2009年05月29日 19:50

映画THE SOLOIST(邦題「路上のソリスト」)が明日から公開されます。お金なくて観に行けません…。ドボコンとメンコン。

メンデルスゾーン/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲集(メニューイン)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(ジャクリーヌ・デュ・プレ)
路上のソリスト

映画THE SOLOIST(邦題「路上のソリスト」)が明日から公開されます。興味を惹くテーマ(ノンフィクション。統合失調症のチェリストの社会復帰がテーマ)にて観に行きたいのですが、お金がなくて観に行けません…。

THE SOLOIST(邦題「路上のソリスト」)公式サイト
http://rojyo-soloist.jp/


統合失調症により音楽世界からリタイアした元天才音楽家のホームレス、ナサニエル・アンソニー・エアーズが周囲の援助により社会復帰するというノンフィクション映画だそうでして、『それなんて「シャイン」?』という感もなきにしもあらずですが(映画「シャイン」は既に視聴しております)、音楽界と精神医学界両方に興味がある僕としては、ぜひ観に行きたい映画でして、お金なくて観に行けないのは残念です。

ウィキペディア「シャイン」
シャイン(Shine)は1996年公開のオーストラリア映画。監督はスコット・ヒックスで、脚本はジャン・サーディ。実在のピアニストであるデイヴィッド・ヘルフゴットを演じた主演のジェフリー・ラッシュは第69回アカデミー賞主演男優賞をはじめ多数の映画賞を受賞した。

ウィキペディア「デイヴィッド・ヘルフゴット」
デイヴィッド・ヘルフゴット(David Helfgott、1947年5月19日 - )はオーストラリアのピアニスト。ピアノ演奏に関して認識機能障害(統合失調症)に陥ったことで有名で、アカデミー賞を獲得したスコット・ヒックス監督のオーストラリア映画『シャイン』のモデルとなった。ユダヤ系ポーランド人移民の両親のもとにメルボルンに生まれる。ピアノ以外では猫、チェス、哲学、テニス、水泳に興味をもっている。6歳で父親にピアノを手ほどきを受けた後、(ピアノの)神童として知られるようになる。(中略)19歳のとき奨学金を得て、3年間ロンドンの王立音楽大学に留学し、シリル・スミスに師事。

ロンドン時代に明らかなノイローゼの症候が現れ始める。オーストラリアの医師クリス・レノルズが語ったところによると、不安神経症であったという。1970年に帰国し、パースに戻り、最初の夫人クレアと1971年に結婚。オーストラリア放送協会の演奏会にたびたび参加する。結婚生活が破れた後に、パースの精神病棟グレイランズに収容される。それから10年以上にわたって、向精神薬や電気痙攣療法といった精神療法を受ける。

1984年より数年間、パースのワインバー「リッカルドス」にて演奏を続けるうち、占星術師ジリアン・マレーと出逢い、再婚。1980年代から1990年代にかけて、国内だけでなくヨーロッパでも演奏活動を続ける。1994年にロシアで演奏を行い、1997年にはワールド・ツアーを敢行したが、評価は芳しくなかった。1995年には、一部に熱烈な愛好家をもつ指揮者ミラン・ホルヴァートとの共演により、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》をライヴで、《ピアノ・ソナタ第2番》といくつかの前奏曲をスタジオで録音しているが、特に独奏曲において技巧面での弱さが著しい。現在はニュー・サウスウェールズ州ハッピー・ヴァリーにジリアン夫人と暮らし、自宅「ヘヴン」にて演奏会を続けている。

ちなみに映画「シャイン」の場合は、映画に登場するヘルフゴットの父親ピーターが酷く邪悪な行為を繰り返す専制君主的父親(ピーターには父及びナチスから虐待されたトラウマがあり、強迫観念的に虐待を次代に繰り返している父親として描かれている。この点ではナチスを描いたコミック「マウス」の父親と状態を同じくしている)として描かれております。映画のなかにおいては、父親による度重なるダブルバインド行為によりヘルフゴットの統合失調症が発症したということが簡潔に語られてしまうのですが、こんなにあっさりとした分かりやすい外部的理由付けで統合失調症が発症するのかなという疑問点があったことは否めません。父親ピーターは亡くなっておりますので、既に本映画に反論不可能です…。

後、ラフマニノフのピアノ協奏曲は、以前下記エントリで少し触れましたが、「シャイン」のメインテーマである第三番より第二番の方がピアノ曲として傑作と思いますので、ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番に興味を持ったお方はぜひ第二番も聴いて欲しいなと思います。

「図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語」読了。図書館ノンフィクションでした。音楽について。スクリャービンのピアノ・ソナタが1400円で売っていて吃驚しました。「アシュケナージ、ラフマニノフピアノ協奏曲第三番を語る」
http://nekodayo.livedoor.biz/archives/845982.html


映画「シャイン」では、如何にも几帳面でノイローゼを患ってしまいそうな感じに描かれる主人公のピアニスト、ヘルフゴットとピアノ(鍵盤楽器)がとても合っていましたが、今回は統合失調症のチェリスト、ナサニエル・アンソニー・エアーズ(ホームレスになっていましたが本映画で描かれる周囲の支援により社会復帰しました)が主役であり、チェロ(弦楽器)と精神の病というのがどのように描かれるか興味がありますね…。

どのようなチェロ曲が使われるのかも興味深いです。僕はドボコンとか好きなんですが、演奏されていたら嬉しいですね…。

ウィキペディア「チェロ協奏曲 (ドヴォルザーク)」
ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調 作品104、B.191は、1894年から95年にかけて作曲されたチェロ協奏曲。交響曲第9番「新世界より」や弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」と並ぶドヴォルザークの代表作の一つであり、一部の音楽愛好家には「ドヴォルザークのコンチェルト(協奏曲)」を短縮した「ドボコン」の愛称で親しまれている。ドヴォルザークにはこの作品の他にもピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲が存在するが、その認知度には大きな差があり、「ドボコン」の愛称は一義にこの作品を指す。チェロ協奏曲の中で最も有名な作品の一つで、チェロ奏者にとって最も重要なレパートリーである。(中略)

協奏曲には異例な程オーケストラが活躍する曲であり、特に木管楽器のソロは素晴らしい。さらには、主題操作の妙や確かな構成と、協奏曲に求められる大衆性と芸術性を高度に融合させた傑作である。

この作品を知ったブラームスは「人の手がこのような協奏曲を書きうることに、なぜ気づかなかったのだろう。気づいていれば、とっくに自分が書いただろうに」と嘆息したと伝えられる。

ドボコンは三大チェロ協奏曲が挙げられるとき、必ずランクインする名曲ですね…。三大チェロのほかの二つは、シューマンとハイドンが挙げられます。ドボコンは三大ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン、ベートーヴェン、ブラームス。チャイコフスキーを+して四大になります)におけるメンコン(メンデルスゾーンのホ短調)に匹敵する名曲と思います。TV番組のBGMやフィギュアスケートで使われるヴァイオリン協奏曲メンコンに比べるとドボコンはあまり知名度がありませんが…。

ウィキペディア「ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン)」
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64(Violinkonzert e-moll op.64)は、1844年に作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。穏やかな情緒とバランスのとれた形式、そして何より美しい旋律で、メンデルスゾーンのみならずドイツ・ロマン派音楽を代表する名作であり、本作品は、ベートーヴェンの作品61、ブラームスの作品77と並んで『3大ヴァイオリン協奏曲』と称される名曲である。(中略)

メンデルスゾーンが作曲した協奏曲諸作をも知名度においてはるかに凌駕しており、単に「メンデルスゾーンのコンチェルト(協奏曲)」と呼んで、他の協奏曲を指すことはほとんどないため、音楽愛好家はこれを短縮した、『メン・コン』の愛称で本作品を呼び習わしている。(中略)

フィギュアスケーター安藤美姫の2006-2007シーズンFS使用曲であり、この曲で2007年世界選手権女王になった。

ドボコンよりメンコンの方が一聴したときの印象が派手なので(ドボコンは全般的にタメがあり、「前→後」の順に盛り上がってきますが、メンコンは常に盛り上がっています)、両方とも僕の好きな曲でよく聴きますが、聴いていると、「ドボコンよりメンコンの方がメジャーなことを考えると、聴衆に訴える為には曲全体を通した派手さが重要なのかな…」と感じたりします。この二曲については、メンコンは1952年録音のフルトヴェングラー&メニューインがとてつもない神演奏にて、僕の聴いた限りでは圧倒的に代表格にてお勧めです。ドボコンは、こちらもジャクリーヌ・デュ・プレのとてつもない神演奏があります。こちらの指揮者はデュ・プレの旦那さんのダニエル・バレンボイムです。この二枚はぜひご一聴をお勧めするクラシックの名盤と思います。お勧めです。

映画の話から、いつのまにかドボコンとメンコンの話になってしまいましたが、映画もいつか、機会があれば、見れたらいいなと思います…。

参考作品(asmazon)
メンデルスゾーン/ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲集(メニューイン)(1951-1952)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(ジャクリーヌ・デュ・プレ)
路上のソリスト
映画「路上のソリスト」オリジナル・サウンドトラック
シャイン [DVD]
シャイン[音楽アルバム]
4大ヴァイオリン協奏曲集
シューマン:チェロ協奏曲(ジャクリーヌ・デュ・プレ)
ハイドン・ボッケリーニ:チェロ協奏曲(ヨーヨー・マ)
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