもなんでもない訳ですね…。クリスマスを生んだグノーシス派が日本のバブル期のホテル予約で一杯のクリスマスなんて見たら大ショックかと…(グノーシス主義は極めてプラトニックでストイック)。日本において「クリスマス=恋のイベント」になったのは、バブル期に広告代理店(電通・博報堂)が「クリスマス=恋のイベント」のように情報を流しまくった結果に過ぎません…。
少し話が脱線しますが、更に細かく見ていくと、クリスマスの最初の起源はグノーシス派のバシレイデスといわれていて(「クリスマスの起源」より)、バシレイデスはグノーシス派のアイオーン(神)である不可知なる神アブラクサスについての教義を残した人ですね…。グノーシス主義とアブラクサスはアニメーション「少女革命ウテナ」のメインモティーフでありますので、ウテナの独特なデザインの数々はクリスマスのイメージを意識しているのかなと思うことがあります。ウテナでの暖色の特徴的な使い方とかそう思いますね…。サンタクロースの赤い服については、近年に入ってコカコーラ社がデザインしたものですが、コカコーラ社のデザインとは関係なく、暖色(赤・オレンジ・黄色など)の配色は神経を刺激して高揚させるため、クリスマスの季節である冬に向いているといわれていますし。色んな観点から見て考察できるのがウテナの面白くていいところですね。
鳥は卵から出るために戦う。卵は世界である。 生まれようとするものは世界を破壊しなければならない。 鳥は神へと向かって飛ぶ。神の名前は「アブラクサス」という。
(ヘルマン・ヘッセ「デミアン」)
雛は我らだ、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ、世界を革命するために。
(少女革命ウテナ)
話を戻しますと、「土星とメランコリー」という著書が詳しいですが、クリスマスと密接な関係にあるサターンの祝祭を神秘学や占星術の観点からみると、サターン(土星)は、内省的な知性・気鬱な落ち込み・活動力の低下と内観の重視などの、「メランコリー」(内向的な憂鬱)を司るとされておりまして(キリスト教では七つの大罪の一つ「怠惰」を象徴するとされる)、またルネッサンス期以降は芸術的霊感・インスピレーションを司る象徴ともされています(「ルネサンス精神の深層」より)。
クリスマスの祝祭は、起源的に考えれば、お祝いして落ち込んでいる皆の心を慰めましょう、ということと考えられる側面を持つと思います。
不況のときは、みな生活にゆとりがなく、落ち込む人も多いので(ここ十年でうつ病患者が爆発的に増加しているそうでして、1999年のときの44.1万人から現在は104.1万人に増加したそうです。これは病院でうつ病と診断された患者数なので、実際にはもっと多いと見られています。生活苦が増大原因の要因とされています)、こういうときだからこそ、クリスマスの本来的な意味の一つである、「人々の心を慰める聖祝祭」ということが、見直され、重視されていって欲しいなあと、心から思います…。
参考作品(amazon)
クリスマスの起源
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デミアン (新潮文庫)
土星とメランコリー―自然哲学、宗教、芸術の歴史における研究
デューラー『メレンコリア1』―解釈の迷宮 (作品とコンテクスト)
ルネサンス精神の深層 (ちくま学芸文庫)
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