2008年09月01日 00:15

皆様方のおかげでなんとか八月を乗り切ることができました。本当にありがとうございます。皆様方に伝えたいことを書きます。

今年の八月は、うつ病で無職で、抑うつ症状がひどく、心身症状(腹痛)も強くでている上に、冷房器具が扇風機しかなく、絶望感の中で焼き尽くされるが如く世界を感じていて、もう僕は「全てが終わりだ」というように、感じていた八月だったのですが、そんなとき、皆様方からの、とても助けられる善意のお気持ちを頂き、心身ともにとても助けられました。ギフト券を贈って下さった方々、アフィリエイトで買ってくださった方々、ご支援くださった方々のおかげでなんとか八月を乗り切ることができました。本当にありがとうございます。心底から、言葉にはできない感謝の想いです。本当にありがとうございます。

生活は困窮しており、どこまで貯金が持つか、それまでに働けるようになるか分かりませんが、一生懸命、出来うる限り、努力して、こちらの更新も一生懸命出来うる限り、努力したいと思います。どうかよろしくお願いします。

先日はなんとか、詩集ぐらいは読めたので、僕が昔から大好きなトラークルの詩集を読んでいて、「霊歌」にとても心打たれました。引用してご紹介致します。「トラークル詩集(双書・20世紀の詩人)」より。

トラークル
「霊歌」

様々なしるしを、珍しい刺繍模様を
そよいでいる花壇が描く。
神の青い息吹きが
庭の広間に吹き込んでくる、
晴れやかに中へと。
野生のぶどうのなかに一本の十字架は立つ。

村では 大勢の喜ぶ声が聞こえ、
庭師が塀際で草を刈る、
静かにオルガンは流れて、
響きと金色の光を混ぜる、
響きと光を。
愛がパンとぶどう酒を祝福する。

少女たちが入ってくる
そして雄鶏が 最後に高らかに鳴く。
錆びた格子がそっと開く
すると薔薇の花輪と輪舞に包まれ、
薔薇の輪舞に包まれて
マリアが白くやさしく憩う。

あそこの古い石像のそば 乞食が
祈りつつ息絶えて見え
牧人が柔和に丘を下りてくる
そして天使が森で歌って
近くの社で
子供たちを眠りに誘う。

僕は、最近、暮らせなくなったら、いかにして死ぬかというようなことばかり考えているので、この詩は深く印象に残りました。果たして僕は、何を祈りつつ息絶えるのか、それをずっと考えていました…。

死が間近に迫っているのを感じると、宗教というのは、もし心から信ずることができれば、死に対する安らぎであったんだな、そして僕にはそれがないということを感じます。それは、非常に辛い認識です…。

僕は、科学的に生命活動が停止した後、その生命活動の自己を認識する認識(自意識)は、生命活動停止とともに存在から無へ帰すと考えておりまして、物質的には完全に唯物論者なのですね…。中島らもさんが、宗教的なものを真に信じられる人は躁うつ病(うつが躁に反転する)になりやすく、逆に信じられない人はうつ病になりやすいというようなことを「心が雨漏りする日には」で書かれていられましたが(今手元に本がなくうろ覚えの記憶で申し訳ないです)、僕は後者みたいで、どうしても、強い抑うつ状態が消えず、頭に残り続ける状態です。命の炎が静かに衰えてゆくような絶望に支配されている気持ちが、毎日ずっと続きます。

けれど、そんな中にも救いはあって、それは、皆様方からの優しい善意、そして僕が美しいと感じるものはあって、息絶えるときはそういったものに祈りを捧げてゆきたいです。僕は、美しいものが好きで、美を愛しているので(それだけは、うつ病になっても変わりません)、美しいもの、音楽や、そして何より生命、特に女性的な生命の優しさの美が僕はとても好きです。僕はそういったものに祈りを捧げます。

そして、僕を支援してくださった善意の皆様方のおかげで、生活と、なによりも心がどれだけ助けられたか、そんな皆様が、これからも世界で、幸せに暮らしてゆけていらっしゃるように、心から祈ります。

うつ病はどんどん行動する気力を奪っていくので、貯金が全部なくなって食べれなくなったら、最後にできることは、にゃんこを世話してくれる方に譲って、後は、ただ想うことだけで動けなくなって、生命が消尽していって終わるか、その前になんとか気力を振り絞って、失踪日記の吾妻ひでお先生のように、誰もいない山奥まで行って、なるべく迷惑かけないように息絶えるよう努力するか、どちらかかなと思っています。そのとき、いつか、僕の存在が消えるときも、最後まで、ご支援して、助けてくださった皆様方への感謝の祈りを胸の中に抱いてゆけたらいいなと心から想っています。

今、バッハの音楽(今はイマージュ クラシークのバッハ「G線上のアリア」が流れています)を聴きながら、この文章を書いているので、少し感傷的になっているところはあるかもしれませんが、それでも上記、書いたことに嘘偽りはありません。うつ病で本当に死に掛かっていた僕をご支援して頂き、助けていただいた、善意ある皆様方の幸せを胸に願って、ゆけたらいいなと誠心誠意想っております。

最後に、もう一つ僕の好きなトラークルの詩を紹介致します。「秋の魂」という詩です。

トラークル
「秋の魂」

狩猟者の叫びと血の咆哮、
十字架と 褐色の丘のうしろで
池の鏡がゆっくり盲いる、
大鷹が固く澄んだ叫びをあげる。

刈り畑と小道の上には
黒い沈黙がはや不安げだ、
枝々の間には清らかな空、
ただ小川だけが静かにひっそり流れている。

間もなく魚と獣が離れ去ってゆく。
青い魂、暗い逍遥が
私たちを間もなく、愛するものら、他の者らからへだてた。
夕べが意味とすがたを変える。

正しい生のパンとぶどう酒、
神よ あなたの柔らかな手の中に
人間は 暗い終わりと、
すべての罪そして赤い痛みを載せるのです。

僕が消えても、僕にとって世界が消えるだけで、当然ながら皆様方の世界は続いていく。その世界に、幸せ多きことを、願い祈っております。

参考作品(amazon)
トラークル詩集 (双書・20世紀の詩人 13)

トラークル全集

心が雨漏りする日には (青春文庫)
イマージュ クラシーク~バッハ

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