2012年11月28日 13:56

中々更新できなくてごめんなさい。「恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-」読了。最高に面白かったです。

恥知らずのパープルヘイズ −ジョジョの奇妙な冒険より−

体調を崩しており、病院を行ったり来たりする毎日で、中々更新できなくてごめんなさい。毎日大変で、家でにゃんこといるときと、病院の待合室で本を読んでいるときぐらいしか、休まるときがなくて、ほとんどインターネットもできなくて…。申し訳ないです…。

表題に移りますと、上遠野浩平さんの著書「恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-」を読了しました。素晴らしく面白かったです。ジョジョの小説は他には、乙一さん著の「The Book」、西尾維新さん著の「OVER HEAVEN」を読みましたが、僕的には、本作「恥知らずのパープルヘイズ」が一番面白かったです。読んでいて一番『ジョジョっぽい!!』みたいな感じを受けました。

本作は特に、新規スタンドがどんどん出てきてスタンドバトルするところが凄く楽しいです。ジョジョの面白さはやはりスタンドバトルにあるなあと感じましたね。あと、乙一さんや西尾維新さんの著書はちょっと純文学的な、『自分のために書いている』的なところが感じられましたが、こちらの「恥知らずのパープルヘイズ」は完全にエンターテイメントに徹していて、如何に読者を楽しませるかというところに主眼が置かれている、エンタメとしてのプロの匠を感じましたね。読んでいて、楽しさとスピード感が半端なくあって、ぐいぐい読まされます。

ジョジョの奇妙な冒険の作者である荒木飛呂彦さんの映画評論本「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」とか読むと、荒木さんのホラー映画を見る視点が、勿論、純粋に楽しんで見ている視点もあるんですが、それとは別にもう一つメタな、『この映画はどのようにして観客を楽しませる仕組みを作っているか』というところから映画を見て評論していて、いかにもこれは、エンターテイメントの優れた作者ならではの視点だなと思いました。

ただ、エンターテイメントに徹するということは素晴らしいことですが、荒木さんのジョジョや今回読んだ「恥知らずのパープルヘイズ」には、作者さんのこだわりみたいなものが確実にあって、それがプラスアルファとなって、さらに面白くなっている。こういう、エンターテイメント性と作家性が幸せに昇華されてる作品は極めて稀で、最高に素晴らしいと感じますね…。

(イーライ・ロス監督の映画「ホステル」は)これは製作総指揮がクエンティン・タランティーノだから作れたと思わせる映画で、そうでなければ恐らく誰も出資しなかったんじゃないでしょうか。普通の投資家なら企画の段階で、「これを作っちゃまずいだろう」と思うはずです。それなのにちゃんと作られたという、そのことに僕は感心するわけです。実は漫画の世界にも、「読者の嫌悪するものはあまり描いちゃいけない」という規制のようなものがあります。表現の度が過ぎると判断されると原稿を載せてもらえなかったり、載せてもらえた場合でも、「もし人気がでなかったら、作者がリスクを負うことになるよ」といった具合です。だからこそこういう映画を見ていると、「それでも俺たちは作るんだ」という勇気のようなものまで感じてしまう。漫画家という立場からかもしれませんが、素直に尊敬の念が湧いてしまいます。
(荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」)

第五部「黄金の風」の登場人物達はみな、理由あって社会から外にはじき出され、そこでしか生きて行けない状況におかれてしまっています。しかし、そこは完全に弱肉強食の世界で、「悪」によって包囲されていたとしたら、彼らはその場所で「正義」を貫けるのだろうか?

そういうテーマで「善」と「悪」の対決を描こうとすると、リアリティある「悪」の表現に対し、あの少年漫画の「自主規制」の「権力」っていうのか、「暴力」っていうのかが、突然作品を攻撃してきます。(中略)

そして僕は当時、「黄金の風」のテーマ性を表現するのに大きな危機を感じ、表現の自由に限界の壁が設けられたのでは?とか、漫画としての芸術的な発展がもうないのでは?とか、「権力」とか「利益追求」の思想が芸術の芽を抜き取ろうとしているのでは?とかとても思い悩んだ。現在も確実な答えがないまま、少し落ち着いた状態ではあるが、当時の僕の気持ちが、当然ながら主人公達のキャラクターとか行動にも思い入れとして表れている。

「ジョルノ」と「ブチャラティ」という主人公達が、自分達が所属していた「組織」を「正義の心」のために裏切る所である。

「組織」は「権力」と「恩義」の象徴で、自分達を育ててくれた「故郷」。しかし、主人公達は「正義」の下で生きるために、そこに闘いをいどむ事を決意します。そのシーンには作者である僕が、描いていながら、僕自身がとても勇気づけられました。主人公達の気持ちを考えると、今でも涙が出て来ます。
(荒木飛呂彦「集英社文庫コミック版ジョジョの奇妙な冒険30巻黄金の風1」)

恥知らずのパープルヘイズ −ジョジョの奇妙な冒険より−
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ジョジョの奇妙な冒険 30~39巻(第5部)セット (集英社文庫―コミック版)
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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
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