前回のエントリの続きです。前回のエントリと同じく、本日のTBSひるおびで、アミューズメント産業研究所の美原融所長が「IR型カジノには生活保護者・犯罪者・ギャンブル依存症等は入れないようにマイナンバーで入り口で選別するように2017年に法整備が行われる」って述べていました。私、これ聞いてとんでもなく驚いたんですが…。

「生活保護者・犯罪者・ギャンブル依存症等」の情報って、公的機関が持っているデータですよね。生活保護のデータは厚生労働省と地方自治体、ギャンブル依存症のデータは厚生労働省と文部科学省と地方自治体、犯罪者のデータは各地方警察と警察庁・法務省・検察庁等がそれぞれ所轄して所有している訳です。

入り口で選別ってことは、その公的個人情報データ(日本中の人々の公的データ)をビッグデータとして丸ごとIR型カジノの運営を行うパチンコ企業のマルハンやセガサミーに渡すってことですよね…。そんなことできるのか、明らかに個人情報保護法違反ではないのかと思って調べてみたら…

個人情報保護法に例外を設けて民間企業に公的ビッグデータを流せるようにする「官民データ活用推進基本法」(通称ビッグデータ活用法)という法案が自民党・公明党・民進党・日本維新の党4党の超党派的協力によって今国会にて起草され提出されていた…。反対しているのは共産党のみで、自民党・公明党・民進党・日本維新の党4党の賛成により法案は成立される模様…。ネットで検索したらすぐに衆議院提出の法案が出てきました。

衆議院 官民データ活用推進基本法
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19201008.htm
 (国及び地方公共団体等が保有する官民データの容易な利用等)

第十一条 国及び地方公共団体は、自らが保有する官民データについて、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにしつつ、国民がインターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて容易に利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする。

2 事業者は、自らが保有する官民データであって公益の増進に資するものについて、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにしつつ、国民がインターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて容易に利用できるよう、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 国は、官民データ活用を推進するため、官民データの円滑な流通に関連する制度(コンテンツ(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(平成十六年法律第八十一号)第二条第一項に規定するコンテンツをいう。)の円滑な流通に関連する制度を含む。)の見直しその他の必要な措置を講ずるものとする。

 (個人の関与の下での多様な主体による官民データの適正な活用)

第十二条 国は、個人に関する官民データの円滑な流通を促進するため、事業者の競争上の地位その他正当な利益の保護に配慮しつつ、多様な主体が個人に関する官民データを当該個人の関与の下で適正に活用することができるようにするための基盤の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

これ、とんでもない法案ですよ。公的なビッグデータ(マイナンバーと結びついた国が持つあらゆる個人情報)をいくらでも民間企業に無償で提供できる法案です。個人情報保護について一切考慮されていません。

こんなんがいつのまにかこっそり成立してるとか、この国いったいなんなの…。異常すぎる…。

「パチンコが嫌いだからカジノに賛成」という非論理的意見(賭博が嫌いなら本来は「パチンコにもカジノにも両方に反対するべき」なのになぜかカジノに賛成している意見)が日本のインターネット世論の大半を占めておりますが、IR型カジノの運営が始まったら、上記のような人々の嫌うマルハンやセガサミーといったパチンコ企業(=カジノの民間運営業者)にパチンコ嫌いの筈の貴方達(公的データベースに登録された全ての日本人)の個人情報が公的ビッグデータとして渡る訳ですよ。

IR型カジノはシンガポールIR型カジノのように貧乏人や犯罪者(前科もちだけでなく反社会的組織関係者全て)を徹底的に入り口で弾かないと、韓国IR型カジノ(入り口でのチェックが甘かった為、国内貧困層のたまり場となり犯罪組織の食い物になり治安悪化して運営に失敗した)の二の舞になる訳です。シンガポールのカジノが成功したのは徹底した管理主義国家であり(人口が554万人しかいないから可能だった)、国民の情報を国家がマイナンバー制によって徹底的に管理しており、国民の大半をカジノ不適切としてカジノへの入場禁止等の処分にしているから、国内外の富裕層のみの遊び場として上手くいっているわけです。日本でシンガポールIR型カジノを成功させるには、国民の個人情報をシンガポール並みにカジノ側が握らないといけない。そんなこと(カジノを運営するマルハンやセガサミーや外資系カジノ業者に日本の公的個人情報を渡すこと)は、国民としては絶対拒否すべきことでしょう。

「パチンコが嫌いだからカジノに賛成」と述べるネットの人々の実質は「パチンコもカジノもそれらを運営するマルハンやセガサミーらパチンコ企業も外資系カジノ業者も大好きでそれら賭博産業に日本人の個人情報を売り渡したいと思っている人々」であるということを、日本の世論はきちんと認識するべきだと思います。

最後に余談ですが、ひるおびで美原融所長が述べたように、IR型カジノの入り口で国家が提供した情報により個人情報審査をされて入場を弾かれた人が、IR型カジノとそこに情報を提供している公的機関及び地方自治体を個人情報保護法違反で民事訴訟で訴えたら、たぶん勝てますね。というかまず100%勝てると思います。日本人の公的な生活保護情報・前科歴・病歴・資産情報・勤務先などをカジノ業者に公的機関がビッグデータとして渡していたら、「官民データ活用推進基本法」がどうであろうと、完全に個人情報保護法違反ですので。日本の裁判所がここまで酷い権利侵害を認めるとは到底考えられません。日本は国民の権利が極端に厳しく制限されているシンガポールじゃないんですよ。IR型カジノ推進論者が前提としているカジノ業者に公的ビッグデータを提供する運営形態とかどう考えても個人情報保護法違反であり、そのような運営が始まった場合、裁判になれば、官民データ活用推進基本法による民間カジノ業者へのビッグデータ提供が適法との判断を裁判所が下すとは思えません。

個人情報保護法
第十六条
1.個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
2.個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。
第三者提供の制限
第二十三条
1.個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一  法令に基づく場合
二  人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。三  公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四  国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

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