2017年02月17日 12:06

諦念と贈り物。近況、ツイッターで検索に表示されず、通知の送信・受信もできない状態について。個人を消滅させる世界。

先ず、どうかお礼を述べさせて頂きたく。2月7日にamazonギフト券を贈って頂き、本当にありがとうございます。気付くのが遅れて申し訳ありません。生活が厳しく、本当に助かります。色々な諦念の中にあっても、生きる想いが沸いてきます。本当に心からありがとうございます。

生活苦と、頑張っていこうと思っていたツイッターにて、再び数日前より、検索(自分の行ったツイート全て・タグ・アカウント名などの全て)が一切表示されなくなり、サポートには連絡済みですが、何もお返事はなく、何一つ、ツイッターの機能を停止される心当たりはなく(ツイッター見て頂けくと分かると思うんですが、ずっと真面目にツイートやってきて、何一つ、スパム行為などのツイッターの規約に違反する行為は行っておりません)、厭世観と諦念がひどくなっていたので、贈り物(ギフト)を頂けることは本当に心が励まされ元気付けられました。ありがとうございます。

ツイッターで検索に表示されず、通知の送信・受信もできない状態(ツイッターの機能がツイート投稿以外は全て停止され、アカウントホーム以外では全て見えなくなる、繋がりの機能が一切停止される)になると、なぜこのような状態になったのか、それがどんなに心当たりのないものであっても、ユーザーには何も対応する手段がない(ツイッターに個別のサポートは存在せず、ツイッターは一度アカウントとると、もう二度と取り直すことはできません。機能を停止されると何も出来ません)、このことが、社会においては、ツイッター自体の社会的知名度はあっても、何かの陥穽で機能を停止されるとユーザーは何もできなくなり、ただ苦しむだけになること、そしてこのことがツイッターの知名度に比べて、社会に全く知られていないこと、本当に、社会に周知されてほしいです。

一番辛いのは、ツイッターで検索に表示されず、通知の送信・受信もできない状態、何が原因であるか全く分からないことで、心当たりなくそういう状態になった人々も、何が原因か推測することしかできない(フォローを沢山した、URL付きツイートをした、ツイートを沢山した等)、そしていつか解除されるのか、永遠に機能停止のままなのかも分からない、何も分からない状態にされるのが、一番辛いです。ツイッターにこういった側面があることが、社会における知名度と異なり、全く知られていないことを、社会の人々に知ってほしいです。

スタニスワフ・レムというSF作家の傑作に「枯草熱」という作品がありまして、現代社会の技術とシステムの複雑さによって、全く心あたりのない死へ向かわされる人々、彼らの変死の謎を解いて行く物語でして、謎を解こうとしても、解くことのできない世界を描いているのですね。個人の理解を超えた技術とシステムが、個人を消滅させる世界を描いています。

まさに、心当たりなきツイッターの機能停止と何もできることがないことも、そういった個人を消滅させる世界の一つの訪れの表れだと自分自身に起きたことを鑑みて、強く思っているのです。

枯草熱の中では、全く自分自身に心当たりも、そのようなことに巻き込まれる事柄も、何一つない人々が運命としか言いようのないものに巻き込まれて死んでゆく。そして、古代や近代で人々が戦ったり、嘆いたりした「巻き込まれた人々に見える『運命』」とは違い、全く何が起きているのかすらも分からない、巻き込まれているかすら分からない、それは「見えない運命」なんですね…。

それが眼鏡屋だとほとんど見分けがつかないくらい、主人は変わっていました。やつれはて、大病をわずらった後のように見えたのです。眼鏡屋はデュナン博士に、何かに中毒したらしく、夜中に恐ろしい気分に襲われ、妙な発作が起きた、と語りました。そして『なぜだかわかりませんが、今でも泣きたい気持ちがするんですよ!』話の終わりにそう言ったんだそうです。
(スタニスワフ・レム「枯草熱」)

(枯草熱の)そこから浮かび上がってくる現代世界像とは、気が遠くなるほどの偶然の絡み合いの中で、秩序と混沌が作用しあう奇怪な、とうてい個人の頭では理解しがたいものなので、奇妙な、開かれた(何も解決していない)ままのような後味を残すことは変わりがない。結末でソシュール博士がこう言う通りである。

「一連の事件は、現代の象徴というより、むしろ未来の前触れなのです。未来の予言なのですよ。まだ理解できない未来の……」(中略)

「枯草熱」で描かれる混沌たる現代世界は、今読んでも実に現代的である。(中略)次々に怪死事件が起こっていく世界の不条理とは、まさに9・11以後の現代世界そのままではないか。
(沼野充義「9・11以降にこそ読まれるべき作家レム」「彼草熱解説」より)

叙事詩は人を超えた英雄の物語であり、人間は運命と戦うことはできないと、ジョイスは「ユリシーズ」の冒頭で語っていますが、まさに現代は運命自体が見えない運命、個人を消滅させる世界、全くの不条理であり、しかもそれが巻き込まれている人々にも、外部からも、何も見えない世界になっている。人間に出来ることは何もない、ただ見えないシステムだけが支配する世界。人間はそこで、その何も分からなさに苦しむだけの立場に置かれている。

――怖かったさ、とスティーヴンは恐怖のつのるままに力をこめて言った。こんなところで、真っ暗闇のなかで、知らない男が黒豹を撃つぞなんてわめいたり呻いたり。きみは溺れ死にしかけた連中を助けたよ。でも僕は英雄じゃない。
(ジョイス「ユリシーズ」)

真実だと信じていることが、行動を規定するということを原則として認めることができる。とすれば、生存の不条理性の確信が、行動を支配するはずだ。
(カミュ「シーシュポスの神話」)

カミュが「シーシュポスの神話」で描くように、人間にとって運命とはあまりにも不条理的で、しかもそれは先のツイッターのような、高度技術の発展=システムの複雑さの増大によって、ますます人間にとって先を見通すことのできない真っ暗闇、恐怖と不安と苦痛を与えるものになっている。

これは、先に挙げたツイッターに起きていることは一例で、私自身で言うならば、生活困窮と健康不安、私は昔(20年以上前)から、右わき腹に持続的な痛みがあって、検査をしてもどうしても原因が分からない。数年前にうつ病になってから、痛みがひどくなって、お腹の痛みに関係すると思われる病に肝機能障害がある。数年前、肝機能が「すぐ入院した方がいい数値です」って状態って言われて、大きな病院で二週間後に検査すると、「かなり改善しています」って状態になって、しかも、またそれが数週間ごとに悪くなったり良くなったり。でも原因が分からない。

複数の大病院で、CT検査、エコー検査、血液・尿検査、脂肪肝検査、内視鏡検査、胃カメラ、腸の検査、色んな検査しましたが、痛みの原因と、肝機能障害が起きている原因も分からない。非常に不安です。病院の先生が、『肝機能障害は原因が分からないこともあります』って言っていたんですが、まさにその通りの状態です。食中毒とかでも起きるそうなんですが、食中毒でもないです。心因的にお腹が痛むので、心因的なものが関わっているのかも知れません。

耳鳴りもうつ病になってからひどく、聴覚検査で高音域の聴力低下が見られるので、これが原因で高音域の耳鳴りがしているのではないか、と言われているんですが、耳鳴りも心因的に聞こえるときと聞こえないときがあるので、やはり心因的なものも関わっていると思われ、耳鳴りが聞こえ出すと落ち込んで余計耳鳴りが酷くなる悪循環に陥っています。

生活困窮と、うつ病と、様々な健康不安、今回のツイッターのことなど、カミュの述べる「世界は根源的に理不尽で、人間の生のことを一顧だにしない」という言葉を感じ、非常に近年は生に対する諦念が大きく、諦念が自らの全てを支配しているような心持になることもしばしばあります。

そんな中、贈り物を頂けることは、本当に心が励まされることであり、諦念の心理状態の殻を破ってみずみずしさの感覚を味あわせてくれるものでした。深くお礼を申し上げます。

先に挙げたように、高度技術の発展=システムの複雑さの増大が、不条理に個人を消滅させる世界へと地歩を進めつつある現代において、人間同士の絆が、どうか見直されてほしい、分断ではなく、ゆるやかにでも人間同士が繋がることのできる社会へとなってほしい、このことを心から、人間という各々の存在のために願うばかりです。

我々は太陽の古い混沌の中に生きている
それとも昼と夜の古い依存関係のなかに
それともあの広い水面に浮かぶ島の孤独の中に
後ろ盾もなく 自由に 逃れがたく生きている
鹿は地上の山々を歩き ウズラはわれわれの
まわりで おのずからなる鳴き声をあげる
甘いベリーは荒野で熟する
そして大空の孤独のなかで
夕暮れには 何気ない鳩の群れが
あいまいな波形を描きながら
翼をひろげて 下の闇のほうに沈んで行く
(ウォレス・スティーブンス「日曜の朝」)

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