ASKA容疑者 著書執筆中だった テーマは「盗聴国家・日本」
http://news.livedoor.com/article/detail/12345150/
ASKA容疑者は1月、自身のブログに全20章、約9万5000字の長文手記を掲載。これは出版社に持ち込んだが、洋子夫人の反対などもあって書籍化されなかったもの。その後も諦めきれずに自ら出版各社に売り込んだ。断った出版社の関係者は「日本が盗聴国家だと訴えたいASKAさんと、ASKAさんの半生を描きたい版元の意見が折り合わなかった」と語った。出版社が決まったのは半年ほど前だったという。

「ASKA 削除」でグーグル検索するとこの「全20章、約9万5000字の長文手記」を今現在も読むことができますが、読んでみましたら、10章から始まる凄まじい狂気の加速度的進行の緊迫感が凄いですな…。完全に「本物」としか言いようがない圧倒的迫力があって驚きました。読みながらストリンドベリの作品を思い出していました…。12章の周囲から被害妄想的暗号を読み込むところとか、完全にストリンドベリ…。

統合失調症の内的体験を独特の鬼気迫る文学にまで昇華したストリンドベリの自伝的作品の場合、妻・使用人・友人・郵便配達人等の彼の周囲の人々や彼の周囲の環境が統合失調症による被害妄想及びそれに起因する憎悪を投射する対象になっているんですが、ASKA氏の場合だとスマートフォン、パソコン、インターネットなどの彼の周囲の環境が被害妄想及びそれに起因する像を投射する対象になっているのは、時代を感じさせますね…。統合失調症の妄想は時代と共に変遷するのだなと感じさせます。ただ、ストリンドベリと同じく、基本的には被害妄想・追跡妄想・それらに起因する周囲の人々への憎悪が病気が引き起こしている感情の軸になっているのは、時代を経ても変わらないのですね…。

ちなみに日本では芥川龍之介の妄想的な作品群(「歯車」等)はストリンドベリ作品のオマージュ的な要素が強いです。芥川自身は、その腕前が創作の域にまで達した天才的エディターであり神経症を病んではいたが、ストリンドベリやASKA氏のような統合失調症的な狂気ではなかったように思いますね…。

国際日本文化研究センター
「僕はこの暗号を不気味に思ひ…芥川龍之介『歯車』、ストリンドベリ、そして狂気」
http://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/forum/text/fn177.html
『歯車』の全体を通して繰り返し現れる顕著なストリンドベリを思いおこさせる特徴は、主人公が本を開け、手当たり次第に読み始めるところです。彼がたまたま出会う文章の行には彼個人宛ての隠された伝言が含まれていると思い込むのです。

精神刺激薬精神病の危険は、大脳辺縁系が非可逆的に変化(条件刺激変化及び器質的変化)することで、妄想に起因する恐怖や憎悪などに行動が先駆的に支配されてしまうことでして(周囲の環境のなんでもないところに被害妄想的暗号を読み込んだりしてしまう)、ASKA氏の症状はかなり進行した状態と削除されたブログを読むと考えられますし、本当にきちんと精神科に掛かって薬物治療しないと危ないですね…。快楽刺激と恐怖反応は脳内メカニズムとして表裏一体(ドーパミン等の過剰分泌信号による状態変化・回路形成)なんですね…。

東北大学「ニューロン新生の分子基盤と精神機能への影響の解明」
http://www.brain-mind.jp/newsletter/04/story.html
音や光のような条件刺激がやってくると、この情報は感覚刺激を大脳新皮質へ伝達する過程の関所ともいえる視床へ到達します。視床は大脳の腹側の奥深くに位置する神経細胞の大きな集団で、情動に関する情報はここで大きく2つに分かれます。一方の経路は大脳皮質に送られ、細かく分析された上で海馬に送られ、長期的に記憶されます。他方の経路では、情報は視床と隣り合った神経細胞の大きな集団である扁桃体へ直ちに送られます。扁桃体では感覚情報が広い意味でわれわれの生存にとって有利であるかどうかの評価、価値判断がおこなわれます。(中略)

扁桃体からは、大脳の帯状回や海馬のような大脳辺縁系へ刺激が伝わり、長期的な記憶にも大きな影響を及ぼします。このように、扁桃体には原初的な情動に関連した記憶が蓄えられ、この記憶と関連した情動刺激がやってくると記憶が引き出され、感情的ならびに身体的な反応が強く引き起こされます。(中略)

強い感動は報酬系からひろがる興奮が、大脳皮質はもちろん、脳の広い領域で同調して強まることによって起こると考えられています。音楽を聴いて快い情動が引き起こされたときに活動の高まる部位についてPETを用いて調べた研究で興味深い結果が示されています。音楽を聴いて“震えるような感動"をおぼえた場合、心臓の拍動、筋肉の緊張や呼吸数が変化し、このような自律神経系の反応が強い場合、側坐核、扁桃体、前頭前野、前頭葉眼窩野、中脳といった報酬・情動系での大きな血流変化が認められることが明らかになっています。これらの領域は、摂食、性交、麻薬・覚せい剤のような快感を引き起こす刺激に反応して活性化されることはよく知られており、音楽と生存本能に関連した刺激が脳内の快感・報酬系回路を共有することは印象的です。

あと、マスメディアは、ASKA氏は音楽活動の為に薬物をやったとか、音楽家には常人を越える狂的な情熱がいるとか、あまりそういういい加減なことをテレビ等で言わない方が良いと思いますね。前述のストックホルム大学のカールソン教授の論文は、ストリンドベリや芥川龍之介を狂気、もしくは狂気の演技的振る舞いによって、最終的な自己破滅に導いたものは、19世紀西欧の狂気に対するロマン主義からの賛美であるという皮肉な結論を導いている面白い論文です。ASKA氏のことを報道する日本のマスメディアを見ると、この西欧ロマン主義の亡霊はいまだに日本をうろついているように感じますね…。ロマン主義的な狂気の賛美は結局は影響された人々の自己破滅しか引き起こさないと思います…。

国際日本文化研究センター
「僕はこの暗号を不気味に思ひ…芥川龍之介『歯車』、ストリンドベリ、そして狂気」
http://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/forum/text/fn177.html
既に見てきましたように『歯車』に表される芥川の苦悩はストリンドベリのそれに吹き込まれた点があります。もしそうだったとしたら反対にストリンドベリの苦悩は何なのでしょうか、誰に吹き込まれたものでしょうか。(中略)

十九世紀の終わりにはヨーロッパでは天才と狂気の違いは紙一重だという信念の全盛期でした。そうであれば、すばらしい知性の才能に必要なものは異常な精神状態であるといえるでしょう。この風潮はブルジョアの正常さに対抗するボヘミア文化の出現によって拍車をかけられたのでした。現代芸術がブルジョアによって狂気と診断されるとともに、狂気というものも社会への反逆の文化として何か願わしいものとしての地位を得たのでした。

混乱した感情の動きを経験することは狂ったという印であるのみならず芸術的才能と見られたのです。狂気が精神の市場での流行の商品となった訳です。ストリンドベリは意識的に文学の枠組みの中でのみならず私的な生活でも狂人になる準備をすることによってこの流行をどのようにして自分に優位な方向にするかを知っていました。彼は神秘主義を肥やしとして狂気のイメージを育んでいったのでした。

このように我々はストリンドベリのいわゆる狂気における歴史的、なおかつ文化的背景を確認しました。芥川は多分気づかずに神秘主義思想や半狂気の天才といったイメージをストリンドベリを通して受け入れたのではないかということを述べておきたいのです。(中略)

『歯車』はストリンドベリ風に書かれた芥川の自画像に外ありません。また、ヨーロッパに出現した狂気の天才の信仰が『歯車』の中に投射されていることを認めることが出来ます。私の意見では、このケースはどのようにヨーロッパの世紀末の考え方が近代日本人の自意識に入り込んだかという確固たる例を見せてくれると思うのです。

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