2012年05月23日 11:10

フリーゲーム「ちょっと魔王さらってくる。」コンプリート。とても良く出来たRPG、「魔王勇者」文化を最大限に活かしている傑作です。

時雨屋さんのフリーゲーム「ちょっと魔王さらってくる。」コンプリート(全EDクリア)。凄く良くできた良作RPG、とても楽しめました。ベクターに登録されているRPGで、まだベクターのゲームレビューがないRPGの中で一番人気の高評価でしたのでプレイしてみたら、これが素晴らしく面白い。特にシナリオとキャラクターが素晴らしかったです。これはいずれベクターのゲームレビューに取り上げられる予感…!!

ベクター「ちょっと魔王さらってくる。」
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se496205.html

時雨屋本店(作者さん公式サイト)
http://shigureyahonntenn.web.fc2.com/

本作は死んでも無限に蘇る能力を持つ少女フィリアが様々な異世界を回ってそれぞれの世界の魔王を仲間にしてゆく物語。フィリアも仲間になる魔王達もユーモラスで心優しく善良な人間(魔族)なので、明るくほのぼのとした雰囲気で物語は進みますが、フィリアがそれぞれの世界の魔王を仲間にする目的や、魔王達の過去、そしてシナリオの展開などはシリアスで重く、普段は明るい雰囲気だけど展開する物語自体は重厚であるというところが、展開のダイナミックな緩と急になっていて、凄く面白みに繋がっているんですね。登場キャラクターがユーモラスで普段の雰囲気は明るくライトコメディタッチだけど、実は重厚なシリアス展開というところ、渡辺道明さんの漫画「ハーメルンのバイオリン弾き」とか思い出します。

ウィキペディア「ハーメルンのバイオリン弾き」
『ハーメルンのバイオリン弾き』(ハーメルンのバイオリンひき)は、渡辺道明によるファンタジー漫画、およびそれを原作としたアニメ、ゲームソフトなどの派生作品。(中略)元々は読切作品だったが、人気を獲得し本格連載となった。話数カウントは“第○楽章”。北の都に住む魔王を倒すために旅を続けるというファンタジー作品であり、タイトルに見られるように随所にクラシック音楽をモチーフとして組み込んでいる。構成には、ややもすれば唐突感もあるギャグをシリアスシーンに時折挟み込む形式である。これはハードなストーリーに一息入れるものとなっている。

本作「ちょっと魔王さらってくる。」はマルチシナリオ・マルチエンディングですが、二週目以降は「強くてニューゲーム」「雑魚敵戦闘スキップ」と、二週目以降の配慮がなされているところも良いですね。また、主人公や魔王達の名前を自由に変更できるところも良かった。初回プレイは魔王ブロムの名前をゾーマに変えて、「大魔王ゾーマ様だ」の台詞がでるたびに思わずにやけちゃうというプレイを。頭の中で「ゾーマの世界=ドラクエの世界、ゾーマ=ドラクエ3の大魔王ゾーマの転生」に変換しながら楽しんでいたら初回プレイはゾーマエンドでしたね。ゾーマは元祖魔王であり魔王の中の魔王だと思うので、ゾーマエンドは感動しましたね…。

僕はファミコンのドラクエから欠かさずドラクエシリーズをプレイしていますが、勇者は初代ドラクエ1から出てきていますが、「魔王」が出てきたのは、ドラクエ3からなんですね。初代ドラクエ1は「あくのけしんりゅうおう」、ドラクエ2は「じゃきょうのしんかんハーゴン」「はかいしんシドー」が倒すべきラスボスとしての位置づけで、その頃は「魔王」は影も形もありませんでしたから…。魔王がでてきて世間で「勇者&魔王」というセットが周知されたのはドラクエ3からなんですね。ドラクエ3の「ゆうしゃロト」「まおうバラモス」「だいまおうゾーマ」によって、勇者魔王文化が生まれたと言っても過言ではないと思います。

本作はそんな現代の勇者魔王文化を上手く物語の中に取り入れている感じで、善良な魔王達とフィリアの掛け合いとか、実に楽しいです。勇者魔王文化(勇者と善良な魔王が掛け合いをする創作文化)のゲームという形態の最高峰の一つだと思いますね。勇者魔王文化の創作が好きなお方々にはぜひプレイして欲しいRPGですね。素晴らしい良作です。

最後に余談ですがキャラ的にはブロム(僕のプレイ的にはゾーマ)が一番好きでしたね。クリア後の開発室で製作者さんも語られていますが僕もこの魔王が一番可愛くて好きですね。僕としては彼の記憶は戻らない方が良いと思うんですが(転生前の自分が悪の魔王として破壊の限りを尽くしていたなんて記憶が戻ってしまうことは、心優しい彼にとって耐えられない悲劇だと思います…)、ラストが記憶探しの旅ということは、彼は、たとえそれが耐え難い記憶でも、やはり記憶が戻ることを望んでいるのかな…?余韻を残すエンドでしたね…。彼が好きというのもありまして、僕としては一番お気に入りのエンドです。

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