ニンテンドー・イン・アメリカ: 世界を制した驚異の創造力
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本日の朝日新聞にゲーム機メーカー各社の責任者(任天堂の岩田聡社長、マイクロソフトの泉水敬執行役、ソニー・コンピュータエンタテインメントのアンドリュー・ハウス社長、グリーの吉田大成執行役員)のE3コメントが載っております。興味深い内容でしたのでご紹介致しますね。

朝日新聞朝刊2012年6月8日経済面
「ソーシャル時代にどう対応?ゲーム大手4社に聞く」

米ロサンゼルスで開かれている世界最大のゲーム見本市「E3」では、初出展のグリーなどソーシャルゲームの台頭が際立った。グリーは今後、海外でどう拡大をはかるのか。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)や任天堂など従来のゲーム機メーカーはソーシャルゲームの広がりに、どう対応していくのか。各社の責任者に話を聞いた。

以下、上記記事の各社責任者のコメントを引用致しますね。

「世界のリビング連動」

任天堂 岩田聡社長 

2008年からWiiの後継機はどうあるべきかを議論してきた。現代人は、同じ部屋に一緒にいるのに、みんなが別のことをしていることが珍しくない。そうさせたのは、私たちの携帯ゲーム機であり、スマートフォンやタブレット端末でもある。そのような状態は、未来の人間関係にとってよいわけがない。 新しい家庭用ゲーム機「WiiU」は、ほかのリビングにいる見知らぬ人とも遊べる機能を充実させた。インターネットを通じて世界中のリビングをつなぐ新しい仕組みだ。これで複数の問題を同時に解決させることができるのではないか。

任天堂らしいコンセプトだと思いますね。僕みたいなぼっちでもコンシューマーゲームのオンラインで色んな人と遊べるというのは楽しみです。wiiのオンラインゲー最高峰と思う「斬撃のレギンレイヴ」の続編とかwiiUで出してほしいなあ…。

「家庭用との共存可能」

マイクロソフト 泉水敬執行役

ソーシャルゲームと家庭用ゲームは十分に共存できる。「Xbox」も、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアと連携したサービスがあり、友人とつながる点では同じだ。新しく始める「スマートグラス」は、スマートフォンやタブレット端末をXboxに結び楽しんでもらう。ソーシャルゲームでゲーム人口が増えたのは業界として好ましい。ソーシャルゲームは携帯電話でどこでも手軽に遊べることが受けたが、深くゲームを楽しみたい人はなお家庭用ゲームに興味を持つだろう。

ソーシャルゲームと家庭用ゲームは十分共存できるというのはその通りだと思いますね。日経新聞や産経新聞が、「ゲーム業界は全てソーシャルゲーム一色に塗りつぶされる。家庭用ゲームはもうおしまいだ」みたいなトンデモ記事を紙面に載せるたびに、あまりに間違ったその記事に対して家庭用ゲーム好きとして憤りを覚えてきたので、マイクロソフトの泉水さんがちゃんと確りした現状認識をしていることに安心致しました。マイクロソフトのXboxシリーズは日本では不振でしたが、次世代Xboxは日本でも成功させて、日本のゲームも盛り上げていってほしいですね。

「ソーシャルゲームは携帯電話でどこでも手軽に遊べることが受けたが、深くゲームを楽しみたい人はなお家庭用ゲームに興味を持つだろう」

E3の任天堂カンファレンスで宮本茂さんも同じことを仰っていましたね。

E3任天堂カンファレンス第一部
http://www.nintendo.co.jp/n10/e3_2012/report/index.html
宮本茂
「じっくり遊びこんでこそ分かるゲームの楽しさは大勢の方に理解して頂けると思うのですが、そう信じて(ピクミン3を)開発しております。最近はお客さんがね、なんか、ライトゲームが主流であると言われるんですが、じっくり遊べるゲームの面白さを我々が作ることは本当にチャレンジだと思ってやっております」(会場拍手)

こういうの聞くと、流石宮本さんは、ゲーム好きの気持ちが分かっている(じっくり遊びこんでこそ分かるゲームの楽しさを理解している)と嬉しくなるのですが、マイクロソフトゲーム部門の最高責任者である泉水敬執行役もちゃんとそういったことを理解していて一安心しましたね…。

「交流の楽しさを意識」

SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント) アンドリュー・ハウス社長

ソーシャルゲームの土台が従来の携帯電話からスマートフォンに移ったことで、ゲーム専用機に見劣りしない高品質のゲームづくりが可能になってきた。ゲーム開発者も、利用者同士が交流する楽しみ方を意識したゲームをつくるようになってきた。移動時間に気軽に楽しめるかどうかなどの違いはあるが、将来的にはソーシャルゲームと家庭用ゲームは同じようなものになっていくだろう。安価だがプレイステーションらしい充実した内容のゲームを提供してゆきたい。

ええっ…。「将来的にはソーシャルゲームと家庭用ゲームは同じようなものになっていくだろう」というSCEアンドリュー社長の意見には賛成できないです…。これはハードの性能の差以前に、コンシューマゲーム好きが求めるゲームと、ソーシャルゲーム好きが求めるゲームが異なるというのがまず第一にあります。前者は、泉水敬執行役や宮本茂さんが言ったように「深く楽しめるゲーム」「じっくり遊びこんでこそ楽しさの分かるゲーム」を求めていると思いますし、後者は「シンプルな暇つぶしとしてのゲーム」を求めていると思います。また、収益の上げ方が全く違います。コンシューマーゲームは5000円前後くらいのゲームパッケージを購入して、それで全てが遊べるという仕組みですが、ソーシャルゲームは基本無料で、悪名高いガチャ課金などの課金手法でゲーム内で課金させる仕組みです。それらをいっしょくたにしてしまうのはあまりに暴論ではないかと思います…。

SCEアンドリュー社長の考え方はマイクロソフト泉水敬執行役と完全に逆の考え方ですが、僕はマイクロソフト泉水敬執行役の方が正論であると思います。「ソーシャルゲームは携帯電話でどこでも手軽に遊べることが受けたが、深くゲームを楽しみたい人はなお家庭用ゲームに興味を持つだろう」(泉水敬執行役)。マイクロソフトは北米市場やヨーロッパ市場の洋ゲーの分野においてコアユーザーをがっちり掴んでいる訳で、その点、現状認識は正確だと思いますね。SCEのPS3のユーザーは日本のコアユーザーが多い訳で、PS3のゲームもコアユーザー向けのゲームが多い。SCEがゲームの内容をソーシャルゲーム的なライトゲームに傾斜させると、そういったコアユーザーを失ってしまう、SCEにとって極めて勿体ないことになってしまうと思いますね…。

「全世界で成功を確信」

グリー 吉田大成執行役員

E3は家庭用ゲームが中心のイベント。スマートフォンのゲームにどれほど興味を持たれるか心配だったが、会場を見て間違いなく成功すると確信した。交流して遊ぶソーシャルゲームの性質は、全世界で受け入れられるはずだ。海外の利用者は一人あたりの利用額が少ないといわれるが、3月に米国で配信しヒットした「Zombie Jombie」は日本と比べても平均の利用額が劣る訳ではない。従来の携帯電話から、もっと高性能のスマートフォンに市場が移り、対応したソフト開発も必要だ。

グリーの吉田大成執行役員は「全世界で成功を確信」する前に、射幸心を煽るオンラインギャンブルと化しているソーシャルゲームの課金システムを抜本的に見直す方が先だと思いますが…。グリーの株価がナイアガラの滝のように急落し続けているのは、現状のソーシャルゲームの課金システムがあまりに反社会的であり、改善も見られないということに、社会からの反発を受けているからですし…。

僕としては、コンシューマーゲームにソーシャルゲームの課金システムを持ち込まないでほしいなと思いますね。現実のお金をゲーム内で使えば使うほどゲームプレイが有利になる、僕みたいなお金のないプレイヤーはゲームを完全に楽しむことはできないという現状のゲーム内課金のシステムには賛成できません…。任天堂、マイクロソフト、ソニーは、これまで通り、ゲームパッケージを購入することでそのゲームを完全に遊びつくせる、家庭用ゲームの良さをこれからも大切にしてほしいなと、ゲーム好きの一人として願いますね…。

また、上記の各責任者のコメントはアメリカE3でのコメントですが「ニンテンドー・イン・アメリカ」とか読むと(良い本です、海外のゲーム業界を知りたいお方々にお勧め)、アメリカのゲームというのは、ソーシャルゲームのような顔の見えない課金システムとはなじまない、もっと泥臭い人間的な世界、人間と人間の生の交流として生まれているゲーム業界としてあり、そしてこれからもそのような形であると思いますね。アメリカでは、ソーシャルゲームのような顔の見えない相手と課金競争をするという仕組みは流行らないのではないかと思います。アメリカでは生活と結びつかないソーシャルゲームのような仕組みはスポイルされるかと思います。アメリカで求められるのは、生活と結びついた楽しみとしてのゲームですから…「任天堂のゴールはゲームを通じた楽しみをあなたの生活に反映させることだ」(ニンテンドー・イン・アメリカ)

「『発売が遅れたゲーム』という評価は、いったん発売されてしまえばチャラになります。けれども『つまらないゲーム』はいつまでたってもつまらないままです」という彼(宮本茂)の発言は、今なおゲーム開発を語る際に引き合いに出される。(中略)

マイクロソフトとソニーは、任天堂とは違う。両社の狙いは、世の人々の余暇を奪いつくし、人々の生活をゲームと自社製品に捧げさせることだ。(中略)
 
任天堂も一時それを望んだ。だが、もう望んではいない。任天堂は学んだのだ。自分たちの本当の商品はハードウェアでもソフトウェアでもない。売っているのは楽しみだ。シェイプアップやぺットのしつけ、ガーデニング、音楽の演奏、ビリヤード、釣り……。任天堂のゴールはゲームを通じた楽しみをあなたの生活に反映させることだ。
(ジェフ・ライアン「ニンテンドー・イン・アメリカ」)

「マイクロソフトとソニーは、任天堂とは違う。両社の狙いは、世の人々の余暇を奪いつくし、人々の生活をゲームと自社製品に捧げさせることだ。任天堂のゴールはゲームを通じた楽しみをあなたの生活に反映させることだ」

これはまさにそれぞれのゲーム会社の基本コンセプトを明確に示していて、読んでいて分析力が凄いなと思いましたね…。グリーとかまさに「グリーの狙いは、世の人々の余暇を奪いつくし、人々の生活をソーシャルゲームと課金に捧げさせることだ」という感じですからね…。ただ、マイクロソフトのキネクトとか見ると、ここ数年のマイクロソフトはやや任天堂よりの方向性(ゲームと生活をより良い形で結びつける任天堂コンセプト。ゲームを通じた楽しみを生活に反映させる)になってきたかなと思いますね。これは良い方向性だと思いますね。

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