2009年07月17日 15:12

フリーゲーム「分裂ガール」クリア。エンディングに激しく衝撃を受けて立ち直れません…。なんというドグラマグラ…。

日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (ドグラ・マグラ)

フリーゲーム「分裂ガール」クリア。エンディングに激しく衝撃を受けて立ち直れません…。凄い陰鬱な破滅的終わり方…。後味が悪いってレベルじゃないですよ…。ゲームやっていてこれほどの衝撃を受けたのは久しぶりですよ…。十数年前、「EVE burst error」をプレイした時以来の悲劇の衝撃ですね…。久々に良い悲劇を味わえ、素晴らしいです…。下記リンクからDLできます。

ベクター「分裂ガール」
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se345075.html

本作は、記憶を失った少女が、精神病院の地下閉鎖病棟から脱出を図るRPG。シナリオは最初から最後まで極めて陰鬱で絶望的なものですが、よく練られているミステリアスなシナリオでして、物語として純粋に面白いです。精神病院の虐待問題がシナリオに大きく絡んできたりして、全般的に夢野久作のドグラマグラ的ですね。また、RPGとしては、独自のこれまた極めて独特な戦闘システムを採用しており、やり応えがあって面白いです。

本作のラスボスの強さは凄まじく、最初にラスボスまで行ったときは三回挑んで三度とも返り討ちにされて、しょうがないのでラスボス手前のセーブデータは破棄して、それより前のセーブデータで主人公を強化しながら回復アイテムを大量に作って、もう一度挑んで、二回目に物凄くギリギリ勝てました。ラスボスの手前でセーブすると詰まる可能性があるので(作中でも注意がでます)、終盤のセーブデータは分散して記録しておいた方がいいです。

そして物凄く苦労して迎えたエンディングが…『ギャァァァァァァァァァ!!』としか言い様のない超絶にダークなエンディングで…衝撃で打ちのめされました…。このゲームのエンディングはもっと話題になっていいと思いますね…。僕はファミコン発売当初からのゲーム好きですが、二十数年ゲームプレイしてきて、これほど衝撃的だったエンディングは他にありません。FINの文字が出たときには心臓が破裂しそうなほどバクバクしていましたよ…衝撃的過ぎる…。ちなみに、本作のエンディングはこれ一つです…。ああ…、もはや本作の主人公と共に『ギャァァァァァァァァァ!!』と叫ぶしかないような、プレイヤーを狂気に陥らせるドグラマグラ的エンディング…。クリアする頃にはブウウウ…………ンンとかプレイヤーにも聴こえてきそうです。

ウィキペディア「ドグラ・マグラ」
『ドグラ・マグラ』は、探偵小説家夢野久作の代表作とされる小説である。構想・執筆に10年以上の歳月をかけて、1935年に刊行された。

その常軌を逸した作風から一代の奇書と評価されている。「ドグラ・マグラ」の原義は、作中では切支丹バテレンの呪術を指す九州地方の方言とされたり、「戸惑う、面食らう」がなまったともされたりしているが、明らかではない。本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす、と称されている。

余談ですが、僕は十代の頃から夢野久作の小説好きで、ドグラ・マグラは特に好きで何度も読みましたが、今現在、鬱病にて精神障害三級でして、向精神薬飲んで暮らしているので、『ドグラマグラを読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす』という項目、当て嵌まっちゃってますね…。閑話休題。

本作の「分裂ガール」というタイトル、オープニングとエンディングから察するに、主人公が真実に狂気に陥って精神分裂病(統合失調症)を発症するということからついているタイトルなんだろうなあと思いますね…最初から最後まで主人公が悲惨すぎる…。ゲームにおける悲惨な主人公ランキングのトップにランクできそうな凄まじい悲惨さです。商業ゲーだと主人公がここまで悲惨で救いのないゲームは出せそうにないかと…。こういう良い意味で尖がった作品がプレイできるのが、同人ゲームの醍醐味だなあと僕は思いますね。

僕はこれまで、ゲームにおける最も悲惨な主人公はスーファミで出た傑作RPG「ダークキングダム」の主人公だと思っていましたが、本作も主人公の悲惨さはダークキングダムの主人公を遥かに凌駕しており驚愕しました。ここまで悲惨な主人公は他に類を見ないかと…。

ダークキングダムの主人公も本作分裂ガールの主人公も本人の意志に反して邪悪な行いに手を染めるという点では同じですが、ダークキングダムの主人公はまだ、『一族郎党の復讐の為に、敢えて邪悪を為す』という大義があるので少し救われている感じですが、本作の主人公は、ダークキングダムの主人公よりも遥かに良心的な普通の女の子という感じで、しかも最後は彼女が信じていたもの全てが虚偽で、罪の意識で精神が崩壊する…。ダークキングダムの主人公よりも遥かに悲惨な終わり方に感じますね…。

ダークキングダムを知らない貴方へ
http://dkass.hp.infoseek.co.jp/syoukai.htm
「ダークキングダム」はSFC用ソフトとして1994年に発売されました。RPGとしては個性的なシステムが特徴で、このゲームはメインフィールドを歩くと急に雑魚モンスターが出たり、レベルアップで魔法や技能を覚えたりはしません。ボタンを連打すれば勝手に終わるような戦闘でもありません。買い物をするより人間の店から奪った方が楽だったりします。また、主人公は魔王軍の兵士であるという設定も希有なものです。その動機は人間を征服したいわけでもなくもちろん平和のためでもありません。彼はただ一族の復讐のためだけに魔王軍に志願します。餓えた老人がいても貧しい子供がいても彼は意に介しません。そんな彼も共に歩み親しんだ仲間達に情を移します。時には自分を持て余し苦悩したりします。そこらの勇者よりずっと人間らしいと思いませんか?

ダークキングダムはやる夫のAA物語シリーズにもなったので(完結)、こちらの方で知っているお方々もいらっしゃるかなと思います。ゲームの展開通りの丁寧な展開なので、ここを読むと物語が分かります。

やる夫が魔王軍に入隊して復讐するようです まとめ やる夫コレクション
http://yaruoanthology.blog22.fc2.com/blog-entry-11.html

ダークキングダムも悲劇的なRPGでしたが、本作「分裂ガール」の悲劇は、ダークキングダムを越えましたね…。僕がこれまでプレイしてきたゲームの中で最も悲劇的なRPGと言えます。ダーク系・悲劇のゲームが好きなお方々は万難を排してでも必ずやるべきRPGです。全ての面でクオリティが抜群に高い、独特のシナリオ展開のRPG、とてもお勧めの作品です。ダーク系・悲劇の展開が好きなお方々、そういった展開でも大丈夫なお方々はぜひプレイどうぞです。

ただ、逆にハッピーエンド至上主義者のお方々はプレイしない方がよろしいかと…。エンディングで主人公が発狂する頃、ハッピーエンド至上主義者のプレイヤーも一緒に発狂してしまうかもしれませんから…。

ベクター「分裂ガール」
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se345075.html

参考作品(amazon)
日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (ドグラ・マグラ)
ダークキングダム
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