それが実は、マザー・グースの選んだ用語を使うなら、ヴァリス、つまり巨大活性諜報生命体システムだ。
(フィリップ・K・ディック「ヴァリス」)

ASKA容疑者 逮捕直前激白14分(3)「ギフハブがARで僕を監視」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000117-dal-ent

秘密結社ギフハブか…。ASKA氏の独白全文読みましたが、全体的に言っていることが何かヴァリスの登場人物っぽいですな。まあヴァリスは麻薬のやりすぎで統合失調症を発症した人々の妄想が相互作用でよりおかしくなっていく深化の過程をSFと融合させた作品なので、さもあらんって感じですね…。ヴァリスはディック作品の中でも大傑作なので未読のお方々いらっしゃいましたらぜひご一読お勧めですね。新訳版の山形浩生訳は実に素晴らしいので、旧訳で読んだ方も、ぜひ再読お勧めです。

グロリアは温厚で礼儀正しかったけど、LSDをやたらとやっていた。明らかにLSDが、前に話をして以来のこの六ヶ月で、彼女の頭を滅茶苦茶にしたんだ。

「どうしてたの」とファット。

「サンフランシスコのマウントザイオン病院に入ってたのよ。自殺しようとしたらお母さんに入れられたの。先週退院させてくれたわ」

「治ったの?」

「ええ」

これでファットは気が触れはじめた。(中略)

「やつら、あたしの銀行口座を盗んだのよ」とグロリア。

しばらくしてファットは、彼女の計算ずくで雄弁な語り口から、「やつら」なんてのはいないんだ、ということに気が付いた。グロリアが展開したのは、完全で容赦なき狂気の風景で、それががっちり構築されている。歯科工具のように厳密な道具だてで、あらゆる細部を埋め尽くしている。その説明にはどこにも一分の隙もなかった。ファットはそこに何も間違いを見つけられなかったけれど、もちろん唯一の例外がその説明の前提で、それは誰もが自分を嫌っていて、誰もが自分をやっつけようとしていて、自分はあらゆる点で無価値だというものだった。喋るにつれて、彼女は消えていった。ファットは彼女が消えるのを眺めた。オドロキ。グロリアは実に節度ある形で、一言ごとに自分の存在を語り去った。合理性が利用されて――うーんと、非存在に利用されてるのか、とファットは思った。彼女の精神は巨大な優れた消しゴムになっていた。もうホントに残っているのは、彼女のどん殻だけ。つまり、中身の無い死体だけ。

彼女はもう死んでいるんだ、とファットはその日ビーチで気づいたのだった。大麻を吸い終わって、二人は歩きながら海藻や波の高さやらについてあれこれ話した。
(フィリップ・K・ディック「ヴァリス」)

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