隠し部屋を査察して (創元推理文庫)

カナダの幻想文学作家エリック・マコーマックの短編集「隠し部屋を査察して」読了。素晴らしく面白かった!!本作家の作品は北米ではカフカ的作品と評されているようですが、カフカと言うよりボルヘスですね。読了して真っ先にボルヘスの「伝奇集」が頭に浮かびました。ボルヘスの短編が好きなお方々はぜひ読んで欲しい!!間違いなくご満足頂けるかと思います。

また、本作の幻想短編の特徴として、ボルヘス的奇想にプラスアルファとして、SF的なロジカルな奇想が盛りだくさんであるところですね。この辺は、スタニスワフ・レムの短編とか彷彿とさせます。作者自身もレムの作品を意識しているようでして、本作の表題作「隠し部屋を査察して」は、奇想天外な異能の怪人達が収容されている施設を査察していく物語ですが、その中に出てくる「六人目の隠し部屋の収容者」のエピソードは、レムの「航星日記・第十三回の旅」に出てくるパンタ国のエピソードと全く同じですね…。ぶっちゃけ、あまりに全く同じ(話の筋・展開・使われるアイデア等全て同じ)なので、日本の有名作家同士とかだと盗作として大問題になりそうですが、カナダのマイナーな幻想文学作家の短編の1エピソードと、レムのSFの1エピソードが全く同じということに気づくのは、世界広しと言えども地球上で私ぐらいしかいなさそうなので、問題になることはないでしょうね。まあ、世界中で誰にも気づかない書物の出来事に、自分だけが気づくというのは読書家として最高の楽しみでありますね。ちなみにレムの「航星日記・第十三回の旅」はレムの「短編ベスト10」に収録されていますので、読み比べてみるのもお勧めです。

レムに限らず、ボルヘスを初めとして色んな幻想文学をオマージュしているなと感じさせる作品集ですが、本作の作品それぞれが短く非常に切れ味が良いので、元ネタのことはあまり気にならないですし、逆に「こうきたか!」という感じで面白さを感じさせてくれる良質の幻想文学短編集です。奇想にはグロテスクな要素もありますが(日本作家だと式貴士さんとか彷彿とさせます)、どの短編も読みやすくてあっさり目なので、グロテスクな要素を引っ張ることはなく、気軽に読みやすくて面白いです。幻想文学の面白みを凝縮したかのような短編、ぜひにご一読お勧め致しますね。素晴らしい面白さを保証致します。ここ数年の間に読んだ短編の中でも一番のお勧めと言えるでしょう!

隠し部屋を査察して (創元推理文庫)隠し部屋を査察して (創元推理文庫)
著者:エリック・マコーマック
東京創元社(2006-05-20)
販売元:Amazon.co.jp

短篇ベスト10 (スタニスワフ・レム・コレクション)短篇ベスト10 (スタニスワフ・レム・コレクション)
著者:スタニスワフ・レム
国書刊行会(2015-05-25)
販売元:Amazon.co.jp

伝奇集 (岩波文庫)伝奇集 (岩波文庫)
著者:J.L. ボルヘス
岩波書店(1993-11-16)
販売元:Amazon.co.jp

パラダイス・モーテル (創元ライブラリ)パラダイス・モーテル (創元ライブラリ)
著者:エリック・マコーマック
東京創元社(2011-11-29)
販売元:Amazon.co.jp

ミステリウムミステリウム
著者:エリック・マコーマック
国書刊行会(2011-01-25)
販売元:Amazon.co.jp

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