ねこねこブログ

ねこねこと申します。ねこ大好き(*^^*)アニメ、マンガ、ゲーム、本とかも大好きです。楽しいことたくさん書いていきたいと思います。今、うつ病で無職で生活が非常に貧困困窮しておりまして、買い物してくださるととても感謝します。メールについてはこちらをご覧下さい。リンクフリーです。ツイッターはこちらです。https://twitter.com/kemohure

2015年10月

阿部共美作品の魅力 -ロジックホラーの真髄-

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先日、ブックオフに行った時に100円コーナーで売っていた阿部共美「空が灰色だから1巻」「ちーちゃんはちょっとたりない」、なんとなく手にとって買ってみて、読んでみたら…両方とも衝撃のあまり心が七転八倒する程の傑作で、それまで阿部共美さんという漫画家さんのこと全然知らなかったんですが、急いで本屋にいって、阿部共美さんの出版されている本を全部買ってきて読んだんですが、凄いですね。どれも傑作ぞろいでめっちゃファンになりました。小林泰三や星新一や筒井康隆の著書を始めて読んだ時とか思い出しましたね…。

この阿部共美さん、私的には、短編ホラー、特にロジックホラー(論理を重視した恐怖小説)において、小林泰三さんと並んで天賦の才のある作家さんだと思いますね。この作家さんの描くのは、肉体的苦痛や血や臓物といったフィジカルの恐怖ではなく、超常的なものに追い詰められたり逃げ惑ったりするメンタルの恐怖でもない、論理的な思考の行き着く果てが狂気(阿部共美さんの作品ではそれは往々にしてディスコミュニケーションの恐怖という形を取る)に通じるという人間の思考の恐怖を描いていて、非常に稀有にして実に私好みのホラー漫画家さんだなと(こういう論理面の恐怖を重視するロジックホラーを書ける作家さんは数少ない。日本だと小林泰三、牧野修、貴志祐介、新井素子、望月峯太郎等、海外だとジャック・ケッチャム、トマス・ハリス等)。最高に気に入りました。

先日、小林泰三さんがニコニコ生放送の対談番組に出たとき、「自分(小林泰三)はクトゥルフ神話をずっとSFとして捉えSFとして読んできた」「SFが苦手という風潮には先入見があって、本来のSFは論理的に書かれているので、ミステリと同じように論理的に理解できるものだ」みたいなことを言っていたのですが、この意見に全面的に賛成でして、論理的に分かるからこそ怖いという恐怖を描くのがロジックホラーの真髄だと思っています。

論理的って具体的にどういうことだろう?議論の全体が整合的で、誰から見てもその議論の筋道が理解できること、そしてその論理に従えば、他者でも同じ議論を展開できること。それが「論理的」だ。だから一見して逆説に満ちているようでも、その議論の内的な構成と推論の道筋がきちんと辿れるのならば、それは非論理ではない。
(中山元「思考の用語辞典」)

阿部共美作品は凄く論理的に、狂気の世界にすっと入っていくのが、凄い恐怖なんですね。読み手が狂気をトレースできてしまう恐怖、血みどろの残虐ホラーよりも遥かに心に染み入ってくる恐怖。また、その表現技法としての絵が素晴らしい。空が灰色だから2巻に収録の第24話「世界の中心」とか、精神分裂病(統合失調症)を発症した女子高生の内面を、発症から重症化まで描いた作品ですが、これなんか漫画でしか表現不可能なとてつもない傑作だと思いますね。読み手を狂気へと引っ張る重力が凄すぎる。映像で狂気の内面的表現を試みた作品として、「てきとう」(狂気をテーマにしたVIPRPG。http://ux.getuploader.com/viprpg_wiki2_2/download/29/%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%A8%E3%81%86.zipから無料でDLできます)をプレイした時以来の衝撃を受けました。

また、阿部共美作品の特徴としては、人間の原初的な恐怖として存在する、愛と表裏一体の暴力、先に挙げたディスコミュニケーションから引き起こされる三角関係の暴力の恐怖をモティーフにしているのも面白い。1巻の2話とか2巻の18話とか3巻の27話とか31話とか4巻の43話とか5巻の51話とか最終話とか「ちーちゃんはちょっとたりない」とか「タダシ君が大好きは虫の」の表題作とか凄く見事に出来ている。見事すぎて、本当に感嘆するしかない。ぜひみなさんに心から読んで欲しい漫画家さんですね…。

暴力とは何か?レヴィナスはいう。暴力とは人間と人間の関係に、原初的にあるものだと。二者だけの関係は、かけがえのない関係になりうる。ぼくはきみと親密な関係を結ぶことができる。けれど社会はぼくときみだけでは構成されない。だから僕は第三の人とも、ぼくときみのような親密な関係を結ぼうとするだろう。けれどその時には、きみとの間の親密な関係と、他の誰かとの親密な関係に違いがつかなくなる。きみとの親密な関係はこれによって傷つけられるのだ。

これは他者に傷を負わせることで、ひとつの暴力だ。ひとつ愛が生まれれば、ひとつ暴力が生まれる。人間の関係にはこういう原初の暴力が潜んでいるとレヴィナスは告げる。社会の根底に暴力があるのと同じように、他者との愛の関係にも他者への暴力が潜んでいる。忘れてはいけない。メルロ・ポンティがいったように、ぼくたちは、自分が暴力から完全に免れると思った瞬間、別の暴力を振るうことになってしまうのだ。
(中山元「思考の用語辞典」)

「ちーちゃん。わたしたち、ずっと友達だよね?」
(阿部共美「ちーちゃんはちょっとたりない」)

ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)
著者:阿部 共実
秋田書店(2014-05-08)
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空が灰色だから コミック 全5巻完結セット (少年チャンピオン・コミックス)空が灰色だから コミック 全5巻完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
著者:阿部共実
秋田書店(2013-03-08)
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大好きが虫はタダシくんの―阿部共実作品集 (少年チャンピオン・コミックス)大好きが虫はタダシくんの―阿部共実作品集 (少年チャンピオン・コミックス)
著者:阿部 共実
秋田書店(2013-01-08)
販売元:Amazon.co.jp

死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々(1)(少年チャンピオン・コミックス・タップ! )死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々(1)(少年チャンピオン・コミックス・タップ! )
著者:阿部共実
秋田書店(2014-12-10)
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ブラックギャラクシー6 (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)ブラックギャラクシー6 (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)
著者:阿部 共実
秋田書店(2014-05-08)
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個人的国内イヤミス傑作ベスト3+海外1、読んでいてラストで「あああああああ!!」ってなる小説。

なんか最近近年出版された小説を読んでいて感じるのは、「日本の作品に嫌な後味の作品が増えたなあ」ということでして、特にミステリー小説に顕著です。多分、「ミステリー界のイヤミス(嫌な後味のするミステリーの事)ブーム」「昨今のミステリは王道的な作品よりもメフィスト賞的な外連味溢れる作品の方が見栄えがして人気が出る」ということが複合して、昔に比べると読後感の悪い作品が増えているのかなと。

自分はそれほどイヤミスを評価している訳でもイヤミスを読んでいる訳ではありませんが(普通にガイドブックとか使って評価の高い順に読んで行き、イヤミスが入っていたらそれも読む程度)、そんな自分でも、『これは他のただ読後感が悪いだけのイヤミスとは違い、読後感が最悪なことも含めて、いやそれによって面白さが増しているぞ』と思う作品もあり、今回はそんな『読後感最悪がゆえに面白い』作品をご紹介させて頂きますね。

ちなみに、海外のイヤミスというのは「隣の家の少女」みたいな桁外れのイヤミス作品以外は最近あまり読んでいないので(全般的に日本に比べるとイヤミスの割合が低いように思います。イヤミスブームは日本だけのブームなんだなと感じる)、海外の作品は今回、1作品と短編一つだけご紹介致しますね。

では、ここより、傑作イヤミスの世界へ…。

小林泰三「記憶破断者」
記憶破断者記憶破断者
著者:小林 泰三
幻冬舎(2015-08-06)
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数十分しか記憶を保持できない前向性健忘症の患者「田村二吉」が主人公の長編作品。この主人公は連作短編集「忌憶」「モザイク事件帳」にも主人公や脇役として出てきますが、いわゆる二吉シリーズの中で本作がダントツで完成度が高いと感じましたね。

本作は狭義のミステリの範囲を超えている超能力SFサスペンスミステリーで、ジョジョの奇妙な冒険的な能力者バトルに一ひねり加えた展開、すなわち

『他人の記憶を操作する圧倒的な力を持った殺人鬼超能力者対前向性健忘症で数十分しか記憶を保持できず日常生活にすら事欠く有様のハンディを持った主人公(超能力とかは一切ない)』

という、ヘビー級ボクサーと赤ん坊が戦うが如き、圧倒的能力差のある戦いを主人公が強いられる物語。

ただ、主人公は非常に慎重かつ洞察力と判断力がなかなか優れた人物で、努力家でもあって、懸命に、自身の記憶に等しいいつも手持ちのノート(前向性健忘症になった後で起きた重要なことを書き記している)と個々の瞬間の判断で、ピンチを切り抜けながら殺人鬼超能力者と戦っていくんですね…。

ちなみにこの殺人鬼の能力は、『他人に触れた状態で喋ったことをその他人に記憶として植え付ける能力(何々を忘れろなどといえば忘却させることもでき、極度に矛盾した記憶を植え付けて相手の精神を破壊することもできる、記憶操作系としてはかなり万能クラスの力)』でして、「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド使い岸辺露伴や「極黒のブリュンヒルデ」の斗光奈波に近い能力ですね。常人からしてみれば恐るべきとしか言いようのない能力です。しかもこの殺人鬼は、良心とか良識といったものが一切なく、能力を使って平気で人を殺戮していく真に邪悪で凶悪な奴でしかも頭もそれなりに切れるんですね…。

そんな超人的な殺人鬼相手に、淡い恋心を抱く女性を守る為に、田村二吉は一生懸命頑張るんですね。読んでいてどうしても田村二吉に感情移入してしまう。そして、やっと…やっと、殺人鬼超能力者に勝利し、奴を司直の手に引き渡し、淡い恋も成就するのかなと思ったら…

ラストの一行があああああああああ!!

普通の人間なら「よくもだましてくれたなアアアア!!」

ってなるところですが、前向性健忘症の二吉の場合、騙されていることにすら全く気づけないのが…

あああああああ!!

って感じですよ。読んでいてラストで「ああああああ!!」って感じになりましたよ!!

ああ…やはり小林泰三は小林泰三であったという感じです!!全体的に、前向性健忘症になりながらも、基本的なパーソナリティは善人で人に親切で良心のある二吉の一人称で話が進むので、他の小林泰三作品に比べると読みやすく、二吉の助けようとするヒロイン京子先生との淡い恋もあって青春小説的なさわやかさもあり、全編楽しく読んできたところで…ラストの一行でこの仕打ち!!

ああああああああ!!ああああああああ!!ああああああああ!!

今のところ、これまで読んできた小説の中で、圧倒的ダントツでイヤミス度ナンバーワン作品ですね、この「記憶破断者」は!!

麻耶雄嵩「さよなら神様」
さよなら神様さよなら神様
著者:麻耶 雄嵩
文藝春秋(2014-08-06)
販売元:Amazon.co.jp

小林泰三さんと並んで、邪悪な小説を書かせたら天下一品の作家である麻耶雄嵩さんの連作短編ミステリー。「神様ゲーム」の続編ですが、繋がりはほとんどない為、本作単独でも楽しめます。

本作は、神を名乗る鈴木という少年が、超越的に殺人事件の犯人を指摘していきまして、語り手である少女ヒロインとその周囲の人物達がその正否を確かめるというのがどの短編も筋になっているのですが、どの事件も、神の指摘の正しさと、それによって暴かれる事件の陰惨さが、嫌な読後感を齎します。

それが最高潮に達するのがラストの「さよなら神様」でして、ラストに使われるハートマーク、これほど嫌なハートマークの使い方は古今東西他に類をみないでしょう…。なんというか…ぶっちゃけていうとこれって鬼畜系18禁ゲームのバッドエンドな終わり方ですよね…。

語り手である主人公の少女ヒロインは善良さ、潔癖さ、前向きさ、正義感、良心、知性などをきちんと持っていて、そういった主人公の純真な魅力が、全編において強調されているのが、ラストで徹底的に落とす為とか…まさに鬼畜系18禁ゲーム…。

全編、先に挙げた様なヒロインの魅力が、陰惨な物語を中和させて読みやすくする魅力になっているのですが、ラストで『作者=神「もうラストだからお前には用はない。朽ち果てるがいい」』的な超墜落展開…。魅力あるヒロインが男にボロボロにされメロメロになって、全ての美徳を失った堕落した存在=堕落した愚かな女子高生(もちろん女子高生全般が堕落しているということではないが、作中で明らかにそういう描き方がされている)に成り果ててしまうというのが…なんとも…いわゆる「これなんてエロゲ」的な展開で…。ラストのハートマークに、なんとも言い様のない脱力感を感じましたね…。面白くてやがて悲しきミステリです…。

早見和真「イノセントデイズ」
イノセント・デイズイノセント・デイズ
著者:早見 和真
新潮社(2014-08-22)
販売元:Amazon.co.jp

小林泰三、麻耶雄嵩の両氏の作品に比べたら毒は薄いですが(というか両氏の作品の毒性が異常なレベルなので他の作家が追随できない)、それでも、イヤミスを語るなら外せない作品かなと思っているのがこの「イノセントデイズ」です。

内容はウィリアム・アイリッシュの伝説的な傑作ミステリー「幻の女」の時間軸を引き伸ばしたような話で、殺人犯として死刑を宣告されているヒロインの周囲の人々の述懐をちりばめながら、ヒロインの無実を信じる男性が、その無実を証明するまでの物語に見せながら…

ぬーんって感じになるラスト…。これはラストを明かすと面白さが明白に半減する小説なので、ぜひラストは事前情報なしで読んで欲しいですね。amazonレビューとかでラストについて触れられているので、レビューとかは小説読了前に読まない方がよいと思います。読み終わった後、ぬーんって気持ちになりますね…。

最後に海外ミステリーから一作挙げますね。

アレックス・マーウッド「邪悪な少女たち」
邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:アレックス マーウッド
早川書房(2014-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

イギリスのミステリー小説です。イギリスというのは、少年法が世界一手厚い日本とはかなり違いまして、イギリスにおいては未成年の犯罪であっても、氏名やその姿などをマスコミが公表することが許されており、遊園地の蝋人形館に未成年犯罪者の実物を象った蝋人形まで作られてしまう国なんですね。

そんな国なので、未成年殺人者は出所後も、もし未成年殺人者であることが世間にばれたら大きくマスコミに騒ぎ立てられ身の破滅な訳です。そんなイギリスで、幼い少女を殺した未成年殺人犯であるアナベルとジェイド。25年後、彼女達は名前と身元を変え、それなりに平穏な生活を過ごしていましたが、偶然にも出会ってしまう。そこから破滅へのロードをひた走っていくんですね…。

ある種、イノセントデイズと同じようなテーマで、マスコミが犯罪報道においてセンセーションな出鱈目報道を垂れ流しているというのが(小説を読んでいると出鱈目報道を繰り返すマスコミ=最悪の屑みたいな認識は日本もイギリスも変わらないんだなあみたいな…)、未成年殺人犯であった二人を追い詰めてゆくんですが(元々の殺人も、殺人というよりは実際は事故であって、救命しようとしたことと死体を隠そうとしたことがが事態を本当にあったことよりも悪く見せている)、それだけではなく、キリスト教的な自己犠牲の精神というのが、ラストに凄く出てくるのが、非常に救いのない残酷な終わり方にも関わらず、なにか、宗教的な、神聖なものを感じさせる終わりですね…。

この小説は、スティーヴン・キングが大絶賛したそうですが、わかるような気がするな…。キングってこういう「どうしようもない破滅的状況において発生するキリスト的自己犠牲の精神」って大好きな感じしますからね…。欧米の小説は、それがイヤミスであっても、キリスト教の精神を感じさせると改めて思いましたね…。

最後に短編から一つご紹介。短編の名手、ヘンリー・スレッサーから

ヘンリー・スレッサー「処刑の日」(下記短編集収録)
うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:ヘンリイ・スレッサー
早川書房(2004-08-25)
販売元:Amazon.co.jp

死刑判決を勝ち取り意気揚々としている若き検事の前に、「その事件の真犯人だ」と言う男が現れて…。スレッサーらしい、切れ味鋭いイヤミス。スレッサーの短編はどれも素晴らしく面白いのでお勧めですが、なかでもイヤミス的にお勧めなのはこの作品ですね。

今回取り上げた作品は、読後感は最悪ですがそれにも関わらず(もしくはそれ故に)面白い作品ばかりです。ご機会ありましたらご一読お勧めいたしますね。

記憶破断者
忌憶 (角川ホラー文庫)
モザイク事件帳 (創元クライム・クラブ)
さよなら神様
神様ゲーム (講談社文庫)
イノセント・デイズ
邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)
うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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ブッツァーティ「神を見た犬」読了。作中の「戦艦《トート》」は「蒼き鋼のアルペジオ」の元ネタじゃないかな?

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

イタリアのマジック・リアリズム作家、ディーノ・ブッツァーティの短編集「神を見た犬」読了。現代欧州における短編小説の最高の名手と詠われる作家さんの代表作集だけあって、実に見事で面白い短編集でした。作風としては星新一をベースに小松左京とホルヘ・ルイス・ボルヘスを足して三で割ったような感じで、いい感じでSFと幻想が交じり合っているような作風でして、どの短編も非常に面白かったです。

個人的には、かんしゃく持ちの子供に支配されている一家を描いた短編「小さな暴君」が小説としては一番完成度が高い非常に見事な出来栄えと感じましたが、それはさておき、今回ご紹介する、オタク文化に通じるところがあって面白いなと思ったのは「戦艦《トート》」という短編ですね。

この「戦艦《トート》」、凄く「蒼き鋼のアルペジオ」っぽい感じの作品なんですね。簡単に粗筋をご紹介致しますと、ナチスドイツが極秘裏に建造していた、それ一隻で戦局を覆す究極の超弩級戦艦《トート》(トートは死を意味するあだ名で正式名はフリードリヒ二世号)の物語です。

この戦艦は、ナチスドイツの極秘裏の切り札として、圧倒的な力を持つ超巨大戦艦(描写的には発射可能な核ミサイルを積んでいるぽい)として建造されていたのですが、作っているうちにナチスドイツがどんどんボロ負けになりまして、このままでは戦場に出ることすらなく戦争が敗戦で終わってしまうということで、急遽出航となります(この辺は日本の史実の戦艦大和っぽいですね)。ベルリンが落ちて司令部と連絡が出来ないので、勝手に行動するんですね。最高指令において司令部から命令がない時や休戦命令が出た時は独自に勝手にやっていいよってことになっていると。ここら辺はヘルシングぽいですね。

「最高司令部の命令により戦艦フリードリヒ二世号は、いかなる休戦協定に従う義務をも免れている」
(ブッツァーティ「戦艦《トート》」)

それで、アルゼンチンとかで極秘裏に補給を受けながら(ナチの残党から補給を受けてるぽい)、この戦艦は世界をこっそり彷徨うんですが(この艦はレーダージャマー搭載な上になんと霧まで発生させることができて、敵から探知されないというオーバーテクノロジーな戦艦です)、ドイツは降伏しているので戦う相手がいないんですね。乗組員達もだんだんおかしくなってきまして、さっさと連合国に降伏して平穏な生活に戻りたいって乗組員と、なんだか分からないけど超兵器に乗っているわけだし無性に戦いたくてたまらない乗組員に分かれていくんですね。

前者の穏健な乗組員を艦から下ろして、敵もいないのに、「敵と戦う!」と宣言してこの戦艦は進んでゆくんですが、そこに霧に包まれた謎の大艦隊が現れるんですね!戦艦は謎の艦隊に攻撃を仕掛けるんですが、オーバーテクノロジーなこの戦艦《トート》を遥かに超えるオーバーテクノロジー的な圧倒的な火力を持つ霧の艦隊の前には為すすべがなく、最後は戦艦《トート》の切り札の「超破壊兵器」(核ミサイルぽい)を使うんですが、それすらも対抗することはできず、《トート》は戦いの末、完全に撃破されて海の藻屑となるという物語です…。

この幻想的な、圧倒的な霧の艦隊が、凄く「蒼き鋼のアルペジオ」ぽいなって感じがして面白かったですね。謎の霧の艦隊が圧倒的な力で人類の艦を粉みじんに撃破する幻想的な海戦が…。霧の艦隊の正体とか一切明かされず謎の海戦の終焉の余韻を持って終わるのもアルペジオぽいですね。「蒼き鋼のアルペジオ」好きな方はぜひ一度読んで見て欲しい作品です。他の短編もどれも短編集としても抜群に面白いので(幻想的な世界に突入してぼかしたような終わり方もありますが、そこが幻想文学としての醍醐味になっている)、普通に面白いSF幻想短編を読みたいという方々にも心からお勧めできる作品集ですね。

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)
著者:ディーノ ブッツァーティ
光文社(2007-04-12)
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タタール人の砂漠 (岩波文庫)タタール人の砂漠 (岩波文庫)
著者:ブッツァーティ
岩波書店(2013-04-17)
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階段の悪夢―短篇集階段の悪夢―短篇集
著者:ディーノ・ブッツァーティ
図書新聞(1992-06)
販売元:Amazon.co.jp

TVアニメーション「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」Blu-ray BOXTVアニメーション「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」Blu-ray BOX
出演:興津和幸
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面白く読んでた有害都市、最新話(第15話)でいきなり現実と乖離しすぎた方向に行っちゃいましたね…。

表現規制問題を描いたWEB漫画「有害都市」1話から面白く読んでいたのですが、最新話でいきなり現実と乖離しすぎた方向に行っちゃいましたね…。この漫画、当初は現実と地続きな日本において、表現規制の恐怖を描くという漫画だったと思うのですが、アメリカン・コミック問題で明らかにおかしなこと書いていたり、表現がちょっと過剰すぎるところが多くて、逆に表現規制の恐怖を描くというよりは、「あれ…この漫画の世界観、ちょっと現実と違いすぎない?」みたいに感じることもあったのですが、それでも、面白く読めていました…第14話までは…。

有害都市 第15話
http://tonarinoyj.jp/manga/yugaitoshi/15/

第15話読むと、この漫画の世界だと、それこそ「がっこうぐらし」レベルのゆるゆるなゾンビホラー漫画を描いている漫画家を、有害な漫画を描いているという罪状で、更生プログラムとして本人の意志無視で拘束して強制ロボトミーできるみたいです…。

えええええええええっ!?それどこの独裁国家!?

あの…この漫画描いている漫画家さんは、表現規制問題の前に日本の予防拘禁の歴史やロボトミーの歴史というものを、きちんと勉強した方がいいんじゃ…。

現代日本は世界の中でも、国家による予防拘禁に対しては、治安維持法の反省があった為、その措置に最大に慎重な国であって(原則として禁止)、1975年に精神外科(ロボトミー手術)も日本精神神経学会の決議で禁止されている訳ですよ。あまりにも現実と乖離しすぎた表現をされると、「これどこの異世界!?」って感じで表現規制問題という主題があやふやになると思います…。劇画的な画力の高い漫画家さんなので、社会問題をテーマにするなら、もう少し現実感のある展開にしたが、作品に力が出ると思います。

今回の話は読んでいて、「がっこうぐらしレベルのゆるふわ漫画を描いている漫画家が有害漫画を描いているとして弾圧され拘束されて強制ロボトミーされる世界…この世界ではクジラックス先生はいったいどうなってしまうんだ!?」と思いました!

ぶっちゃけ、こんなゆるふわがっこうぐらし漫画レベルで有害漫画家として拘束されて強制ロボトミーとかされちゃう世界だと、ガチのエロ漫画家の人達、みんな投石死刑とかで処刑されてるだろうし、それが現代日本と地続きの世界というのは無理がありすぎると思いますね…。未来世紀ブラジル並みに描かれる世界が壊れている…。

有害都市 上 (ヤングジャンプコミックス)
有害都市(下): ヤングジャンプコミックス

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おそ松さん第一話、女子向けアニメのパロディで最高に面白いですね。これ見た女子の感想が読んでみたい…。

今期の新アニメ、「おそ松さん」がダントツで面白いですね。女子向けアニメを徹底的にカリカチュアしたパロディの連続でもうお腹がよじれるぐらい笑いっぱなしでした。アニメ「銀魂」において美少女ゲームを徹底してカリカチュアしてパロディにした傑作回(第228話「愛にプラスもマイナスもなし」第229話「渡る世間は愛ばかり」)を思い出しましたね。

男性向けの俗情的なオタク作品(美少女アニメや美少女ゲーム)というのはよくパロディのネタにされますが、女子向けオタク作品(美少年アニメや美少年ゲーム)をパロディにするというのは数が少ない感じなので、今回のおそ松さんを見た女子の感想が読んで見たいな…。ネットで少し検索して見ましたが、男性の感想しか出てこない…(男性的にはだいたい好評でみんなゲラゲラ笑ってました)。

もし、パロディに対する受け止め方で、男性と女性に差があるとしたら、そこには根幹的な男女の物事に対する姿勢の差というのがあるかなと思っていて、興味深いんですよね。もしパロディを受け入れ難いと感じる比率が女性の方が大きいならば、女性の方が好意の対象に対して非常に真面目にその位置を置いている(男性の方が好意の対象であっても突き放している)ということになるんじゃないかなと感じます。下記で浅羽通明さんが言うとおり、「信仰の篤いキリスト教徒には「聖書」のパロディはできないだろう」ということですね。

まさしく「パロディ」は、その分野のなかでの作者と読者の知恵くらべという様相を帯びるし、「教養を持たざるものを排除する性格を持つ」「いささか偏屈な知性に由来するもの」(呉智英「現代マンガの全体像」)であることが実感できよう。そして、このような遊戯が可能となるためには、(原典となる)作品をある程度突き放して見ること、単なる知識、情報として見る冷静さが要求される。信仰の篤いキリスト教徒には「聖書」のパロディはできないだろう。
(浅羽通明「天使の王国」)

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天使の王国―平成の精神史的起源 (幻冬舎文庫)

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