2008年10月

2008年10月22日 16:37

ショスタコーヴィチ:協奏曲全集

ロシア・イラン・カタール三国が国際資源カルテルを結成。同三国は天然ガス輸出資源国として大きな国際シァアを占め、今後の天然ガス価格の行方はこの三国の国際資源カルテルの動向に左右されるとカタールのTV局アルジャジーラが伝えています(本日午前のNHK衛星放送によるアルジャジーラのニュース番組より)。

世界再編が着々と進んでいます。僕は日本の今後取るべき道は多重安全保障政策だと思います。アメリカ・中国と友好関係に徹するのは勿論ですが、ロシアとも友好関係を結び、シーレーンを通した南方エネルギー依存のみではなく、北方、北海道などを通したロシアからの北方エネルギー資源確保もせねばならない。多重的な安全保障を結ぶことで、安定が得られる。現在のような片一方(シーレーン・対米依存)のみに依存した資源戦略はいざというとき、何の選択も取れなく、危険だと思います。これは日本の政治家では鈴木宗男さんや元外務省官僚の佐藤優さんも共同して抱いている危機認識と思います。しかし、外務省の国益よりも省益を重視する省益セクショナリズムによって、ロシアと友好関係を結ぼうとする取り組みは何度も失敗しています。力ある日本の政治家のほとんどはアメリカに付いて行けば絶対安泰という幻想の呪縛に永久に掛かっています。僕はここ今後数年がロシアと友好的に手を結べる最後のチャンスだと思います。しかし、僕の予見では、また外務省の対米従属官僚達が妨害を仕掛けて失敗する可能性の方が高く極めて絶望的です。

世界の天然ガス相場を手に入れたロシア・イラン・カタールの国際資源カルテルに友好的に資源輸入国として、日本が結びつければ、どれだけ日本の安定資源供給に利するか分かりません。しかし、国のことよりも省で利益を挙げて出世することしか考えぬ対米従属外務省官僚達にはそれがわからないのです。彼ら(外務省官僚達)はアメリカに頼りきり、決して先を読もうとしない、それどころか、自ら自身の手で国際潮流の先を読む能力(外交インテリジェンス)を放棄したのです。日本国の未来はこのまま行けば極めて絶望的です。

北一輝
「巨大なロシア帝国はこのままでいけばコブシ大の日本列島などひと口に飲み下してしまうだろう」

大日本帝国陸軍軍人1
「何行ってやがんだ てめえは敗北論者かっ」

北一輝
「諸君は進化論を知らぬ!どちらが正義だとか悪だとかではないのだ 当然強いほうが弱いほうを滅ぼすだけだ」

大日本帝国陸軍軍人1
「この野郎 非国民め 殴り飛ばしてやるぞ」

北一輝
「われわれ日本人はロシアが侵略するからといってロシアを責めることはできないのだっ」

大日本帝国陸軍軍人2
「ロシアの肩を持つのか」

大日本帝国陸軍軍人3
「わけをいってみろっ いえなきゃタダはおかねえ」

北一輝
「諸君の中にはダーウィンの進化論を読んだ者がいるか 進化論によれば生物が低級なものから高級なものへ 弱いものから強いものへ進化していった! かの巨大な爬虫類にしても進化の大前提の前には 滅びざるをえなかったのだ!そして高度な哺乳動物がとってかわった そしていまや人間が全ての生物を席巻している! 人間はもっとも高等(他の動物より力を持つ)からだ! スペンサーによれば人間社会の中でも進化論と同じく 単純なものから複雑なものへ進化し 強者が栄え 弱者が滅ぶ生存競争が続くといっている」

大日本帝国陸軍軍人1
「それがどうしたってんだよ」

北一輝
「国家も民族も生存競争に勝つことで生きながらえることができるのだ。戦争こそ、生存競争である!砲火には砲火でのぞまねばならない もし砲火のないときは 産業の力で 貿易の力で 他国と戦う! それが日本だ (大国に囲まれた小国である日本が生きのびるには)戦わなければならないのだ永久に!」
(手塚治虫「一輝まんだら」)

上記の『もし砲火のないときは 産業の力で 貿易の力で 他国と戦う! それが日本だ(大国に囲まれた小国である日本が国家として生きのびるには)戦わなければならないのだ永久に!』というテーマは手塚治虫さんの未完の傑作「グリンゴ」に引き継がれたテーマです。今、まさにそうした危急存亡の時において、軍事力のない日本は産業の力・貿易の力を使って、必死の外交努力で自らの国を救わねばならないのに、その努力を外務省がしないのです。国益ではなく省益で動く、完全に腐敗した日本の官僚機構、そして国際情勢について自ら考えることを放棄したインテリジェンスなき外務官僚達の手によってマニュアル化された対米従属外交が為されている日本は、救いがどこにもありません。悔しく情けない絶望的なことです。今後の日本の衰退が僕の眼前に予見としてはっきりと現れるのです。

こんなときに、僕はショスタコーヴィッチのチェロ・ソナタ(チェロ協奏曲、「ショスタコーヴィチ:協奏曲全集」)を聴きます。真に絶望的な暗黒のチェロ・ソナタ、まさに破滅してゆく国家に生まれて、そこで聴くに相応しい名曲であると思います。アシュケナージが弾く輝かんばかりに美しいショスタコーヴィチのピアノ曲は、胸が苦しくて聴けなくとも、暗き音色を奏でる重きチェロならば、聴くことができます。

衰退するということを、僕は身を持って感じています。なぜなら、職を失った、収入を失っただけでなく、今の僕もじわじわと衰退し続けているからです。昔の僕のブログは、アクセス数が今の十倍以上あり、アフィリエイトで品物が一日十点以上売れました。今は、一日二点くらいしか売れず、一日の収益は百数十円くらいです。とてもとても苦しいです。衰退するということは、生命活動がだんだんと狭められてくる、命がゆっくりと滅び行くということなのです。もし、ご善意ご慈悲のギフト券を贈ってくださるお方がいらっしゃらなければ、僕の命運は既に絶えていたことと思います。ギフト券を贈ってくださるお方に命の恩人として心から感謝致します。

僕は先に書きましたように、音楽は聴く者一人一人の命の糧となるものと思います。ただ、音楽は国家の糧とはなりません。僕は日本の大勢の人々の生命が助かって欲しいと願います。それはこの国家(日本国)の滅び行く衰退は避けられぬものであっても、それでも、僕は、日本のなるべく大勢の人々が生き残って欲しいと心から願います。

(ショスタコーヴィッチはニコライ・オストロフスキーの書いた)ソビエト小説「鋼鉄はいかに鍛えられたか」の主人公の言葉を引用して(「交響曲第14番」の)作曲に至った動機を要約した。

『人間が持つ、もっとも大切なものは生命です。それは、一度きりしか与えられません。だから、無駄に費やした年月に対する後悔の念に苛まれることのないように、さもしく卑劣な過去に激しく恥じ入ることのないように、生きなくてはなりません。そのように生きた人間は、死を目の前にしてこう言うかもしれません。私の一生、私の全ての力は全世界に共通する、もっとも素晴らしい目的に捧げられました。それは人類解放のための戦いです』
(ショスタコーヴィッチ。ローレル・E・ファイ「ショスタコーヴッチ ある生涯」より)

参考作品(amazon)
ショスタコーヴィチ:協奏曲全集
ショスタコーヴィチ:協奏曲全集
ショスタコーヴィチ:ピアノ&室内楽曲集
ショスタコーヴィチ:ピアノ(アシュケナージ)室内楽曲集
ショスタコーヴィチ:管弦楽曲集
ショスタコーヴィチ:管弦楽曲集
ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組)
ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組)
一輝まんだら (1) (手塚治虫漫画全集 (282))
一輝まんだら (2) (手塚治虫漫画全集 (283))
グリンゴ (1) (手塚治虫漫画全集 (304))
グリンゴ (2) (手塚治虫漫画全集 (305))
グリンゴ (3) (手塚治虫漫画全集 (306))
叢書 20世紀の芸術と文学 ショスタコーヴィチ ある生涯[改訂新版] ローレル (叢書・20世紀の芸術と文学)

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ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調運命
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]

世界経済は混迷の一途を増し、大投資家にしてフォードの大株主カーク・カーコリアン氏がフォード株を手放し、崩壊寸前のGMだけでなく、フォードも危なくなっているようです。世界経済の中枢たる自動車産業(自動車産業は石油需給・製造業の根幹)の供給と需要、どちらも収縮もしくは破綻すれば、実体的な世界恐慌は不可避であり、資源諸国は減産して資源高騰させ生き残りを図る(既にOPECが減産を発表)でしょうから、グリーンスパンの予見通り、不況・恐慌下でのデフレ圧力以上の資源インフレが訪れ、長期的なスタグフレーションが日本含め世界各国で最低でも今後数年間は続くと予想します。世界経済の衰退は世界各地での生き残りを掛けた戦乱の危機の可能性を高めてゆくことに他なりません。

アメリカ経済と一蓮托生な日本や中国だけではなく、欧州各国(EU圏)もひび割れのような兆しが見え始めています。ドイツの不動産バブル崩壊は現に起きているアイスランド崩壊以上の打撃を齎すでしょう。イギリスのシティ金融が崩壊すればEU圏は瓦解を免れないでしょう。既に、独仏の間がEU金融圏ブロックの交渉で険悪になり、英はいつもながらの権謀術策で生き延びようと画策しているようです。世界は混乱の一途を辿っています。いつの世も歴史は繰り返します。

経験と歴史が教えてくれるのは、政府や民衆が歴史から何かを学ぶということは一度たりともなく、歴史から引き出された教訓に従って行動したことなど皆無であるということです。
(ヘーゲル「歴史哲学講義」)

人の世の移り変りは、木の葉のそれと変りない。風が木の葉を地上に散らし、春が来て、蘇った森に新しい葉が芽生えてくる。そのように人間の世代も、あるものは生じ、あるものは移ろいてゆく。
(ホメロス「イリアス」)

現代、この時代は暗い世相へ入ってゆく現世界のスワンソングが聴こえるようです。僕は音楽においては以前書いたように1970のBPO(ベルリン・フィル・オーケストラ)指揮するカラヤンが好きなのですが、カラヤンは基本的に良い意味で明るい、カラッとしているので、このような時代においては、闇の重さ持つ名指揮者フルトヴェングラーの音楽こそが、世界秩序の終焉に聴くに相応しい音楽かなと思います。

フルトヴェングラーの演奏としては、お勧めは、まず、ベートーヴェンの第九、これについては、もう、どれが最高傑作かということについては大変な喧々諤々の大論争がありまして、バイエルンオリジナル音源問題とか色々あるんですが、そういうことは、放っておいて、虚心坦懐に僕が聴き比べた中では、delta classicsの1951年ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻] が最高傑作であると思います。どの盤よりもこの盤が、僕にとっては最高の作品、フルトヴェングラーが振るうタクトに合わせて絶妙に音が素晴らしく広がって素晴らしいと思います。

そして、世界のスワンソングの訪れに相応しいフルトヴェングラーとしては、ポリドールの1947年ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調運命が、とてつもなく素晴らしいです。まさに、崩壊する世界の中で聴くにこれほど相応しい演奏はないと思われる感動的な重厚比類なき類稀なる歴史的世界的名演奏だと思います。

暗い世界のなかで、フルトヴェングラーの重厚比類なき歴史的な名演奏を聴くことは、僕としては、この暗い暗い、暗澹としてゆく冬の世界を生き抜く皆様方の命の糧となりうるものだと思います。どちらもご機会ありましたらぜひご一聴、お勧め致します。

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ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>
ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調運命
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]
歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)
歴史哲学講義〈下〉 (岩波文庫)
イーリアス (上) (平凡社ライブラリー)
イーリアス〈下〉 (平凡社ライブラリー)

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2008年10月21日 12:42

ブッダ全12巻漫画文庫

ご親切なお方のご善意ご慈悲で僕は何とか今の日本国で生き延びています。本当に感謝の気持ちで一杯です。現在、僕の予想を超える速度で、アメリカの世界的ヘゲモニーの失墜と、世界再編が起こっているので、今後、日本の大勢の人々がどうなるか分かりません。僕は、なるべく大勢の人々に生き残って欲しいと思います。

日本というのは、商人国家(輸出入によって成り立つ貿易立国)ですから、全世界の経済力が低下すると、強力な打撃を受けます。それは国内的なものも勿論ですが、国外的な影響も大きいです。アメリカの経済ヘゲモニーが失墜すると、日本も共に経済的に失墜し、そうすると、資源も無く軍事小国でもある商人国家日本の運命は風前のともし火となります。

手塚治虫さんのブッダの母国カピラヴァストウ(滅亡します)は、日本をそのモデルにみることができるのではないかと、多田道太郎さんが述べています。手塚さんが描くカピラヴァストゥは、シャカ族の国で、労働的には優秀(コツコツ地道に働くことが上手な部族)なのですが、大国二国の間に挟まれたちっぽけな小国であるゆえに、最終的に滅亡します。

ブッダ(シッタルダ王子時代)
「ぼくの国がこんなによわくて よその国におどかされていたとはな…
シャカ族は無力なんだ そういえば父上が何度もいってたな
この国はとなりのコーサラ国の属国みたいなもので、
いつ併合されてしまうかわからないと……なんという世界だ!」
(手塚治虫「ブッダ」)

多田道太郎
「私はブッダが王子として生まれ育った「カピラヴァストウ」という小国(厳密には都城=古代ギリシアの都市国家に近い)を、日本になぞらえたい誘惑にかられるんです。カピラヴァストウは王を頂いていましたが、政治体制としては共和制だったそうです。無理にこじつける必要はないけど、日本の象徴天皇制を彷彿とさせます。カピラヴァストウの周辺に、コーサラ国とマガタ国という二つの大国が控えているあたりも、なんだか日本に似ています。さしずめ、コーサラ国は中国でマガタ国はアメリカといったところでしょうか。

日本という国は、小国にもかかわらず大したこと(経済発展)を成し遂げたように思われているけれど、(実態としては)要は大国に周囲を囲まれたカピラヴァストウみたいなものですね。吹けば飛ぶような存在なんです。

国を捨てて出家したブッダは、晩年に至って祖国の滅亡を目の当たりにしても、それに動じない。動じないは大げさにしても、少なくともある種の達観をもって祖国滅亡の報に接する。つまり、国家を相対化する視線がある。(中略)

晩年の「アドルフに告ぐ」などにも、それは非常に強く表れていますね。あの作品の下敷きの一つになっているのは、「ゾルゲ事件」ですが、リヒアルト・ゾルゲはいわばイデオロギーというものに裏切られ、翻弄される人物ですね。そのことが象徴するように、「アドルフに告ぐ」を貫いているのは、国家とかイデオロギーなどというものに対する強烈な不信でしょう。」

なだいなだ
「世間はとかく文化人という呼ばれる人たちは政治的に色分けしたがるもので、手塚さんほどの漫画家の人になれば、およそ政治的でない漫画を描いても政治的に解釈されがちです。しかし、手塚さんという人は、たぶん政治的には右よりでも左よりでもなく、無色透明に近かったと思うんです。なぜなら右も左も国家の中でのこと。しかし手塚さんの視線は、国家とかイデオロギーなどを超えたところに向けられていた。」
(多田道太郎×なだいなだブッダ解説対談)

なだいなださんと同じような意見を呉智英さんも主張されておられます。

とても単純に考えて、国家の危急存亡の危機に、国家を守るより、自分や自分の大切な人々を大事にすることが、大切だと、僕は思います。実際に、世界の流れとして、アメリカの失墜とともに、日本も失墜してゆくことは避けられないでしょう。

先日、中国がパキスタンの原発二基製造に支援することを発表しました。これは、以前、オバマ大統領候補(ほぼ確実に次期大統領です)がパキスタンに兵を派遣するといっていたことに対する牽制の意味合いが明らかに見てとれます。現パキスタン政権は、失脚した親米ムシャラフ政権とは違い、以前より中国と親密です。アメリカがパキスタンに兵を派遣するなどと云ったら、ロシアも中国の側について反対するでしょう。今のアメリカには中国・ロシアの二大地域大国を敵に回すほどの余裕がありません。オバマ次期大統領は、パキスタンには兵を派遣せず、中国・ロシアとの融和政策を取ってゆく可能性が高いと思われます。世界の各ブロックごとを、そのブロックの地域大国に任せてしまう戦略です。その中で、日本は独立してやっていける能力がない(今の日本がなんとか持っているのはアメリカのヘゲモニーの後ろ盾があるからです)ので、アメリカが失墜してゆくのとともに、日本の経済能力・外交能力も失墜し、その状態で台湾有事や朝鮮有事などが起きた場合、また可能性としては前述の有事より低いかも知れませんが、直接日本に有事が起きた場合、日本は輸出入がストップし混乱状況に陥ることが予想されます。

ご余裕のある方々は、今のうちにパスポートを取っておくなり、パスポートの有効期限の更新をなさるなりされて、もし、日本が混乱状況に陥ったら、一時的にも海外脱出できる準備をなされておいた方が良いと思います。

僕は、最後までこの日本の地とともに生きてこの日本の地で死ぬ思いですが、それは僕がうつ病で、生への気力が弱っているからであって、他の方々がそのように振舞うことはありません。生への気力ある大勢の日本の方々が、これからの暗い時代に、なるべく一人でも、多く生き残って欲しいと願います。

経済的にも、国際的にも、激動する時代、大勢の人々にとって暗い時代が訪れることは間違いないと思いますが、どうかその中で、皆様方が自らの生命と自らにとって大切な生命を大事にして、世界の中で生きて行って欲しいと心から僕は願っております。

参考作品(amazon)
ブッダ全12巻漫画文庫
ブッダ全12巻漫画文庫

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2008年10月20日 21:46

血だるま剣法・おのれらに告ぐ

先のエントリに書きましたように、僕は自分の未来に悲観しておりまして、それがよけいうつを酷くする悪循環なのですが、それでも、僕と同じように貧困層に落ちた人々が、これから増えると思いますが、その人々に、貧困の果ての暴力というのとは違う道を選んで欲しいと思います。

僕は、現実からもネットからも干されていて、現実からは、うつ病で失業していますが、貯金が四万円以上ある上、ペット(猫飼っています)もいるし、まだ若い(稼動年齢)ということで生活保護は受けられず、失業保険もなく、僅かな貯金を少しずつ崩しながら、ギフト券・アフィリエイトのご善意ご慈悲にお助け頂き、なんとか生きながらえている形です。ご善意ご慈悲ある御方々、本当にありがとうございます。

ただ、辛いのは、ブログのアクセスが、以前、オタク関係のブログをやっていたときの十分の一(以前は一日数千ユニークアクセス、今は一日数百ユニークアクセス)になってしまい、だんだん減っている上、大手・中堅ニュースサイトから一切リンクされなくなってしまい、月平均ユニークアクセス数がガタ落ち状態で、以前は、たまに大手・中堅ニュースサイトが、取り上げてくれたので、そうすると、その取り上げられた日から後2日くらいまで、数万ユニークアクセスが入るので、一挙に月平均ユニークアクセス数が増大します。そういったアクセスの融資(ニュースサイトでとりあげてもらうこと)が全く無くなってしまった為、アクセス数とアフィリエイトは=関係にあるので、アフィリエイトは激減しました。大手の皆さんからのリンクが絶たれ、ネットで干されてしまった形で、とても苦しいです。

僕は、現実でも、ネットでも干されてしまった形で、もはや望み無くとても悲観的ですが、それでも、僕と同じような絶望的な貧しい境遇に至った人が、悪しきことを為しては欲しくないなと思います。これは、僕の望みなので、僕がどうこうできるわけではないですが、そう思います。

平田弘史さんの最高傑作として名高い「血だるま剣法・おのれらに告ぐ」がこのテーマに果敢に取り組んでいます。非常に優れた時代劇・剣戟漫画として、そして、虐げられる者の気持ちを描いた漫画として、ぜひ読んで欲しい見事な作品です。

僕が百万言述べるよりも、この本一冊読むことの方が、遥かに分かってもらえるかと思います。「おのれらに告ぐ」より引用させて頂きます。

「流刑人に対する世間の仕打ち、所詮どうなるものでもない!
あくまでもそんな世間をただただ斬る以外にない!」

「そうではない」

「なに」

「それらの世間の仕打ちに耐えて
ただ黙々と己の人格形成…
これがまず第一だ………」

「いうなっ
食 足りてこそ
礼節もあろう!
不自由極貧
その日の食にもこと欠く有様で
何が黙々と人格形成だっ!
俺にはできぬっ」

「しかしやらねばならぬ
いかに差別されている流刑人とは
いいながら 各自各自が
世間のそれぞれの分野において
先覚者たるべき人となり得れば
世間の目
おのずと変わってこよう
いや 必ず変わってくる」

「お手前は偉人だ えらい人だ
だからこそ それもできよう!
だがしかし!
凡人の俺にはそれはできぬっ!
わかっていてもなっ!」

「というてわめくだけでは
一歩の前進もない!
つまるところは
考え方の相違が………………」

「………」
(平田弘史「おのれらに告ぐ」より)

流刑人のところを、貧困者に入れ替えれば、これはまさに現代に通じています。長期的世界景気後退とあらゆる社会保障が既に削減され(失業保険も審査が厳しくなり削減されています)、今後も財政出動や景気対策(企業や投資家への優遇策)などの補填の為に貧困者の社会保障・失業対策などが削減されてゆくことによって、日本における貧困層の大規模な増大と大規模貧困層(ロスト・ジェネレーション)の貧困のままの老齢化は今後ほぼ確実なことと、僕の知る限り、経済アナリスト達はほとんど上記のような結論を出しています。どの経済誌でも今の現状で日本の未来に明るい希望を持っている経済アナリストなどいません。週間東洋経済08/10/25号より下記引用致します。この号は貧困問題の特集で、ぜひ一読お勧め致します。既に発売されています。

「(就職)氷河期世代(ロスト・ジェネレーション)はやがて大規模な貧困集団に」

「歴史的に見て、初婚年齢が(現在のように急激に)上昇したのは太平洋戦争の最中だった。(社会が)異常事態に陥ると、夫婦や家族を作ることが意味を為さず、家族が崩壊する。現在の初婚年齢の上昇は、若年層(氷河期世代)にとっては戦時中に匹敵する閉塞感のためではないか」
(石川達哉ニッセイ基礎研究所主任研究員)

(今後の日本の推移である)低所得なままの非婚・単身世代が増えると、どうなるのか。総合研究開発機構(NIRA)の研究報告書「就職氷河期のきわどさ」(08年4月号)は衝撃的な未来像を示した。就職氷河期世代の非正規社員や無業者(僕みたいな失業者層です)の増加などを受け、それによって生じる潜在的な生活保護受給者が、同世代が老後を迎えた65歳以上になると77万4000人(現在の高齢者生活保護世帯数の二倍弱)に上ると試算したのだ。

NIRAの辻明子リサーチフェローは言う。「非正規社員は将来設計を戦略的に考えないと、老後は最低限の生活もできなくなる(生活保護が国家財政難で停止→生存困難による餓死や自殺などの可能性)。(就職)氷河期世代の雇用の劣化は10〜20年先の日本の経済力に大きなダメージを与える。

第一生命経済研究所の熊野氏は「(金融経済の暴走で)景気循環のアップダウンのサイクルが短い(株価が乱高下しているような現状のような不安定な状態)と(経済が安定しないため)財政再建や賃上げが遅れ、格差が固定化され、中間層が喪失される」としたうえで、「その徴候は既に現れており、仮に景気が回復しても社会構造(一握りの正社員が大勢の非正規社員を管理する、年功序列ではない新自由主義のピラミッド型の構造)は回復しづらく、何十年か先に中間層は喪失されるだろう」と予測する(僅かな頂点・正社員が富を独占し、その他大勢の非正規社員は貧しくなる富の偏在化)。(中略)

目下、金融危機を発端に世界は大不況突入の前夜だ。氷河期世代(現低収入層・貧困層)は取り残され続け、家族を持つことは一段と難しくなるだろう。さらに自分たちの生活も支えきれない彼らが親の介護を担う時代がくれば、共倒れは避けられない。その先にあるのは、底辺家族の大量発生という悪夢である。「氷河期世代対策」はやがて、大規模な貧困対策に変貌する。
(週間東洋経済08/10/25号)

生活が貧しくなり、死が迫ってきても、どうかそれでも「それはできぬっ!」と、自棄にならず、粛々と死へと向かう生を生きたい、貧困に陥った人々にもそう生きて欲しいと、今の僕は願っております。これは、まさしく「考え方の相違」の問題であり、最終的には、各々の方々がご判断されることです。ただ、僕は、自分を死に追いやる者らを斬るのではなく、死の訪れの前に、粛々とこうやって文を書き、生きた証を残して行きたいです。

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血だるま剣法・おのれらに告ぐ
血だるま剣法・おのれらに告ぐ
超長期予測老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図
超長期予測老いるアジア―変貌する世界人口・経済地図

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タイガーブックス (1) (手塚治虫漫画全集 (121))

反貧困集会に二千五百人の人が集まったそうです。

自己責任ではない 命を削らないで 『反貧困ネット』 都内で2500人集会
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008102090070913.html

これが二万五千人だったらと思いました。僕みたいな、交通費の捻出すら苦しい、病気で貯金を削りながら暮らしていて、こういった集会にでる余裕のない、辛い失業者らの人々もいると思うので、貧困層であって、なおかつアクティブに中央(東京)で活動できるのが二千五百人だと、政治的なロビー勢力としては、かなり厳しいです。世論の多くは、とても残念ですが、この運動を小さな政治活動として、無視してしまう可能性が高いです。

世界的な景気後退に日本だけが逆らって繁栄することは考えられないので、今後、日本の貧困化は多数層に渡って急速に進むと思われ、いずれは、このアクティブに中央で動ける数が二千五百人が二万五千人(それを支えるのが全国の最下層貧困層五百万人〜)とかになれば、ロビー勢力として、かなりの力を持つのですが、そうなったとき、日本国の世論がどう反応するか、不明です。

歴史を逆行させるような方向(弱者は滅ぼして淘汰せよ、のような優生学的発想)に行かないことを望みます。大きくなった貧困層が、政治的ロビー団体として、力を持ち、社会福祉の拡充を、どうか行ってくれることを祈ります。

世界的な長期的景気後退が続き、社会保障費が更に削減されてゆくような時代に日本はなると思います。そうなると貧困層が増加します。貧困層が増えれば増えるほど、増加した貧困層が団結して助かる可能性は高いです。それは、人間の共感性が、相手が自らの境遇に近いほど、共感を感じやすいからです。しかし、僕のような今現在貧困の層がそれまでに助かるかは、可能性は極めて低いかもしれないと思います。それは、社会保障が拡充するまでに、時間的に、間に合わない可能性が高いからです。

およそ共感というものは、理解によって限定されるものである。われわれは、われわれの理解できる限度で、他人に共感をもつことができるのである。
(ラフカディオ・ハーン「心」)

僕は、ギフト券を贈ってくださるお方、アフィリエイトで買ってくださるお方のご善意ご慈悲に救われてなんとか生き延びている状態です。ありがとうございます。僕はうつ病のせいもあると思いますが先行きがとても不安です。僕は失業しており、うつ病で、失業保険も出ませんでしたし(なんか法改正とかあったみたいで、失業保険の雇用期間審査が厳しくなっているみたいです)、派遣→バイト→派遣みたいな感じで職を転々としていた為、年金三分の二未納で、無年金なので、障害者年金もでず、収入はありません。ギフト券を贈ってくださる方、アフィリエイトで買ってくださる方のご善意ご慈悲で、貯金を少しずつ減らしながら、生き延びています。こういう、今現在、貧困に陥っている層が、助かるには、僕の見立てでは、おそらく時間が間に合わないと、暗い予見をしてしまいます。

僕は、毎日の生活が、うつが辛くてたいへんで、毎日少しずつ命が削られているような感覚です。胃の腑が痛くて胸の中がガリガリと削られれて、無化してゆくような感じで、この文章も必死で書いています。酷い不安感と無力感に苛まれています。生命にはホメオスタシス(恒常性)というのがあって、生命の消耗を回復する力があるんですが、それが全く無くなってしまったような感じで、辛いです。「魂の致命的な敵は、毎日の消耗である」と、ロマン・ロランがジャン・クリストフの第一巻で書いていたと思いますが、その通りだなあと思いました。

頑張って、反貧困集会に参加するとか、そういう力もなくて、毎日毎日暗くなって、疲労が深く深くなってゆきます。

アフィリエイトのために、頑張ってアニメみようと思っても、見る気力がどうしてもわかなくて、ごめんなさい。

「なんにも心配いらない。自由なの」

「そうはおっしゃいますがね」
「わしらにとっちゃ自由なんかより食べ物の方が重要でさ」
「食べ物はどこだ!」

「食べ物はないの」
(手塚治虫「タイガーランド」「タイガーブックス第一巻」より)

自由とかいう概念があっても、貧困では何の意味もありません。『ここは社会保障が無い自由の世界。だから君には貧困死する自由がある』とか云われも、貧困の人々にとってはもう本当に困り果てて、どうしようもありません。上記のタイガーランドは、社会福祉的な動物の国を、上記の会話の後、作ってゆくんですが、日本国がその方向にシフトするとして、体制シフトまでには、五、六年は掛かると思います。それまでは、社会保障費は切り詰められると思います。だから、どうすればいいかわからなくて、本当に辛いです。

ブレヒトが三文オペラで述べた貧しい人間の人生「人生短く金少なし」です。これは僕の予想ですが日本人の平均寿命は、今後十数年で、大きく下がってゆくと思います。自殺者や病死者が倍増すると思われるからです。貧困層は医療も受けられなくなってゆくと思います。現に、お金が無くて、僕が精神科に掛かれるのは障害者自立支援法で、低収入者の定額措置が効いている(いくら精神科に掛かっても外来の場合、治療費が一定額以下に抑えられる、ただし、高額医療は範囲外)からで、それでも、やっぱり、月に数千円医療費掛かるのは、辛いです。

ただ、助かったのは、amazonで最近は色んな食料が買えるようになったので、ギフト券を贈ってくださる方のおかげ、アフィリエイトで買い物してくださる方のおかげで、食費がとても助かっています。心から、命の恩人として、深く感謝の礼申し上げます。ありがとうございます。

参考作品(amazon)
タイガーブックス (1) (手塚治虫漫画全集 (121))
タイガーブックス (1) (手塚治虫漫画全集 (121))
心―日本の内面生活の暗示と影響 (岩波文庫 赤 244-2)

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2008年10月19日 19:21

リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)

今日のNHKの「海外ネット」で、アイスランド、イギリスなど、欧米系の金融立国が崩れてゆく中で、そんなことどこ吹く風で発展している、新・新興諸国、アフリカのスーダンの特集をしていました。スーダンはアメリカからの経済制裁にも関わらず、年10%の経済成長を遂げているということに驚きました。スーダンには日本の七倍という巨大な国土、ナイル川が国を流れ、肥沃な土壌とすることができる広大な農土がある上、石油産出国としても栄えており、スーダンの首都やそこで暮らす人々を写していましたが、とても立派で豊かなことに驚きました。

アメリカからの経済制裁にも関わらず、スーダンが大きな経済発展を遂げたのは、中国・インド・中東諸国などからの莫大な投資があるゆえに、積極的な経済政策を取り豊かな土地と石油資源を活かして、驚くべき速度で資源産出・農地開拓を行い経済成長を遂げているとのことでした。中国・インド・中東諸国などの先見の明を思います。

中国が一番大きなスーダンの後ろ盾、スーダンの潜在的な国力(無尽蔵の水、肥沃で広大な農土、石油等地下資源)を活かして経済成長を牽引している訳で、TVでスーダンの大統領が「アメリカの(スーダン制裁はダルフール紛争を口実としているが、実は他に目的があってその)目的はわが国の経済発展を妨げることだ!!」って演説していましたけど、確かに、スーダンが石油産出と農地開拓で年10%の成長率でぐんぐん経済成長しまくっているのを見ると、スーダン大統領のいうことも、確かにアメリカの目的として、中国と親密なスーダンに嫌がらせしているというのも一つの要因としてあるのかもしれないな、とも感じさせます。

スーダン政府は、国家が豊かになれば、紛争は収まる。国家が貧しいと、紛争が収まらないという考えで、経済成長路線をとっているとのことでした。確かに一理あるなと思いました。人々が飢えている貧しい国より、人々に食物の行き渡った国の方が、紛争は起こりにくいし収まりやすいでしょう。北風と太陽で、スーダンにとってアメリカは北風、中国は太陽だったわけです。

人々を平和へと向かわせる諸情念は、命を失うことの恐怖であり、快適な生活に必要なものごとに対する意欲であり、それらをかれらの勤労によって獲得する希望である。
(ホッブス「リヴァイアサン 第一巻」)

スーダンがこれから豊富な国力(無尽蔵の水を提供するナイル川、肥沃で広大な領土、石油等地下資源)で著しく豊かに発達してゆくとき、諸外国のなかで一番美味しいのは、スーダンをずっと応援していた中国な訳で、中国というのは、国家百年の計を持って、自国の利益をきちんと確保しているなと思いました。迷走しまくりの日本とは大違いです。

対米従属一本槍の日本は、アメリカのヘゲモニーが失われ、アメリカがモンロー主義路線(一国孤立繁栄主義)に入って、日本をぽいっと見捨てた後、一体どこから資源を調達するのでしょうか。中国・インド・ロシアなどの地域大国は友好的に中東やアフリカの資源地域と手を結んでいます。

日本も資源を沢山持つ国々(中東産油諸国・北の資源大国ロシア・資源を持つアフリカの新・新興諸国)と友好的に手を結んで、資源調達ということを、やるべきだと思うのですが、対米従属政治家と対米従属官僚が妨害するので、こういったことが極めて困難で、いずれ日本は確実に急速的に衰退してゆくのが予見できてしまいます。アメリカが日本を見捨てた後も日本の対米従属政治家と対米従属官僚が「アメリカは日本を見捨てていない!!」と妄信してアメリカの後をついて周り、アメリカ含めたあらゆる諸外国から見れば意味不明な行動を繰り返しながら日本は自滅してゆくと思います。僕はとても悲しいです。

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リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)
リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)

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真珠の耳飾りの少女 通常版

先日書きましたように、僕はフェルメールがとても好きなんですが、東京都美術館でフェルメール展がやっているんですが、交通費だけじゃなく、入場料が1600円掛かるので、毎月ぎりぎりの生活なのでお金なくて行けません。悲しいです。うつ病になる前、働いていた頃なら、絶対見に行っているんですが、行けなくて悲しいです。

東京都美術館「フェルメール展」
http://www.tobikan.jp/museum/vermeer.html

残念なのは、精神障害者保健福祉手帳があれば、1600円の入場料が無料なんですが、精神障害者保健福祉手帳は申請したら瞬時に出るものではないので(障害者自立支援法と同じく審査期間があります。僕が障害者自立支援法を申請して、申請が正式に認可されて東京都から障害者自立支援証明書(精神通院自立支援医療資格証)がきたのは申請から数ヵ月後でした)、今年中に精神障害者保健福祉手帳の申請を行いますが(診察書代金が、お金ないのでまたキツイのですが、以前のように、道に迷って迷子とかになっちゃったとき、手帳があると、警察に保護して頂けます)、今年申請しても精神障害者保健福祉手帳が出るのは来年になるので、フェルメール展は12/14で終わっちゃうので、行けません。残念です。「ヴァージナルの前に座る若い女」の絵画とか、とても見たかったので、本当に残念です。

貧困というのは、行動が起こそうと思ってもできないことなんです。それは、この世のほぼあらゆる営みにはお金が掛かるからです。だから、何かしようと思っても出来ません。貧困は、行動が出来ないよう縛られて檻の中にいるような気分です。そしてその檻がだんだん狭まってきて、心身が潰れてゆくんです。

フェルメールが好きで、映画の「真珠の耳飾りの少女」(フェルメールの映画)も見ました。フェルメールの絵画、見たかったです。ご余裕があってフェルメール好きな方々はぜひ見に行かれることお勧めします。フェルメールの絵画が七点も日本で見られるなんて、滅多にないことです。

絵画にあまり関心のない方々、フェルメールの絵の「本物」をまだ見たことがない人にも、ぜひ見て欲しいなと思います。言葉で絵画の様相を伝えるのはとても難しいですが、フェルメールの絵画は、高村光太郎の詩「晩餐」に通じている心打つ絵画です。僕はとても好きです。

高村光太郎詩集より

「晩餐」

日常の瑣事にいのちあれ
生活のくまぐまに緻密なる光彩あれ
われらのすべてに溢れこぼるるものあれ
われらつねにみちよ

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真珠の耳飾りの少女 通常版
真珠の耳飾りの少女 通常版
高村光太郎詩集 (岩波文庫)
高村光太郎詩集 (岩波文庫)

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2008年10月18日 22:25

白眼子 (潮漫画文庫)

寝る前に猫撫でていたら、猫が尻尾で僕の顔を撫で撫でしました。嬉しいんですけど、目の中に尻尾の毛が。でも嬉しかったです。猫が飼い主の顔を尻尾で撫で撫でするってどういう意味があるのか、分からないけど、良い意味だといいなと思いました。これからは寒い季節なので猫が布団に入ってきて一緒に寝ます。猫の暖かさを感じると、うつの辛さ・悲嘆感・絶望感が少し和らぐのを感じます。

世界は大きく激動して暗い方向に向かっていますが、僕を助けてくれるお方々、このブログを読んでくださる皆様方、日本の人々に、そして、にゃんこに幸せがあることを祈っています。

山岸凉子さんの作品に「白眼子」という僕の好きな作品がありまして、こういうとき(猫をなでているとき)、それを思い出します。「Y氏の隣人」という漫画に「ラッキーカード」という話がありますが、それは人の幸不幸の運命は一定量、人は決してずっと幸福でいつ続けることはできない(幸福は人に僅かにしか与えられない)というお話です。「白眼子」はそれと同じテーマを扱いながら、それを絶望的に捉えずに、その運命を粛々と静かに受け入れて、人々の為に働いた一人の不思議な男性のお話です。

「白眼子」は辛いときに読むと慰められる作品で、手持ちがないのが悲しいですが(お金作るために売りました)、辛いことがあったとき、辛い状態にいるとき、優しさを与えてくれる漫画です。

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白眼子 (潮漫画文庫)

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ベートーヴェン:交響曲全集
モーツァルト:後期交響曲集

うつの調子が現状わるかったところを、優しいお方からお気遣いくださり、心から感謝致します。心身ともにとても励まされて、調子が楽になりました。心から感謝致します。ありがとうございます。

僕は今、うつ状態の調子の変動が大きくてあまり音楽は聴けない感じなんですが、非常に好きな指揮者としては1970年代のカラヤンが一番大好きです。僕は1970年代のカラヤン指揮するBPO(ベルリン・フィル・オーケストラ)がとても大好きです。個人で好きな演奏家としてはピアニストとしてのアシュケナージ、好きな音楽曲としてはショパンのピアノ曲、ショスタコーヴィッチの交響曲がとても好きです。音楽で好きなのは総合的に鑑みて、1970年代(カラヤンの最高潮の時期と僕は感じます)のカラヤンBPOの「ベートーヴェン交響曲全集」「モーツァルト後期交響曲集」とかとても好きです。ただ、モーツァルトの方はこの音楽CD、前は3000円ぐらいで売っていたのが(僕はそのぐらいで昔、新品を買いました)、SHM-CDという、通常のCDより音質の高いCDにしたということで、値段が倍に今は上がってしまっています。

僕は絵画においては、フェルメール、ゴッホ、アングルなどが描く優しさが感じられる絵が好きです。アングルの女性的な包容と優しさの感じられる絵はとても好きです。ただその方向性とは別に、不安感を掻き立てられるキリコやバルテュスの絵なども好きで、絵画の趣味は一体感なく、バラバラに、自分の感性にピーンときたものは好きな感じです。

後、精神障害者保健福祉手帳が、僕の場合は来年初頭ぐらいに発行されるようなので、そうしたら、無年金障害者なので、障害二級でも障害年金はでないんですが、国立の美術館とかは基本的に無料で入れるようになるので、交通費が大変ですが(精神障害者保健福祉手帳は、他の障害者手帳と違い、JRの割り引きがありません)、僕がなんとか生きているうちに、うつの調子は変動するので、うつが軽い調子の時があったら、その時は精神障害保健福祉手帳で無料で入館できる東京の美術館は一通り行ってみたいと思っています。

世界再編についてですが、日経だけが、他主要新聞四誌、既にアメリカ寄りの産経すら諦めて認めている、米国のヘゲモニーの終焉と日米同盟の形骸化を、社説においてついにやっと認めました。

日本経済新聞「社説2 オバマ外交政策への懸念(10/18)」
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081017AS1K1600317102008.html
(オバマ大統領候補の)政策綱領はアジア政策を日本、オーストラリア、韓国、タイ、フィリピンなどの同盟関係の維持から筆を起こし「これらの2国間協定、随時の首脳会談、その場に応じた外交取り決めを超えた、より効果的な枠組みを築かなければならない」と述べる。ライス国務長官が提唱する6カ国協議を安保機構化するのと同様の発想である。

これには問題がある。それは日米同盟の相対化につながり、さらに形骸化にさえつながる危険があるからだ。ワシントン体制という多国間システムのなかで日英同盟がなくなっていった1920年代の歴史の再現にさえ見える。日英同盟廃棄の後に何が続いたか。あの歴史は語るまでもない。

日経はいまさら何を云ってるのかという感じが否めません。日経が崇拝するアメリカは属国日本を新たなる宗主国、アジアの盟主中国に売ったんです。主要四誌(朝日・毎日・読売・産経)において、四誌とも、かの産経すら気づいている事実から日経は目を逸らし続けています。日経が唱える歴史の再現は起こりません。今は

『戦略核兵器所有国(地域大国)>戦術核兵器所有国・非核国』

という形で、軍事力が段階的に決定されているからです。結局、どういうことかと結論から申し上げますと、アメリカが属国日本を、アジアブロックの盟主中国に属国として売り払ったということです。

それをいまさらどうこういってもしかたないです。僕もアメリカが簡単に日本を裏切ったことにショックでしたが、いまは諦めの境地に陥っています。アメリカはこれからグルジアや日本のように、世界中の親米属国を世界の地域大国に売り渡していくでしょう。米民主党の政治を動かすブルックリン研究所が昔から主張している世界分割戦略(世界秩序維持を捨てたアメリカの一国孤立繁栄戦略)が加速します。EU(特にイギリス)もグルジアや日本と同じくアメリカに裏切られた形ですが、彼らの国々は核兵器を保有しているので、他の地域大国とある程度同等に渡りあってゆくことができます。世界は「核兵器本位制」によってブロック化されます。ただ、資源的な問題から、アメリカに裏切られたEUは今後、資源大国ロシアに友好的に接近すると考えられます。ロシアは中東資源地域を友好的に確保しているので、アフリカ資源地域を友好的に確保している中国とともに、今後は世界の中で大国化してゆくことが予想されます。

今後、アメリカに売られた日本がある程度の独立性を保つためには、日本の政治形態において、早急な自衛核武装が不可能(技術的に不可能ではなくても、政治形態における時間的に不可能)な以上、取り急ぎロシア・EUと手を結んで、中国とロシアの間で共に友好関係をとって、バランサー戦略をとりながら、アメリカがシーレーンを中国に譲渡した後(実質的に台湾が中国領内に組み込まれます)、南方からの資源の供給権を中国が抑えますので、そうなる前に北方からの資源確保できるようにするしかないと思います。しかし、先に挙げたように、現在の日本には、そういった外交能力は皆無です。外務省の対米従属省益セクショナリズムにより、そのような外交能力は日本に全くありません。

日本はアメリカから「THE END」のクレジットを送られました。アメリカに散々尽くした後、アメリカに売られるという最悪の結末を迎えました。それはもうどうしようもないことです。新たなる宗主国である中国が、なるべく属国(日本)に対して緩和的な政策を取ってくれることを、どうか、日本の人々の生命の為に、祈るばかりです。

最悪の仮定として、もしも、中国上層部が、国内の暴走的な反日ナショナリズムに圧されてしまい、属国化した日本に対し非常に厳しい政策を取ってきたとき、日本は逆らえない、しかも逆らえない状態で、逆らったことにされるかも知れず、その時は、先に挙げたカラヤンBPO指揮するベートーヴェンの交響曲第五番「運命」を聴きながら、戦略核兵器が日本本土各地へ着弾する前に自死を選ぶというのが、一つの生の完結かなと思います。これはあくまで、僕の倫理的・美学的な考え方で、生に執着する考え方もありますし、国が滅んでも、自らは別の場所へ逃亡し生きていく考え方もあると思います。日本の富裕層の人々は既にその時には海外に逃亡しているでしょう。彼らはゴールド等の富という、どこにでも通じる物を所有するゆえ、コスモポリタンとしてどこにでも行けます。ただ、僕は、日本ですら、うつ病と生活苦で限界的な状況で、外国で生きてゆけるとはとても思えません。日本が滅び行くときは滅び行くこの日本と共に、死する思いを抱いています。

僕の場合、そこまで状況が行く前に、精神疾患と経済的困窮でいずれ消えてなくなりそうですが、現在、物凄い勢いで世界が再編されているので、もしかしたら、日本の滅亡をこの目で見ながら死ぬことができるかもしれないなと、そういった可能性を僅かながらですがあるかも知れないと考えています。

その時(日本滅亡時)は、好きな音楽を聴きながら、自死したいです。僕にとって、音楽は、人間の創り上げた芸術にとって、最後の要です。音楽は人間の創り上げた、最も大いなる存在であると、僕は思います。

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ベートーヴェン:交響曲全集
ベートーヴェン:交響曲全集
モーツァルト:後期交響曲集
モーツァルト:後期交響曲集
ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組)
ショスタコーヴィチ:交響曲全集(11枚組)
ショパン:夜想曲全集
ショパン:夜想曲全集(アシュケナージ)

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国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)

うつの調子が悪く、不眠状態が酷いので、眠れない中で世界再編と今後の日本の行く末を考えておりました。

急速に進んでいる世界再編(アメリカの世界的な経済覇権・軍事覇権失墜)において、資源立国である中東諸国の独立性が高まることは間違いなく、また、アメリカという後ろ盾を失ったEUはロシアに接近するでしょう。ロシアは自国が資源立国であるだけでなく、資源立国である中東との政治的・経済的パイプを持っているからです。そしてEUは日本と同じく、貿易立国・技術立国であり、資源をどうしても必要とするからです。先にご紹介致しましたウォーラーステインの「世界システム理論」でも、アメリカ失墜後、EUとロシアが接近することを予測しています。

極東地域で云えば、中国が地域大国としてアジアにおける大きな覇権を持ち、シーレーンを支配することになるでしょう。台湾は、平和裏にか、有事においてかは分かりませんが、アメリカという後ろ盾を失うことで、いずれ中国に取り込まれていくことになる可能性が高いです。朝鮮半島も中国が取り込んでゆく可能性が高いです。

その時、シーレーンを中国に押さえられた場合、貿易立国・技術立国かつ資源小国である日本は南方からの資源供給を失い日干しになりますから、中国に平伏して、日本もまた中国に取り込まれてゆく可能性が高いです。

ただ、そのとき、問題として、中国のナショナリズムは基本的に中国の大勢の人々の反日ナショナリズムを中心としていますから、日本は、政治的にも経済的にも、マクロにおいてもミクロにおいても、中国の完全な属国になった後、中国の他の属国に比べ、非常にキツイ立場に追い込まれる可能性が高く、その場合の日本国内の状況はとても危惧されます。

少なくとも、アメリカが自国の世界的な覇権を現状において自滅的に破壊しており、今後のアメリカはモンロー主義(一国孤立主義)には入り、親米諸国は使い捨ての雑巾のように棄てられて、地域大国が軍事力によって勃興してくることを、真剣に考えるべきだと思います。ほぼ次の大統領はオバマ大統領に確定しており、民主党のシンクタンク「ブルックリン研究所」は過去より、覇権戦略ではなく、世界分割戦略を提示しています。世界分割戦略は急速に進むと考えられます。

その場合、アジアにおいて圧倒的軍事力を持つ中国が台湾を取り込みシーレーンを支配し、アジアの盟主、巨大地域大国となるというケースを考えて、今後の日本の国際戦略は行われるべきと考えます。仮定ですが、もし日本が『EU・ロシア・ロシア経由の中東諸国・日本』で大陸的に組むことができれば、シーレーンに頼らずに北方から資源を確保できるので、日本が独立性を完全に失い完全なる中国の属国として組み込まれるという事態は避けられると思います。

しかし、佐藤優氏が書くように、徹底的に対米従属一本槍の日本外務省と、基本的に親米及び親中しかいない(親ロ政治家は僕の知る限り、鈴木宗男さんのみです)日本の政治家にとって、ロシアというのは、日本外務省や、親米・親中政治家から仮想敵国扱いされていて、日本の国益を求めてロシアと接近を図る外交官や政治家は潰されてしまいます。

結果、ロシアと組むのは非常に困難で、アメリカのヘゲモニーが完全に失墜した後(世界大恐慌後)、日本は中国の完全な支配下に入るしかないでしょう。

これは、日本の独立性が完全に失われる非常に絶望的な状況で、全くベターな戦略ではありません。外務省の取っている姿勢は日本にとってかなりバッドな戦略と云えるでしょう。エネルギー依存を現在のように南方からのシーレーン依存の状態にしていると、日本は、シーレーンが中国に抑えられた後、完全に中国に隷属することになり、中国の思うがままです。その時、中国の反日ナショナリズムが、日本に対して、どのような要求をしてくるか分からず、非常な恐怖を覚えます。

不可避である米国の失墜の後に、日本が貿易における親中姿勢を維持しながらも、完全に言いなりになるのではなく、ある程度政治的に独立して動くには、日本とロシアの間における資源エネルギー協定が不可欠だと思います。しかし、例え、ロシア(正確にはロシア資源)と手を結ぼうとする先を見通せる政治家や外交官が出てきても、日本外務省がロシアとの関係強化を親米・親中セクショナリズムの省益利権確保の立場から徹底的に妨害する可能性が高く(佐藤優さんや鈴木宗男さんが潰されたように潰される可能性が高く)、結果、日本はあらゆる独立性を失い、中国の属国として組み込まれる可能性が最も高いと予想されます。

サハリンエナジーのエネルギー資源がEUに渡されるか、日本に渡されるか、今年・来年が世界再編の中で日本がロシアと組めるラスト・チャンスだと思いますが、高確率で、日本は対米従属の縛り(外務省の親米セクショナリズム)により、ロシアが日本に共に組もうと誘いを掛けても、ロシアと組むのを日本側から拒否する、日本側の方から極めて自滅的亡国的な選択をする可能性が高いと思います。ロシア側としては、日本をドイツのようにエネルギー資源で取り込んで、資源と引き換えに日本の高度技術を手に入れるとともに、アジアを支配する巨大地域大国中国の牽制に使いたい筈ですから、日本と組もうとする可能性は十分にあるんですが、日本外務省の親米セクショナリズムと一部の親中セクショナリズムがそれを妨害するでしょう。

結果、日本は独立性を完全に失い、中国の完全なる支配下に置かれる可能性が今後高いと思われます。日本にとって極めてバッドな国際戦略ですが、日本の外交能力の欠如、国際情勢分析能力の欠如(外務省が国益の為ではなく省益の為に動いている)は致命的な為、どうしようもありません。

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国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)
国家の自縛
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北方領土特命交渉 (講談社+アルファ文庫 G 158-2)
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北方領土交渉秘録―失われた五度の機会
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ウルトラ・ダラー
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外交敗戦―130億ドルは砂に消えた (新潮文庫)
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隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか?
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プーチンのエネルギー戦略
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プーチン、自らを語る
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