2008年08月30日 20:06

辛いことがあって、エリック・サティの曲を聴いて心慰めていました。サティの曲は、優しい音楽のベッドのようだと感じました。

Satie: The Complete Solo Piano Music

辛いことがあって、寝込んでいました。先生から、うつ病の時は、安静と、ストレスの掛からない静養が基本的に必要で、インターネットなどの、うつ病に対して刺激的なものはなるべく避けて、限定的に行ってください、といういいつけを守って、ネットでは基本的にこのブログ更新と、善意のメール(ギフト券)だけを受け取っていて、ギフト券を贈って下さる方々、アフィリエイトを使ってくださる方々のおかげで、生活も心も本当にとても助けられ励まされています。ありがとうございます。

ただ、ライブドアのエントリの拍手機能が、先日より、なぜか「42拍手」ばかりつけられるようになってしまい、怖くて辛くて拍手機能を削除しました。これまで応援の意で普通に拍手してくださった皆様方、今後は拍手つけられず、申し訳ありません。応援・支援してくださる皆様の意を大事に胸に持って、これからも僕の力の及ぶ限り、良い更新を心がけたいと思います。よろしければ、どうかよろしくお願い致します。

今日はそのことで、辛くて寝込んで、エリック・サティの曲を聴いて心慰めていました。サティは「家具の(ような)音楽」と自分の曲を呼んでおりましたが、今の僕にとって、サティの音楽は優しいベッドのような音楽で、ストレスが掛かると起きる腹痛が先日よりずっと治まらないんですが、内科の病院に行くお金もないので、音楽を聴きながら横になっているしかなく、そんなとき、サティの音楽は優しかったです。

病院にいけないのは、僕は昨年度の低収入者(今年度はうつ病に掛かって無職になったので、今年は昨年以上の低収入で貯金を崩しながら暮らしています)で、精神科・精神病院の治療については障害者自立支援法により一割負担かつ負担に上限限度額が掛かっていて、月数千円なのですが(ただ、病院までの往復交通費がきつく、貯金も生活費で明らかに目減りしてきているのであまり通えません)、それ以外のお医者さん(内科・外科等、精神科以外のお医者さん)に掛かったときは、障害者自立支援法ではなく、国民健康保険になり、負担上限もないので、三割負担で、いくら掛かるかわからないから、体調が悪くても、精神科のお医者さん以外は掛かれない状態です。

それで、心身症の症状なのか、胃潰瘍やもっと何か違う病気なのか分かりませんが、ずっとお腹が痛くて寝ている形で(元々食欲無いのもありますが、これで食事とれず、現在、うつ病前に比べて体重が13kg減りました)、しかも不眠症の症状が酷く、強力な睡眠薬出してもらっているんですが、なかなか眠れないんですね…。

そんなとき、無音で布団かぶって横になっていると、悲観的な考えで頭が一杯になってますます苦しくなるので、一緒に寝ている猫の姿を見たり、小さい音で音楽を鳴らして、その音を聴きとったりして、少しでも苦しみを和らげながら、なんとかうとうとして、少し眠っては、また眠れなくなるの繰り返しです。

そんなとき、ショパンは美しい、特にノクターンは素晴らしく美しい、この世にありながら、この世のものではないかのような美しさですが、サティの場合は優しい感じがします。ショパンの音楽が美的な詩情だとすると、サティの音楽は優しい建造物という感じです。

エリック・サティの音楽といえば、ジムノベディやグノシェンヌばかりが有名なところがありますが、決してそれだけの作曲家ではなく、素敵な優しいピアノ小品を沢山のこしているんですね。例えば、普通はグノシェンヌは第六番までしか演奏されませんが、滅多に演奏されない第七番とか、若い頃の明るい曲ワルツ=バレエ(これは結構演奏されます)、晩年のノクターンも素晴らしく、後は薔薇十字団(Rosicrucian)のために創られた曲(祈祷曲)とかも素晴らしいものがあります。心を優しく癒してくれます。

後は、サティの曲「ヴェクサシオン」とかも、抜粋でしか聴いたことがありませんが、一度は、全部聴いてみたいです…。ヴェクサシオンは弾き手のテンポにもよりますが、一曲演奏しおえるまで20時間から24時間程度かかる曲のため(聴き終えるのに一日掛かります)、どのサティアルバムにも抜粋でしか演奏されていないようです。CDで出すと22枚組とかになってしまうのと、ぶっ続けで一日レコーディング演奏してくれるピアニストは、なかなかいないみたいで、幻の曲(実際に演奏されたか、録音されたか不明の曲)です。少なくとも僕の知る限り、ヴェクサシオンの完全版アルバムがあるというのは聴いたことがないです。ただ、世界は広いですし、僕が知らないだけで、もしかしたらどこかにあるかも知れません。

僕は昔からサティは好きで、うつ病になってから、ますます好きになりました。ドヴォルザークの「新世界より」とかもうつ病になる前は好きだったのですが、お腹が痛く、布団で横になっている今はなかなかこういう豪奢な曲は聴けなくて、ショパン、サティ、フォーレ、シューマン、ドビュッシーなどの静かなピアノ音楽をよく聴いています。そのなかで、一番優しいのはサティのように感じます。サティの全集として定評があるのは、チッコリーニの全集ですが、僕はティボーデの全集の方が音の詩情と洗練が上(サティの作風にあっている)と感じます。ただこれはあくまで、僕の耳で感じた、僕の感性による判断で、チッコリーニ盤も素晴らしい演奏です。どちらもお勧めです。

うつ病になってから働けなくなり、収入が途絶え生活が大変で、そして病気の症状と思いますが、ストレスとか刺激にすごく弱くなっちゃって、心(脳)だけじゃなく、身体全体が衰弱している感じです。そんなとき、心慰め、助けてくれるものは、皆様からの善意、ギフト券、本当に助かっています、ありがとうございます。また、アクセス数が激減しているのにも関わらず(以前のブログのアクセスが2000〜3000くらいで今のブログが100〜200くらいです)、アフィリエイトは、三分の一くらいの減少で、それも、助けてくれる方々がいらっしゃるんだなあと感じて、こういった助けてくださる方々のおかげで胸が熱くなって、なんとか生きられているような感じです。本当にどうもありがとうございます。うつ病だとどんどん気力が奪われる感じで、だんだん生きながら死んでるような、生命と死の狭間にいるような感覚になりますが、それが、皆様の善意を感じることで、胸が熱くて生き返るような感覚です。本当に、感謝致します。皆様の善意と、病院での治療・お薬、そして音楽が苦しみのなかで生きる糧です。

これからも、僕の出来うる限り良い文章を書いて、美しいもの、良いものを、感謝の想い忘れずに、皆様にご紹介できたらいいなと思います。どうか、よろしくお願いします。サティの音楽は有名な曲以外も、優しさがあって心癒してくれてお勧めです。ショパンとかのピアノ小品が好きな方はきっと気に入るんじゃないかなと思います。薔薇十字の曲とかとても良いです。お勧めです。

CD2は、サティが若い頃に興味をもった二大領域に焦点があてられている。ひとつは「薔薇十字団 Rosicrucian」のいわゆる祈祷曲で、神聖な儀式において内面を観相に導いて秘教に触れさせ、世間の雑念からすくいあげるような音楽、(中略)ここで、ばら十字教団のための音楽を作曲していた頃のサティが、ビュヴィス・ド・シャヴァンヌの壁面画のかもしだす静謐さや原初性に影響を受けていたのだということを、思い出しておくべきであろう。19世紀を生きる人々は、全く異なる世界観(近代世界観)の下にあることを認めながらも中世の宗教体験を再発見しようとした。建築家ヴィオレ・ル・デュクが、ノートルダム寺院のゴシック調オジーヴや円蓋を復興したのと同じように、作曲家サティは《オジーヴ》を作曲したのである。(中略)ルーセルが後に述懐しているように、サティは原初にたどりつこうとしていた。
「サティピアノ・ソロ作品全集(演奏ティボーデ盤)」ライナーノーツより))

参考作品(amazon)
Satie: The Complete Solo Piano Music
ベスト・オブ・サティ

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