2016年06月27日 16:00
EU離脱が経済帝国主義の終焉となることを祈ります。G・K・チェスタトン「根無し草スナオ」「過去を取り戻す自由」
求む、有能でないひと
EU離脱はイギリスにとって、経済的にデメリットよりもメリットの方が大きい選択だったという分析が経済専門家の間からもちらほら出てきましたね。
これはその通りだと思いますね。EUというのは簡単に言えば、国民を守る貿易関税と財政政策、そして国家の再分配機能を弱体化することでEU域内の貿易と財政を平準化(グローバリズム化)するシステムでして、貧しい層(貧しい国)から豊かな層(豊かな国)に所得をガンガン移転するシステム(結果としてEU全体の格差が開き貧困化が進む)で、しかもEU経済官僚をドイツが牛耳ることで、ここでいう豊かな層とはドイツの富裕層とほぼイコールで結ばれるという、ドイツがヨーロッパ中の富を収奪するドイツ第四帝国的システムであることは火を見るよりも明らかな訳で、貧しい人々を経済的収容所へ送るが如き経済帝国主義こそがEUの実態であり、こんなドイツ第四帝国主義が上手く行く訳が無い。歴史は繰り返すの言葉通りで、過去の例で言えば今は1943年あたりじゃないかと思います。
ニーチェが、ヨーロッパは全人類史的に反面教師にされるべき地域だと述べていて、これは道徳の系譜的立場(反キリスト教的立場)からの言葉なので、これとはニュアンスは違いますが、私もやはりヨーロッパは全人類史的に反面教師にされるべき地域だと思います。それは、ヨーロッパの歴史というのは、
1.どこかが全ヨーロッパ征服の野望に燃えて帝国主義的拡張を始める。
2.最初はガンガン拡張して調子が良い。
3.拡張の中枢(帝国の首都)の収奪が酷すぎて周辺が反逆しゆり戻しが来る。
4.中枢(帝国)が敗北し帝国が崩壊してバラバラに分裂する。
5.全ヨーロッパが廃土と化す。
6.再建が始まる。
7.1に戻ってどこかが全ヨーロッパ征服の野望に燃えて帝国主義的拡張を始める。
というのを延々と繰り返している地域なんですね。まさに『二千年のあいだ何も成長していない』…。
ソースが見つからなくて申し訳ないのですが(図書館で新聞読んでいたとき見つけた記事です)、EU離脱に関して、グリーンスパンが、平準化施策によって全体の賃金が低下していることが問題だと発言していました。いま探してたらソースありました。下記です。
EUなどという貧しい層を苦しめることしか考えていない経済帝国主義が崩壊に向かっていることを歴史の教訓として、国家が国民を守るということが再び見直されてくれることを、祈るばかりです。
最後にG・K・チェスタトンのエッセイ「根無し草スナオ」「過去を取り戻す自由」を全文ご紹介致します。まさに今読まれるに相応しい名エッセイと思います。両エッセイ共に「求む、有能でないひと」に収録されています。
求む、有能でないひと
著者:G.K. チェスタトン
国書刊行会(2004-02)
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EU離脱はイギリスにとって、経済的にデメリットよりもメリットの方が大きい選択だったという分析が経済専門家の間からもちらほら出てきましたね。
英EU離脱で「英連邦」が超巨大経済圏として出現する
http://diamond.jp/articles/print/93364
英国のEU離脱は、おそらく中長期的にみれば、英国にとって不利益ではない。むしろ、英国に抜けられるEUの不利益となるのではないだろうか。換言すれば、ギリシャなど財政悪化に苦しみ、経済の弱い国を抱えるEUこそ、英国にとって「お荷物」な存在なのだと考えることもできる。英国はEU離脱で、確かに短期的に損失があるかもしれないが、「木を見て、森を見ない」話ではないだろうか。
これはその通りだと思いますね。EUというのは簡単に言えば、国民を守る貿易関税と財政政策、そして国家の再分配機能を弱体化することでEU域内の貿易と財政を平準化(グローバリズム化)するシステムでして、貧しい層(貧しい国)から豊かな層(豊かな国)に所得をガンガン移転するシステム(結果としてEU全体の格差が開き貧困化が進む)で、しかもEU経済官僚をドイツが牛耳ることで、ここでいう豊かな層とはドイツの富裕層とほぼイコールで結ばれるという、ドイツがヨーロッパ中の富を収奪するドイツ第四帝国的システムであることは火を見るよりも明らかな訳で、貧しい人々を経済的収容所へ送るが如き経済帝国主義こそがEUの実態であり、こんなドイツ第四帝国主義が上手く行く訳が無い。歴史は繰り返すの言葉通りで、過去の例で言えば今は1943年あたりじゃないかと思います。
ニーチェが、ヨーロッパは全人類史的に反面教師にされるべき地域だと述べていて、これは道徳の系譜的立場(反キリスト教的立場)からの言葉なので、これとはニュアンスは違いますが、私もやはりヨーロッパは全人類史的に反面教師にされるべき地域だと思います。それは、ヨーロッパの歴史というのは、
1.どこかが全ヨーロッパ征服の野望に燃えて帝国主義的拡張を始める。
2.最初はガンガン拡張して調子が良い。
3.拡張の中枢(帝国の首都)の収奪が酷すぎて周辺が反逆しゆり戻しが来る。
4.中枢(帝国)が敗北し帝国が崩壊してバラバラに分裂する。
5.全ヨーロッパが廃土と化す。
6.再建が始まる。
7.1に戻ってどこかが全ヨーロッパ征服の野望に燃えて帝国主義的拡張を始める。
というのを延々と繰り返している地域なんですね。まさに『二千年のあいだ何も成長していない』…。
ソースが見つからなくて申し訳ないのですが(図書館で新聞読んでいたとき見つけた記事です)、EU離脱に関して、グリーンスパンが、平準化施策によって全体の賃金が低下していることが問題だと発言していました。いま探してたらソースありました。下記です。
米FRB元議長、英EU離脱「氷山の一角」 低賃金憂慮
http://www.asahi.com/articles/ASJ6T41DPJ6TUHBI00P.html
米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン元議長は24日、米CNBCテレビの番組で、英国のEU離脱について「英国で起きている問題はずっと広がりがあり、氷山の一角に過ぎない」と話した。
グリーンスパン氏は「我々が直面しているのは、欧州全体に広がる実質賃金の急激な減速だ」と指摘。生産性の低迷で賃金が上がらない状況が「米国だけでなく、(先進国でつくる)経済協力開発機構(OECD)諸国に広がっている」との見方を示した。
その上でグリーンスパン氏は「通貨ユーロは喫緊の問題だ。欧州の政治的な統合に向けた大きな一歩だったが、ギリシャが深刻な問題にあるという意味でも衰えている」と話した。
EUなどという貧しい層を苦しめることしか考えていない経済帝国主義が崩壊に向かっていることを歴史の教訓として、国家が国民を守るということが再び見直されてくれることを、祈るばかりです。
最後にG・K・チェスタトンのエッセイ「根無し草スナオ」「過去を取り戻す自由」を全文ご紹介致します。まさに今読まれるに相応しい名エッセイと思います。両エッセイ共に「求む、有能でないひと」に収録されています。
G・K・チェスタトン
「根無し草スナオ」
『未来』はいつも暴政だった。
一般の民衆たちは「進歩」の名のもとに伝来の財産を奪い取られた。
地獄から来た破壊者たちは、彼らからパンを取り上げて、その代わりに石ころを与え、それを神様が選んだ貴重な石だと思い込ませた。
もとの田園生活を取り上げて、近代公共建築(アパートメント)が象徴する「平和と経済」の黄金時代を約束する。いまやわずかに残った戸主としての家長としての尊厳すらも取り上げて、そのかわりにいみじくも「未来予測」なるもの、そして何処からともなくもたらす「ニュース」(マスメディア)なるものを信じ込ませる。昔は共同社会であったが今は個人主義だ。昔は民主主義も懐疑も暴力もなんでもあったけれど、未来はまるで分からない世界として完全な専制独裁になる。昨日は「馬鹿」だったけれど、明日なら「超人」になれる(とマスメディアが言う)。
近代人は、次から次に理由をつけられて、結婚生活を始めるつもりだった家に永久に入れなくされた男に似ている。この男を仮にスナオと呼ぼう。
スナオが望んだのは、神様から授かるはずの当たり前のものだった。恋愛して、結婚して、コートのように自分にあった小さな家を選ぶ、あるいは建てる。そうして曽祖父となって一族からささやかな敬意を抱かれるつもりだった。
ところが、そうしようとした途端に何かが狂った。人か政治か、非道な何かが彼を「家」から引き離した。それで、彼は庭先でご飯を食べるよりほかなくなった。そこへ、偶然にも彼を「家」から引き離した『哲学者』が通りがかりに立ち止まって、優雅に柵に寄りかかりながら演説した。
「君は今、自然の恵みをたっぷりと受けて、見事に果敢に大胆な個人主義的生活を送っている。それこそが崇高なる未来の生活なのです」
けれどもスナオの方は、庭先の生活は自然の恵みをたっぷり受けるというよりも、あまりにも「大胆」なのに気がついて、次の春にはみすぼらしい小さな小屋に引っ越さなければならなくなる。彼を追い出した『哲学者』は、おそらくは家賃の値上げをするつもりか、たまたまその小屋を訪れてこう演説する。
「君はまことにビジネスの努力に励んでおられる。君と家主との経済競争こそが、『崇高なる未来』にお国の富を生むのです」
スナオは経済競争に敗れて、「公共労働施設」に入る。かの追い出し『哲学者』は、またもやたまたまその施設にやってきて、彼にこう思い込ませる。
「これこそ人類の目標たる輝かしき民主政、これこそ官僚が支配する平等と科学の民主主義国家。まさに『崇高なる未来』の民主国家とはこれである」
けれども、割り切れない思いのスナオは、今でも夜な夜な、当たり前の「家」を持ちたいという昔の理想を夢見ている。彼は夢見たものはささやかなものだけど、彼には巨大なものが与えられた。世俗とシステムが与えられ、エデンとユートピアが与えられた。「家」が欲しかっただけなのに、それは叶わない。
近代の「歴史事実」をかのように寓意したとして、何一つ誇張ではない。
貧乏人は道路に放り出されて、そっけなくそれが進歩の道だと言い聞かされた。
工場で働くしかなくて新型賃金奴隷にされて、それこそが富と文明に至る道だと思い込まされた。
田舎者は、首都には黄金が敷き詰めてあると聞かされて、村の食べ物や酒のある生活から引き離された。
陰気なピューリタン主義の玄関を入ると、暗い産業主義が始まって、どちらも未来へと続く道だと言われた。
そしてまたもや、あの知ったふうな偉そうな口ぶりが、今度は別の真っ暗な玄関口に入れようとする。子供もささやかな財産も父祖の習慣までも、見知らぬ誰かが取り上げてしまうように仕向ける。
これがピューリタン主義や産業主義の幕開け以上の何かの招来なのか、それについては後にゆずる。しかし我々が何かの集団主義に威圧されているのなら、それはやはり、事情に通じた為政者やエリートたちが、一部無関心な、一部暗示に掛かりやすい大衆に付け込んでいるのだと見て間違いない。
G・K・チェスタトン
「過去を取り戻す自由」
復古的でない革命はいまだかつて一つもなかった。
歴史上、未来にたいして本当になにかを為した人物は、みな過去に目を向けていた。未来にばかり目をこらす輩がどうにも怪しげなのは、何よりもこの事実があるからだ。いうまでもなく「ルネッサンス」という語そのものがそのことを証明している。ミケランジェロやシェークスピアの独創は、昔の陶器や写本を掘り起こすところから始まった。詩人が温和なのは、まさに好古家の温和である。中世はローマ帝国の記憶があったから復活した。宗教改革は聖書と聖書時代を振り返った。近代のカトリック運動は初期の教父時代を振り返っている。最たるアナーキーといわれる近代の政治運動は、その意味で最たる保守なのである。
フランス革命ほど過去を尊重したことはない。それは神を権威とする者の確信を持って古代の民主共和制を権威とした。あの過激な革命家たちは、素朴さを取り戻すのが正しいと信じていた。神話的とも思えるほど遥かな昔を深く信じていた。
不思議にも人間は、実りを得るためには常に墓の中に木を植えなくてはいけない。死者のあいだにしか生は見い出せない。人間とは奇怪な生物である。足を前に踏み出しながら頭は後ろを向いている。
未来を豊かにするのならば、過去を考えていなくてはならない。
未来そのものを考えようとすれば、精神は無限に萎んで愚かになる。それを「虚無」と呼ぶものもいる。
「明日」はゴルゴーンだ。「明日」を見るには、「昨日」という輝くアイギスの盾を鏡にしてそこに映し出さなければならない。直接に見ようとすれば人は石になる。
運命と未来は決定的で避けようがないなどと、本当にそう信じる者は石になっているのだ。

著者:G.K. チェスタトン
国書刊行会(2004-02)
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