本日のミヤネ屋で講談社編集次長の妻殺害容疑によって詳細が報じられていたのを視聴。講談社編集次長は妻の絞殺死体を転落死に見せかけようとして死体を2階から1階に落とし最初は転落死を主張して、司法解剖の結果、転落死ではない、また1階ベッドに妻がその場所で死んだ痕跡(尿班)があるということになると、次はジャンパーを使った首吊り自殺だと主張したということでして、検死では絞殺の痕を示している、またジャンパーには妻の皮膚等は見当たらないということで…。

ずいぶんと杜撰な殺人行為で驚きました。絞殺を転落死に見せかけるとか、無理がありすぎる…。絞殺は殺意が100%認められる完全な殺人行為の上(撲殺等の場合は殺意がなかった傷害致死などもあり得るが、絞殺の場合は殺意が認定され殺人となる)、殺人の偽装工作を行っている(偽装工作は計画殺人とみなされる)ので(偽装工作を行った絞殺は海外では最も悪質な「第一級謀殺(First-degree murder)」に当たる)、有罪になった場合は、日本だと懲役15年〜無期懲役くらいかな…。

ウィキペディア「殺人罪」
英米の伝統的コモン・ローにおいては包括的概念としての殺人行為(homicide)があり、そのうち犯罪行為にあたる行為が、Murder(謀殺)、Manslaughter(故殺、過失致死)に分類されている。主として被告人の主観的要件に着目して分類されており、日本法にはない区分も存する。

謀殺
事前の殺人の故意(malice aforethought)をもって殺人を犯した場合。態様につき、さらに、2等級に分類される。

第一級謀殺(First-degree murder)保険金殺人など周到な準備に基づく場合や、強盗・強姦・誘拐など他の重罪(Felony)の手段として意図的な殺害をした場合(重罪謀殺化の法理)情状酌量などが認められず、量刑も死刑または終身刑(100年を超える実質的終身刑を含む)。

ミヤネ屋によるとこの講談社編集次長は別冊マガジン創刊して大成功させた立役者で講談社の出世頭として知られ、週間少年マガジンの編集長目前とされていて、その次は講談社役員候補とのことでして、講談社の準役員級高級幹部だと相当な収入(最低でも年収数千万)がある筈ですから、育児が大変ということで夫婦で揉めてたというならベビーシッターを雇えばよかったんじゃ…。

前述したように驚くのは、絞殺を転落死や首吊りに偽装できると容疑者が考えていることですね…。ミヤネ屋で元検視官の方が、「死体は真実を語る訳でして、嘘をついてもばれますよ」と言ってましたけど、ほんと、ちゃんと司法解剖すれば、真実は明らかになる訳ですね。ミステリとか読まない人の認識って、講談社の最高幹部というエリートであっても、「絞殺死体でも転落死や首吊りに偽装できる」みたいな甘い考えなのかな…。凄く驚きました。ミステリマニアだったら絶対にしない発想ですよこれは。

偽装工作もただ死体を二階に運んで突き落とすという杜撰極まりないもので、ミステリマニアと一般人の認識の強烈な差異を感じましたね…。しかも、ミヤネ屋によると、今回の殺人のあった家の防犯カメラとセキュリティシステムにより、外部からの侵入者はおらず、犯行現場である家の中には夫婦と子供しかいなかったことが警察により確認されているという…。完全にクローズド・サークルじゃないですか。防犯カメラとセキュリティシステムのスイッチを切らなかったのか…。ミステリマニアが犯人なら絶対に自身が含まれるクローズド・サークルにはならないよう気をつけるところです。ついでにミステリマニアだと自殺や事故に見せかけるなら密室トリックとか仕掛けちゃう訳です。

ウィキペディア「クローズド・サークル」
クローズド・サークル(closed circle)とは、ミステリ用語としては、何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品を指す。

元々は、「犯人は読者が疑い得る人物でなくてはいけない」という推理小説のルールを、より厳密に運用するために生み出されたジャンルである。クローズド・サークルの内外の往来は断たれているため、その状況で起こった事件の犯人は、輪の中に閉じ込められた人々の中にいなくてはならないことになる。

密室トリックという単語が出ても、誰も笑ったりしない。推理小説やドラマが普及している今、「針と糸の密室」程度であれば実際の事件でも割とお目にかかるのだ。以前岐阜県警が密室トリックを解いたとしてニュースになったけど、そういうことは割と日常茶飯事なのである。

例えば今回の事件であれば、被害者は釣りが趣味だったらしく、部屋には釣り糸があった。充分な長さの糸を持って、一旦窓の外のせり出しに立ち、窓を閉める。引き窓というものは二枚のガラスが互い違いになっているから、室内側のガラスを強く押すことで、二枚のガラスの間にわずかな隙間ができる。

その隙間から、二つ折りにした糸のU字部分を押し込む。窓を開けて室内に戻り、押し込んだU字部分を引っ張ってある程度の長さを確保し、クレセント錠のつまみ(これが下向きになると施錠)にぐるぐる巻きにする。再び窓の外のせり出しに立って、窓を閉める。

二枚のガラスの隙間から出ている糸の両端をゆっくり真下に引くと、クレセント錠が回転して施錠される。最後に糸の一端だけ引くと、つまみに巻き付いている糸がほどけて回収できる(この時(クレセント錠についている被害者の)指紋に(巻き付いていた糸の)跡が残る)。これで密室の出来上がりだ。
(早坂吝「誰も僕を裁けない」)

推理小説だと、推理小説はそれこそ基本的にミステリマニア向けに書かれているので、「絞殺死体でも転落死や首吊りに偽装できる」「二階から死体を突き落として絞殺死体を転落死に偽装」みたいな筋書きは基本的に許されない訳ですよ。こんな甘い偽装工作を行う筋書きの推理小説が出たら「んなわけねーだろ!!」ってミステリマニア総出でツッコミいれまくりますからね(絞殺を首吊りに偽装は「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」でやっていましたが、非常に杜撰な偽装の例として挙げられていた)。容疑者が自分が不利になるクローズド・サークルを防犯カメラとセキュリティシステムの作動で作っちゃってるとか、現実の殺人は虚構の殺人より杜撰なのだなと感じますね…。

「この遺体は縊死でない、扼殺だ。甲状軟骨と舌骨が折れている。(ネタバレになるので中略)自殺ではなく、誰かに首を絞められ殺されたんだ」
(アニメ版「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」)

検死により謎を解く日本でも大ヒットしたパトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズの日本語訳は、この容疑者が在籍していた講談社から出ているのが皮肉ですね…。ちなみに櫻子さんって明らかに検屍官のケイ・スカーペッタやサイモン・ベケットの法人類学者デイヴィッド・ハンターを意識した法医学キャラなので、櫻子さんファンは「検屍官」シリーズや「法人類学者」シリーズや中山七里「ヒポクラテスの誓い」もお勧めです。特に検死をテーマにした連作短編ミステリ「ヒポクラテスの誓い」は日本の法医学の様々な問題(検死に対する予算も人員も理解も足りず、丁寧に司法解剖すれば本来なら解決できるはずの事件が検死されずお蔵入りになる問題)を取り上げていてお勧めですね。

ウィキペディア「司法解剖」
現状として、予算や医師不足などの理由から、警察の死体取扱い件数のほとんどが司法解剖されていない。また、同様の事情により変死と思われるような状況でも、自殺や事故、心不全で片付けられることもあるともいわれている。打開策としてオートプシー・イメージングが提案されているが、運用のための法案等システムが未だ整っていない。

他、神奈川県に於いては、司法解剖などをはじめとする解剖を、横浜市の開業医1人に事実上任せきりにし、この開業医が2012年度に、1人で年3,835件の解剖を行っていたことが判明しており、解剖の質の低下と、それによる犯罪死の見逃しに繋がりかねないと懸念されている。

ウィキペディア「オートプシー・イメージング」
オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)とは、狭義では死亡時画像診断、広義では死亡時画像病理診断のことである。 「Autopsy=検死」、「imaging=画像診断」に由来する造語で、画像診断によって死因を検証するというもの。略語として「Ai」と称されることが多い。

コンピュータ断層撮影 Computed tomography(CT)や核磁気共鳴画像法 Magnetic resonance imaging(MRI)などによって撮影された死後画像(Postmortem Imaging = PMI)により、死体にどのような器質的病変を生じているのかを診断する(狭義のAi)ことによって、死亡時の病態把握、死因の究明などを行うシステムである。

それこそ上述のウィキペディアにも書いてある通り、東京で殺された死体は神奈川で遺棄されていると揶揄されるほど神奈川県警が他の地域の警察(東京)に比べると捜査能力が低いとされるのは、神奈川県警が法医学捜査に対して積極的ではない地域警察であることが挙げられる訳で(神奈川県では殺人が疑われる変死体であってもきちんとした司法解剖が行われないことが先の開業医が一人で司法解剖している件で明らかになった。東京はそれこそナンバーワン地域警察たる警視庁が面子に掛けて法医学捜査も含んだ科学捜査を行っている為、捜査能力が高いとされている)、霞ヶ関はきちんと法医学捜査に関する予算を各都道府県の警察に増加配分して各大学の法医学教室や医療機関と連携した法医学捜査の拡充(オートプシー・イメージングの法整備化を含む)を行うべきだと思います。

私は警察の法医学捜査予算の増加には賛成派です。きちんと警察の科学捜査に予算を出さないと現代の犯罪捜査は進まず治安は守れないですよ…。警察の予算って選挙の票に繋がらないから中々政治家が動かないんですよね…。でも、間違いなく国家の根幹に関わる重要な問題ですよ…。

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