2008年07月04日 18:40

うつとシェイクスピアソネット

シェイクスピア「ソネット集」

シェイクスピアソネット98
春のあいだ、私はきみから離れてすごした。
色鮮やかな四月が晴着を着飾り、
あらゆるものに青春の息吹を吹き込んだので、
陰気なサートゥルヌスさえ、笑い声をあげて、
一緒に踊りまわっていた。だが、鳥の歌を聞いても、
色も香りもとりどりに咲く花々の甘い匂いをかいでも、
私は夏向きの楽しい話を語る気にはならなかったし、
咲き乱れる花床から花をつむ気にもならなかった。
百合の花の白さを愛でることもなく、
薔薇の深い赤らみをほめることもなかった。
これらは芳香を放つもの、要するに君をなぞった
快い模写にすぎない。君が全ての手本なのだ。
ともかく、まだ冬の感じがした。
そして、君がいないから、君の影とたわむれるように、
私はこれらとたわむれた。

うつって、まさにこの君(=僕の解釈としては『感じる魂・心』)
が自分の心身から消えていなくなっちゃうような感じなんですね…。あまりに深く傷つけられた心魂が怯えて隠れてしまう…。心魂というものの繊細さ、大切さをとてつもなく実感しました…。本当に大切なものは、いつも一緒にいるから気が付かなくて、それがいなくなったとき、始めて気が付くんですね…。皆さんも、自らの心魂を大切に優しくしてあげて欲しいです…。

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