2009年06月28日 12:38

本日、手塚治虫「MW/ムウ」原作のTVドラマがやるのですね。あまりTV向けとは思えませんが、原作は好きです。

MW(ムウ) (1) (小学館文庫)
MW(ムウ) (2) (小学館文庫)

本日、手塚治虫の描いたピカレスク・ロマン「MW/ムウ」を原作としたTVドラマがやるのですね。原作の「MW/ムウ」はとても好きな作品なのですが、TVドラマ向けとは思えないですね…。原作は人間社会の様々な禁忌を侵犯することに快楽を覚える愉快犯の殺人鬼、結城美知夫と、美知夫に振り回される狂言回しの賀来巌の物語です。

先日のエントリにも書きましたとおり、虚構の物語に難癖をつけてきて、『道徳的配慮(イデオロギー)』の観点から作品を貶したり持ち上げたりするPTAなどの各種イデオロギー団体からの抗議やおべっかにうんざりしていた手塚が、一切の道徳観念を放棄して、マルキ・ド・サド的に放埓に物語を紡いだ作品です。『世俗の建前にうんざりしている大人向け』の作品であって、それこそ、一般大衆=PTA的思考で動いているTV向けの作品とは思えないところがありますね。

原作の醍醐味は、愛とか人情とか平和とか、TVドラマが金科玉条のように掲げている価値観を主人公の結城美知夫が嘲笑してそれら一切の価値観を破壊しているところにあり、この痛快な部分が、いかにも建前的、PTA的な道徳的配慮の塊であるTVドラマ化すると失われてしまうのではないかと危惧しますね。ただ、まだ未放映ですからどうなるかわかりませんが、原作のアナーキーなテイストはきちんと再現していて欲しいなと思います。

参考作品(amazon)
MW(ムウ) (1) (小学館文庫)
MW(ムウ) (2) (小学館文庫)
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