2016年06月20日 17:04
アニメ「くまみこ」最終回視聴。日常系に見せかけてまさかのサイコホラーとは…。「くますけと一緒に」を思い出しました。
恐怖(FEAR)は「Fuck Everything And Run」(何もかもうっちゃって逃げろ)の頭文字だ。
(スティーヴン・キング「ドクター・スリープ」)
アニメ「くまみこ」最終回視聴。くまみこは、これまでの回も「毒のある日常系」みたいな感じで話が進んでいましたが、ついに最終回にて究極のカタストロフィ(主人公まちが妄想と現実の区別がつかなくなり精神的に完全におかしくなる)が訪れ、精神がおかしくなったまちは熊のナツに精神的に異常に依存して物語は終わりました…。後味が非常に悪いサイコホラーとして物語は終焉を迎えましたね…。ほんと驚きました。
見終わって、新井素子さんの傑作サイコホラー「くますけと一緒に」を思い出していましたね。「くますけと一緒に」のバッドエンドバージョンが「くまみこ」ということもできそうだと感じました。「くますけと一緒に」において主人公がくますけ(主人公を手助けする熊の姿をした超常的存在)に依存したまま終わっていたら、「くまみこ」最終回ですね…。
主人公が周囲の世界に恐怖心を抱いていて、熊の姿をした超常的存在が主人公を手助けしているというところでは上記の両者は共通なんですが、「くますけと一緒に」の主人公の周りの人物達はみんな主人公のことを真摯に考えて手助けしてくれる良い人々なのに比べ、「くまみこ」の場合は、まちを自分の出世の為に利用することしか考えていない従兄弟のよしおを始めとして、主人公まちの周囲には彼女を自らのエゴの為に利用しようとする酷い連中しかいないのが、主人公が世界に立ち向かって生きていくハッピーエンドになった「くますけと一緒に」と、主人公が恐怖から逃げて逃避して生きていくバッドエンドになった「くまみこ」の最大の違いかなと思いましたね。
イマジナリー・フレンド的であり、なおかつ超常的な存在が、主人公を手助けして最大の友になってくれるという作品は子供向け娯楽作品の王道であり、その最も成功した例である「ドラえもん」を始めとして無数にありますが、まさか、主人公がイマジナリー・フレンドに依存しすぎて精神的に壊れてしまう作品が出てくるとは…。個人的には今までに無い試みと感じて、毒のある日常系サイコホラーとして面白かったですね。本作「くまみこ」は「ねこぢる」とかのダーク系路線を、日常系の可愛い絵柄でやるアニメでして、なかなか面白い取り組みだったと思います。ただ、毒がありすぎて一般受けはしなさそうな気がしますね…。
あと、完全に余談ですが、今、S・キングの「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」を読んでいて、物語はシャイニングの30数年後の話でして、シャイニングの主人公で霊能力を持つダニー少年が、本作では霊能力を持つ年配のおっさん主人公になっていて、その能力で活躍する面白い話なんですが(本作のダニーはガンダムXのジャミルみたいな感じで、年をとっておじさんになったことで力は相当衰えているがそれでも第一級の霊能力者)、くまみこの主人公のまちも強力なトランス能力を持つ霊能力者な訳で、まちもナツに依存して村に篭るのではなく、その能力で活躍できるようになって欲しいなあと感じますね…。
「多少の『かがやき』(霊能力)を持ってる人間」にはずいぶんたくさん出くわしてきた。例えばビリーがその一人だ。しかし、今夜ダンの頭の中で悲鳴をあげた少女のようなものにはこれまで会ったことがなかった。あの悲鳴には全身をずたずたに切り裂かれるような気分を味わった。
自分もかつてはあれほど強い力を持っていたのだろうか?同等か、ほぼ同等の力があったように思えた。「オーバールック」が冬季休業にはいるあの日、ディックが隣の席の悩める少年にかけた言葉は…なんだった?
ディックは「わしにむかって力を送ってごらん」といったのだ。
《それで、何を考えればいいかとぼくがたずねると、ディックは「ただ強くそれを考えるんだ」といった。ぼくは最後の土壇場で力を――ほんの少しだけ――弱めた。弱めなかったら、あの場でディックを殺してしまったかもしれない。ディックはぎくりと身体をのけぞらせ――ちがう、うしろに叩きつけられて――唇をうっかり噛んでしまった。血が流れていたのは覚えている。それからディックはぼくをピストルだといった。そのあとで、トニーというのは誰かとたずねてきた。目に見えないぼくの友達。だから、僕はトニーのことを話してあげた…》
(スティーヴン・キング「ドクター・スリープ」)
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