2008年09月27日 09:03

世界的な景気後退局面において日本が財政出動で世界景気を牽引することは不可能だと僕は思います。これから日本が、特に貧困層がどうなっていくのか、僕はとても不安でお腹が痛いです。

アドルフに告ぐ (1) (手塚治虫漫画全集 (372))

僕はうつ病で頭が酷く鈍っているので、経済にも詳しくないので、経済的あやまちが以下の文章にあったらお許しください。うつ病で貧しく生活苦で頭が鈍っている僕から見ている世界と日本の情勢について書きます。

国連総会で、日本が世界的なリセッション(景気後退)において、日本経済が世界景気を牽引するとか、自民党首相が大きく述べていますが、僕はそんなことは不可能、日本国が財界を全てと化して、更に社会福祉を削りまくって更に労働環境を厳しくし財界を優遇しまくって赤字国債で財政出動をかけようが、きっと不可能だと思います。日本の国力が世界においてそれほどの力があるとはとても思えません。日本は少子高齢化が進み、資源もありません。世界のグローバル化で物づくりの技術は拡散傾向にあります。今の円高は世界経済のダメージが大きく、円以外の他の通貨がダメージで弱っているので、相対的にそれほどダメージを受けていないようにみえる日本の円にお金が集まっているだけで、世界的景気後退の中でいずれ日本の国力の実態も世界中に明らかになってゆき円も安くなると思います。

現在の状況は実体経済と乖離したレバレッジが大量に掛かった世界的な金融バブルと、それに牽引されていた資源バブルがはじけた訳で、世界的な景気後退、景気循環からいっても、景気後退による景気調整局面で、バブルの規模から考えても、少なくとも10年ぐらいは、世界的な景気後退・景気不況が続くと思います。

世界的のバブルがはじけて信用収縮が起こり、景気循環的な景気後退(バブルという異常状態を景気調整することによる景気後退)も起こっている状況(景気循環も含む世界的な景気後退)において日本だけが金をつぎ込むということは、日本に実体経済と離れた見せ掛けのバブルを作ろうということなのかと思いますが、そしたら日本が一時的にバブルになった後、崩壊するだけで、世界中に日本の資産が分散して補填されるような形にしかならないと思います。

食品などの生活必需品物価高(生活インフレ)と賃金の低下と円高と失業で貧困層が増えて日本全体の局面でスタグフレーションが起こっているのに、そんなこと(拡大政策)している場合じゃないと思います。まずは国民を助けてほしいです。

BRICsだって、他の諸国だって、経済戦争(20世紀後半からの主な世界の形態は、戦争です。それは武器によるものというよりは、主に経済戦争です)で、今は世界的恐慌の可能性を含んだ世界的不況ということで、一生懸命、膨らんだレバレッジを低めて経済的に国を守るため、経済的に国民を守るために防備を固めている(レバレッジを低めて実体経済を回復させようと努力している)のに、人々の生活を守るべきときに、日本だけが「貯蓄から投資へ」とかいってレバレッジを高めて金融投資政策、財政出動による拡大政策・景気最優先政策にでたら、僕は危険だと思います。財政出動・財界を優遇するということは、低所得者・非正規雇用者がますます厳しい環境に置かれるわけで、そこで景気後退や、一時的なバブルとその瞬時崩壊が起きたら、低収入層・非正規雇用層(いつでも首にできる層)の大量失業が起きて僕みたいな貧困層がどんどん増えると思います。そうしたら、今の自民党の苛烈な政策では、貧困層は、たいへんなことになると思います。

僕は今は第二次世界大戦でどんどん日本が戦線を拡大して泥沼化していったときと同じように見えます。以前、作家の島田雅彦さんがオペラについて語っていて、ワーグナーオペラの凄いところは、それまでのクラシックでバッハの対位法などから連綿と続いてきた論理性・形式性を壊して、クラシックオペラを非常に情緒的・催眠的な、ある種の麻薬的なものに作り変えたことである。ワーグナーの歌劇を見に来る層には他の歌劇と違い、独身男性の層が非常に多い。情緒性に酔わせて甘美(トリスタンとイゾルデに歌われるような破滅的甘美)に浸らせる麻薬的なところがワーグナーオペラにはあるとTV(NHKの番組)で述べられておりました。

そして、その情緒性を利用したのが、云うまでもなく、ドイツ第三帝国です。日本は開国後、ドイツをお手本にしてきましたから、大日本帝国はその頃のドイツの情緒的なプロパガンダや政治手法のやり方を見習った(大本営発表のやり方等)と云われています。

調子の悪い国(今は日本だけじゃなく世界中の国々の経済的調子が悪いです)で、実体の国力や国の調子(経済状況等)とかけはなれた調子のいいことをいう政治家が国を牽引していくことは、僕は危険だと思います。第二次世界大戦の大日本帝国のような急激な拡大政策ではなく、人々の生活、人々の経済、社会福祉と貧困の問題を考えるべきだと思います。そうしないと人々の生活が持たないと僕は思います。

以前、「サムシング・ザ・ボーイ・セッド」という捨て駒にされた兵士達を歌ったスティングの悲しい歌を紹介しましたが、日本にも同じよう歌があります。

その歌をご紹介致します。手塚治虫「アドルフに告ぐ」で歌われているので、そこから引用してご紹介致します。

日本軍は南京・武漢三鎮・除州・広東と(日本の国力を無視して中国での)戦域を広げるにつげて、狂気と泥沼の中へ、みずからのめりこんでいった。(中略)
日を追って日本軍は疲労と物資不足にあえいで来た。その状況をいみじくも描き出した「討匪行」の歌がある。

『どこまでつづくぬかるみぞ
三日二夜食もなく
雨ふりしぶく鉄かぶと

いななく声も絶え果てて
倒れし馬のたてがみを
かたみと今は別れ来ぬ』

その真相を大本営の幹部たちはひたかくしにしていて、日本の大衆はだれひとりしらなかった。
みせかけの勝利に酔う裏側で実態がいかに悲惨で残虐なものかだれも気づかなかったのだ。
反対の立場にあるべき左翼系の社大党までが挙国一致で政府に協力するしまつであった。
「聖戦」という名のもとに…従わないものには「非国民」のレッテルがはられ、疑いを持つ者には仮借なく弾圧の手が伸びた。
(手塚治虫「アドルフに告ぐ」)

参考作品(amazon)
アドルフに告ぐ (1) (手塚治虫漫画全集 (372))
アドルフに告ぐ (2) (手塚治虫漫画全集 (373))
アドルフに告ぐ (3) (手塚治虫漫画全集 (374))
アドルフに告ぐ (4) (手塚治虫漫画全集 (375))
アドルフに告ぐ (5) (手塚治虫漫画全集 (376))

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