2009年05月07日 21:27
貧困による文化と命の没落。ルイジ・ノーノ「力と光の波のように」、ビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」
ノーノ:力と光の波のように
ドイツ伝統の響き シリーズ3 ヘルベルト・ケーゲルの芸術 ノーノ:力と光の波のように (CCCD) (SACD-Hybrid)
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
先日より風邪気味だったのですが、今日、普段、amazonギフト券から購入させて頂いている食料が尽きてしまい、ギフト券で食料注文させて頂いたのですが、届くまで数日かかるので、お腹が空いてどうしようもなかったので、雨の中食べ物を探しに外へ出かけました。パン屋さんにパンの耳とか無料の食べ物あるかなと思ったのですが、本日はなく、マクドナルドで百円バーガーを一個買って帰ろうと思い、百円でハンバーガーを一個注文しました。
それで、外が雨が降っていて、財布以外手ぶらだったので、普段は、マクドナルドで百円の食べ物(僕はうつ病・失業になる前から低収入で百円の食べ物以外手を出さないです)を買ったとき、紙袋のまま持ちかえりにして、家で水飲みながら食べる(ドリンク代を払えるほどお金が昔も今もなく、特に今現在は危急的生活費困難です)ようにしておりました。
ただ、本日は雨が降っていたので、傘は持っていましたが、雨の中、紙袋を手に提げて歩いたら紙袋が濡れてなかのハンバーガーも濡れてしまうと思い、「ビニール袋頂いていいでしょうか」と店員さんに聞きましたら、「ビニール袋は廃止されました」というお返事で、紙袋で渡され、昔はマクドナルドで持ち帰るとき、ビニール袋は普通に貰えたので、マクドナルドも不況でコスト削減していて、せちがらくなったんだなあと思い、とぼとぼと紙袋を提げて帰りました。
持ち帰り時のビニール袋のサービスが無くなったことは、普段、ポケットにビニール袋を入れて持ち歩いていれば、雨でも困らないですから、たいした問題ではないのですが、これは始まりの一端であって、これからいろんなところで日本は貧しくなっていって、これまでに比べ様々にせちがらく不便になっていく、それは日本中の人々の人心にも影響する、日本は貧しくなりこれまでよりギスギスした社会になっていくだろうなと感じて、酷く暗い気持ちになりました。
昨日、衛星第一の海外ニュース(CNNだったと思います)で、アメリカで、新興飛行機会社「スピリット」が急速に顧客を伸ばしており、逆に今までの大手飛行機会社がのきなみ業績不振に陥っている特集をしておりました。
「スピリット」とは、一言で言えば「貧乏人専用飛行機会社」でして、旅行運賃が通常の飛行機会社に比べ半分から三分の一というとんでもない安さの代わり、あらゆるサービスが削減されており、飛行機に乗っても、スチュワーデスのサービス(飲み物や気分が悪くなった人への応対等)は全て高額な有料オプションで、また、もしも飛行機に何らかの事情で乗れなかった場合は高額な違約金を払わねばならない等、アメリカの政府機関から様々な問題を指摘されている飛行機会社です。
「スピリット」は、ぶっちゃけ、貨物飛行機に安い座席を取りつけて乗客入れて飛ばしているだけ(スピリットの飛行機客席はエコノミークラスより質の悪い座席があるだけで、テレビもリクライニングシートも何もない空間です)なのですが、アメリカの人々が貧しくなって、結局、スピリットのような飛行機に乗るしかないという報道をしておりました。
貧乏人専用飛行機会社スピリットのお客さんは不景気により増加しているそうですが、徹底したコスト削減により乗り心地が悪く(一例として、スピリットの中は会社のオフィス含め何もかもが暗いというのを取り上げていました。コスト削減のためにスピリットでは電球の数を減らして電力費を強制的に削減しているそうです。クレームの多さも他の飛行機会社に比べるとダントツに多く、政府から指導を受けているそうです)、けれど、貧しい人、移動費用のない人には選択の余地なく「スピリット」の飛行機に乗るしかないという状態のようです。
実際にスピリットに乗った乗客二人にインタビューしていましたが、一人は壮年のおじさんで、「史上最悪のフライトサービスだった。スピリットとは悪霊のことじゃないかね」と怒っており、もう一人はおばあさんで、「家族のところに安い運賃、150ドルで行けました。他の会社だったら600ドルはかかります」と、スピリットの低運賃を喜んでいました。
アメリカがこの状態(アメリカの人々の貧困化が進み、低運賃低サービスが売り物の貧乏人専用飛行機会社が人気)では、『アメリカ経済が風邪を引いたら日本経済は肺炎になる』ところの日本の未来はアメリカ以上に更に暗く、これからどんどん日本は凋落して貧しくなり、僕みたいな貧困層は今後の日本社会で生き残れない可能性は極めて高いと思い、暗澹たる気持ちになりました。
そして、本日、マクドナルドで実際に低価格に適した低サービス化が進んでいるのを体験し、ますます、日本全体がせちがらく、ギスギスして、僕みたいな今現在貧困状況にいる人間の生存できる確率は低下するだろうなと感じて、今、非常に暗い気持ちです。
一昨日の早朝だったと思うのですが、チャンネルを忘れて申し訳ないのですが、民放にて、アーティストにして大富豪の資産家である村上隆氏と、「ヤッターマン」の映画監督が対談しており、村上隆氏が、日本のオタク文化に触れて、「日本でオタク文化が隆盛したのは、海外社会と違って、社会が経済的にフラットだから。海外の場合は階級格差社会で、階級によって文化が固定されている。日本は経済的にフラット(一億総中流)だったから、なんでもありのオタク文化が創造できた」と述べておりましたが、これは婉曲に、日本が階級格差社会になればオタク文化も崩壊するということを述べており、僕はこれは村上隆氏の言うとおりだと思いました。
階級格差社会、つまり簡単に言えば、一握りの大金持ちと大多数の貧困層で構成される資本主義社会においては、文化は衰弱します。大金持ちの総所得における可処分所得比(自分の占める資産の中で消費に回す費用)と、中間層〜貧困層の総所得における可処分所得比は、後者の方が資本主義社会においては高くなるからです。
つまり、数百年前の絶対王政のような社会では、例えば、大金持ち(王様)が一日一千億の収入を得ていて、文化に一日百億円(一割)使って、貧乏人は一日千円の収入を得ていて、文化に百円(一割)を使うとします。これはあくまで例えなので簡単な比率にしますが、その社会が大金持ち一人、貧乏人一千万人で構成されているとして、総額で文化に使われるお金(文化消費に回されるお金)は、一日あたり百十億円です。
これが、王様がおらず、一千万人の社会の人全員(中産階級)が一日一万円を得ていて、千円(一割)を文化に使っている場合、総額で文化に使われるお金は一日あたり百億円です。村上隆さんは今までの日本はこういう社会(経済的にフラットな社会)だと述べている訳ですね。
村上隆さんのいう、階級格差社会(経済的な格差の大きな資本主義社会)の場合は、資本主義社会では基本的に金持ち(村上隆さんのような大金持ちの資本家)は金を利益を生む形でしか使わない(利益にならない個人の嗜好としての文化などには投資しない)ゆえに、先の人口比率(大金持ち一人、貧乏人一千万人)で言うと、一人の大金持ち(寡占資本家)が一日一千億の収入を得ていて、文化などに一日一億円(一厘、0.1%)使い、残りの貧乏人が一日千円の収入を得ていて、文化に一日百円(一割)使うとして、総額で文化に使われるお金は一日あたり十一億円です。こういった社会では文化が衰退するのは自明の理です。
格差が極度に広がった自由資本主義体制下の階級格差社会(中産階級が没落した社会)が最も需要も供給も少ない貧しい社会になること、そういった社会では一握りの寡占資本家に富が集中し、昔の王政などと違い、富を持つ者が無償再分配を決して行わないため、一握りの富者以外の皆がどんどん貧しくなる社会になるというのは昔から指摘されておりますが、今の日本はその方向(極度に格差が開き固定された階級格差社会)に向けて驀進しており、絶望的です。アメリカですら方針転換しているのに、現日本国政府は、ただひたすら貧しい人々を苦しめ、貧困層を蔑ろにして増大させる政策を採り続けています。
今日は、世の中、せちがらくなっていることをマクドナルドで実感して、こういった世の中では、貧困層は生き残れそうにないという思いが強く、ずっと先に書いたことを考えていて酷く暗い気分です。明日の食費にも事欠くような状態で、深く暗い気持ちで辛いです。これからの日本を思うと、非常に悲しいです。格差は広がり、僕だけではなく、貧困層の大勢の人々の生命は蔑ろにされてゆくと思います。日本のレクイエムが聴こえるような気持ちで、胸が痛く悲しいです。
最後に、左翼の現代音楽家ルイジ・ノーノ、彼が友人の指揮者クラウディオ・アバドやヴァイオリニストギドン・クレーメル(二人ともノーノの友人であり、音楽の天才かつ文才も合わせ持つクレーメルは彼が逝去した時に弔文を書きました。僕は読みましたが、クレーメルの思いが伝わってくる感動的な文章です)と共演して歌った曲の中でも、彼の最も優れた曲をご紹介致します。自由のない生活、貧しさに苦しむ人々を救おうと戦った若き友人ルチアーノ(チリの左翼革命家)の早すぎる死を悼んで捧げた曲「力と光の波のように」です。最終章の歌詞を引用してご紹介致します。
amazonでノーノで検索して気付いたのですが、僕の見た映画のなかで、マイ・ベスト映画「ミツバチのささやき」がDVDBOXとして出ています。この映画は長年日本盤が絶盤状態で悲しく思っていました。再盤されるのはとても喜ばしいことです。この映画を見ると、ノーノが何と戦っていたのかも、見えてくるものがあると思います。とても良い映画です。僕がこれまで見た映画のなかで、「裁かるゝジャンヌ」と並んで一番最高の映画です。未視聴のお方々はどうかぜひご視聴を心から全力でお勧め致します。この映画「ミツバチのささやき」に巡り合えたことを「裁かるゝジャンヌ」とともに、僕は天に感謝致します。素晴らしい最高の映画です。
今日は僕が映画史上で最高峰であると感じる映画「裁かるゝジャンヌ」を観ました。真に信じる、真に愛することについて。
http://nekodayo.livedoor.biz/archives/253582.html
参考作品(amazon)
ノーノ:力と光の波のように
ドイツ伝統の響き シリーズ3 ヘルベルト・ケーゲルの芸術 ノーノ:力と光の波のように (CCCD) (SACD-Hybrid)
ルイジ・ノーノ;断章 他 [Import from France] (Luigi Nono: Fragmente; Hay que caminar)
ノーノ:断ちきられた歌
ノーノ:作品集
音楽ドキュメンタリー《海の航跡》 ルイジ・ノーノの芸術 [DVD]
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
裁かるゝジャンヌ クリティカル・エディション [DVD]
amazonトップページ
ドイツ伝統の響き シリーズ3 ヘルベルト・ケーゲルの芸術 ノーノ:力と光の波のように (CCCD) (SACD-Hybrid)
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
先日より風邪気味だったのですが、今日、普段、amazonギフト券から購入させて頂いている食料が尽きてしまい、ギフト券で食料注文させて頂いたのですが、届くまで数日かかるので、お腹が空いてどうしようもなかったので、雨の中食べ物を探しに外へ出かけました。パン屋さんにパンの耳とか無料の食べ物あるかなと思ったのですが、本日はなく、マクドナルドで百円バーガーを一個買って帰ろうと思い、百円でハンバーガーを一個注文しました。
それで、外が雨が降っていて、財布以外手ぶらだったので、普段は、マクドナルドで百円の食べ物(僕はうつ病・失業になる前から低収入で百円の食べ物以外手を出さないです)を買ったとき、紙袋のまま持ちかえりにして、家で水飲みながら食べる(ドリンク代を払えるほどお金が昔も今もなく、特に今現在は危急的生活費困難です)ようにしておりました。
ただ、本日は雨が降っていたので、傘は持っていましたが、雨の中、紙袋を手に提げて歩いたら紙袋が濡れてなかのハンバーガーも濡れてしまうと思い、「ビニール袋頂いていいでしょうか」と店員さんに聞きましたら、「ビニール袋は廃止されました」というお返事で、紙袋で渡され、昔はマクドナルドで持ち帰るとき、ビニール袋は普通に貰えたので、マクドナルドも不況でコスト削減していて、せちがらくなったんだなあと思い、とぼとぼと紙袋を提げて帰りました。
持ち帰り時のビニール袋のサービスが無くなったことは、普段、ポケットにビニール袋を入れて持ち歩いていれば、雨でも困らないですから、たいした問題ではないのですが、これは始まりの一端であって、これからいろんなところで日本は貧しくなっていって、これまでに比べ様々にせちがらく不便になっていく、それは日本中の人々の人心にも影響する、日本は貧しくなりこれまでよりギスギスした社会になっていくだろうなと感じて、酷く暗い気持ちになりました。
昨日、衛星第一の海外ニュース(CNNだったと思います)で、アメリカで、新興飛行機会社「スピリット」が急速に顧客を伸ばしており、逆に今までの大手飛行機会社がのきなみ業績不振に陥っている特集をしておりました。
「スピリット」とは、一言で言えば「貧乏人専用飛行機会社」でして、旅行運賃が通常の飛行機会社に比べ半分から三分の一というとんでもない安さの代わり、あらゆるサービスが削減されており、飛行機に乗っても、スチュワーデスのサービス(飲み物や気分が悪くなった人への応対等)は全て高額な有料オプションで、また、もしも飛行機に何らかの事情で乗れなかった場合は高額な違約金を払わねばならない等、アメリカの政府機関から様々な問題を指摘されている飛行機会社です。
「スピリット」は、ぶっちゃけ、貨物飛行機に安い座席を取りつけて乗客入れて飛ばしているだけ(スピリットの飛行機客席はエコノミークラスより質の悪い座席があるだけで、テレビもリクライニングシートも何もない空間です)なのですが、アメリカの人々が貧しくなって、結局、スピリットのような飛行機に乗るしかないという報道をしておりました。
貧乏人専用飛行機会社スピリットのお客さんは不景気により増加しているそうですが、徹底したコスト削減により乗り心地が悪く(一例として、スピリットの中は会社のオフィス含め何もかもが暗いというのを取り上げていました。コスト削減のためにスピリットでは電球の数を減らして電力費を強制的に削減しているそうです。クレームの多さも他の飛行機会社に比べるとダントツに多く、政府から指導を受けているそうです)、けれど、貧しい人、移動費用のない人には選択の余地なく「スピリット」の飛行機に乗るしかないという状態のようです。
実際にスピリットに乗った乗客二人にインタビューしていましたが、一人は壮年のおじさんで、「史上最悪のフライトサービスだった。スピリットとは悪霊のことじゃないかね」と怒っており、もう一人はおばあさんで、「家族のところに安い運賃、150ドルで行けました。他の会社だったら600ドルはかかります」と、スピリットの低運賃を喜んでいました。
アメリカがこの状態(アメリカの人々の貧困化が進み、低運賃低サービスが売り物の貧乏人専用飛行機会社が人気)では、『アメリカ経済が風邪を引いたら日本経済は肺炎になる』ところの日本の未来はアメリカ以上に更に暗く、これからどんどん日本は凋落して貧しくなり、僕みたいな貧困層は今後の日本社会で生き残れない可能性は極めて高いと思い、暗澹たる気持ちになりました。
そして、本日、マクドナルドで実際に低価格に適した低サービス化が進んでいるのを体験し、ますます、日本全体がせちがらく、ギスギスして、僕みたいな今現在貧困状況にいる人間の生存できる確率は低下するだろうなと感じて、今、非常に暗い気持ちです。
一昨日の早朝だったと思うのですが、チャンネルを忘れて申し訳ないのですが、民放にて、アーティストにして大富豪の資産家である村上隆氏と、「ヤッターマン」の映画監督が対談しており、村上隆氏が、日本のオタク文化に触れて、「日本でオタク文化が隆盛したのは、海外社会と違って、社会が経済的にフラットだから。海外の場合は階級格差社会で、階級によって文化が固定されている。日本は経済的にフラット(一億総中流)だったから、なんでもありのオタク文化が創造できた」と述べておりましたが、これは婉曲に、日本が階級格差社会になればオタク文化も崩壊するということを述べており、僕はこれは村上隆氏の言うとおりだと思いました。
階級格差社会、つまり簡単に言えば、一握りの大金持ちと大多数の貧困層で構成される資本主義社会においては、文化は衰弱します。大金持ちの総所得における可処分所得比(自分の占める資産の中で消費に回す費用)と、中間層〜貧困層の総所得における可処分所得比は、後者の方が資本主義社会においては高くなるからです。
つまり、数百年前の絶対王政のような社会では、例えば、大金持ち(王様)が一日一千億の収入を得ていて、文化に一日百億円(一割)使って、貧乏人は一日千円の収入を得ていて、文化に百円(一割)を使うとします。これはあくまで例えなので簡単な比率にしますが、その社会が大金持ち一人、貧乏人一千万人で構成されているとして、総額で文化に使われるお金(文化消費に回されるお金)は、一日あたり百十億円です。
これが、王様がおらず、一千万人の社会の人全員(中産階級)が一日一万円を得ていて、千円(一割)を文化に使っている場合、総額で文化に使われるお金は一日あたり百億円です。村上隆さんは今までの日本はこういう社会(経済的にフラットな社会)だと述べている訳ですね。
村上隆さんのいう、階級格差社会(経済的な格差の大きな資本主義社会)の場合は、資本主義社会では基本的に金持ち(村上隆さんのような大金持ちの資本家)は金を利益を生む形でしか使わない(利益にならない個人の嗜好としての文化などには投資しない)ゆえに、先の人口比率(大金持ち一人、貧乏人一千万人)で言うと、一人の大金持ち(寡占資本家)が一日一千億の収入を得ていて、文化などに一日一億円(一厘、0.1%)使い、残りの貧乏人が一日千円の収入を得ていて、文化に一日百円(一割)使うとして、総額で文化に使われるお金は一日あたり十一億円です。こういった社会では文化が衰退するのは自明の理です。
格差が極度に広がった自由資本主義体制下の階級格差社会(中産階級が没落した社会)が最も需要も供給も少ない貧しい社会になること、そういった社会では一握りの寡占資本家に富が集中し、昔の王政などと違い、富を持つ者が無償再分配を決して行わないため、一握りの富者以外の皆がどんどん貧しくなる社会になるというのは昔から指摘されておりますが、今の日本はその方向(極度に格差が開き固定された階級格差社会)に向けて驀進しており、絶望的です。アメリカですら方針転換しているのに、現日本国政府は、ただひたすら貧しい人々を苦しめ、貧困層を蔑ろにして増大させる政策を採り続けています。
今日は、世の中、せちがらくなっていることをマクドナルドで実感して、こういった世の中では、貧困層は生き残れそうにないという思いが強く、ずっと先に書いたことを考えていて酷く暗い気分です。明日の食費にも事欠くような状態で、深く暗い気持ちで辛いです。これからの日本を思うと、非常に悲しいです。格差は広がり、僕だけではなく、貧困層の大勢の人々の生命は蔑ろにされてゆくと思います。日本のレクイエムが聴こえるような気持ちで、胸が痛く悲しいです。
最後に、左翼の現代音楽家ルイジ・ノーノ、彼が友人の指揮者クラウディオ・アバドやヴァイオリニストギドン・クレーメル(二人ともノーノの友人であり、音楽の天才かつ文才も合わせ持つクレーメルは彼が逝去した時に弔文を書きました。僕は読みましたが、クレーメルの思いが伝わってくる感動的な文章です)と共演して歌った曲の中でも、彼の最も優れた曲をご紹介致します。自由のない生活、貧しさに苦しむ人々を救おうと戦った若き友人ルチアーノ(チリの左翼革命家)の早すぎる死を悼んで捧げた曲「力と光の波のように」です。最終章の歌詞を引用してご紹介致します。
子供たちの声 響きあう 若き君の青春に 捧げる 優しき弔鐘として。
(ルイジ・ノーノ「力と光の波のように」)
amazonでノーノで検索して気付いたのですが、僕の見た映画のなかで、マイ・ベスト映画「ミツバチのささやき」がDVDBOXとして出ています。この映画は長年日本盤が絶盤状態で悲しく思っていました。再盤されるのはとても喜ばしいことです。この映画を見ると、ノーノが何と戦っていたのかも、見えてくるものがあると思います。とても良い映画です。僕がこれまで見た映画のなかで、「裁かるゝジャンヌ」と並んで一番最高の映画です。未視聴のお方々はどうかぜひご視聴を心から全力でお勧め致します。この映画「ミツバチのささやき」に巡り合えたことを「裁かるゝジャンヌ」とともに、僕は天に感謝致します。素晴らしい最高の映画です。
今日は僕が映画史上で最高峰であると感じる映画「裁かるゝジャンヌ」を観ました。真に信じる、真に愛することについて。
http://nekodayo.livedoor.biz/archives/253582.html
参考作品(amazon)
ノーノ:力と光の波のように
ドイツ伝統の響き シリーズ3 ヘルベルト・ケーゲルの芸術 ノーノ:力と光の波のように (CCCD) (SACD-Hybrid)
ルイジ・ノーノ;断章 他 [Import from France] (Luigi Nono: Fragmente; Hay que caminar)
ノーノ:断ちきられた歌
ノーノ:作品集
音楽ドキュメンタリー《海の航跡》 ルイジ・ノーノの芸術 [DVD]
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
裁かるゝジャンヌ クリティカル・エディション [DVD]
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