2016年08月12日 18:57

鳥越氏のインタビューについて、共通点というのは文章書くことに慣れていれば簡単に書けるし、牽強付会的共通点から批判を持ち出すのはアンフェアだと感じます。

BLOGOS「トランプ氏と鳥越氏の共通点」
http://blogos.com/outline/186828/

これはひどい…。鳥越氏のインタビュー記事での受け答えはひどいものであると思いますが、しかし上記記事のような、こういった手法での批判の方が、更にアンフェアでひどいと思います。こういう、「A」という人物と「B」という人物は「これこれ」の部分が似ているといった論説は、多少文章を書くことに慣れていれば牽強付会的共通点を作り出して簡単に文章に仕立て上げることができるんですね。こういった無理やりな共通点から批判を持ち出すのは非常にアンフェアだし馬鹿げていると思います。例えばヒトラーなんか、無数の色んな特徴があるから誰とでも共通点を見つけ出すことが出来る。上の文章を批判的にパロディにするならこんな感じです。

ボキャブラリーが貧困
ヒトラーは「これが我々の最後の領土的要求である」などの繰り返しが多く表現が稚拙である。

討論会を避ける
ヒトラーも全権委任法審議前に議員を逮捕したり、総統になってからもミュンヘン協定会議の日程に文句をつけるなど、討論を避ける傾向にある。

自分の能力に対する過剰なまでの自信
ヒトラーは党大会の演説でも「私だけが問題を解決できる」と過剰なまでの自信を見せている。

職責と権能についての理解が不足
ヒトラーは「ヨーロッパ全土からウラルに至るまでの第三帝国を築く」といったが、ドイツの軍事力としてそれは不可能ではないが、かなり非現実的な政策。

発言の一貫性のなさ
ヒトラーの一貫性のなさは折り紙つきで、ヒトラーの発言が矛盾していることはいろいろなところで指摘されている(例えばイアン・カーショーの「ヒトラー」)、発言の一貫性のなさが目立つ。

他者への責任転嫁
ヒトラーは支持者集会などで暴力沙汰が起こると、それは自分のせいではなく、共産党支持者が紛れ込んで騒動を起こそうとしていると責任転嫁する。

メディアに対する不信感
ヒトラーは自らを批判する新聞社やニュース局の記者に対して強制収容所送りなど強硬な措置を取っている。

ざっと挙げただけでもかなりの共通点があるように思える。

上記のパロディ文章は大体30秒ぐらいで書きました。勿論、鳥越氏やトランプ氏を含めた現代の政治家達とヒトラーは全く別人です。こういう牽強付会的共通点で人を批判する文書をでっちあげることは文章を書くことを仕事にしている人間ならば非常に容易なことであり、だからこそやってはいけないアンフェアなプロパガンダ手法だと思いますね。プロのライターは安易な文章でいくらでも人を扇動できるからこそ、そういった安易な扇動文章に手を染めてはならないというのが最低限必要な職業ライターの倫理であり、BLOGOSの「トランプ氏と鳥越氏の共通点」という記事はそれを完全に破っているアンフェアで扇動的な記事だと思います。自分は小池さんに一票入れましたし、鳥越氏のことは全く支持していませんが、それでもこれには本当に腹が立った。鳥越氏の支持者はこういった馬鹿げたアンフェアに対してはもっと怒っていいし、それは正当な怒りであると思います。

ちなみに余談ですが、やっと翻訳が出たイアン・カーショーの「ヒトラー」は名著です。歴史に興味のあるお方々はぜひご一読をお勧め致しますね。

ヒトラー(上):1889-1936 傲慢ヒトラー(上):1889-1936 傲慢
著者:イアン・カーショー
白水社(2015-12-26)
販売元:Amazon.co.jp

ヒトラー(下):1936-1945 天罰ヒトラー(下):1936-1945 天罰
著者:イアン・カーショー
白水社(2016-04-29)
販売元:Amazon.co.jp

運命の選択1940-41(上) 世界を変えた10の決断運命の選択1940-41(上) 世界を変えた10の決断
著者:イアン カーショー
白水社(2014-10-25)
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運命の選択1940-41(下) 世界を変えた10の決断運命の選択1940-41(下) 世界を変えた10の決断
著者:イアン カーショー
白水社(2014-10-25)
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