2011年09月

2011年09月29日 21:41

ヘレンesp 1 (少年チャンピオン・コミックス)
ヘレンesp 2 (少年チャンピオン・コミックス)

木々津克久さんのSFファンタジー漫画「ヘレンesp」全2巻読了。素晴らしく面白かったです、お勧めですね。本作は、小学生の時に起きた交通事故によって、目も見えず、耳も聞こえず、声も出すことができない、三重苦の女の子、ヘレン・高原・ラ・グィードが主人公。彼女は五感の大半を失ってしまっているけれど、それとは別に様々な不思議な力、esp能力があり、そんな彼女が人知を越えた不思議な体験をしてゆく物語です。

最初は、以前、星新一さんのショートショートにありましたが、事故で五感を失ってしまった代わりに、失われた五感を補ってあまりある超常的な感覚と能力を得た主人公の話(井上夢人さんのSF小説「オルファクトグラム」もそういう話でした)なのかなと思ったら、全然違いました。

彼女は様々な特殊な能力(主に、ベルセルクでいうところの幽界、不思議な霊的な世界を感じることのできる能力)を確かに持っていますが、それが五感を補ってあまりある能力かと言えば、それは全く違うんですね。動物とテレパシーで話せる能力は、彼女の最良の親友であり、彼女の生活における半身である盲導犬のヴィクターとの意思疎通ができて、そのことにおいては最高に役立っていますが、それ以外の能力は、生活に役立つどころか、逆に、彼女の身を危険に晒したりしている。ただ、彼女はとても善良で、人を信じていて、その彼女の「善性」が、五感が感じられず無防備な上、超常的な危険を引き寄せてしまう能力を持つ彼女を、どこか常に守っているところが、物語の救いになっていますね。

彼女は、動物とテレパシーで話せる以外は、あとは、五感を失ったハンディキャップを負っている障害者の人々と日常生活において基本的に同じなんですね。暗闇の中で、音もなく、声もない暮らしを送っている。傍から見ると(読者として彼女を見ると)、「ああ…凄く大変そうな生活だなあ…気の毒に…」と思うのですが、本作の素敵なところは、彼女が、自分のことを必要以上に嘆いたりはせず、生活に工夫と充足を持って、高校に行って、友達ができて、生き生きと暮らしていることが描かれることですね。読んでいて心が和みます…。

今は身体障害のある人用に、色んな補助用の機械があるんだということも本書を読んで始めて知りました。本作に出てくる、点字用ソフトを見ることができる回転式点字ディスプレイ(実在の商品「アスクてんてん」がモデル)とか凄いですね。軍事兵器や原発のような悪夢の科学は歯止めが必要と思いますが、点字ディスプレイのような人々を助ける科学技術はどんどん進歩して欲しいなと思いますね…。

ウィキペディア「点字ディスプレイ」
点字ディスプレイまたは点字端末は点字を表示する電気機械式デバイスであり、一般に平坦な表面に穿たれた穴からドットが上がってくることで点字を表す。失明したコンピュータユーザーは通常のディスプレイを使えず、テキスト出力を読むために点字ディスプレイを使う。同じ用途で音声合成も使う。失明したユーザーはこれらを状況によって使い分ける。(中略)

2000年、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) は新たに回転式点字ディスプレイを開発した。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学でも同様の開発が行われた。これらはいずれも実用化の途上にある。点字のドットは回転する車輪の端に並んでいて、車輪が一定速度で回転することによって指を動かさずにテキストを読み取ることができる。アクチュエータが車輪上の1点でピンを押し上げるので、従来の点字ディスプレイのように多数の圧電素子を配置する必要がなく、価格を低減することができる。なお、日本の株式会社アスクが2003年に開発した「アスクてんてん」は円盤式点字ディスプレイであり、円盤を回転させることで指を動かさずにテキストが読める点は同じだが、各点字セルに圧電素子が組み込まれているためコスト低減にはなっていない。

そしてもう一つ、本作の面白みとして挙げられるのは、展開に独特のひねりがあるんですね。これが、現代日本を舞台とした物語でありながら、どことなく風変わりで異世界的な不思議な世界観を生み出していて面白いです。僕は読んでいて水木しげるさんの漫画を彷彿とさせるなあと感じましたね。物語的な予定調和に話を落とし込まずに、世界や人々(登場人物)から距離をとって離れて、俯瞰して世界を眺めているような感じです。もちろん、水木しげるさんと同じように、あえて冷たい眼差しで世界を眺めたりするようなことはしていません。あくまでニュートラル(中立的)な眼差し、物語的なドラマツルギーの束縛から離れた眼差しを保っているようなところがあって、それが独特のひねりのある展開に繋がっています。これはもうぜひ読んで実感して欲しいですね。面白いですよ〜。

本作、主人公の少女ヘレンも彼女の騎士にして親友たるヴィクターもとてもいい子(いい犬)でして、普通に読んでも心が和みますし(ヘレンはイカちゃんみたいな善良な可愛い子で、見ていて心が和みます)、また、独特の風変わりな雰囲気は、相当マニアックな漫画好きでも唸らせてくれるのではないかと思います。普段は漫画を読まないお方々から、コアな漫画好きまで、誰にでもお勧めできる、真の意味で万人向けな面白い作品だと思います。全2巻と読みやすいのもお勧めポイントですね。僕のとても気に入った漫画です(^^)

ヘレンesp 1 (少年チャンピオン・コミックス)
ヘレンesp 1 (少年チャンピオン・コミックス)

ヘレンesp 2 (少年チャンピオン・コミックス)
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オルファクトグラム(上) (講談社文庫)
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ミニイカ娘 minimini 飼育キット BOX
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ゼルダの伝説 スカイウォードソード (期間限定生産 スペシャルCD同梱)
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2011年09月28日 17:31

ゼルダの伝説 スカイウォードソード (期間限定生産 スペシャルCD同梱)

本日から任天堂DSiショップで無料公開されている「ゼルダの伝説」のDS最新作「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」をプレイ中。現在、最初のステージと帰らずの森ステージをクリアして、岩山のほら穴ステージ攻略中。面白いです!!僕はお金なくてゲームはあまり買えないので、無料でこれだけ面白いゲームが公開されるのは、本当に嬉しいですね…。amazonでゼルダの伝説Wii新作「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のamazon予約も開始です。

任天堂「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/ds/dsiware/kq9j/index.html

来年の二月までの期間限定配信なので、DS、3DSをお持ちのお方々は、それまでにダウンロードしておくことをお勧めいたします。本作はゲームボーイアドバンスソフト「ゼルダの伝説 4つの剣」のDS版リメイクとのことですが、僕はGBA版をプレイしたことがないので、全くの新作として楽しく遊べております。普通に4800円くらいのフルプライス販売でも全然おかしくない、作り込まれたゼルダの新作で、これが無料とは、任天堂太っ腹ですね(^^)

本作は様々なアイテムを駆使しながら複数人で一緒に解く色々な仕掛けをクリアして先に進んでいくアクションRPG。基本的にはDSの無線ワイヤレスを使ったマルチプレイ用ですが、一人でも、複数のキャラを切り替えて動かすことでゲームプレイが可能です。僕は一人でプレイしておりますが、十二分に楽しめております。面白いですよ(^^)

ただ一つ個人的に悲しいのは、これはゲームの責任ではないのですが、本作は基本的に無線ワイヤレス通信を使ったマルチプレイ用に作られているゲームなので、一人プレイしても楽しいけど、もし、みんなで一緒にわいわい遊べたらもっと楽しいんだろうなあとつくづく感じてしまうところです。僕はいつもゲームは一人プレイで、一緒に遊ぶ相手がいないので…。プレイヤーが小学生くらいだったら、学校に持っていって、みんなで昼休みとかにわいわい遊べるんだろうな…と思うと、大人になってしまい、一緒にゲームする相手がいないというのは、なんとも物悲しいことですね…。

本作「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」、とても面白いゲームです。無料でプレイできますし、ぜひ、プレイお勧めですね。最後に攻略情報。帰らずの森のボスは、キャラクターを切り替えないと絶対に倒せません。キャラクターをボスの左右に配置して、片方にボスを引き付けて、もう片方でボスを引っ張って、うまく行ったらその逆をやって成功すると、ボスにダメージを与えられる状態になりますよ〜。僕は今、「岩山のほら穴」ステージですが、既に二時間くらい探しているんですが、どうしても最初の鍵が見つからない…。鍵、どこにあるんだろう…?

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プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

グレッグ・イーガンのSF短編集「プランク・ダイヴ」読了。イーガンならではのひねりの利いている質の高いハードSF作品が揃っていて、面白かったですね。お勧めです。イーガンのファンならいつもどおり楽しめる出来ですよ〜。収録されたそれぞれの作品を全てご紹介致しますね。以下の作品引用は全てグレッグ・イーガン「プランク・ダイヴ」収録作より。

「クリスタルの夜」
ブレイクスルーに達した人工知性達。人類が高度な人工知性達を支配して奴隷化し虐殺(人工的に淘汰して進化速度を速める)したりして苦しめる行為は許されるかというテーマの問題。人間と同じように、感情と知性、心(mind)を持つ人工知性を人間が一方的に奴隷化することは非人道的であり問題がある(アシモフのロボット三原則もアシモフの後期作品で問題視されています)というのは、僕としては当たり前のことだと思うのですが、訳者後書きを読んで吃驚しました。

1994年発表の第二長篇「順列都市」について、イーガンはしだいに、人工知能の進化に関する倫理的側面(知的存在の大虐殺など)の考察が不十分だったと考えるようになっていた。そこで2007年に自分のサイトで「今後、現実に人工知能のコンピュータ内進化を試みる人が出てくるだろうが、そのとき知性を持つプログラムの生殺与奪を弄ぶのは忌むべき行為でないか」という趣旨のことを書いた。

ところがそれに対する(SFファン達の)ネットの反応は、(人工知性を虐殺することは)そんなことはなんら問題ではないという論調のものが目立ち、イーガンは大いに驚いた。(人工知性を私利私欲のために虐殺する人間側の主人公である)本編の主人公ダニエルの造型には、このときのネットの反応が集約されている訳だ。タイトルは1938年11月9日から翌日にドイツ各地で起きた組織的反ユダヤ暴動事件、水晶(クリスタル)の夜に由来。
(グレッグ・イーガン「プランク・ダイヴ」訳者後書き)

ウィキペディア「水晶の夜」
水晶の夜(すいしょうのよる、独:Kristallnacht(クリスタル・ナハト)) とは、1938年11月9日夜から10日未明にかけてドイツの各地で発生した反ユダヤ主義暴動である。ユダヤ人の住宅、商店地域、シナゴーグなどが次々と襲撃、放火された。ナチ政権による「官製暴動」の疑惑も指摘されている。事件当時は「帝国水晶の夜(Reichskristallnacht)」と呼ばれていた。この事件によりドイツにおけるユダヤ人の立場は大幅に悪化し、後に起こるホロコーストへの転換点の一つとなった。なお、水晶の夜という名前の由来は、破壊されたガラスが月明かりに照らされて水晶のようにキラキラきらめいていたことにあるといわれている。

高度な心を持つ人工知性に対して、創造主である人間は彼らを虐殺してもいいとか、正気の沙汰とは思えませんが、そういった残忍な意見が海外SFファンの主流論調であるというのは、一介のSFファンとして、非常に残念です…。人間のみを特別な上位存在とみなすキリスト教の影響があるのかな…。日本は、昔から、人間以外の存在にも親しみが深く、ロボットも親しまれていますから(鉄腕アトムとか「To Heart」のマルチとか人間と分かり合えるロボットとして親しまれていますよね)、人工知性を人間の奴隷として見下す残忍な意見よりも、相手が人間でなくても、知性を持ち互いに分かり合える相手とは、互いを尊重して仲良くしようという意見の方が、日本において主流の意見となると、信じたいですね…。

本書の主人公のダニエルは究極的に腐れ外道の大富豪で、不老不死を手に入れるために、人工知性を環境シミュレートの中で淘汰することで人為的に進化させて、より高度の人工知性が生み出すより高度のテクノロジーを手に入れようと目論みます。こいつはとんでもなく嫌な奴として描写されていて、作者イーガンの、「人工知性は虐殺すればいい」と述べる連中に対する深い嫌悪感が感じられますね…。人工知性達はこの外道富豪に最後は一杯食わせるんですが、全然懲りずに、今度は宇宙を弄んで神になろうとする落ちは…なんとも…。

皮肉なSFでよくあるテーマ、「技術の進歩とは破滅と不幸を撒き散らす、なぜなら、優れた技術を支配する人間が、その技術を破壊的に利用する倫理のない人間であることはよくあるからだ」というテーマですね…。東電が引き起こした福島原発事故と当時の原子力関係の学者達の行動を見れば分かるように、これが一抹の真理を含んでいることは誰にも否定できないでしょう…。風刺的な皮肉なSFとしてよく出来ている作品です。

「エキストラ」
クローンに脳移植を行って不老不死を得ようとする、これまた最悪の腐れ外道である大富豪の話。主人公の富豪は非合法な人体実験を行い、人間をゴミのように殺戮する最悪の人物なので、「こんな最悪の奴はきっとこういう落ちになるんだろうな」と思っていたらその通りの落ちでした。ありがちで先の見え見えなお約束展開の話で、イーガンの小説にしてはちょっとなあ…という感じですね…。世にも奇妙な物語とかでありそうな話です。アメリカでテレビドラマ化され、日本でもANXチャンネルで放映されたそうです。こういうありがちな凡庸な話の方がテレビドラマにはいいのかな…。

「暗黒整数」
イーガンの短編集「ひとりっ子」に収録されている「ルミナス」の続編。「ルミナス」を読んでいないと意味不明なので、先に「ルミナス」の読了をお勧めします。物語の内容をざっとご説明致しますと、宇宙にはそれぞれ異なる体系の物理体系が存在していて、それらは同時に存在することが出来ず、片方が顕現するともう片方は消えてしまう。片方の物理体系はダークマターの中、もう片方の物理体系は我々のこの物理世界としてあるんですね。そして、ルミナスで出てきたダークマター宇宙の世界が、地球のあるこの物理世界を、異なる物理体系(ダークマター宇宙の物理体系)を顕現させることで抹消して消滅させようと、全面攻撃を仕掛けてくる話です。

前作「ルミナス」では、たとえ同時に存在できない、異なる物理体系の世界でも分かり合えるみたいな話だったのが、今作ではいきなり「人間同士すら分かり合えないのに、異なる世界が分かり合えるはずがない。異なる世界と接触すると全面戦争になる。双方が平和的に生きるには、異なるものとは一切接触できないようにするしかない」という方向性に行ってしまっていて、なんだか残念でした…。

「グローリー」
これもなんというか皮肉な話というか、イーガンらしい話というか…。野蛮な未開の惑星の古代遺跡に、究極の数学理論があると知って、それを調査探索に行った高度宇宙文明所属の調査員の話です。高度宇宙文明は、宇宙を探求して知識を得ることが最大の目的になっている、理性を重んじる文明で、究極の数学理論も、特に実利的に役に立つ訳じゃないけど、知識探求のために探している。逆に、冷戦時代のアメリカ対ソ連みたいな状態の野蛮な未開惑星の原住種族は精神レベル・文明レベル共に、今の人類ぐらいな感じで、知性よりも、実利と拡張、他者と競争して勝利し、他者を屈服させ支配することを最大の目的としている文明です…。

未開惑星には、知識探求を主目的とした種族が古代に住んでいたけれど、理性的な種族である彼らは、究極の数学知識の探求に成功したことに満足して、そのまま滅びたらしいことが暗示される…。それは、戦いと支配を望む野蛮な種族が、いつか、知識探求を求める理性的な種族を打ち滅ぼして、銀河を野蛮な銀河帝国にするであろうことを暗示しているような感じで終ります…。

いかなる合理的基準に照らしても、誠実さと協調性の方が、ごまかしや虐殺よりも、はるかに豊かな見返りをもたらす。

それでもなお、個々の文化は生物学的な遺産(弱肉強食)にそのルーツを持ち、その遺産が生じさせるふるまいは、現代の現実よりも太古の衝動(他者に対する破壊衝動)に支配されていて、自身の性質を選択することが可能なテクノロジーを会得している場合でさえ、個々の文化が保持しつづけていきた一群の特質は、選択された特質と同程度に影響を与えるのだった。最悪の場合、不適切な衝動をいまだに抱えたままで先端テクノロジーの力を持った種族が大惨事を引き起こす可能性もある。
(グレッグ・イーガン「グローリー」)

なんといいますか…理性よりも、破壊的な諸本能が勝ってしまうかもしれないという不安を描くのは、かなりシニカルで風刺的な作品を得意とするイーガンらしいなという感じですね…。

「ワンの絨毯」
長篇「ディアスポラ」第四部を抜き出して短編にしたもの。これ自体が短編として面白いです。まったく知的生命には見えないような生命を異星で発見し、調べてみたところ実はそれは…という話。ぶっちゃけ「無限の猿定理」(偶発的に高度なものが誕生する)の話ですが、イーガンらしい大風呂敷の広げ方が実に壮大で面白かったですね。

ウィキペディア「無限の猿定理」
無限の猿定理(英語:infinite monkey theorem)はランダムに文字列を作り続ければどんな文字列もいつかはできあがるという定理である。比喩的に「猿がタイプライターの鍵盤をいつまでもランダムに叩きつづければ、ウィリアム・シェイクスピアの作品を打ち出す」などと表現されるため、この名がある。

「プランク・ダイヴ」
ローカス賞受賞作だけあって一番面白かったですね。ローカス賞は伊達じゃないという感じです。舞台は「ワンの絨毯」と同じ超高度宇宙文明(今から百万年後の文明)。超高度宇宙文明の人々が、自身と宇宙船を光粒子化してブラックホールに送り込み、ブラックホールの特性を使って、時空の構造を解き明かして無限の計算(無限の世界)を可能にしようとする話です。超高度宇宙文明の人々は、不老不死、自らの望みどおりになる環境など、あらゆる願望を叶えた、神に限りなく近い存在となっている人々ですが、そんな彼らも、完全な万能ではない。いずれ、宇宙はビッククランチが起きて終焉を迎える。そして、ビッグクランチまでに行える計算量(作り出せる世界)は有限のため、いずれ、全ては無と化す。不死の神たる存在に近くなっているほぼ万能な人々だからこそ、そのことに強烈な虚無感を抱いており、東洋的世界観(全ては最終的に無と化すと考える世界観)がうまく現されていて面白かったです。また、ヒロインの女の子コーディリアが可愛いので、その点でもお勧めです。

「伝播」
うーん…これは普通って感じですね。目標に到着したらあらゆるものの自動生産機となるナノマシンを別の惑星に発射して、その惑星で自動生産機がナノマシンを生産してまた別の惑星に発射して…という、物凄くありがちなワン・アイデア・ストーリーです。イーガンなら、もうちょっとひねってほしかったな。これじゃまるで1950年代頃のSFみたいです…。

収録作を全作品ご紹介させて頂きました。作品ごとの出来不出来はありますが、全体として面白かったです。ただ、イーガンの短編集「祈りの海」「しあわせの理由」のような、読んでいてアイデンティティが揺さぶられるような、人間の根源に斬りこんでくるような強烈な作品はなかったですね…。もちろん、これは高望みしすぎなのであって、「プランク・ダイヴ」収録作品はどれも普通にSF短編集として面白い、お勧めできる良作です。SF好きにはぜひお勧めですね。

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)
プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)
祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

TAP (奇想コレクション)
TAP (奇想コレクション)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
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ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
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万物理論 (創元SF文庫)
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2011年09月27日 15:29

10巻侵略!イカ娘
侵略!イカ娘 公式ファンブック (少年チャンピオン・コミックス)

アニメ「侵略!?イカ娘」第2期第1話視聴。ああ…イカちゃんが可愛すぎる…イカちゃん!!!見ているだけで頭の中がイカちゃんのことしか考えられなくなる…。まさに脳内侵略としか言いようがないよ、イカちゃん…。

アンサイクロペディア「侵略!イカ娘」
このマンガはイカ娘の可愛さで支えられていると言っても過言ではない。イカ娘を取り囲む人々もそれなりに愉快な連中が揃っている。このせいか原作を全く知らなくても「イカ娘が可愛い」という事なら知っているファンも少なくない。人外萌えなどどう考えてもマニアックなのだが、人畜無害なイカ娘には毒っ気が無く安心設計である。よつばと!読者あたりに勧めても問題ないレベルと言われている。

本作は見ているだけで見ている視聴者が長月早苗(イカちゃん中毒の登場人物)へと変貌してゆくある意味恐るべき侵略アニメでゲソ。宇宙人侵略SF映画「光る眼」や「遊星からの物体X」などと同じ、人外からの侵略によって地球人が変貌してゆくタイプの作品でゲソ。本作のオリジナリティは、アニメの中の登場人物ではなく、アニメを見ている視聴者がイカちゃんに侵略されてしまうことでゲソ。イカちゃんに侵略されると語尾がゲソになるでゲソ。イカちゃんに侵略された人の中で有名な人としては、「ベルセルク」を書いている漫画家三浦建太郎さんがいるでゲソ。ベルセルク最新刊の36巻でゲソゲソ言ってるでゲソ。タレントの栗山千明さんも侵略されており、全国ネットでイカちゃんを日本中の視聴者に勧めたでゲソ。イカおやつの定番よっちゃんイカ食品産業も侵略されてしまい公式にコラボCMを流していて思わず吹いたでゲソ。

ちなみに、あまりにイカちゃんが可愛すぎて、もう二回も繰り返してみてしまい、三回目をリプレイしながらこの文章を書いているのでゲソ。ああ…イカちゃん…イカちゃん可愛すぎるゲソ…。イカちゃんが可愛すぎて脳が溶けてしまうでゲソ…。音楽を何を聴いても「イカちゃん♪イカちゃん♪イカちゃん♪」としか聴こえなくなってきたでゲソ…。そういえば先日新刊「プランク・ダイヴ」が出たグレッグ・イーガンの初期短編集「TAP」に、TVが流す映像と音のパターンによって脳内の認識システムそのものを組み替えて絶対的イメージを脳に刷り込むSF短編があったのを思い出すでゲソ…。イカちゃんに脳が侵略されたでゲソ…。

10巻侵略!イカ娘
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侵略!イカ娘 公式ファンブック (少年チャンピオン・コミックス)
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侵略!イカ娘 アニメーションブック イカ娘侵略報告記
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2011年09月26日 18:08

時間の終焉―J.クリシュナムルティ&デヴィッド・ボーム対話集

理論物理学者デヴィッド・ボームと哲学者J・クリシュナムルティの時間と宇宙に関する物理学的かつ哲学的対談集「時間の終焉」を読了。面白かったですね。物理学という唯物的な立場に立って論じているボームと、哲学というある種の観念的な立場に立って論じているクリシュナムルティ(彼自身はボーム以上の唯物論者です)が両者とも「時間とは精神作用の中においてのみ存在する想像の幻影である」という立場に立っているのは面白いなと思いましたね。これは考えたら至極当然の当たり前のことで、常に世界には「刻々と変化する現在」しかなく、「過去」も「未来」も、双方とも人間の精神活動(思い出や予想)の中にしかない想像上のもの(ボームいわく「脳の中で起こる物質的過程」)ですからね。そしてそれ自体もクリシュナムルティが指摘するように現在起こっている物質的過程としてある。過去も未来も全ては「変化する物質の現在」の中にある。「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし」(方丈記)

クリシュナムルティ
「いかなる思考の運動も物質的な過程であるとしかいいようがありません」
(デヴィッド・ボーム、J・クリシュナムルティ「時間の終焉」)

かなり難しい本ですが、ボームもクリシュナムルティも理性的な唯物論を肯定しているので(唯物論は、物質の基盤を持たない観念的・超常的なものは実在せず、世界は全て物質の構成と変化によって形成されていると考える論)、唯物論者である僕としてはとても親しみやすい対談集でした。特に面白いのは、物理学者のボームよりも、哲学者のクリシュナムルティの方がより強く唯物主義的な立場の唯物論者で、唯物主義者の僕としてはクリシュナムルティにより大きな共感が沸きましたね。時間というのは人間の想像の中にしか存在しないというのは、普段は見過ごしているけど、考えれば当たり前のことであって、その当たり前のことに気づかせてくれるというのは、流石は20世紀を代表する物理学者と哲学者と思いました。読んで良かったと思える読み応えのある本です。クリシュナムルティは非科学的なオカルトを唯物論の立場から一刀両断にしていて、読んでいて爽快ですね。ただ、日本語翻訳がかなり分かり辛い文章なのが、少し残念ですね…。

クリシュナムルティ
「唯物主義の本質とは何なのでしょう?」

ボーム
「まず第一に、唯物主義とは哲学の一学派です」

クリシュナムルティ
「私はそれを哲学的にでなく、実際的に探求したいのです」

ボーム
「唯物論によれば、宇宙の本質は物質で、これだけが真の存在なのです」

クリシュナムルティ
「この宇宙の中の自然も全ての人間も物質的に反応するということです。が、人間の場合は、その反応は思考によって維持されるのです。そして思考は物質的過程です。ですから、あらゆる反応はまさしく物質的な応答なのです」

ボーム
「『物質的な』という形容詞はあまり適切ではないと思います。反応は『物質の』応答だという方がいいでしょう」

クリシュナムルティ
「『物質の応答』ですね。では、そのように言うように致しましょう。その方が分かりやすいですね」(中略)

クリシュナムルティ
「思考は物質的過程だと思われますか?」

ボーム
「それは物質であるが、同時に物質を越えた何かだと反論する人々(非物質の霊性の存在を主張する観念論者)がいるかも知れません」

クリシュナムルティ
「それは知っています。それについては以前話し合い、そうではないといいました」

ボーム
「そのことを明確にするために、要点を簡単にいうことができないでしょうか?」

クリシュナムルティ
「いかなる思考の運動も物質的な過程であるとしかいいようがありません」

ボーム
「が、その言明を何の根拠もなしに権威づけないように、その理由を具体的に説明しなくてはなりません。観察してみれば、思考が物質的な過程であることが分かるのかも知れませんが、なぜそうだと分かるのでしょう?」

クリシュナムルティ
「どうしたら思考が物質的過程だと気づくことができるのか?それはかなり明白だと思います。何らかの経験や出来事があると、それが記憶され、知識となり記憶されます。そして、物質である脳の中に記憶された知識から思考が、次いで行動が起こるのです」

ボーム
「それゆえ、思考は物質的な過程であるわけです。それは依然として、記憶された知識という古い背景からでてくるわけです。ですから、新しいもの(新しい思考・新しい行動)が出現するとしたら、それはこの過程の一部からではないということですか?」

クリシュナムルティ
「そうです。新しいものが出現するためには、明らかに、物質的過程としての思考という古いもの(過去の思考)が(既に経験された古いものとして)終らなければならないのです」

ボーム
「が、その新しいものは、出現した後には、(それ自体が経験された古いものとして)思考を使うことができるわけです」

クリシュナムルティ
「(経験された後では経験したものを使うことができる、経験の)その後では、使うことができるのです。が、物質的反応としての思考がどう動いているか見てみると、作用から反作用が、反作用から作用が起こるというように、思考の運動の全ては物質の運動と同様であることがわかるでしょう」(中略)

クリシュナムルティ
「精神(mind)とは、感情、思考、意識、脳をひっくるめたものなのです。その全てが精神の中身なのです」

ボーム
「『精神(mind)』という言葉は、多くの意味を込めて使われてきました。そしてあなたは、ある特定の意味で、つまり、思考、感情、欲望、意志などの全てを物質的過程とみなし、それらをひっくるめたものが精神であるとしている」

クリシュナムルティ
「ええ、そういった物質的過程をひっくるめたものです」

ボーム
「ところが、それら(mind)を(人間の精神は非物質的な霊的なものであるとする)人々は非物質的なもの(no-material)と呼んできたのです」

クリシュナムルティ
「そのとおりです。しかし、実際には精神は思考等々の物質的過程をひっくるめたものです」

ボーム
「それは、脳と神経の中で進行している(物質の)過程だと」

クリシュナムルティ
「そういった全ての構造物の中の内側で」
(デヴィッド・ボーム、J・クリシュナムルティ「時間の終焉」)

日本人で唯物論者の僕から見ると、ボームもクリシュナムルティも至極当たり前のことを述べているとしか見えないのですが、二人とも『俺達は今、常識をひっくり返すとんでもなく凄いことを語っている。世界には物質しか存在しない!!非物質の霊魂なるものは存在しない!!人間の精神活動とは肉体が生み出す物質的反応だった!!』と力強く熱を込めて語っていて驚きます。なんといいますか…基本的に無宗教国で科学に最大の信を置いている日本から見ると、世界は物質の反応で構成されているという唯物論は科学的に当たり前のことですが、キリスト教(観念的な宗教)に価値観を支配されており、なおかつ共産主義に対して強烈なアレルギーを持つ西欧諸国では、『人間は物質を越えた霊的存在』という宗教的価値観が当たり前の価値観であり、その非科学的な風潮に対して、科学的な唯物論を唱えることは、大変なプレッシャーのようですね…。西欧社会において、科学者や科学的立場に立つ哲学者の人々は軋轢が大変だなあと思いました…。

あと、先日からお伝えしております「超光速ニュートリノ」の記事を読んでいて思ったのですが、今まで絶対の壁と考えられていた光速の壁が破れたとしたら、超光速通信のジョーク解「でっかい棒による超光速通信」が可能になったということですね(^^;

ウィキペディア「超光速通信」
棒による通信
どんなに力を加えても一切変形しない、極めて長い棒を星と星の間にわたして、その棒を押したり引いたりすることでモールス信号などの形で情報を送る。これは直感的には、たとえば一光年の長さの棒があれば、この棒を押すことで一光年先でも瞬時に情報を送ることができるように見える。(中略)

いずれにせよそのような棒の片側が押されたと言う情報(一つの出来事の物理的影響の伝播)自体が、全て光速を超える事がないと言うのが(光速の壁を絶対とする)相対論の結論であると言う事である。仮に無限に近い負荷をかけても、破壊も弾性変形もしない理想的な棒であっても、"時空自体の実際的な歪み(光速の壁)"の影響で伸縮してしまい、ちょうど光速にしかならない。

仮に、空気中の音速に比べて水中の音速が速いようにして真空中の光速に比べて棒の片側が押されたと言う事実が棒のもう片側に光速より速く伝わるのだとしたら、その棒自体が理想的物体ですらなく、SF的な空想の産物であり、また超光速の媒質で構成されている事となり他の架空の超光速通信の手段と何ら変わる所がない。

よって、いかなる非現実的な剛体の棒でも超光速通信は出来ない。概念上のまっすぐな棒とは、物理的に見ると超光速で湾曲と伸縮を繰り返す棒の事である。

この「でっかい棒通信」は、直感的に凄く分かりやすい超光速通信です(百万光年の大きさがあるでっかい棒が動けば、瞬時に百万光年先に情報伝達できる…ように感じられる)。しかも、そんな超光速物質のでっかい棒は存在しないとか色んな重力の影響があるからでっかい棒を作るの無理とかそういう答えを除いた純理論的には、なぜこの方法で超光速通信できないのか説明しづらい。時空が光速度以上の速度を出せないようにひん曲がっているから、棒もその動きに束縛されるとしか、説明ができないのですね…。まあ要するに今までは「光速の壁があるから無理なんだ!!」としか純理論的な説明ができなかったのが、今回、もし本当に光速の壁が破れて、光速の壁が絶対ではないということになれば…。

地球
「本日午後五時からでっかい棒を押して百万光年先のネオ地球に超光速通信を行います。棒の周りの宇宙船は退避してください」


みたいな展開が。このでっかい棒の話はジョークですが(でっかい棒の現実性は皆無です)、今回の超光速ニュートリノ発見によって、これまでの宇宙物理学の前提であった「光速度の壁」が破られるとすれば(未来から過去に飛ぶ超光速粒子に干渉できるとすれば)、今まで不可能とされていた理論に可能性が出てくるわけでして(特にタキオン通信に期待!!)、実にワクワクしますね。

ウィキペディア「超光速通信」
タキオン通信
1960年代にジェラルド・ファインバーグが提唱した超光速の仮想粒子であるタキオンを用いた通信。正の質量を持つ通常物質(ターディオン)は常に光速より遅い速度で飛び、光速に達するためには無限大のエネルギーが必要なので、絶対に光速の壁を破ることはできないが、静止質量が虚数とされるタキオンは逆に常に光速より早く飛ぶことができるとされる。タキオンはエネルギーを加えられるにしたがって減速して光速に接近するが、決して光速より遅くはなれないという、通常物質とは逆の意味での「光速の壁」が存在する。

ただし、タキオンは未だ仮想上の存在であり、実際に検出されたという有力な報告はないため、まだ夢の通信技術である。また、たとえタキオンが実在したとしても、仮に通常物質とは一切干渉しないとしたら、観測すること、通信することは不可能なのではないかとも考えられる。(中略)

タイムマシンによる通信
同じく時間を遡るタイムマシンが可能であれば、たとえ光速より遅い速度で情報を運んでも、目的地へ到着する前に時間を遡れば、結果的に超光速で情報を運んだことになる。この方法だと過去へ向かって情報を送ることも可能となるので、因果律が崩壊する危険がある(タイムパラドックス)。しかし、超光速通信が可能であれば、過去への通信が可能となり、因果律はいずれにせよ崩壊する。

時間の終焉―J.クリシュナムルティ&デヴィッド・ボーム対話集
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確実性の終焉―時間と量子論、二つのパラドクスの解決
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皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則
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ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ
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私は何も信じない―クリシュナムルティ対談集
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方丈記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
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超クソゲー3
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TVゲーム評論本「超クソゲー3」読了。「超クソゲー」「超クソゲー2」に比べると全体的に真面目になっています。前二作「超クソゲー」「超クソゲー2」は「キッチュなゲームを面白おかしく紹介する」というところが大きかったのに比べ、今回の「超クソゲー3」は「丁寧に作られた優れた良作なのにも関わらず売れなかったゲーム、実際は良い出来なのに色物とみなされてしまったゲームを実際にプレイしたときの面白さを紹介する」というところが大きく、ゲーム評論としては実に真面目な感じになっています。本書の中で何度も触れられていますが、「超クソゲー」「超クソゲー2」執筆時は年齢20代だったクソゲーハンターの三人組(多根清史さん・阿部広樹さん・箭本進一さん)が、今回の「超クソゲー3」執筆時には年齢40代になっており、ゲーム業界を真面目に考えるゲーム業界の重鎮的存在にスタンスがシフトしたのが大きい感じですね。

それぞれのゲームの評論は、前二作に比べると真面目になりましたが、前二作と同じように、なかなかのユーモアとウィットがあって楽しいです。前二作を楽しめたお方々ならきっと楽しめるかと。ただ、一番心打つのは、個々のゲーム評論ではなく、ゲーム業界について、三人が思いを述べているところですね。三人とも、「ゲーム業界は、映画や文学の世界とは違い、まともな批評の場を作ることができなかった」ということを憂いていて、この憂いはゲーム批評編集長だった奈良原士郎さんやファミコン神拳でゲーム記事を書いていた堀井雄二さんも憂いていて、ゲーム好きとして心に染み入ります…。

現代日本において、TVゲーム業界の批評の場というのはプロの世界には存在せず(宣伝広告とゲーム専門誌が一体化したため、ゲーム専門誌=宣伝広告となった。ファミ通の形骸化したクロスレビューが物語っています)、ゲーム好きなアマチュアの世界も元気がないですからね…。現代日本におけるゲーム批評事情は、好きなゲームをプレイした後、「ああ、楽しかった。みんなどんな感想抱いているのかな?」と思ってゲームのタイトルをグーグルで検索すると、ゲームに対する酷い誹謗中傷が書かれた大手ゲームブログ群が検索の最上位に上がってきて、ゲームを罵る酷い文面がイヤでも目に入ってしまう、ゲーム好きにとってあまりにも辛い状況ですからね…。

奈良原士郎(2006年に廃刊になったゲーム専門誌「ゲーム批評」編集長)
「(広告を受けずに、独自のゲーム批評を行っていた雑誌である)「ゲーム批評」に対するゲームメーカーの拒絶感って、本当に凄まじかったんですよ。僕が就任して最初の大きな取材は東京ゲームショウだったんですけど、事前にスクエニは出禁だと聞いてて。でも、(スクエニの)担当者と親しいライターさんと行ったし、ブースの取材ぐらいはいいだろうと思って(スクエニブースに)行ったんですけど、「マイクロマガジン社はいいけど「ゲーム批評」はダメだ」って」

インタビュアー
「メーカーの方針として「ゲーム批評」は門前払いだったんですね」(中略)

奈良原士郎
「ゲームメーカーの広報体質の変容っていうのも大きいんじゃないかなって気はするんですよね。そういう流れが、この10年でドカンと来た。

今のメーカーの若い広報担当なんか、「メディアが自社のゲームを記事にするときは、それを必ず僕らに見せなきゃいけない」「それが法律だ」っていう、それぐらいの意識なんですよ。でも、ちょっと待て、それは憲法21条に反する行為だよって。検閲っていうのは、まさにそれなんです。批評・批判と誹謗の区別がついていない。それが今のゲーム産業の活力を失わせている原因のひとつだと思うんですが」(中略)

インタビュアー
「(クソゲーハンターの三人はゲーム業界に対する)気持ちの変化とかありましたか?」(中略)

箭本進一
「気持ちとしては案外、最初の「超クソゲー」の頃から変わってなくて、さっき「秋葉原のお店は人(店員さんとお客さんの繋がり)の現れである」「ユニークな人の現れ」であるという話がありましたけど、それはゲームに関してもあてはまる気がする。お店なりゲームなりから見えるユニークな人の現れ。それを見たいのかも知れない。ユニークな人そのものであったり、ユニークな人が作ったゲームであったり。あとは、その志が他にない現れ方をした状況であったりとか。そういうところを見てみたいし、原稿に書きたいのかも知れない。

だから、その意味において、そういうユニークの現れみたいな原稿を書ける場所も、この10年でなくなっていったので」

全員
「あははは」

インタビュアー
「いや、僕がいうのもなんですけど、それは切実ですね(笑)」

多根清史
「でも、そういうバカな場所もなくなってきてますからね。それは、ゲーム雑誌が潰れたからなんだけどね」

阿部広樹
「ゲーム雑誌が潰れすぎたよね。特にマイナーゲーム雑誌が潰れ過ぎ」

多根清史
「正直にゲームを語ろうとすると、ゲームメーカーと仲良くできなくて潰れるんですよ。長生きできない。たとえば映画だったら、「映画秘宝」が破天荒なお遊びのポスターを作ったとしても、映画会社がそれを分かっていて、扱ってもらえる文化があるんですよ。その点、日本のほとんどのゲーム会社って、やっぱり、「ゲーム雑誌に扱ってもらう=広告」としか考えてないから、そこで、「自分達の考えた方向で語らないとダメ」って言っちゃうわけですよね」

インタビュアー
「そこが、やっぱり変なんだよね」

多根清史
「その結果、ゲームジャーナリズムが全然育たなかったわけですよね。育ってなかったのに既に終ろうとしている。要するに、ゲームメーカーとゲーム雑誌は幸せな関係を築くのに失敗しちゃったなって感じがあるんですよ」
(多根清史、阿部広樹、箭本進一「超クソゲー3」)

インタビュアー
「(少年ジャンプのゲーム紹介コーナーであった)「ファミコン神拳」を担当していて、どんな苦労がありましたか?」

堀井雄二
「当時はゲームが発売されてから、そのゲームをお店で買って、プレイして記事を書いていたんですよ。今のようにメーカーさんに協力してもらって、発売前に開発途中のゲームを借りて記事を書くという体制ではなかったので。だからこそ『自由に、思ったことを本音で書けて、楽しかったんですよ。』(引用者注:『』内は青字太字で強調されている)

当時少年ジャンプ編集部の鳥嶋さんといっしょに秋葉原のゲームショップに行って、店頭デモを流しているゲームの画面写真を撮りに行ったりもしていましたね。お店によっては、「開店後はお客さんがいるから撮影しないでください。開店前にきてください」と言われて、早朝に秋葉原を二人でうろうろしたりしました(笑)」
(ドラゴンクエスト123付属本「ファミコン神拳奥義大全書復刻の巻」)

僕はTVゲームが小さい頃からずっと大好きなので、僕に出来ることとして、プレイしたゲームの楽しさや面白さを少しでも皆さんに伝えることが出来ればと心から思いますね…。残念ながら現代日本において、インターネットのTVゲーム批評の大半は、圧倒的な力を持つゲーム系大手ブログが行うTVゲームに対する酷い誹謗中傷で埋め尽くされている、ゲーム好きとして非常に耐え難い、酷く辛い状況ですが、この状況を憂いているだけでは、何も状況は変わらないので、少しでも、自分が実際にゲームをプレイして、楽しかった部分、逆にここは改善すべきだと思った部分、そういった具体的なゲームの感想を皆さんにお伝えして、ゲーム業界が少しでも良い方向にいく一助になれれば、僅かでもそうなれればと、ゲーム好きとして思っていますね…。もちろん、僕の力など物凄く僅かでちっぽけなものですが、それでも、ゲーム好きとして、皆さんにゲームの魅力を紹介する努力を行って、それが少しでも伝わってくれたら、嬉しいですね…。

超クソゲー3
超クソゲー3

超クソゲー1+2
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ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III(復刻版攻略本「ファミコン神拳」(書籍全130ページ)他同梱) 初回生産特典 実物大! ちいさなメダル同梱
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2011年09月25日 10:59

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
ホーキング、未来を語る (SB文庫)

ただ今放映中のNHK「ホーキング博士の宇宙 時間旅行(タイムトラベル)は可能か?」視聴中。光速度不変の原理を打ち破って過去へ移動する超光速ニュートリノ発見の直後に放映とは、なんともタイムリーで良い感じですね。ホーキング博士は「理論的には未来から過去へ移動する時間旅行は可能である」という立場で、ロマンを感じます。アインシュタインはキリスト教に基づく決定論者であったため、量子論を嫌って「神はサイコロを振らない」という言葉を発したことで有名ですが、ホーキング博士はアインシュタインとは逆に、あらゆるものは不確定なミクロのゆらぎの中にあるとする量子論を自身の考え方のベースにしているところが面白いですね。

ホーキング博士「未来から過去への移動が可能なミクロの量子世界を利用すること、具体的にはワームホールを利用すれば未来から過去への時間移動も可能である」
佐藤勝彦教授「ミクロの世界の時空は連続体ではなく、非連続体である。物理法則では時間の流れを逆転させることが可能だが、それを現実に適用できるかは難しい」
上原貞治博士「ミクロの世界では因果律のような時間の方向性はなく時間の方向性は一定ではない」

タイムマシン
(画像クリックで拡大します)

僕が生きている間に、タイムマシンは無理としても、未来から過去へ情報を送る通信機は完成して欲しいですね。ワームホールを使って大きな物質を過去へ送ろうとすると、フィードバック問題(ワームホールを物質が潜り抜けられる大きさにしようとするとワームホール内のエネルギーが過去と未来の間をループしてエネルギーが無限大に達し、ワームホール自体を破壊してしまう)が起きるため、タイムマシンは完成が難しそうです…。SF好きとしては、タイムマシンは無理にしても、未来から過去に移動する量子世界の素粒子の働きを利用した未来から過去への通信は、実現化して欲しいなと思います。時間移動には胸をワクワクさせるロマンがありますね。

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、未来を語る (SB文庫)
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2011年09月24日 22:54

プリンセスX 僕の許嫁はモンスターっ娘!? 初回特典版
這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

「夢幻廻廊」「R.U.R.U.R」など、非常に僕好みのゲーム諸作品を制作された、僕がPCゲームのシナリオライターで最も好きなシナリオライターさんである伊藤ヒロさんの新作、人外キャラとの交流と恋愛を描いたファンタジーアドベンチャーゲーム、Poison@Berry「プリンセスX〜僕の許嫁はモンスターっ娘!?〜」クリア。展開があまりにもハチャメチャ過ぎて吹きました。最初はシリアスなのかなと思う展開ですが、後半のハチャメチャなギャグコメディ展開ひどすぎる(良い意味で)。特に最後の落ちはとほうもなくひどい(良い意味で)。人類を遥かに超えた文明からやってきた人外の存在達が、だれもかれも、強大な力を持ちながらみなおちゃらけた、ハチャメチャな連中だったというところ、色んなオタク作品のパロディ三昧であるところ、ギャグコメディライトノベルの人気シリーズ「這いよれ!ニャル子さん」シリーズに感じが似ています。謎の中心が解き明かされる、そのとんでもないハチャメチャ落ち(地球人類は何のために生まれ存在するか)もニャル子さんっぽいですね。

「プリンセスX〜僕の許嫁はモンスターっ娘!?〜」公式サイト
http://www.cyc-soft.com/poison-pro/princess-x/x-top/top.html
「何で地球だけそんな特例なんだ」

「そこなんですよ。なぜ地球だけが特別厳しいのか。なぜ神話上のモチーフになるような大物(宇宙人)連中がこんなへんぴなところまで来星したか。その理由が、これです」

ニャルラトホテプはテーブルの下に手を滑り込ませたかと思うと、どん、とテーブルの上に何かを置いた。

「お前がさっき買い散らかしたグッズじゃないか」

「オフコース」

美少女のイラストが描かれたまち付きの大型ビニール袋。かなり容積があるはずのそれが、パンパンに膨れている。中身は、アニメDVDボックス。ティーンズ小説。コミック。同人誌。サウンドトラックも入っているのかもしれない。とにかく、そういった類のグッズ。

「それが何だってんだ……ああ、こんなところで広げるな!恍惚の目でパッケージを撫でるな!頬ずりもするな!ケースを舐めるな!早くしまえ!」

「はっ、失礼。ついつい悦に入ってしまいました」

「お前と同席が嫌になったぞ……んで、そのグッズがどうしたよ」

「そうそう、これなんですよ、その理由は」

「どういう事だ」

「この広い宇宙、地球人なんて指先一つでダウンさせられるくらい物理的にも精神的にも力を持った連中が、それこそ星の数ほどいます。ですが、そんな彼らでも地球に唯一遅れをとっているファクターがあるんです」

「それとお前の趣味と何の関係が」

「娯楽です。英語で言うとエンターテイメント」

つん、と満足げに戦利品の袋をつつくニャルラトホテプ。

「え、だって、お前らにしちゃ(地球は宇宙の片隅の)片田舎の文化なんだろ?」

「いいえ、こと娯楽に関しては地球は宇宙一と言っていいでしょう」

「こっち(地球)の何倍も科学力持ってるくせに?」

「昨夜も申し上げましたでしょう。科学技術と精神性は必ずしも一致しない、と」

確かに、耳に残っている。彼女(ニャルラトホテプ)の言では、高度な科学技術を有していても、それを軍事にしか生かせなかった荒んだ文明もあったらしい。一応、辻褄は合っているようだ。とはいえ、地球が娯楽では世界一という言葉はいまいち実感が沸かない。

「娯楽、ねぇ。こっちにとっちゃ、ごく普通の事なんだが」

「恒星間移動も我々にとってはわりかしポピュラーな事なんですけどね」

「……なるほど」

とても分かりやすい比較だった。

「地球の娯楽、例えば映画とか演劇とか読み物、ゲームなどは、宇宙中の注目を集めています。何というか、根本的に脳の構造が違うんでしょうかね?我々には、そういうのを考え出す思考がそもそもないようなんです」
(逢空万太「這いよれ!ニャル子さん」)

「プリンセスX〜僕の許嫁はモンスターっ娘!?〜」
地球人類が生み出され存在してきた理由(注意:重大なネタバレ画像です)

プリンセスX

Poison@Berry「プリンセスX〜僕の許嫁はモンスターっ娘!?〜」、シリアスで重厚なファーストコンタクト物、真面目な異種族交流物を望んでいるお方々にはお勧めできませんが、肩の凝らない軽めのギャグコメディ作品としてはとても良作、楽しめる出来です。先に挙げた「這いよれ!ニャル子さん」とかお好きなお方々にはぜひにお勧めですね。重い展開もありますが、全体として基本的には明るいギャグコメディなので(特に後半の落ちがハチャメチャ過ぎて重い展開はどこかに行ってしまいます)、明るく楽しめるゲームをプレイしたいお方々にお勧めですね。「プリンセスX〜僕の許嫁はモンスターっ娘!?〜」、凄く映像的な感じが上手くでている作品で、その点も良かったですね。アニメ化してほしいなあ…。
プリンセスX 僕の許嫁はモンスターっ娘!? 初回特典版
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夢幻廻廊 Vista対応版
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夢幻廻廊1.5~連鎖~ [ダウンロード]
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夢幻廻廊2 ~螺旋~ 初回特典版
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R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル このこのために、せめてきれいな星空を 初回版
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這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)
這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)
這いよれ!ニャル子さん 4 (GA文庫)
這いよれ!ニャル子さん 5 (GA文庫)
這いよれ!ニャル子さん 6 (GA文庫)
這いよれ!ニャル子さん 7 (GA文庫)
這いよれ!ニャル子さん 8 (GA文庫)
這いよる!ニャルアニ1&2パーフェクトボックス 特別限定版

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タイムスケープ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
タイムスケープ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

貴方は全ての物語の間に因果関係を持ち込んで理解しようとしている。でも、そんなことは何の意味もないのです。限られた理解力しか持たない我々の脳が、あまりにも複雑な世界に対面した時に、壊れてしまわないために脳自身が設定した安全装置――――それが因果律なのです。我々が理解している世界は幻想にすぎないのです。
(小林泰三「酔歩する男」「玩具修理者」収録)

本日の新聞にデカデカと光より速い超光速粒子発見と出ていて飲んでいたお茶を思わず吹きました。世紀の大発見です。これまで、質量を持つものは光速を超えられず、光速で移動するものは質量がゼロになり、質量がマイナスになるものはない(光速を超えるものはない)とされてきました。光速を超えた速度で移動するとは、「未来から過去へ移動する負の質量を持つ粒子」であるということ。もしこの超光速粒子に干渉することが出来るのならば、理論的には、因果律はミクロ世界では崩壊する事象というだけでなく、我々の生きるマクロ世界においても存在しない事象、「因果律」とは、時空の流れに囚われた生命である人間が局所的に抱いた幻想(小林泰三「酔歩する男」)であったということになり、理論的には因果律を超えた未来との時間通信が可能、究極的にはタイムマシン、無から有を作り出す永久機関さえも製作することが可能となる。

もしこの発見が本当だったらという留保は付きますが、もし、本当に超光速粒子が見つかったのなら、これは人類の歴史をひっくり返す、パラダイム・シフトを起こす超絶的な、世紀の大発見という言葉では足りないほどの、凄まじい大発見です。人類がこれまで抱いていた「因果律」(原因→結果の順番に事象は生ずる)は誤りであった、「因果律」とは人間が世界を解釈するために勝手に作り上げた誤謬であり、実際は、因果律などなく、事象は時空の流れを超えて発生しているという、時間に囚われた人類の常識をひっくり返す究極的な事態です。

9月24日朝日新聞朝刊
「光より速いニュートリノ」計測 国際研究グループ発表
http://www.asahi.com/science/update/0923/TKY201109230206.html
名古屋大や神戸大、宇都宮大などが参加する国際共同研究グループOPERAは23日、素粒子の一つニュートリノが、光より速く飛ぶことを示す実験結果を発表した。結果が正しければ、「光速より速いものはない」とするアインシュタインの特殊相対性理論など現代物理学の枠組みは大きく揺らぐことになる。(中略)

超光速 本当か
光より速いニュートリノの発見が事実ならば、特殊相対性理論の前提を否定する「世紀の大発見」となる。(中略)研究グループに参加する名古屋大学教養教育院の小松雅弘准教授は「研究グループで厳密に分析を重ね、内部でやれることはやり尽くした上で出した結論だ」と話す。

今回の発見について、欧米メディアも報道した。「確認されれば、革命的な発見」「衝撃的。我々にとっては大問題になる」「物理学者は新たな理論を構築する必要に迫られるだろう」と衝撃の大きさを紹介。(中略)

アインシュタインの理論では、光速を超える物体は「負の質量」を持つことになり、その上では時計が未来から過去へ普通とは逆に進む(時空の流れが逆転する)。結果から原因が生まれる(因果律が崩壊する)ことになり、「不可能」とされるタイムマシンの基礎となる。(中略)

現代物理学の根幹を揺さぶるような実験結果が出た。物質が光より早く飛んだというのである。懐疑論が根強いが、素粒子探求の世界拠点の一つが公式発表した見解なので議論が広がることは必至だ。

20世紀に確立した物理学の二本柱は、相対論と量子論だ。アインシュタインが1905年にまとめた特殊相対性理論は、光速を超えるものはないことを土台に組み立てられている。これは「原因があって結果がある」という日常の常識(因果律)を支えるおきてであり、それを破るという想定でタイムマシンSFの着想が生まれたりしていた。

今回は、ニュートリノという素粒子がわずかながら、このおきてを破ったというのだ。実験チームがデータの精度に自信を示しながら、「拙速に結論を出したり物理的解釈を試みたりするには潜在的な影響力が大きすぎる」として意味づけに踏み込まないのもそうした事情があろう。

もし、これが本当ならば、信じがたい驚き、驚嘆すべき発見です…。いきなりタイムマシンや永久機関は無理ですが、この測定自体が「未来から過去に通信した」訳で、未来から過去への時間通信は可能になる。というか、すでに、我々の未来世界は、この現代世界に、因果律を超えた時間通信を送っていると考えるのが妥当でしょう。そして、この通信をキャッチすることができれば、我々現行の人類は驚くべき飛躍を遂げることができる!!何しろ「未来が分かる」のです。一千年先の科学技術を教えてもらえれば、一千年分の時間をショートカットして、一千年先の圧倒的なオーバーテクノロジーを手に入れることができる!!因果律は存在しないので、タイムパラドックスは考える必要はありません。我々はタイムパラドックスというデメリットなくして、因果律を超えて、圧倒的に技術が進歩した未来世界との交流が出来るのです。凄い…。胸が躍りますね。いち早く、本実験の検証と共に、我々の遥か未来から送られてきている時間通信をキャッチするための努力を開始すべきです!!うはー 夢がひろがりんぐ!!

未来からの通信で永久機関の作り方教えてもらう
未来からの通信で不老不死と若返り教えてもらう
未来からの通信でタイムマシンの作り方教えてもらう
未来からの通信で超光速宇宙船の作り方教えてもらう
未来からの通信で時空の構造と万物理論教えてもらう

うはー 夢がひろがりんぐ!!


どうか、タイムスケープみたいな落ちにはなりませんように…。「我々の世界」がはずれくじの世界だなんて…そんなはずは…ないと…信じたい。

タイムスケープ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
タイムスケープ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

タイムスケープ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)
玩具修理者 (角川ホラー文庫)

夏への扉[新訳版]
夏への扉[新訳版]

タウ・ゼロ (創元SF文庫)
タウ・ゼロ (創元SF文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

未来からのホットライン (創元SF文庫)
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2011年09月23日 19:09

Telemann Edition

amazonギフト券を定期的に贈って頂き、ありがとうございます。とても生活が助かって、心から感謝致します。僕は収入がamazonアフィリエイトしかないため、生活費が減ってくると、アフィリエイトの収入にあまりならない話題、クラシック音楽の話題とか書きづらくなってしまうのですが(僕のアフィリエイトの収入は1日数百円で、ゲームの話題で1日300円〜200円、クラシック音楽の話題で1日100円〜200円といった収入ですが、生活費がなくて困っていて、1日100円であっても重大問題です…)、amazonギフト券を贈って頂けると、一息ほっとつけて安心できて、自由に好きな話題が書けて、その点でも、生活と共に精神的にもとても助けられており、本当に感謝致します。ありがとうございます。

僕はクラシック音楽とミニマル・ミュージック(最小単位の音を反復させる音楽。日本ではスタジオジブリの音楽で知られる作曲家久石譲さんなどが代表的作曲家)が好きなのですが、クラシック音楽でなおかつミニマルミュージックという、僕の好みにどんぴしゃりな面白い音楽アルバムを聴いたのでご紹介致します。テレマンの「三つの組曲」(Telemann「3Ouvertures」)です(図書館で借りたのですが、残念ながら絶盤のようです…)。最小単位の音での反復が多くて、吃驚するほどミニマルミュージックなんですね…。特にライナーノーツにも書かれているように、組曲「古今の諸国民」の第五曲「モスクワ人たち」は、現代ミニマルミュージックとして提示されたら、「この作品が実は1704年〜1706年の間に作曲されている」なんてことが分かる人はいないのではないかと思いますね…。驚くべき現代性です。18世紀の始めに既にこのような音楽が生まれていたとは驚きであり、面白いことですね。

(テレマン「三つの組曲」の)最初の組曲「古今の諸国民」の各曲の表題、「トルコ人たち」「スイス人たち」「モスクワ人たち」「ポルトガル人たち」などが、(テレマンの音楽のベースであるイタリア・バロックだけでなく)地方色やエキゾティスムの香りを帯びていることは言うまでもない。(中略)

『古今の諸国民』の第5曲「モスクワ人たち」を聴いて、ゾクゾクするような音楽的楽しみを覚えない人はいないだろう。このたった1分30秒の曲には何と不思議な魅力と迫力があるのだろう。たった3音が、等価で順次上行する音型の一糸乱れず執拗に反復される低音の上で、パターン化はされているものの、リズミックにしなやかに自在に動く旋律は、生き生きとアラベスク模様を描いていく。バロック版ミニマル・ミュージックとでも呼びたくなるような、異色の一章である。(中略)

(演奏者の)ラ・ストラヴァガンツァは、バロック特有の「風変わり」、テレマンの「とてつもなさ」を見事に現代に届けてくれた。
(テレマン「三つの組曲」ライナーノーツ)

ライナーノーツには、「テレマンは18世紀の始め1704年〜1706年の僅か二年の間に総数200曲という現存するテレマン作曲楽譜の多くを執筆したが、それらは当時の音楽界である「教会」からの人気(評価)はあまりなかった」と書かれていますが、聴いているとそれが分かりますね。ミニマル・ミュージックを知っている現代に生きる人間が聴くと「おお、ミニマルそのものじゃないか、これは凄い!!」と思いますが、ミニマル・ミュージックの存在自体がなかった18世紀始めの人が聞いたら「なんじゃこりゃ???」と思うでしょうからね…。テレマンはあまりにも「とてつもなく早すぎた」という感じですね…。なんでもありのバロック音楽の中でもさらに200年分先を行ってしまったので、理解者が少なかったんだろうなと感じますね…。

テレマンのこの「三つの組曲」は、ミニマル・ミュージックであり、なおかつバックグラウンド・ミュージック(バッハのような荘厳な宗教性・ドラマ性はテレマンのこの曲集には全くなく、聴きやすい)でして、テレマンの代表曲「食卓の音楽」のように、当時からテレマンの音楽は、一般大衆が何気なく聴くバックグラウンド・ミュージック的な親しまれ方をしたというのは良くわかりますね。当時の教会は「教会で聴く重く荘厳な音楽」を求めていましたが、テレマンの音楽はそれとは対極にある、「家庭で何気なく聴く」まさに現代的音楽です。読書しながらとか、掃除しながら、とか、何気なく聴くバックグラウンド・ミュージックとして優れているというのは、音楽を格式ばらずに聴くようになった現代における最高の特質となっていると思いますね。もちろん、バッハの音楽はとても素晴らしいですが、バッハだけでは肩が凝っちゃいますから、肩の凝らない音楽としてテレマンの音楽はとても良いと感じますね…。

バッハとテレマン――歴史による淘汰?
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ubukata/3u.html
バッハの音楽の重構造性、精神性に対して、テレマンの音楽は「底が浅い」という言い方がされる。しかし、この言い方は「まじめインテリ」の立場からの片寄った評価である。バッハの音楽は農民的であり、それは、彼や彼の先祖が生きた中部ドイツのテューリンゲン地方の風土が醸成したものである。一方、テレマンは商業の風土の中で生涯の大半を過ごした。「まじめインテリ」とは、言うまでもなく、こつこつと勉強し秀才となった人たちであり、基本的気質として、農民同様、緻密さやまじめさを好む。

 こうした「まじめインテリ」たちは、例えば、テレマンが「お堅い教師」をとても勤めきれないため、その職をバッハに譲ったなどという話を聞くと、ますます「まじめなバッハ」に惚れ込み、「商売人テレマン」を軽蔑する。そして「テレマンは当時こそ最大の人気作曲家であったが、歴史の聖なる淘汰作用によって現在では存在価値は薄れ、今評価されるのはバッハの方なのだ」という言い方をする。しかし歴史とはまさに「その当時」を知ることであり、当時なぜテレマンが評価されたかを知ることにより、一八世紀前半という時代の実相を知ることが歴史なのである。

 一八世紀に人々が欲していたのは、一時の気晴らしのための音楽であり、気の利いたおしゃべりの背景に流れる気の利いたバックグラウンド・ミュージックであり、厳粛なセレモニーをより荘厳に演出したり、晴れやかな行事を一層浮き立つようなものにしたりする効果音楽であった。音楽は日常的、実用的なものであり、抽象的な想念をめぐらすための存在ではなかった。そもそも貴族たちの内輪の催しを別にすれば、現代のようなコンサート形式というものは未だ存在しなかったのである。音楽といえば、コンサートホールに行って、二時間以上も物音ひとつさせずに椅子にはりついたまま、何やら難しい顔をして、ありがたい名演奏家の顔を拝みに行くことになってしまったのは、一九世紀も後半になってからのことだ。テレマンの「実用的な」音楽が圧倒的な人気で受け入れられたのは、彼が、それぞれの機会にふさわしい音楽で人の心を楽しませる術(すべ)を最もよく心得ていた作曲家だったからである。

 まるで一八世紀の人々の趣味が現代人より劣っているかのように「歴史による淘汰作用」を語り、「バッハこそ生き残るのにふさわしく、テレマンは忘れられる運命にあった」などと歴史を裁くことは、歴史と人間への冒涜であるとしか僕には思えない。我々は今だに歴史の「発展」という幻想にとらわれている。

最後に、ギフト券を贈って頂いて本当にありがとうございます。生活がとても助かり不安が和らぎます。心から感謝致します。

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