2009年07月04日 18:37

映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」〜エヴァ二週目、綾波とラブラブ編〜を見てきました。アスカが…。

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昨日、TVにて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が放映されましたエヴァの映画版第二弾、現在劇場公開中の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきました。普通に面白かったです。TVアニメ版&旧映画版の結末をバッドエンドとして、物語を始めからやり直しているという、普通に二週目展開なパラレルワールドシナリオでして、今回のシンジ君は綾波レイとラブラブハッピーエンドを目指すらしく、綾波とハッピーエンドフラグをビシバシ立てていました。一周目(TVアニメ版・旧映画版)での轍を踏まないように、「私は死んでも変わりがいるもの」(by綾波)を否定して、綾波を自爆させず、「綾波は一人しかいないんだあ!!」(byシンジ)と叫んで綾波をきっちり救出しており、普通にシンジ×綾波のハッピーエンドになりそうな予感です。

ちなみに僕はアスカのファンなんですが…今回、アスカは綾波×シンジや新キャラのマリを引き立てる為のかませ犬と化しており、全アスカファンとともに泣いたという感じです。特にシンジ×綾波のラブロードの為のかませとして活躍という感じで、肝心の戦闘も、弐号機を動かせるだけでなく、アスカも知らない弐号機裏コードでビースト形態にエヴァを変身させて戦える新パイロットキャラのマリに持っていかれていますね…。後半の戦闘見せ場はマリの乗り込んだ弐号機ザ・ビースト形態対使徒です。またチルドレン同士の日常生活のコイバナにおいては完全にシンジ×綾波のかませです。せっかく宮村優子さん(僕はみやむーファンです)が久々にアニメ仕事に完全復活したアスカなのに…この扱いは…。庵野秀明監督はいまだにみやむーの待遇を(以下略)

ちなみに本作の第一の特徴としては、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」と同じく登場キャラクター全員の性格が丸くなっていることが挙げられます。特にエキセントリックだったゲンドウとアスカは別人のように棘が抜けていますね。ゲンドウがみんなで食事会とかTVアニメ版だと考えられませんし。ゲームとか漫画とかであらゆるパラレルワールドを展開されて、ゲンドウも随分と性格が丸くなったようです。アスカもTVアニメ版の「ツンのみの性格」が嘘のように速攻でデレてシンジに食事をご馳走しようとします。まあ、本作のヒロインは綾波であり、完全にかませっぽいんですが…。

本作の第二の特徴として「ヒロインは綾波レイに決定し、綾波の魅力を300%増し」というところが挙げられます。綾波が、何を考えているのか謎の女の子から、普通に可愛い系のいい子な女の子にチェンジしていますね。物凄く普通っぽくなっています。シンジの為にTV版では考えられなかった行動起こしていますし。ゲンドウと同じく、あらゆるパラレルワールドを展開されて、随分と普通の女の子になったようです。本作でシンジ君とちゃくちゃくとラブラブフラグを立てており、普通にシンジ&綾波で、Zガンダム映画版最終章ばりの、ラブラブハッピーエンディングになる予感がします。

見ていて思ったのですが、最近はダークな鬱展開で終わったアニメ作品を映画版でリメイクしてハッピーエンドにするのが流行なのかなと。本作を見た限りだと、Zガンダムの映画版ばりにハッピーエンドの予感がしましたね。シンジ×綾波のハッピーエンドフラグが一杯立てられていました。TVアニメ版&旧映画版との大きな違いとしては、以下のような感じです。

・新パイロットキャラのマリが参入。エヴァの戦闘能力があがる「ビーストモード」が使える。戦力UP。
・三号機にトウジではなく、アスカが搭乗。TV版通り三号機は使徒に乗っ取られ、アスカは精神汚染を受けて退場。ただし、逆に見れば、トウジハッピーフラグ。トウジの妹が本作では元気になって退院して、トウジは妹とハッピーな生活を送っている。
・綾波がTV版より普通の女の子っぽい。シンジのことが好き。シンジも綾波が好き。アスカがかませ化…。
・エヴァが「人間の願いを叶える高エネルギー体」との新たな設定が出てきて、その能力を使い、シンジがTV版だと自爆して死んでしまう綾波を助けることに成功。
・ゲンドウの性格がTVアニメ版に比べると随分と丸くなっている。
・本作はTV版&旧映画版をバッドエンドとして物語を周回してやり直している設定らしく、渚カヲルには以前の記憶(メタ記憶)があるようで、『今度こそ君(シンジ君)を幸せにして見せる』とカヲル君が燃えている。相変わらずシンジ君のことが好きでたまらない模様。
・使徒の精神汚染から復活した海賊アスカ(眼帯アスカ)が次回予告でちょこっとだけでてくる。
・アヤナミーズ(年齢バラバラな綾波のクローン達)が次回予告でちょこっとだけでてくる。

全体的に、明るめのパラレルエヴァ作品を意識した、ハッピーエンドにする気がまんまんとしか思えない展開ですね。トウジがハッピーになっている(エヴァ参号機に乗らない&妹が完全回復)のと、綾波の「私が死んでも代わりがいるもの」をシンジ君がはっきり否定して、綾波を助け出すのを見て、これは間違いなくハッピーエンドエヴァだと直感しました。本作はハッピーエンド伏線だらけで(TV版にて途中で自爆して死んでしまう綾波や、参号機に乗って足を失うTV版トウジのような取り返しのつかないレベルで不幸なキャラがいない)この展開から鬱展開にする方が大変な感じです。

個人的には、TV版後半のダークな展開も好きなので、もうちょっと展開に黒い要素があってもいいかなとも思いますが、TV版&旧映画版でダーク展開はやり尽くしたので、今回の新映画版はハッピー展開にするという感じでしょうか。この展開だと、渚カヲル君&弐号機対シンジ君&初号機の「僕の気持ちを裏切ったな!」バトルみたいなダークな名場面が出てこなさそうな感じがするのは少し残念ですが…。例えば、このバトルシーンで第九が流れたのは、アニメ史上に残る名BGMクラシックだと思っております。一クラシックファンとして、今回の映画においてはクラシックがBGMとして全然使われていなかったのはちょっと残念ですね。TV版&旧映画版エヴァはクラシックをBGMとして使うのがとても上手いアニメでしたので…。

(新世紀エヴァンゲリオンは)アニメ映画としては異例な程に、この「第九」の部分が長く使われています。それというのもこの「第九」の合唱部分のシラーによる詩の意味に、映画の内容との深い結びつきが考えられるからではないかと思われます。場面としては、人類が侵略者(使徒)に対抗するために作った組織(ネルフ)の本部基地内(セントラルドグマ)に、入れる筈のない使徒(渚カヲルという人型の使徒)が侵入し、その後を追って主人公の一人である碇シンジが彼の操縦するエヴァンゲリオン初号機にのりこみ、これを捕捉殲滅させるという部分で全面的に使われているのがこの曲です。
(「シネマクラシックス97」より)

第九とシーンが合わせてあるというのはそのままですね。TV版放映当初から指摘されていました。確かマヤの台詞だったと思いますが、「ヘブンズドアが開いていきます!」が第九の『und der Cherub steht vor Gott!』ですね。他にも旧映画版エヴァだとシンジ君はチェロ弾きで、チェロの名曲「バッハ:無伴奏チェロ組曲第一番」や「ドヴォルザーク:チェロ協奏曲op104」が使われるのはクラシックファンとして感涙でした。他にも有名どころクラシックBGMでは「バッハ:無伴奏パルティータ」や「パッヘンベルのカノン」なども使われています(エヴァのクラシックについては「エヴァンゲリオン交響楽」が詳しい)。次回作以降ではクラシックを上手にBGMに使ってくれるとエヴァファンであり同時に一クラシックファンである僕としては嬉しいなあと思います。

ちなみに本作の最大の見せ場、使徒に取り込まれ心を閉じかけた綾波をシンジ君が精神世界で彼女に感応して救い出す展開、これって「不思議の海のナディア」でブルーウォーターに取り込まれたナディアをジャンが救い出すシーンのセルフパロディですね。庵野秀明監督は映像の中にパロディシーンを鬼のように詰め込むことで知られますが、ついには自作のパロディまで最大の見せ場でやるとは遊んでいるなあという感じです。エヴァのTV版のときは相当せっつまっていた感じですが、今回の映画版はかなり余裕を持って作っている感じで、この調子ならクオリティが下がるということは無さそうで安心です。次回作、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」も期待します。

後、これは映画本体とは直接は関係ないのですが、僕が映画に行った時、普通に劇場内満員でしたが、思ったより女性が多くてビックリしました。観客の半数ぐらいは女性でしたね。僕の隣も腐っている感じがしないでもない女性グループでしたし。エヴァって女性に根強い人気があるんだなあと改めて感じました。女性ファンは一度ファンになると、男性ファンのように目移りせず、ずっとそのコンテンツのファンでいてくれるという話がありますが、信憑性を感じましたね…。本作はシンジ×綾波のラブラブ映画として見ることが可能なので、カップルにもお勧めの映画と言えると思います。

最後に、新映画版エヴァ、次回作以降は、もう少し、アスカの扱いをよくしてくれるといいなあと思います。綾波やマリに比べて、本作のアスカはかませ過ぎます…。この展開で行くと、シンジ×綾波でラブラブして普通にハッピーエンドで、アスカは新キャラのマリに戦闘での見せ場すら取られたまま、シンジ×綾波のラブを引き立てるかませキャラとして終わってしまう予感が…。次回作以降で海賊アスカが活躍する展開を期待します。

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